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50、ギュ〜〜っと押しピュ〜〜っと出てきた液体
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庭先に停めたポンコツのレンジローバーに僕達は荷物を運んだ。天馬さんが言うにはポンコツではなくクラシックだそうだ。
天気は良く、真夏の陽射しがジリジリと照りつける。
「もっとイイ車買えばいいのに」
「化石燃料エンジンに良いも悪いもない」
「じゃ、電気自動車にしたら?」
「カッコ悪いからヤダね」
「わがままだなー。偏屈てゆーか」
「孤高の天才だ」
「教授。全部積み込みました!」
たっぷり充電を終えたレイチェルがニッコリ笑った。
母のお古のワンピースを着てご満悦。
ノースリーブに白地に青の水玉模様が涼しげだ。
身長が高いのでミニスカートみたくなっちゃってるけどとても似合ってる。
「おばさん。冷蔵庫に山ほどシュウマイ入れといたからゆっくり食べて下さい。崎陽軒のやつですよ」
「お母さんでいいのよ。天馬ちゃん。気を遣わなくて良いから、いつでもいらっしゃい」
「ええ。ありがとう」
「それはこっちのセリフよ。いつも鈴菜がお世話になっちゃって本当ありがとう」
「ナンの世話だか」
「鈴菜!あんたもお礼言っときなさい」
「冗談じゃない。毎回毎回迷惑千万な…」
「どの口が言ってるの?」
母が僕の頬っぺたを思いきりつねる。
「イッテテテテ…!」
レイチェルが真似をして反対側から口を引っ張る。
「イッタタタタター!!」
「力の加減をしろよ!」
「鈴菜。じゃ行くわ。バージョンアップしたニューエイジ2"インターセプター"は使いながら覚えてってくれ」
「そんな無責任な!」
「スマホとおんなじだ。一応マニュアルは置いておくから暇な時に読めよ」
「何ページくらいあんの?」
「ブリタニカ百科事典くらいだ」
「一冊?二冊?」
「全30巻だ」
「邪魔だから持って帰ってくれ!てゆーか、データで送ってくれりゃイイじゃんか!」
「やっぱり書籍は紙だろ?紙の匂い。紙の手触り。情緒があって良い」
「燃えるゴミで出しちゃうからな!」
母がまた僕の頬っぺたをつねる。
「イッテテテテ…!」
レイチェルが真似して反対側から口を引っ張る。
「イッタタタタター!!」
「やめんかッ!!」
ブロロロロ…!
オンボロ車が走り去る。
真っ黒な排気ガスを撒き散らして。
「お昼はそう麺でいい?鈴菜」
「うん!」
僕は部屋に戻り、うず高く積み上げられたマニュアルを眺めてウンザリした。
__レイチェルの股間にケーブルを差し込み、二つの乳首が赤く点滅し始めたのを確認しながら天馬さんは言った。
__「インターセプター」の最大の特徴は行動範囲を広げた事だ。ニューエイジのマップ上で特定の地域や場所に瞬時に移動できる。羅衣夢(ライム)と同期する事で実際に存在する場所へ行く事も可能だ。
__今一つ地味だなあ。もっと空を飛ぶとか。全身が炎になるとか?腕がロケットランチャーになったりしないの?
__そーゆのが希望なのか?チンチンをキングコブラに変えるくらいは朝メシ前だが?
レイチェルのクリトリスを取り外し天井の灯りに翳して見る天馬さん。
__ハウスダストでも詰まっちゃったのかなぁ… タイプCのコネクターじゃあ保たないわけ?不便だな~統一規格って。
__タイムリープとか出来ないの?いっけえええええええええ!!みたいな?
__ショートカットで1シーケンス前の頭に戻る機能なら付いてるぞ。
__好きなポイントに戻ったり先に進んだりは?
__仮想現実でそこまでする必要性ないだろ?そもそも自分の好きなように展開可能なんだから。失敗したら何度でもやり直せばいい。時間を巻き戻したり早送りしても自分自身が変わらなくちゃ意味がないじゃないか。
__なんか、イイ事言っちゃってる?
天馬さんはレイチェルの頭頂部を開いて中の前頭葉をスプーンでほじって食べ始めた。
__何やってるの!!天馬さん!!
__プリンを隠してあったのだ。お前も食うか?
__レクター博士か!!!
__あとは、視点共有システムを導入した事くらいかな。テレイグジスタンスの領域だ。相互間の視点交換が出来るようになった。元々は潜在感性の喚起が目的だったんだが。簡単に言うと互いが見てるものを交換する装置さ。俺の視点がお前の視点になり、お前の視点が俺の視点になる。アイデンティティの崩壊を招く恐れがあるから気をつけろ!!
