悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。

みあき

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 この数週間で、目覚めた時に隣に温もりが居ることが当たり前になった。愛しくて愛しくて堪らない温もりだ。隣で眠るこの世の何よりも愛しい存在を微睡みの中で抱き締める。
 陽射しを遮る分厚いカーテンによって閉じられている部屋では、朝日が既に昇っているのかどうかが分からない。けど、惰眠をむさぼると予め執事に伝えている今日は、時間なんてものを気にする必要はない。
 全身で素肌が触れ合って、優しい気持ちよさに包まれる。もうしばらくはこの心地よさにただ浸っていたい。
 とは言っても、腕の中の愛しい温もりの顔はやっぱり見たい。
 昨夜はとうとうアルグと身体を繋げた。快感にとろけるアルグは最高に可愛くて、俺も最高に気持ちよかった。
 ただやっぱり懸念していた通り、俺よりアルグの方が体力があるようだった。昨夜はもしかしたらアルグは本当は物足りなかったかもしれない。
 このために俺も鍛えてきたが、長年剣術で鍛えてきたアルグには及ばなかったようだ。アルグが満足出来るまで応えれるように、まだまだ鍛える必要があるな。
「ん・・・らぷすさま?」
「おはよう、アルグ。身体は辛くないか?」
「あ・・・はい、大丈夫だと思います」
「ならよかった」
「はい。あの、ラプス様がしっかり、その、色々と、丁寧にしてくださったので、痛みとかは全くなかったです」
 暗がりで、アルグの顔をなんとなくでしか捉えられないのが口惜しい。絶対に今、アルグは可愛い顔をしている。
 アルグは顔が見たい。というか、全てを見たい。
「カーテンを開けてくる。外は明るくなっているかもしれない」
「あっ・・・」
 起き上がってベッドから出て、部屋のカーテンを開けていく。寝起きの状態が常にそうだからか、最近は室内を裸で歩き回ることにも慣れてきた。
 部屋に光が射し込み、絨毯の模様もよく見えるようになる。
 振り返って、ベッドのアルグを見ると、頬を微かに染めて欲が滲んだ表情をしている。こうやって肌を晒したまま動いていると、アルグの欲情を誘えるから堪らない。
「これでアルグの顔がよく見える」
「ラプス様、早くこっちに」
 アルグが毛布を広げ、俺に早くベッドに戻るよう焦れる。露わになったアルグの肌には、無数に口付けの痕が残っていて、昨夜の情事がありありと思い起こされ、更に興奮が沸き立つ。
 ベッドに足を踏み入れれば、すぐにアルグに腕を引かれ、抱き込まれる。
「アルグ?」
「離れちゃ嫌です」
「同じ部屋にいたぞ?」
「嫌です。今日はずっとこうして触れていてほしいです」
「嗚呼、可愛い」
 なんて可愛いんだ。やっぱりカーテンを開けたのは正解だったな。可愛いアルグの顔が、全てがよく見える。
 アルグの額や頬、鼻に瞼にとあちこちに口付けを贈り、最後に深いキスをする。与えられるものをもっとと強請るようにアルグの手が、腕が、声が、脚が、唇が、舌が応えてくる。
「今日はベッドから離れられそうにないな」
「今日くらいいいんじゃないですか?」
「そうだな。アルグ、もっと」
「ラプス様も」
 お互いに溢れてくる欲動に素直に従い、全身で絡み合って、時間も気にせず、再び二人でベッドに沈んでいった。

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