13 / 47
本編
最後は当て馬で終わるなんて
しおりを挟む
それから約1週間後の土曜日、西條と林田は玄関まで迎えに来てくれた相田に、涼介をお願いする。
涼介は少しだけ緊張しながらも、大好きなお友達のりくくんと手を繋いで元気に家を出た。
「行っちゃったね。もうすでに寂しい」
2人は涼介のいないしんとした部屋で、ため息をつく。
「俺も。てか、この家に2人きりになるの、前に林田が泊まりに来た時以来じゃない?」
数年前、飲み会で酔っ払った林田を西條が介抱した時だ。
住所を聞いても実家の住所しか言えない林田を、仕方なく(といいつつ心の中ではガッツポーズをしながら)連れてきたが、玄関で盛大に吐いて2人ともゲロまみれになった記憶がある。
「ああ、あれな…」
林田は苦笑しながら話題を逸らす。
「それはさておき、せっかくだし今から映画でも見ない?やりたいことあるなら無理にとは言わないけど」
無理にだなんてとんでもない。
好きな子からのお誘いに、西條は前のめりで
「見る」
と答えた。
夕方から夜にかけて、さっき買いに行ったお菓子やノンアルコールビールを飲みながら、2人はソファーに座って映画を見る。
本当は久しぶりにお酒を飲みたがったが、万が一涼介のことで呼び出しがあってはいけないので2人とも我慢することにしたのだ。
「え~、なんでこんな男選んじゃうの?俺なら絶対あいつ選ぶんだけど」
よくある恋愛ものを見ながら、林田は盛大に文句を言う。
「4年だよ?4年も片思いして、最後は当て馬にされて終わりだなんて…。最初他の女と付き合ってたくせにさっさと乗り換えた男なんて信用ならないじゃん!」
膝の上でクッションを抱えながら怒る林田に、西條は真顔で答えた。
「4年も一緒にいて振り向いてもらえなかったなら、それが答えなんだよ。所詮都合のいい男友達にしかなれないってこと」
何を隠そう西條も、隣で映画の男に盛大な文句を言う林田に4年ほど片思いをしている。
あまりにも冷たい声に、林田は驚いて西條の顔を見た。
「なんてね。林田なら、4年も友達だった相手から突然好きって言われてキスされたらどうする?最初は困って、それからごめん友達でいたかった、って言うかな」
西條はそう言いながら、冷蔵庫に新しい缶を取りに向かう。
返事を聞いたところで実らない恋を再確認させられるだけだ。
「…西條なら、いいよ」
え?
西條は思ってもみなかった林田の返事に、驚いて缶を落とす。
少し凹んだその缶を、動揺を隠すように開けると、西條の林田への気持ちのようにしゅわしゅわと溢れ出した。
「わ、なに!?なにやってんのもう~!」
林田は慌てながら西條のもとへ駆けつけ、びしょびしょの床を拭く。
それから西條の手にある缶をとり、ベタベタになった西條の手も拭いた。
「ね、ねえ、なに?さっきの」
西條はようやく思考が動き始めたようで、林田の目を見つめながら問いただした。
「もうそんな空気じゃないだろ…なにやってんだよもう」
頬を紅く染めて恥ずかしそうに怒る林田に、逃してたまるもんか!とキスをする。
林田は一瞬ビクッとして驚いたようだったが、すぐに西條の唇を受け入れ、甘い吐息を漏らした。
「ふ…ん……ん」
西條よりも10cmほど背が低い林田は、すぐに首が疲れてしまい唇を離した。
「好きだ。好きだよ、林田。友達じゃ嫌だ」
林田の柔らかい髪の毛を優しく撫で、西條は自分の胸に抱き寄せる。
林田も西條の背中に腕を回し、
「知ってる。俺も同じだよ」
と返事をした。
涼介は少しだけ緊張しながらも、大好きなお友達のりくくんと手を繋いで元気に家を出た。
「行っちゃったね。もうすでに寂しい」
2人は涼介のいないしんとした部屋で、ため息をつく。
「俺も。てか、この家に2人きりになるの、前に林田が泊まりに来た時以来じゃない?」
数年前、飲み会で酔っ払った林田を西條が介抱した時だ。
住所を聞いても実家の住所しか言えない林田を、仕方なく(といいつつ心の中ではガッツポーズをしながら)連れてきたが、玄関で盛大に吐いて2人ともゲロまみれになった記憶がある。
「ああ、あれな…」
林田は苦笑しながら話題を逸らす。
「それはさておき、せっかくだし今から映画でも見ない?やりたいことあるなら無理にとは言わないけど」
無理にだなんてとんでもない。
好きな子からのお誘いに、西條は前のめりで
「見る」
と答えた。
夕方から夜にかけて、さっき買いに行ったお菓子やノンアルコールビールを飲みながら、2人はソファーに座って映画を見る。
本当は久しぶりにお酒を飲みたがったが、万が一涼介のことで呼び出しがあってはいけないので2人とも我慢することにしたのだ。
「え~、なんでこんな男選んじゃうの?俺なら絶対あいつ選ぶんだけど」
よくある恋愛ものを見ながら、林田は盛大に文句を言う。
「4年だよ?4年も片思いして、最後は当て馬にされて終わりだなんて…。最初他の女と付き合ってたくせにさっさと乗り換えた男なんて信用ならないじゃん!」
膝の上でクッションを抱えながら怒る林田に、西條は真顔で答えた。
「4年も一緒にいて振り向いてもらえなかったなら、それが答えなんだよ。所詮都合のいい男友達にしかなれないってこと」
何を隠そう西條も、隣で映画の男に盛大な文句を言う林田に4年ほど片思いをしている。
あまりにも冷たい声に、林田は驚いて西條の顔を見た。
「なんてね。林田なら、4年も友達だった相手から突然好きって言われてキスされたらどうする?最初は困って、それからごめん友達でいたかった、って言うかな」
西條はそう言いながら、冷蔵庫に新しい缶を取りに向かう。
返事を聞いたところで実らない恋を再確認させられるだけだ。
「…西條なら、いいよ」
え?
西條は思ってもみなかった林田の返事に、驚いて缶を落とす。
少し凹んだその缶を、動揺を隠すように開けると、西條の林田への気持ちのようにしゅわしゅわと溢れ出した。
「わ、なに!?なにやってんのもう~!」
林田は慌てながら西條のもとへ駆けつけ、びしょびしょの床を拭く。
それから西條の手にある缶をとり、ベタベタになった西條の手も拭いた。
「ね、ねえ、なに?さっきの」
西條はようやく思考が動き始めたようで、林田の目を見つめながら問いただした。
「もうそんな空気じゃないだろ…なにやってんだよもう」
頬を紅く染めて恥ずかしそうに怒る林田に、逃してたまるもんか!とキスをする。
林田は一瞬ビクッとして驚いたようだったが、すぐに西條の唇を受け入れ、甘い吐息を漏らした。
「ふ…ん……ん」
西條よりも10cmほど背が低い林田は、すぐに首が疲れてしまい唇を離した。
「好きだ。好きだよ、林田。友達じゃ嫌だ」
林田の柔らかい髪の毛を優しく撫で、西條は自分の胸に抱き寄せる。
林田も西條の背中に腕を回し、
「知ってる。俺も同じだよ」
と返事をした。
100
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる