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16.心を脱がせて
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「カレンさん。私達には責任があるの。ここには全財産を投げ打っていらっしゃる方々もいるの。それくらい費用が掛かる。でもそれは費用に見合った成果を得られるからなの。人はみんな心に闇を抱えているわ。その闇を理解し、闇を共有する事によって光りを与えてあげられるチャンスがあるの。闇を遠ざけ、後ろめたい気持ちで生きるのではなく、闇を光りに変えて誇りを持って生きる。そのチャンスね。ただ同情するだけなら誰でも出来る。その手助けをしてあげる事がプロとしての仕事。それが私達のポリシーなのよ。ここではゲストもスタッフもないわ。そんな垣根は取り払う事ね。でないとゲストと一体にはなれない」
「つまり…」
「そうよ。カレンさん。これはグループセラピーの前哨戦なのよ。前哨戦であり延長でもある。いいえ、それよりもっと進んだ画期的な療法と言えるわ。実際の性的体験を通して、似たような症状の人達と関わる事。私達は常に案内役であり、と同時にケアを必要とする患者でもあるの。このゲームは訓練のひとつ。そしてスタッフが抱える問題をも解決しようという試みなのよ。スタッフはこの場で得た経験と知識をゲストに応用していくわけ。ケースバイケースだけど、基本的にはゲストにも同じ体験をして頂くのよ」
カレンはもう一度蜜子を見やった。
「蜜子さんも問題を…」
言いかけてカレンは口をつぐんだ。女装のアイドル蜜子は実は男性であり、股間にはカウパー腺液にまみれた生白いコックが屹立している。
「でもちょっと性急に事を運び過ぎたようね。あなたを少し過大評価していたみたいだわ」アキラは失望の色をにじませた。
「姉さん、いや理事長。待って下さい」洋介がそれをさえぎった。
「カレンさん。心の問題の多くは性的な要因によるところが大きい。今までのやり方では、時間も足りないし余りにも本人任せの部分が多いのです。でも実際はどうですか。自分の痛い所を自分で突つくのは誰だって躊躇するでしょう?それが現実なんです。どんな人間だって闇はあるんです。自覚しているかいないか、それだけの違いなんです。自分は性的倒錯者だと決めつけ人生の大半を罪悪感に苛まれて過ごすなんて、全く馬鹿げた事とは思いませんか」
「その通りだと思います」カレンは静かに答えた。
カレンもまた奇妙な夢と共生している。夢はカレンの闇の一部かも知れなかった。
「ではカレンさん、もうあなたは海風クリニックの立派な一員だ。あなたもまさか高額な報酬の為だけにここに来たわけではないでしょう」
「それは侮辱です。私にも職業人としてのプライドはあるつもりです」カレンはキッと院長を睨み返した。
「そうですね。それなら職務を果たして頂こう。セラピーの続きを行って下さい。ゲームはまだ終わっていませんからね。蜜子さん、良いですね?」
「はい。院長先生」蜜子は涙を拭いた。
「カレンさん。蜜子ちゃんの、彼女の闇を解放してあげて。毎日少しずつになると思うけど。言葉では簡単だけど闇を共有するというのは生半可な事ではないわ。服を脱がせるのはたやすいけれど、心まで脱がせるのは難しいのよ」
理事長のアキラは穏やかな口調で付け加えた。
心まで脱がすのは難しい…
それは西風に揺れる風鈴のような優しさでカレンの胸に響いた。
「わかりました。理事長さん」
カレンは再び蜜子のそばにしゃがんだ。
「ごめんなさいね。蜜子ちゃん。私が悪かったわ。何もわかってなくて」
蜜子はひしとカレンに抱きついた。
カレンは優しく蜜子の頭を撫でた。
それからバッグからウェットティシューを取り出して、蜜子の汚れたコックを拭き始めた。
「あ…」
「蜜子ちゃん。じっとしていて」
カレンは蜜子の勃起に手を添えて、包皮を後ろにめくった。
ウェットティシューの先で亀頭をこするカレン。
