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秋葉と宗介
秋葉side
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「秋葉、いるの?ちょっとこっちきて、話があるの」
いつも通り宗介のいない部屋で寂しい思いを埋めるように勉強をしていると、母親がドアをノックした。
「勉強ならしてるよ」
「はあ…そんなこと当たり前でしょ?
そんなことより、ねえ」
よく見ると、母親は今まで秋葉が見たこともないような表情をしている。
「なにがあったの?」
秋葉が聞くと、母親は目を逸らした。
「妊娠させたんだって?宗介くんのこと…」
…は?
「いや、何言って…宗介とは半年前に別れたんだって」
半年前に、宗介から別れを告げられた。
母親だって知っているはずだ。
なのに、妊娠なんて…。
「もう安定期に入ってるんだって、お腹の子。
どうするつもり?
ねえ、大学は?
それより…あんた責任取れるの?」
「ちょっと待ってよ母さん…
俺、妊娠なんて聞いてない」
畳み掛けるように質問攻めをする母親に、一歩引いてしまう。
というか、宗介が妊娠したというのが本当なら…。
「ごめん、宗介んとこ言ってくる。
帰ったらちゃんと話すから」
「ちょ、ちょっと秋葉!あんたいい加減に…!」
母親の止める手を振り切って、急いで外に出た。
部屋は暖房で暖かかったので、そのままの格好で出てしまった。
真冬の空気は冷たい。
吸い込んだ空気が冷たくて、肺が苦しい。
それでも、はやく宗介のところに行かなきゃ…。
「はぁっ、はぁ…」
「はい、どちらさま?」
宗介の住むマンションまで走り、急いでインターホンを押す。
こんな時間に行って非常識だとは思うが、そんなことより宗介に会いたい。
この半年、宗介はいったい何を思って過ごしたのだろう。
学校は高校から違うところに通っていたし、方向も真反対だ。
会うはずもなく、宗介の顔は別れたあの日から一度も見ていない。
「はぁっ、あの、宗介くんいますか…?」
声で秋葉だと気づいたのか、宗介の母親は慌てたように宗介を呼んだ。
「…あき……?」
もこもこのウェアを着た宗介が、気まずそうにドアを開ける。
膨らんだお腹が目に入り、思わず涙が出た。
「え、ちょっと…とりあえず家入って…」
情けない自分に腹が立ちながらも、お礼を言って半年ぶりに宗介の家に入る。
気を使ってくれたのか、宗介の母親は寝室へ行ってしまったようだ。
「えっと…ひとまず、お腹の子は俺の子でいいんだよね…?」
宗介の匂いに包まれるこの部屋も、半年ぶりだ。
お腹の大きい宗介はベットに座り、布団を折ってそこにもたれかかり、腰を支えた。
本当に、妊婦さんなんだ…。
なれたような手つきで背もたれを作る宗介に、また涙が出そうになる。
秋葉は床に正座しようとしたが、宗介が止めた。
「うん、あきの子。
えっとね、もう24週かな」
母子手帳を取り出し、そこに挟んだエコー写真も見せてくれる。
「ごめんね、ずっと黙ってて。
妊娠してるって、別れた後に分かったの。
自分から別れ切り出しといて、今更頼るのは勝手かなって…」
お腹を触り、愛おしそうに撫でる。
「そんな…俺、知ってたらなんだってしたよ。
宗介が俺なんかと結婚したくないって言っても…
俺、その子の父親に、ちゃんとなりたい…」
でかいのは図体だけで、秋葉の根っこは宗介よりも幼い。
ただ、そんな幼い心で真剣に宗介と付き合っていた。
自分なりに幸せにする最前の方法を考え、調べ、宗介に尽くしてきた。
「ありがと。
でも、俺も秋葉のために別れたんだよ。
妊娠したからもうなくなったけど、本当はあと数ヶ月で嫁にいかなきゃなんなかったし…」
貴重な妊娠可能な男性でも、流石に妊娠経験のある人を受け入れてくれる結婚相手は少ない。
ちゃんと申請して、国からは強制結婚を免除された。
「…そうちゃん、今でも俺のこと…すき?」
泣きながら、宗介の目をまっすぐ見た。
「うん、すきだよ」
いつの間にか、宗介の目からも涙が溢れている。
久しぶりに抱き合った。
今度は赤ちゃんも一緒に。
それからちゃんと話し合って、二人の両親に頭を下げた。
あれだけ怒っていた母親も、なんとか許してくれた。
あの母親に反して頭がふわふわした秋葉の父親は、初孫ができることに大喜び。
そこそこお金はある家庭だったので、大学へは行かせてくれると言う。
大学生の間は秋葉の学費とその生活費を仕送りする。
しかし、宗介と子供の分は別だ。
秋葉は夫であり父親なのだから、二人の生活費は自分で稼げ、と。
秋葉は頷き、より一層試験勉強に励むこととなる。
「まっ、あっ!」
「はいはい、おっぱいね」
元気に産まれてきてくれた美桜は、宗介に似てかわいらしい顔をしている。
秋葉は宗介の夫として、美桜の父親として、これからたくさん頑張っていくのだ。
_________________
もはやセルフ二次創作になっている気がしてましたが、ここまでくると本当になにがなんだか分からなくなってきました。
一応章は分けていますが、見づらかったらすみません…
いつも通り宗介のいない部屋で寂しい思いを埋めるように勉強をしていると、母親がドアをノックした。
「勉強ならしてるよ」
「はあ…そんなこと当たり前でしょ?
そんなことより、ねえ」
よく見ると、母親は今まで秋葉が見たこともないような表情をしている。
「なにがあったの?」
秋葉が聞くと、母親は目を逸らした。
「妊娠させたんだって?宗介くんのこと…」
…は?
「いや、何言って…宗介とは半年前に別れたんだって」
半年前に、宗介から別れを告げられた。
母親だって知っているはずだ。
なのに、妊娠なんて…。
「もう安定期に入ってるんだって、お腹の子。
どうするつもり?
ねえ、大学は?
それより…あんた責任取れるの?」
「ちょっと待ってよ母さん…
俺、妊娠なんて聞いてない」
畳み掛けるように質問攻めをする母親に、一歩引いてしまう。
というか、宗介が妊娠したというのが本当なら…。
「ごめん、宗介んとこ言ってくる。
帰ったらちゃんと話すから」
「ちょ、ちょっと秋葉!あんたいい加減に…!」
母親の止める手を振り切って、急いで外に出た。
部屋は暖房で暖かかったので、そのままの格好で出てしまった。
真冬の空気は冷たい。
吸い込んだ空気が冷たくて、肺が苦しい。
それでも、はやく宗介のところに行かなきゃ…。
「はぁっ、はぁ…」
「はい、どちらさま?」
宗介の住むマンションまで走り、急いでインターホンを押す。
こんな時間に行って非常識だとは思うが、そんなことより宗介に会いたい。
この半年、宗介はいったい何を思って過ごしたのだろう。
学校は高校から違うところに通っていたし、方向も真反対だ。
会うはずもなく、宗介の顔は別れたあの日から一度も見ていない。
「はぁっ、あの、宗介くんいますか…?」
声で秋葉だと気づいたのか、宗介の母親は慌てたように宗介を呼んだ。
「…あき……?」
もこもこのウェアを着た宗介が、気まずそうにドアを開ける。
膨らんだお腹が目に入り、思わず涙が出た。
「え、ちょっと…とりあえず家入って…」
情けない自分に腹が立ちながらも、お礼を言って半年ぶりに宗介の家に入る。
気を使ってくれたのか、宗介の母親は寝室へ行ってしまったようだ。
「えっと…ひとまず、お腹の子は俺の子でいいんだよね…?」
宗介の匂いに包まれるこの部屋も、半年ぶりだ。
お腹の大きい宗介はベットに座り、布団を折ってそこにもたれかかり、腰を支えた。
本当に、妊婦さんなんだ…。
なれたような手つきで背もたれを作る宗介に、また涙が出そうになる。
秋葉は床に正座しようとしたが、宗介が止めた。
「うん、あきの子。
えっとね、もう24週かな」
母子手帳を取り出し、そこに挟んだエコー写真も見せてくれる。
「ごめんね、ずっと黙ってて。
妊娠してるって、別れた後に分かったの。
自分から別れ切り出しといて、今更頼るのは勝手かなって…」
お腹を触り、愛おしそうに撫でる。
「そんな…俺、知ってたらなんだってしたよ。
宗介が俺なんかと結婚したくないって言っても…
俺、その子の父親に、ちゃんとなりたい…」
でかいのは図体だけで、秋葉の根っこは宗介よりも幼い。
ただ、そんな幼い心で真剣に宗介と付き合っていた。
自分なりに幸せにする最前の方法を考え、調べ、宗介に尽くしてきた。
「ありがと。
でも、俺も秋葉のために別れたんだよ。
妊娠したからもうなくなったけど、本当はあと数ヶ月で嫁にいかなきゃなんなかったし…」
貴重な妊娠可能な男性でも、流石に妊娠経験のある人を受け入れてくれる結婚相手は少ない。
ちゃんと申請して、国からは強制結婚を免除された。
「…そうちゃん、今でも俺のこと…すき?」
泣きながら、宗介の目をまっすぐ見た。
「うん、すきだよ」
いつの間にか、宗介の目からも涙が溢れている。
久しぶりに抱き合った。
今度は赤ちゃんも一緒に。
それからちゃんと話し合って、二人の両親に頭を下げた。
あれだけ怒っていた母親も、なんとか許してくれた。
あの母親に反して頭がふわふわした秋葉の父親は、初孫ができることに大喜び。
そこそこお金はある家庭だったので、大学へは行かせてくれると言う。
大学生の間は秋葉の学費とその生活費を仕送りする。
しかし、宗介と子供の分は別だ。
秋葉は夫であり父親なのだから、二人の生活費は自分で稼げ、と。
秋葉は頷き、より一層試験勉強に励むこととなる。
「まっ、あっ!」
「はいはい、おっぱいね」
元気に産まれてきてくれた美桜は、宗介に似てかわいらしい顔をしている。
秋葉は宗介の夫として、美桜の父親として、これからたくさん頑張っていくのだ。
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もはやセルフ二次創作になっている気がしてましたが、ここまでくると本当になにがなんだか分からなくなってきました。
一応章は分けていますが、見づらかったらすみません…
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