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49、透明ボディースーツ"ヘルター・透けルター"
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僕は目を疑った。
「天馬さんは… 彼はいつから女になったの!?」
レイチェルは首を静かに横に振る。それってどーゆー意味?
どこか外国でその手の手術をしてきたというのか。
__そんな馬鹿な!いや、馬鹿だと言い切れるのか…
混乱の極み。何が何だかさっぱりわからない。
__そうだ!救急車だ!心臓が止まってるんだ!救急車を呼ばなくちゃなんない!!
「鈴菜。彼はアンドロイドなんだ」
「へっ?」
ポカンとしている僕をよそに、レイチェルは手を伸ばして天馬さんの乳首を長押しした。
すると、寝ている(死んでいる?)天馬さんの顔面がパカンと割れて中から別の顔が現れた。
「ゲッ!?」
それはレイチェルだった。
僕はもう失禁寸前だった。てゆーか、ちょびっと漏らした。
まるで悪夢を見てるようだった。
何か言おうとする僕の口をレイチェルはさえぎった。
そして二つのオッパイを掴むと今度は自分の胸を両側にグイと引っ張った。
レイチェルの首の下からヘソの上まで身体がビリッと真っ二つに裂けた。
「うひゃひゃひゃひゃ~!」
何だかとても愉快な気分になってきた。
たぶん精神のリミッターが吹っ切れてしまったのだろう。
次は何が飛び出すのか。デッカい牙か?ギザギザで何百本も生えた鋭い牙がガチャガチャ歯を鳴らすんだ。
そして恐怖にすくんだ僕をズタズタに引き裂くんだ。
痛いだろうな。怖いだろうな…
裂けたレイチェルの顎の下からもう一つの顎がニュッと出てきた。
「あー、キツかった!」
素っ裸で汗だくの男。あーこいつはよく知ってる。
僕の兄、天馬さんだ。
一瞬正気に戻り、僕は横たわっている天馬さんだった今はレイチェルを見下ろした。何だかややこしいな。
「どうゆーこと?」
「そうゆーことだ」
レイチェルだった天馬さんの肩から、レイチェルの抜け殻みたいなのが床にベタンと脱げ落ちた。
「精巧なボディースーツだ。アンドロイドを作製してる途中で思いついた」
突如、もの凄い脱力感に襲われて僕はブっ倒れそーになった。
「おい!大丈夫か!」
「…鈴菜。しっかりしろ」
気がつくと天馬さんに抱きかかえられていた。
「さ、座って」
天馬さんはクーラーボックスからピルクルを取り出してコップに注いだ。
「飲め」
僕はグビグビ飲み干して大きなゲップを一つした。
「あ、ごめん」
「別にいいさ」
天馬さんは真っ裸のまんまだ。
「ピラフを作ってくれたのは天馬さん?」
「そうだ」
「どこで入れ替わったの?」
「最初っからだ」
「始めから天馬さんがレイチェルで、レイチェルが天馬さんだったの?」
「ご明察」
「その床に脱げてるのはレイチェルの着ぐるみって事?」
「その通り」
「寝てるレイチェルは天馬さんの着ぐるみを着てたわけだ」
「ピンポ~ン!」
「レイチェルがアンドロイドってのは?」
「本当だ」
「これ、ナンカ意味があるの?」
「これって?」
「この手の込んだ一連のドッキリカメラみたいな出来事だよ」
「いやー、大した意味はない。言ってみれば実験かな」
「ふーん。実験ね。凄い技術だね」
「有難う」
「…敢えて聞くけど」
僕は恐る恐る尋ねた。
「どうぞどーぞ」
「天馬さんのソコにぶら下がってるのは本物なの?着ぐるみとかハリボテじゃなくって?」
僕は天馬さんの股ぐらを指差した。
「リアル天馬だ」
「つまり、それは…」
「鈴菜。お前が先程しゃぶったのは俺のチンポだ」
「まじか…」
「まじだ」
「出てきた精液も?」
「残念ながらピルクルではない。リアル天馬だ。結構多かったろ。溜まってたからな」
「そーゆーオチかあ」
「気持ちかったぞ。グッジョブ!」
「天馬さん…」
