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本編
ピンチ!
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林田家へ挨拶に行ってから2週間、特に変わりなく過ごしていたある日、仕事中の林田のスマホに一通の連絡が入った。
『出張先でトラブルがあって柳さんと対応中なんだけど、保育園のお迎え間に合わないかも、ごめん(汗)お願いしてもいい?』
日帰り出張で夕方には戻ってくるはずだった西條と上司の柳から少し前に上司へ連絡が入っていたのでまさかとは思ったが、やはり保育園には間に合わないらしい。
延長保育を使えば20時までは見てもらえるが、両親が揃っている今、涼介に寂しい思いはさせたくない。
林田はいつも通り定時に上がると、急いで電車に乗った。
今まで西條と二人で迎えに行くことはあっても、林田一人で行ったことはないので少しだけ緊張する。
けれど、きっと涼介は喜んでくれるだろう。
その後は2人で買い物に行って…と考えているうちに最寄り駅に到着し、少し早歩きで保育園へ向かう。
夏なのでこの時間でもまだ日があり、日中より少しだけ過ごしやすい気温でほどよく風もある。
保育園の前に着くと、お迎えに来た保護者の方たちと挨拶をしながら門を開け、園庭に入った。
涼介のクラスのドアをガラガラと横にスライドして開けると、一斉に子供たちが林田のほうを向く。
この時間帯になると、自分の親はまだかとみんなドアを開ける音に反応してしまうのだ。
「ママ~!」
林田が見つけるよりもはやく、涼介は林田目掛けて手を広げながら走ってくる。
「涼介くん、ただいま~。パパ遅くなるみたいだから、一緒にお買い物行こうね」
いつもは2人で退社したあと、駅で西條は保育園方面へ、林田はスーパー方面へと向かう。
家はその間にあるので、涼介が林田と一緒にお買い物に行けるのは土日くらいしかないのだ。
「やった~!」
涼介は喜んで、リュックを持ってきてくれた金子先生に教えた。
「西條さんから連絡ありましたけど、サプライズの方が嬉しいかと思って涼介くんには伝えていなかったんです。いつもママの話を嬉しそうにしてくれるんですよ~」
ね~、と金子先生は涼介の頭を撫で、涼介は嬉しそうに頷いた。
スーパーまでの道を、手を繋いで歌いながら歩く。
保育園から行くと少しだけ遠いが、涼介は大好きなママとたくさん歩けるのが嬉しいようで、ずっとご機嫌な様子だ。
「今日は何がいいかな~」
安売りしている野菜やお肉を見ながら、林田がメニューを考える。
今日はキャベツが安かったので、ロールキャベツを作ることにした。
前に1度だけ作って出したことがあるが、涼介も西條も喜んでおかわりまでしてくれた人気メニューだ。
「今日は特別だから、お菓子買っていいよ」
メニューが決まると、涼介を連れてお菓子コーナーに行く。
いつもは林田が買ってきたお菓子や手作りのものをあげているので、こういう日は特別におもちゃ付きのお菓子や知育菓子を買っていいという決まりだ。
「どれにしようかな~」
涼介はキラキラした目でお菓子コーナーを一周し、最後は
「これにする!ママといっしょにつくる!」
と行ってキャンディを練って動物を作り、動物園の絵が描かれたシートに乗せて食べる知育菓子を選んだ。
帰宅すると、林田は急いで夕飯を作り始める。
涼介はその間に保育園で汚れた服を出し、夕方から始まるアニメをつけてソファーに座って見ている。
ついつい見入ってソファーからテレビへ近づくと、キッチンから時々様子を見ている林田が
「こら~、テレビ見る時はどこだっけ?」
と言って
「お椅子から~!」
と涼介がソファーに戻る。
1時間ほどして夕飯を作り終えたが、西條はまだ帰ってくる様子がない。
連絡もないし、やはり夕飯には間に合わないらしい。
林田は涼介を椅子に座らせ、2人分の食器を用意した。
「美味しい?」
林田が聞くと、涼介は
「おいしい!」
と返してくれる。
けれど、パパがいないことに落ち着かないらしい涼介は時々玄関の方を見ては
「パパまだかなあ」
と寂しそうにする。
その度に林田がもう少しだよ、と言って落ち着かせるが、涼介は数ヶ月前に突然父親が帰ってこなくなった日の事を無意識に思い出しているのかもしれない。
一緒にお風呂に入って知育菓子を作って一緒に食べ、歯磨きをしても西條は帰ってこなかった。
『出張先でトラブルがあって柳さんと対応中なんだけど、保育園のお迎え間に合わないかも、ごめん(汗)お願いしてもいい?』
日帰り出張で夕方には戻ってくるはずだった西條と上司の柳から少し前に上司へ連絡が入っていたのでまさかとは思ったが、やはり保育園には間に合わないらしい。
延長保育を使えば20時までは見てもらえるが、両親が揃っている今、涼介に寂しい思いはさせたくない。
林田はいつも通り定時に上がると、急いで電車に乗った。
今まで西條と二人で迎えに行くことはあっても、林田一人で行ったことはないので少しだけ緊張する。
けれど、きっと涼介は喜んでくれるだろう。
その後は2人で買い物に行って…と考えているうちに最寄り駅に到着し、少し早歩きで保育園へ向かう。
夏なのでこの時間でもまだ日があり、日中より少しだけ過ごしやすい気温でほどよく風もある。
保育園の前に着くと、お迎えに来た保護者の方たちと挨拶をしながら門を開け、園庭に入った。
涼介のクラスのドアをガラガラと横にスライドして開けると、一斉に子供たちが林田のほうを向く。
この時間帯になると、自分の親はまだかとみんなドアを開ける音に反応してしまうのだ。
「ママ~!」
林田が見つけるよりもはやく、涼介は林田目掛けて手を広げながら走ってくる。
「涼介くん、ただいま~。パパ遅くなるみたいだから、一緒にお買い物行こうね」
いつもは2人で退社したあと、駅で西條は保育園方面へ、林田はスーパー方面へと向かう。
家はその間にあるので、涼介が林田と一緒にお買い物に行けるのは土日くらいしかないのだ。
「やった~!」
涼介は喜んで、リュックを持ってきてくれた金子先生に教えた。
「西條さんから連絡ありましたけど、サプライズの方が嬉しいかと思って涼介くんには伝えていなかったんです。いつもママの話を嬉しそうにしてくれるんですよ~」
ね~、と金子先生は涼介の頭を撫で、涼介は嬉しそうに頷いた。
スーパーまでの道を、手を繋いで歌いながら歩く。
保育園から行くと少しだけ遠いが、涼介は大好きなママとたくさん歩けるのが嬉しいようで、ずっとご機嫌な様子だ。
「今日は何がいいかな~」
安売りしている野菜やお肉を見ながら、林田がメニューを考える。
今日はキャベツが安かったので、ロールキャベツを作ることにした。
前に1度だけ作って出したことがあるが、涼介も西條も喜んでおかわりまでしてくれた人気メニューだ。
「今日は特別だから、お菓子買っていいよ」
メニューが決まると、涼介を連れてお菓子コーナーに行く。
いつもは林田が買ってきたお菓子や手作りのものをあげているので、こういう日は特別におもちゃ付きのお菓子や知育菓子を買っていいという決まりだ。
「どれにしようかな~」
涼介はキラキラした目でお菓子コーナーを一周し、最後は
「これにする!ママといっしょにつくる!」
と行ってキャンディを練って動物を作り、動物園の絵が描かれたシートに乗せて食べる知育菓子を選んだ。
帰宅すると、林田は急いで夕飯を作り始める。
涼介はその間に保育園で汚れた服を出し、夕方から始まるアニメをつけてソファーに座って見ている。
ついつい見入ってソファーからテレビへ近づくと、キッチンから時々様子を見ている林田が
「こら~、テレビ見る時はどこだっけ?」
と言って
「お椅子から~!」
と涼介がソファーに戻る。
1時間ほどして夕飯を作り終えたが、西條はまだ帰ってくる様子がない。
連絡もないし、やはり夕飯には間に合わないらしい。
林田は涼介を椅子に座らせ、2人分の食器を用意した。
「美味しい?」
林田が聞くと、涼介は
「おいしい!」
と返してくれる。
けれど、パパがいないことに落ち着かないらしい涼介は時々玄関の方を見ては
「パパまだかなあ」
と寂しそうにする。
その度に林田がもう少しだよ、と言って落ち着かせるが、涼介は数ヶ月前に突然父親が帰ってこなくなった日の事を無意識に思い出しているのかもしれない。
一緒にお風呂に入って知育菓子を作って一緒に食べ、歯磨きをしても西條は帰ってこなかった。
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