強制結婚させられた相手がすきすぎる

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秋葉と宗介

宗介と零

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「ほら美桜、りおくんだよ」
宗介は実家に顔を出すついでに、花嶺家を訪れた。
いるかわからないのでダメ元だったが、零は専業主婦なので、ほとんどの時間を家で過ごしている。
「ふふ、りおは恥ずかしがり屋さんだもんね」
さ、入って入って~
と零に招かれ、宗介は美桜のちいさい靴を脱がせる。
りおはままに抱っこされながら、お行儀よく靴を揃える美桜を眺めている。
「すいません突然お邪魔しちゃって。
これ、よかったら食べてください」
宗介は今朝焼いたアップルパイを渡す。
美桜が産まれるまでは全くやったことがなかった料理やお菓子作りも、母親に叩き込まれて今じゃなんでも作れるようになった。
「わ!美味しそ~、ありがとね」
零がりおを置き、もらったアップルパイを冷蔵庫に入れる。
「ま゛っ!!まあ~!!!!」
覚えていない人を前に顔を顰めてままを呼ぶりお。
「はは、りおくんかわい~」
宗介に抱っこされ、不服そうな表情をするが、ほんのり香る母乳の匂いで人見知りが発動することはなかった。
「え?りお抱っこされても平気なの?」
零が戻ると、いつもはギャン泣きで抱っこなんかされた時には足をジタバタさせ無理やりにでも離れようとするりおが、しかめっ面で宗介に抱っこされている。
一方ままを取られた美桜は、嫉妬したのかりおのズボンを引っ張り、おむつが半分見えた状態になっていた。
「ほら美桜、ままはお前んだぞ~」
宗介がりおを零に返し、やっと美桜は特等席を取り戻すことが出来た。
「それにしても、宗介くんすごいね。
りおは人見知りが酷くて家族以外だと大号泣するのに…」
いろんな所へ連れて行き人見知りを慣れさせるために特訓中のりおだが、いまいち成果は得られていない。
やはり、母乳の力は偉大なのだ。
「せっかく美桜とりおくんは同い年なんだから、仲良く遊んでこいっ」
一歳半なので二人とも色んなものに興味を示す。
目に入ったものはなんでも口に入れるので、リビングには無駄なものを置いていない。
倒れたら危ないものは全て圭吾が固定し、万全な対策をしている。
そのため、宗介もこの家なら安心してママ友同士の会話ができるのだ。
「ゆいくんは幼稚園ですか?」
「そうそう、だからあと一時間くらいでお迎えだよ~」
ゆいはもう4歳になる年なので、今年の春から幼稚園に通っている。
ゆいはほとんど人見知りがなかったし、むしろみんなでワイワイできるのが楽しいらしく、クラスの中心で色んな子と遊んでいる。
「そっか、じゃあ俺らも少ししたら帰ろうかな」
「帰っちゃうの?せっかくだからお夕飯一緒に食べようかと思ってたんだけど…」
圭吾さんも喜ぶだろうし…と零。
「あ、でも旦那が帰ってくるんで…
お気持ちは嬉しいです」
秋葉は今日バイトが終わったらはやく帰ってくる。
ただでさえ家族と過ごせる時間が短いので、少しでも時間をつくりたい。
「そっか…
じゃあ、気をつけて帰るんだよ」
それから二人で紅茶を飲みながらアップルパイを食べ、少しだけ仲良くなった美桜とりおを眺めながらたのしくお話をした。
零はあまりママ友と交流する方では無いので、たまに宗介と会うと会話が弾む。
ママとしても宗介より先輩なので、時々電話で相談に乗ったりもする。

「突然お邪魔したのに、色々ありがとうございました」
宗介は美桜を抱え、母親の運転する車に乗った。
「うん、またいつでもおいで」
美桜とりおはたった一時間で大親友にでもなったのか、離れる時にお互いギャン泣きしていた。
「ほら美桜、また会えるからな」
長引くと大変なことになりそうなので、二人が赤ちゃんせんべいで気を逸らしているうちにばいばいした。
「りお、お兄ちゃん迎えに行こうね」
お兄ちゃん、という単語を耳にしたりおは、さっきまでの大号泣が信じられないくらいの笑顔に変わり、キャッキャと嬉しそうにした。
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