「なんだ、弟よ」
「僕はまったく理解できないよ」
「不条理だよなー、世の中は。自分の思い通りにならない事も多い」
「いや、そういう事じゃなくって」
「まあ、そんなにクヨクヨするな。こう考えたらどーだ?人生には潤いが必要だ。お前はちょっとユーモアのセンスに欠ける。もう少しドーンと構えてイヤな事は笑い飛ばしてしまえ」
「まだ天馬さんの味がするよ」
「精液の主成分は精しょうと精子だ。精しょうは80%が水分でタンパク質の他に糖分である果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)、さらに亜鉛、カルシウム、ビタミンCなどの栄養素が含まれている。飲んでも害はない。安心しろ」
「害があったら訴えますよ」
「ビョーキもないからな。保証する」
「心がビョーキなんじゃないですか?」
「言っていい事と悪い事がある。まっ、今回は大目に見よう」
「はぁ…」
「どした、元気出せ!」
「僕はもうあなたの弟でいる自信がない」
「天才科学者を兄に持つとプレッシャーだよな」
何を言っても無駄だ。僕は諦めた。
「毎回こんな目に遭って。テイラー・スィフトのチケットくらいじゃ割りに合わない」
「"シカゴ・ファイア"の最新DVDを付けるか?」
「結構です」
「大谷翔平のサインボールとか?」
「え?そんなのあるの?でも、いりません!」
「そうだ、この変幻自在のボディスーツなんだが…」
「売った方がいいですよ。億万長者になれる」
「実はな、まだ試作段階なんだが、透明ボディースーツを考案したのだ」
「ン?」
「フフ…」
「透明になれるとか?」
「女湯も覗き放題だ。好きな女の子のトイレも覗ける」
「まさか!」
「やっとその気になったか」
「あ!どーせ、満員電車の中で丸裸に戻っちゃうとかそうゆーんでしょ?やめたやめた!また引っ掛かるとこだった。あれ?…天馬さん?」
「フフフ…」
声はすれども姿は見えず。
「透明ボディースーツ!ヘルター・透けルターだ!」
「協力しまーす!!」
「天馬さんは… 彼はいつから女になったの!?」
レイチェルは首を静かに横に振る。それってどーゆー意味?
どこか外国でその手の手術をしてきたというのか。
__そんな馬鹿な!いや、馬鹿だと言い切れるのか…
混乱の極み。何が何だかさっぱりわからない。
__そうだ!救急車だ!心臓が止まってるんだ!救急車を呼ばなくちゃなんない!!
「鈴菜。彼はアンドロイドなんだ」
「へっ?」
ポカンとしている僕をよそに、レイチェルは手を伸ばして天馬さんの乳首を長押しした。
すると、寝ている(死んでいる?)天馬さんの顔面がパカンと割れて中から別の顔が現れた。
「ゲッ!?」
それはレイチェルだった。
僕はもう失禁寸前だった。てゆーか、ちょびっと漏らした。
まるで悪夢を見てるようだった。
何か言おうとする僕の口をレイチェルはさえぎった。
そして二つのオッパイを掴むと今度は自分の胸を両側にグイと引っ張った。
レイチェルの首の下からヘソの上まで身体がビリッと真っ二つに裂けた。
「うひゃひゃひゃひゃ~!」
何だかとても愉快な気分になってきた。
たぶん精神のリミッターが吹っ切れてしまったのだろう。
次は何が飛び出すのか。デッカい牙か?ギザギザで何百本も生えた鋭い牙がガチャガチャ歯を鳴らすんだ。
そして恐怖にすくんだ僕をズタズタに引き裂くんだ。
痛いだろうな。怖いだろうな…
裂けたレイチェルの顎の下からもう一つの顎がニュッと出てきた。
「あー、キツかった!」
素っ裸で汗だくの男。あーこいつはよく知ってる。
僕の兄、天馬さんだ。
一瞬正気に戻り、僕は横たわっている天馬さんだった今はレイチェルを見下ろした。何だかややこしいな。
「どうゆーこと?」
「そうゆーことだ」
レイチェルだった天馬さんの肩から、レイチェルの抜け殻みたいなのが床にベタンと脱げ落ちた。
