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15.絶対的性的関係
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唖然とする朝倉を押しのけて、カレンは蜜子に駆け寄った。
抱き起こして膝までずり落ちたパンティを履かせようとするが、うまくいかない。
蜜子のエレクトが治まらないのだ。
「カレンさん。なんてことを」理事長のアキラは溜息をついた。
「いいんだ、姉さん。カレンさん、困った事をしてくれましたね」洋介は院長らしい威厳を取り戻していた。
蜜子をいじるアキラの手つきを眺めていた時の惚けた眼差しではなかった。
カレンはハッと我に返った。
「申し訳ありません。ゲームを台無しにしてしまって。でもあんまり蜜子さんが可哀想で」
「カレンさん。これはただのゲームではないんですよ。お分かり頂けなかったとは残念です」
「え?」カレンは小首をかしげた。
「このクリニックには性的な問題を抱えた方達が訪れる。そう申し上げたはずですよね。最新の設備、行き届いたサービスはステージに過ぎないんです。そのステージで我々がしなくちゃならないのはゲストの方々を人生の幸福に導くこと、生きていて良かったと思って頂く事なんですよ」
「は、はい。でもそれとこれとは…」カレンには納得出来ない。
洋介は続けた。
「海風クリニックでは斬新で進歩的な療法を行ってます。この事も姉さんはお話しましたよね?」
「え、ええ。はい」
「その効果は今のところ抜群です。それはスタッフが一致協力しゲストの悩みに親身になって向き合っているからなんです。何故そんな事が可能かわかりますか?」
「いえ。私にはまだよく…」
「我々自身もまた性的な問題を抱えているからなんですよ。そしてお互いに日常的にケアし合ってるからなんです。ゲストに対する同じ認識、同じ苦労を経験する事によって絶対的な信頼関係が生まれるんです。性的な問題を解決する為の、絶対的性的関係と我々は呼んでいます」
理事長のアキラは指先についたティラミスを舐めながら、何度も小さくうなずいていた。
カレンは何か大変なミスを犯してしまったような気持ちになった。
抱き起こして膝までずり落ちたパンティを履かせようとするが、うまくいかない。
蜜子のエレクトが治まらないのだ。
「カレンさん。なんてことを」理事長のアキラは溜息をついた。
「いいんだ、姉さん。カレンさん、困った事をしてくれましたね」洋介は院長らしい威厳を取り戻していた。
蜜子をいじるアキラの手つきを眺めていた時の惚けた眼差しではなかった。
カレンはハッと我に返った。
「申し訳ありません。ゲームを台無しにしてしまって。でもあんまり蜜子さんが可哀想で」
「カレンさん。これはただのゲームではないんですよ。お分かり頂けなかったとは残念です」
「え?」カレンは小首をかしげた。
「このクリニックには性的な問題を抱えた方達が訪れる。そう申し上げたはずですよね。最新の設備、行き届いたサービスはステージに過ぎないんです。そのステージで我々がしなくちゃならないのはゲストの方々を人生の幸福に導くこと、生きていて良かったと思って頂く事なんですよ」
「は、はい。でもそれとこれとは…」カレンには納得出来ない。
洋介は続けた。
「海風クリニックでは斬新で進歩的な療法を行ってます。この事も姉さんはお話しましたよね?」
「え、ええ。はい」
「その効果は今のところ抜群です。それはスタッフが一致協力しゲストの悩みに親身になって向き合っているからなんです。何故そんな事が可能かわかりますか?」
「いえ。私にはまだよく…」
「我々自身もまた性的な問題を抱えているからなんですよ。そしてお互いに日常的にケアし合ってるからなんです。ゲストに対する同じ認識、同じ苦労を経験する事によって絶対的な信頼関係が生まれるんです。性的な問題を解決する為の、絶対的性的関係と我々は呼んでいます」
理事長のアキラは指先についたティラミスを舐めながら、何度も小さくうなずいていた。
カレンは何か大変なミスを犯してしまったような気持ちになった。
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