__気をつけろって言われてもなあ。
__あくまでも視点が変わるだけだ。意思を変える事は出来ない。行動を変えるのも無理だ。禁止事項が多くて申し訳ないが、仮想空間の秩序が喪失してしまうからな。
天馬さんはレイチェルのオッパイをギュ~~っと押し、ピュ~~っと出てきた液体をゴクゴク飲んだ。
現実の秩序はとっくに喪失しちまってるってゆーのに。
__心配すんな。ピルクルだ。
__あんたが心配だよ!!
天気は良く、真夏の陽射しがジリジリと照りつける。
「もっとイイ車買えばいいのに」
「化石燃料エンジンに良いも悪いもない」
「じゃ、電気自動車にしたら?」
「カッコ悪いからヤダね」
「わがままだなー。偏屈てゆーか」
「孤高の天才だ」
「教授。全部積み込みました!」
たっぷり充電を終えたレイチェルがニッコリ笑った。
母のお古のワンピースを着てご満悦。
ノースリーブに白地に青の水玉模様が涼しげだ。
身長が高いのでミニスカートみたくなっちゃってるけどとても似合ってる。
「おばさん。冷蔵庫に山ほどシュウマイ入れといたからゆっくり食べて下さい。崎陽軒のやつですよ」
「お母さんでいいのよ。天馬ちゃん。気を遣わなくて良いから、いつでもいらっしゃい」
「ええ。ありがとう」
「それはこっちのセリフよ。いつも鈴菜がお世話になっちゃって本当ありがとう」
「ナンの世話だか」
「鈴菜!あんたもお礼言っときなさい」
「冗談じゃない。毎回毎回迷惑千万な…」
「どの口が言ってるの?」
母が僕の頬っぺたを思いきりつねる。
「イッテテテテ…!」
レイチェルが真似をして反対側から口を引っ張る。
「イッタタタタター!!」
「力の加減をしろよ!」
「鈴菜。じゃ行くわ。バージョンアップしたニューエイジ2"インターセプター"は使いながら覚えてってくれ」
「そんな無責任な!」
「スマホとおんなじだ。一応マニュアルは置いておくから暇な時に読めよ」
「何ページくらいあんの?」
「ブリタニカ百科事典くらいだ」
「一冊?二冊?」
「全30巻だ」
「邪魔だから持って帰ってくれ!てゆーか、データで送ってくれりゃイイじゃんか!」
「やっぱり書籍は紙だろ?紙の匂い。紙の手触り。情緒があって良い」
「燃えるゴミで出しちゃうからな!」
母がまた僕の頬っぺたをつねる。
「イッテテテテ…!」
レイチェルが真似して反対側から口を引っ張る。
「イッタタタタター!!」
「やめんかッ!!」
ブロロロロ…!
オンボロ車が走り去る。
真っ黒な排気ガスを撒き散らして。
「お昼はそう麺でいい?鈴菜」
「うん!」
僕は部屋に戻り、うず高く積み上げられたマニュアルを眺めてウンザリした。
__レイチェルの股間にケーブルを差し込み、二つの乳首が赤く点滅し始めたのを確認しながら天馬さんは言った。
__「インターセプター」の最大の特徴は行動範囲を広げた事だ。ニューエイジのマップ上で特定の地域や場所に瞬時に移動できる。羅衣夢(ライム)と同期する事で実際に存在する場所へ行く事も可能だ。
__今一つ地味だなあ。もっと空を飛ぶとか。全身が炎になるとか?腕がロケットランチャーになったりしないの?
__そーゆのが希望なのか?チンチンをキングコブラに変えるくらいは朝メシ前だが?
レイチェルのクリトリスを取り外し天井の灯りに翳して見る天馬さん。
__ハウスダストでも詰まっちゃったのかなぁ… タイプCのコネクターじゃあ保たないわけ?不便だな~統一規格って。
__タイムリープとか出来ないの?いっけえええええええええ!!みたいな?
__ショートカットで1シーケンス前の頭に戻る機能なら付いてるぞ。
__好きなポイントに戻ったり先に進んだりは?
__仮想現実でそこまでする必要性ないだろ?そもそも自分の好きなように展開可能なんだから。失敗したら何度でもやり直せばいい。時間を巻き戻したり早送りしても自分自身が変わらなくちゃ意味がないじゃないか。
__なんか、イイ事言っちゃってる?
天馬さんはレイチェルの頭頂部を開いて中の前頭葉をスプーンでほじって食べ始めた。
__何やってるの!!天馬さん!!
__プリンを隠してあったのだ。お前も食うか?
__レクター博士か!!!
__あとは、視点共有システムを導入した事くらいかな。テレイグジスタンスの領域だ。相互間の視点交換が出来るようになった。元々は潜在感性の喚起が目的だったんだが。簡単に言うと互いが見てるものを交換する装置さ。俺の視点がお前の視点になり、お前の視点が俺の視点になる。アイデンティティの崩壊を招く恐れがあるから気をつけろ!!
__気をつけろって言われてもなあ。
__あくまでも視点が変わるだけだ。意思を変える事は出来ない。行動を変えるのも無理だ。禁止事項が多くて申し訳ないが、仮想空間の秩序が喪失してしまうからな。
天馬さんはレイチェルのオッパイをギュ~~っと押し、ピュ~~っと出てきた液体をゴクゴク飲んだ。
現実の秩序はとっくに喪失しちまってるってゆーのに。
__心配すんな。ピルクルだ。
__あんたが心配だよ!!
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