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6.鬼
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カイトはその辺に転がっている大きな石を拾い、軽く振り上げて車の窓ガラスに勢いよく落とす。
音を立てて窓ガラスが崩れる。
「わーきれい~」
「多分今の音で気づかれたと思うので、早いとこ門をぶち破りましょう」
そう言うとカイトは手を車の中に突っ込み、内側から鍵を開け、運転席に座る。
「わかった!」
私も続いて助手席に乗り込こんだ。
あとはカイトの強盗スキルを使ってエンジンをかけるだけだという時、後ろから肩を掴まれた。
「捕まえたぁ」
その声はヒナタだった。
ヒナタは車の後部座席に隠れて、私たちを待ち伏せしていたようだった。
「っ!?アオッ」
それに気づいたカイトが私の名前を叫ぶが、その声はヒナタによって途中で掻き消される。
ヒナタがカイトの太ももに包丁を突き立てたからだ。
「カイトッ!!!!」
私は手を伸ばす。
「良いから早く逃げろ!!!!」
カイトは私を車の外へ突き飛ばした。
地面に倒れ込み、鈍い痛みを感じる。
車の中ではヒタナとカイトが揉み合いになっているのが見える。
そしてヒタナが包丁を振り上げた。
「やめて!!!!!!」
「早く逃げろって言ってんだろ!!!!」
包丁がカイトの腹部に振り下ろされる。
自分の悲鳴が聞こえた。
私はさっきガラスを割った石を手に取って立ち上がり、走った。
屋敷の曲がり角で立ち止まり、石を胸の高さまで持ち上げる。
乱れた呼吸を整えて、ヒタナがこちらへ来るのを待つ。
少しするとヒナタの声が聞こえた。
「アオイちゃーん。お遊びはもうおしまいだよ。早く出ておいで」
足音がもうそこまできている。
「あのクソ野郎はもういないよ。俺が殺しちゃったからね!だからぁ無駄な抵抗はやめなよ」
目が涙で滲んで前がよく見えない。
怖い…私は…私は……。
私はゆっくり彼氏の前に飛び出した。
石が指から滑り落ちた。
自分も地面に崩れ落ちる。
「私は…私は……できないっ…カイト…ごめんなさい…ごめんなさいっ!!」
ヒタナはそんな私を眺めて満足そうに笑った。
「諦めてくれて嬉しいよ。良い子だね」
ヒタナは包丁をどこかへ投げて、私の方へ歩み寄ってくる。
「可愛いなぁ。そうだよね、アオイちゃんがそんな物騒なこと出来るわけないもんねぇ?浮気されたのはムカついたけど、今回だけは許してあげるよ」
ヒタナが私の頭を撫でようと手を伸ばした。
音を立てて窓ガラスが崩れる。
「わーきれい~」
「多分今の音で気づかれたと思うので、早いとこ門をぶち破りましょう」
そう言うとカイトは手を車の中に突っ込み、内側から鍵を開け、運転席に座る。
「わかった!」
私も続いて助手席に乗り込こんだ。
あとはカイトの強盗スキルを使ってエンジンをかけるだけだという時、後ろから肩を掴まれた。
「捕まえたぁ」
その声はヒナタだった。
ヒナタは車の後部座席に隠れて、私たちを待ち伏せしていたようだった。
「っ!?アオッ」
それに気づいたカイトが私の名前を叫ぶが、その声はヒナタによって途中で掻き消される。
ヒナタがカイトの太ももに包丁を突き立てたからだ。
「カイトッ!!!!」
私は手を伸ばす。
「良いから早く逃げろ!!!!」
カイトは私を車の外へ突き飛ばした。
地面に倒れ込み、鈍い痛みを感じる。
車の中ではヒタナとカイトが揉み合いになっているのが見える。
そしてヒタナが包丁を振り上げた。
「やめて!!!!!!」
「早く逃げろって言ってんだろ!!!!」
包丁がカイトの腹部に振り下ろされる。
自分の悲鳴が聞こえた。
私はさっきガラスを割った石を手に取って立ち上がり、走った。
屋敷の曲がり角で立ち止まり、石を胸の高さまで持ち上げる。
乱れた呼吸を整えて、ヒタナがこちらへ来るのを待つ。
少しするとヒナタの声が聞こえた。
「アオイちゃーん。お遊びはもうおしまいだよ。早く出ておいで」
足音がもうそこまできている。
「あのクソ野郎はもういないよ。俺が殺しちゃったからね!だからぁ無駄な抵抗はやめなよ」
目が涙で滲んで前がよく見えない。
怖い…私は…私は……。
私はゆっくり彼氏の前に飛び出した。
石が指から滑り落ちた。
自分も地面に崩れ落ちる。
「私は…私は……できないっ…カイト…ごめんなさい…ごめんなさいっ!!」
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「諦めてくれて嬉しいよ。良い子だね」
ヒタナは包丁をどこかへ投げて、私の方へ歩み寄ってくる。
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