「精巧なボディースーツだ。アンドロイドを作製してる途中で思いついた」
突如、もの凄い脱力感に襲われて僕はブっ倒れそーになった。
「おい!大丈夫か!」
「…鈴菜。しっかりしろ」
気がつくと天馬さんに抱きかかえられていた。
「さ、座って」
天馬さんはクーラーボックスからピルクルを取り出してコップに注いだ。
「飲め」
僕はグビグビ飲み干して大きなゲップを一つした。
「あ、ごめん」
「別にいいさ」
天馬さんは真っ裸のまんまだ。
「ピラフを作ってくれたのは天馬さん?」
「そうだ」
「どこで入れ替わったの?」
「最初っからだ」
「始めから天馬さんがレイチェルで、レイチェルが天馬さんだったの?」
「ご明察」
「その床に脱げてるのはレイチェルの着ぐるみって事?」
「その通り」
「寝てるレイチェルは天馬さんの着ぐるみを着てたわけだ」
「ピンポ~ン!」
「レイチェルがアンドロイドってのは?」
「本当だ」
「これ、ナンカ意味があるの?」
「これって?」
「この手の込んだ一連のドッキリカメラみたいな出来事だよ」
「いやー、大した意味はない。言ってみれば実験かな」
「ふーん。実験ね。凄い技術だね」
「有難う」
「…敢えて聞くけど」
僕は恐る恐る尋ねた。
「どうぞどーぞ」
「天馬さんのソコにぶら下がってるのは本物なの?着ぐるみとかハリボテじゃなくって?」
僕は天馬さんの股ぐらを指差した。
「リアル天馬だ」
「つまり、それは…」
「鈴菜。お前が先程しゃぶったのは俺のチンポだ」
「まじか…」
「まじだ」
「出てきた精液も?」
「残念ながらピルクルではない。リアル天馬だ。結構多かったろ。溜まってたからな」
「そーゆーオチかあ」
「気持ちかったぞ。グッジョブ!」
「天馬さん…」
「なんだ、弟よ」
「僕はまったく理解できないよ」
「不条理だよなー、世の中は。自分の思い通りにならない事も多い」
「いや、そういう事じゃなくって」
「まあ、そんなにクヨクヨするな。こう考えたらどーだ?人生には潤いが必要だ。お前はちょっとユーモアのセンスに欠ける。もう少しドーンと構えてイヤな事は笑い飛ばしてしまえ」
「まだ天馬さんの味がするよ」
「精液の主成分は精しょうと精子だ。精しょうは80%が水分でタンパク質の他に糖分である果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)、さらに亜鉛、カルシウム、ビタミンCなどの栄養素が含まれている。飲んでも害はない。安心しろ」
「害があったら訴えますよ」
「ビョーキもないからな。保証する」
「心がビョーキなんじゃないですか?」
「言っていい事と悪い事がある。まっ、今回は大目に見よう」
「はぁ…」
「どした、元気出せ!」
「僕はもうあなたの弟でいる自信がない」
「天才科学者を兄に持つとプレッシャーだよな」
何を言っても無駄だ。僕は諦めた。
「毎回こんな目に遭って。テイラー・スィフトのチケットくらいじゃ割りに合わない」
「"シカゴ・ファイア"の最新DVDを付けるか?」
「結構です」
「大谷翔平のサインボールとか?」
「え?そんなのあるの?でも、いりません!」
「そうだ、この変幻自在のボディスーツなんだが…」
「売った方がいいですよ。億万長者になれる」
「実はな、まだ試作段階なんだが、透明ボディースーツを考案したのだ」
「ン?」
「フフ…」
「透明になれるとか?」
「女湯も覗き放題だ。好きな女の子のトイレも覗ける」
「まさか!」
「やっとその気になったか」
「あ!どーせ、満員電車の中で丸裸に戻っちゃうとかそうゆーんでしょ?やめたやめた!また引っ掛かるとこだった。あれ?…天馬さん?」
「フフフ…」
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「協力しまーす!!」
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