完結 転生転移秀吉 異世界行っても天下取る!!

カトラス

文字の大きさ
3 / 50

第3話 コーディネーター

しおりを挟む
 光の帯に包まれ上空に巻き上げられた俺。

 かろうじて視界には眼下の景色がグルグルと一瞬だけ見えた。

(このまま、俺はどうなる? 隣にいた小一郎は? もしかして死ぬのだろうか!)

 色々な思いが交錯している中で、俺は段々と眠くなり意識が遠のく。

 



 夢か幻か、それとも現実なのか。

 身体がフワフワと浮いていて心地よい気分だ。

 金ケ崎の殿を見事に努め、信長さまに褒められている姿。裏切った浅井、朝倉を姉川の合戦で破りお市の方様と姫君を救い出す俺。

 比叡山を焼きつくし僧兵を袈裟斬りにしてる悪夢のような世界。

 長篠の戦いで武田騎馬軍団撃滅。

 めくるめく脳裏に浮かんでは消えていく視覚からのこれからの自分。

 つまるところの未来像だと直感した。

 功績が認められ毛利討伐の総司令官に任命。念願の城持ちになった俺。

 高松城水攻め。

 半兵衛、官兵衛二人の有能な軍師達。

 そして……。



 1582年の6月21日。

 明智光秀謀反により、本能寺で……。

 信長さまの死、死、死、死にもうした。

 これが、現実だとしたら、哀しい、悲しい、おいたわしい、自然と涙が瞼に溢れてくる。

「秀吉さま、泣いてる暇はありませんぞ! 天下をお取りください」

 官兵衛の言葉で我に返った場面が浮かんでいた。

 中国大返し、天下分け目の天王山である山崎の合戦からの明智討ち。

 清須会議、賤ヶ岳の合戦、関白、淀の方、秀頼誕生、聚楽第、大坂城築城、天下人。

 【露と落ち露と消えにし我が身かな浪花の事は夢のまた夢】

 あぁー素晴らしき栄光の日々。



『どうじゃ、秀吉。誰もが羨む人生だったなぁ。いや、なる筈だったかな』

 夢心地の中、突然声が聞こえてきた。

(いったい誰じゃ? なんで頭の中で声がする? 考えても分からない)

「何者じゃ? 信長さまも、俺も死んだのか?」          

 声の主に色々と聞きたい事が山のようにある。

『死んではいないが魂を抜いた。いや死んだのかな。これから我々を楽しませてくれたら元の世界に戻してやるかも……妻の寧々にも会いたいだろうしな』

 いやいや、答えになってないし、魂ってなんだ? 楽しませるって余興でもしろってのか。声の主は、あの空に浮かんでいた物体のやつなんだろうか。しかも、寧々の事までも言ってきやがる。

 足元見る感じの物言いだな。

「おまえは何者? 目的は何だ?」

 声の主との会話は口に出さなくても思念で出来た。単刀直入に聞く。

『そうだな、神様、仏様、コーディネーター様とでも言っておこうかな。理由あってヒデヨシの人生に介入させてもらうよ。我々にも色々と事情があってな……』

(神様だって!? 圧倒的な力は認めるとして……にしてはなんか違う気もする。コーディネーターって意味もわからん)

『主には欲望のまま、本能のままにやりたい事をすると良いだろう。さすれば道は開けるだろう。おっと、これ以上の質問はなしだ。なにしろルールというか規約違反に……』

「ルール?」

『確かに、横文字はヒデヨシの時代では分からないな。そろそろ、スキル恩恵で言語変換出来るようになるよ』

【固有スキル 天下統一、人たらし、魔物たらし、激運を取得しました】

『おーーー、予想以上に素晴らしきスキルかな。あとは他のコーディネーターからの補正が入らない事を祈る。それにステータスも賢さとLUCKがズバ抜けて高いな。これなら魔法や召喚の覚えも早いぞ!』

「くっ、何いってやがる。固有スキル? ステータスって何だ! 状況を説明しろってんだ!!」

『どうやら、スキル効果が出てるようで安心した。言葉の意味が分かってきたじゃん』

(聞けば聞くほど、ますます意味が分からない。分かるのは嫌な予感がすることだけだ)

『ステータスってのは、君の力を数値化して我々が可視化してるものだよ。ひでよし君の状態が手に取るようにこちらに分かる仕組みね。ちなみにひでよし君にはこっちとは違う世界に行ってもらうから活躍してよ。立ち回りが悪いと簡単に死ぬから気をつけてね……今は夢心地だろうけど、あっちの世界はリアルだから……あと、転生先で試したらよいけどステータスは頭の中で見たいと思うと数値化して出てくれるから参考にしたら良いよ』

(なるほど、神か仏様かコーディネーターかなんだか分からないけど、俺を異世界に行かせてろくでもない事をさせるつもりだろう。それに死ぬかも知れないって……いや死んでるのか。試しにステータスなるものを見てみようと頭に念じてみた)



【レベル 天下人(領民)】

 体力 15

 力 12

 素早さ 30                          

 賢さ 108

 防御  18

 ラッキーちゃん 999

 カルマ 0

 スキル 天下統一 人たらし 魔物たらし 激運 

 ステータスなるものを見たが、いまいちピンとこない。



『じゃ、そろそろあっちの世界に行ってもらうからね。とにかく早く慣れることかな。君は天下人まで昇りつめた男だと思ったら良いよ。あ、あとはナマエはヒデヨシにしといたから、せめてもの餞別だから。まぁ。高くついたけど……』

 ちょっと待ってくれよ。まだ、何も分からないだろう。

 俺は夢心地のまま、段々と瞼が重くなり無性に眠たくなっていった。

『いつも、遠くで見てるから。悪いようにはしないから頑張れよ。あっちの世界でも天下取れよ。健闘をいのる。コーディネーターより』

(コーディネーターさんよ。天下取ったら戻れるってことだよな)

 返事を待つまでもなく意識がなくなった。

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...