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秋葉と宗介
高校生の宗介と秋葉
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「んっ…いく…あきっ」
ぎゅ、と秋葉にしがみつき、射精の余韻に浸る。
秋葉としてはゴムの中で精子が逆流することがないようすぐに抜きたいのだが、宗介は嫌だといって聞かない。
しばらく抱き合い、ようやく宗介が寝落ちた頃に抜く。
「セーフ…」
なんとか逆流は防げたが、このままだといつ妊娠してしまうかわからない。
宗介との子供はほしいが、決して今ではない。
ちゃんと大学に進学し、卒業、そして就職してから。
まだまだ先は長いが、秋葉は宗介と一緒にいるためならいくらでも待てる。
寝ている宗介の身体を綺麗にし、母親が帰ってくるまでに今日の課題と予習を済ませる。
秋葉の家庭は厳しく、幼い頃から学力だけは身につけておけと散々言われた。
テストは毎回1位、そうでないと次のテストまで必要最低限の外出禁止。
宗介に会えないのは辛いから、毎度死ぬ気で勉強した。
こうして母親が夜勤の日は宗介が泊まりに来るが、もちろんそんな時でも勉強は怠らない。
「ん…あき?」
仮眠から目が覚めたのか、まだ眠そうに目を擦る宗介が起きてきた。
「ごめん、明るかった?」
「んーん。遅くまで勉強えらいね~、あき」
よしよし、とまるで母のような抱擁をくれる。
母親に甘えた記憶のない秋葉にとって、宗介は心の拠り所だ。
「そういえばね、お隣さんとこ赤ちゃん産まれたんだって」
宗介の家の隣には、絶賛子育て奮起中の花嶺夫婦が住んでいる。
「この前ね、うるさくなるかもしれないからってわざわざ挨拶来てくれたの」
「ふーん。いいな、赤ちゃん」
秋葉は宗介のお腹にぎゅー、と抱きついて、頭をぐりぐりした。
「はは、いないよ?俺には」
中三からこういう関係になって、もう何度も身体を繋げている。
いつか終わると分かっていても、今が幸せで、それをやめられない。
いつか宗介は秋葉の知らないところで運命の相手とやらに抱かれて、この腹に子を身ごもる。
政府が決めた宗介の未来は、それ。
でも秋葉は諦めない。
罰金を支払えば、このまま宗介と関係を続けることが出来る。
学生の自分には少しキツい額だけど、宗介のためならなんだってやる。
「どした?あき。なんか顔暗いよ」
「ん、だいじょうぶ。そうちゃんすき」
わはは、と宗介が笑って、さっき入れなかったお風呂に入る。
狭い湯船の中に、そこそこの体格をした秋葉と、男にしては華奢な宗介。
ぴったりくっついて、愛し合う。
これからも、そうやって。
_______________
別れる二年半前くらいの二人です。
秋葉は周りに反対され、仲を引き裂かれることを想定してその対策を考えていました。
しかし実際仲を引き裂いたのは宗介本人で、全く想定していなかった自体に頭が真っ白になります。
昔から計画性を持って行動していた秋葉にとって、別れていた半年は物凄く辛いものだったと思います。
ぎゅ、と秋葉にしがみつき、射精の余韻に浸る。
秋葉としてはゴムの中で精子が逆流することがないようすぐに抜きたいのだが、宗介は嫌だといって聞かない。
しばらく抱き合い、ようやく宗介が寝落ちた頃に抜く。
「セーフ…」
なんとか逆流は防げたが、このままだといつ妊娠してしまうかわからない。
宗介との子供はほしいが、決して今ではない。
ちゃんと大学に進学し、卒業、そして就職してから。
まだまだ先は長いが、秋葉は宗介と一緒にいるためならいくらでも待てる。
寝ている宗介の身体を綺麗にし、母親が帰ってくるまでに今日の課題と予習を済ませる。
秋葉の家庭は厳しく、幼い頃から学力だけは身につけておけと散々言われた。
テストは毎回1位、そうでないと次のテストまで必要最低限の外出禁止。
宗介に会えないのは辛いから、毎度死ぬ気で勉強した。
こうして母親が夜勤の日は宗介が泊まりに来るが、もちろんそんな時でも勉強は怠らない。
「ん…あき?」
仮眠から目が覚めたのか、まだ眠そうに目を擦る宗介が起きてきた。
「ごめん、明るかった?」
「んーん。遅くまで勉強えらいね~、あき」
よしよし、とまるで母のような抱擁をくれる。
母親に甘えた記憶のない秋葉にとって、宗介は心の拠り所だ。
「そういえばね、お隣さんとこ赤ちゃん産まれたんだって」
宗介の家の隣には、絶賛子育て奮起中の花嶺夫婦が住んでいる。
「この前ね、うるさくなるかもしれないからってわざわざ挨拶来てくれたの」
「ふーん。いいな、赤ちゃん」
秋葉は宗介のお腹にぎゅー、と抱きついて、頭をぐりぐりした。
「はは、いないよ?俺には」
中三からこういう関係になって、もう何度も身体を繋げている。
いつか終わると分かっていても、今が幸せで、それをやめられない。
いつか宗介は秋葉の知らないところで運命の相手とやらに抱かれて、この腹に子を身ごもる。
政府が決めた宗介の未来は、それ。
でも秋葉は諦めない。
罰金を支払えば、このまま宗介と関係を続けることが出来る。
学生の自分には少しキツい額だけど、宗介のためならなんだってやる。
「どした?あき。なんか顔暗いよ」
「ん、だいじょうぶ。そうちゃんすき」
わはは、と宗介が笑って、さっき入れなかったお風呂に入る。
狭い湯船の中に、そこそこの体格をした秋葉と、男にしては華奢な宗介。
ぴったりくっついて、愛し合う。
これからも、そうやって。
_______________
別れる二年半前くらいの二人です。
秋葉は周りに反対され、仲を引き裂かれることを想定してその対策を考えていました。
しかし実際仲を引き裂いたのは宗介本人で、全く想定していなかった自体に頭が真っ白になります。
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