蜜子がゆっくり固さを取り戻してゆく。
「大きいわね。蜜子ちゃんの。素敵よ…」
「カレンさん…」
カレンは蜜子の唇にキスをした。カレンが舌を差し込むと、蜜子はむさぼるようにカレンの舌を強く吸い返してきた。
「甘いわ。蜜子ちゃんのキス。とっても」
「ありがとう。カレンさん」
「心を脱いでね。蜜子ちゃん…」
カレンは蜜子のコックを握りしめた。
「つまり…」
「そうよ。カレンさん。これはグループセラピーの前哨戦なのよ。前哨戦であり延長でもある。いいえ、それよりもっと進んだ画期的な療法と言えるわ。実際の性的体験を通して、似たような症状の人達と関わる事。私達は常に案内役であり、と同時にケアを必要とする患者でもあるの。このゲームは訓練のひとつ。そしてスタッフが抱える問題をも解決しようという試みなのよ。スタッフはこの場で得た経験と知識をゲストに応用していくわけ。ケースバイケースだけど、基本的にはゲストにも同じ体験をして頂くのよ」
カレンはもう一度蜜子を見やった。
「蜜子さんも問題を…」
言いかけてカレンは口をつぐんだ。女装のアイドル蜜子は実は男性であり、股間にはカウパー腺液にまみれた生白いコックが屹立している。
「でもちょっと性急に事を運び過ぎたようね。あなたを少し過大評価していたみたいだわ」アキラは失望の色をにじませた。
「姉さん、いや理事長。待って下さい」洋介がそれをさえぎった。
「カレンさん。心の問題の多くは性的な要因によるところが大きい。今までのやり方では、時間も足りないし余りにも本人任せの部分が多いのです。でも実際はどうですか。自分の痛い所を自分で突つくのは誰だって躊躇するでしょう?それが現実なんです。どんな人間だって闇はあるんです。自覚しているかいないか、それだけの違いなんです。自分は性的倒錯者だと決めつけ人生の大半を罪悪感に苛まれて過ごすなんて、全く馬鹿げた事とは思いませんか」
「その通りだと思います」カレンは静かに答えた。
カレンもまた奇妙な夢と共生している。夢はカレンの闇の一部かも知れなかった。
「ではカレンさん、もうあなたは海風クリニックの立派な一員だ。あなたもまさか高額な報酬の為だけにここに来たわけではないでしょう」
「それは侮辱です。私にも職業人としてのプライドはあるつもりです」カレンはキッと院長を睨み返した。
「そうですね。それなら職務を果たして頂こう。セラピーの続きを行って下さい。ゲームはまだ終わっていませんからね。蜜子さん、良いですね?」
「はい。院長先生」蜜子は涙を拭いた。
「カレンさん。蜜子ちゃんの、彼女の闇を解放してあげて。毎日少しずつになると思うけど。言葉では簡単だけど闇を共有するというのは生半可な事ではないわ。服を脱がせるのはたやすいけれど、心まで脱がせるのは難しいのよ」
理事長のアキラは穏やかな口調で付け加えた。
心まで脱がすのは難しい…
それは西風に揺れる風鈴のような優しさでカレンの胸に響いた。
「わかりました。理事長さん」
カレンは再び蜜子のそばにしゃがんだ。
「ごめんなさいね。蜜子ちゃん。私が悪かったわ。何もわかってなくて」
蜜子はひしとカレンに抱きついた。
カレンは優しく蜜子の頭を撫でた。
それからバッグからウェットティシューを取り出して、蜜子の汚れたコックを拭き始めた。
「あ…」
「蜜子ちゃん。じっとしていて」
カレンは蜜子の勃起に手を添えて、包皮を後ろにめくった。
ウェットティシューの先で亀頭をこするカレン。
蜜子がゆっくり固さを取り戻してゆく。
「大きいわね。蜜子ちゃんの。素敵よ…」
「カレンさん…」
カレンは蜜子の唇にキスをした。カレンが舌を差し込むと、蜜子はむさぼるようにカレンの舌を強く吸い返してきた。
「甘いわ。蜜子ちゃんのキス。とっても」
「ありがとう。カレンさん」
「心を脱いでね。蜜子ちゃん…」
カレンは蜜子のコックを握りしめた。
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