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リッチモンド伯爵
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「マリーさん、そっち方向に何かあるの?」
早速気になるので聞いてみる。
「うん、途中にこのあたりを治めている領主様がいるのよ。リッチモンド伯爵って方なのたけど、以前のリッチモンド様と違って、最近は悪い噂があってね」
リッチモンド伯爵、そういえば、さっき倒したオークが「リッチ様に怒られる」とか言ってたよな。リッチ様ってのはリッチモンド伯爵の事なんじゃないのか?
「悪い噂って?」
「リッチモンド伯が魔物と一緒にいたとか、魔物に操られてるや、そもそも魔物なんじゃない。と、言ったもの。噂だから真偽は分からないのだけど」
やはり、そういう事か。
「でも、リッチモンド様は領民思いの素晴らしい方なのよ。だから、にわかには信じられない気持ちもあるのだけど、噂が出だした頃から魔物が徘徊するように……。実際、わたしもさっきみたいに襲われたし、今までそんな事はなかったしね……」
「大丈夫だよ。マリーさん。もし、リッチモンドが悪い奴だったらあたしと無文がやっつけてやる!」
ロリミカは無邪気に笑いながら軽く言った。
「そうね、あなた達強いから、取り越し苦労だったかな。それと途中にドルトって街があるから、そこで何かあったら分かるはずだと思う。領地通って抜けていくだけだし、リッチモンド伯に逢わないのが普通だから」
と、マリーさんは言ってるが嫌なフラグは立ってる感はあるよな、
「ごめんなさいね。これから旅立つあなた達にはなむけにならない話ばかりして。今日はもう遅いから家に泊まって明日出発したらよいわ」
マリーさんは空いてる部屋に泊まる用意をしてくれた。
「寝る前に二人で今後の事しっかり話しあったら良いわ。何かあったら呼んでちょうだいね。じゃ、おやすみなさい」
本当にオークに襲われていた所を助けたとはいえ、マリーさんは親切にしてくれて感謝の気持ちでいっぱいになる。この世界にやってきて右も左の分からないまま、これから先の指針みたいな方向も見えたし、貴重な情報も聞けて有意義な一日になったもんだ。
「で、ロリミカ。マリーさんも言ってたけど、これからどうするよ?」
ロリミカは部屋に入ってから、何やら考えては俺に向かってステッキをしきりに振ってたりした。
返事がないので、もう一回声をかけてみる。
「ロリミカ、聞いてるのかよ。てか、さっきから何してんのよ?」
「聞いてるよ。行き先は決まってるよ。ロンディニウムに向かうしかないよね。だから、魔力が残ってるうちに無文をカスタマイズしてまーーす」
カスタマって俺は物じゃないのだから。
魔力のキャパがどれくらいか知る由もないが、ちゃんと後で寝れる事を分かった上で行動してるってことだよな。
「大切な相方だからね。無文が少しでも戦い易いように戦闘フォームをいじってるよ。マリーさんの話からしてパラメキアは強大だし、そこに君臨してる憎きアルデシューム。なにがエターナルクイーンだっちゅうの。何しろ積年の恨みは10年分ってもんですよ」
しかし、ロリミカは小さい子どもなのにしっかりしてるな。休んでる時でも余念がないわ。
でも、よくよく考えてみると、10年も封印されてたわけだから実年齢は意外と自分に近かったりしてな。
言うことがだいたい大人じみてるしな。
「ロリミカって何歳なの?」
「ひ・み・つ」
やはり、ロリミカは手練れてた。
「よし、無文のカスタマイズ終了っと。はぁー、疲れた」
「何やってくれたの?」
「無文の刀に属性呪文乗せれるようにしたよ。魔法剣に出来るようにしたの。火属性や氷属性の魔法剣なり。これでバトルの幅も広がるし、今後どんな敵が現れるかわからないっしょ。備えあれば憂いなしって事だよね。でも、無文のソシャゲは色々とヒントになって便利だよ。その他戦闘フォームも少しいじって見たから」
魔法剣かぁ。
新撰組の剣術とロリミカの属性魔法の合体。
和と洋の融合って感じだな。
無駄にエッチ系ソシャゲに課金してたのが、こんな時に役に立つとは……。
人生なんて何が幸になるか不幸を呼ぶかなんて紙一重だから。
と、たぶん違う事をしみじみと思ったりした。
「ねぇ、無文。あたし、ちょっと頑張り過ぎたから寝るよ」
そうだった。さっき残り魔力とか言ってたし……。
俺はロリミカの胸につけてるペンダントを慌てて見る。
ペンダントの石はかなり濁っていた。
ロリミカっ、お前ってやつは。
そんなに頑張らなくても……。
オーク相手でも瞬殺出来るスキルだと思うのだけどな。
魔法剣かぁー。
ここまでロリミカを疲れさせるのだから、かなり強いのだろうけど、きっとマリーさんからアレクサンドリアやアルデシュームの話を聞いていてもたってもいられないのだろうな。
でも、無理すると姉さん達のような事になるかも。
リスク管理してやらないとな。
「おやすみ、ロリミカ」
「フワァ、おやすみ無文、また明日」
早く寝て超回復してくださいな。
俺もロリミカを見習って自分の出来ることしよう。
出来ることは、限られてはいるが、とりあえず早くスキルのレベルアップが出来るように体幹を鍛えよう。
とりあえず筋トレだな。
俺はその夜、プッシュアップをしてから眠る事にした。
早速気になるので聞いてみる。
「うん、途中にこのあたりを治めている領主様がいるのよ。リッチモンド伯爵って方なのたけど、以前のリッチモンド様と違って、最近は悪い噂があってね」
リッチモンド伯爵、そういえば、さっき倒したオークが「リッチ様に怒られる」とか言ってたよな。リッチ様ってのはリッチモンド伯爵の事なんじゃないのか?
「悪い噂って?」
「リッチモンド伯が魔物と一緒にいたとか、魔物に操られてるや、そもそも魔物なんじゃない。と、言ったもの。噂だから真偽は分からないのだけど」
やはり、そういう事か。
「でも、リッチモンド様は領民思いの素晴らしい方なのよ。だから、にわかには信じられない気持ちもあるのだけど、噂が出だした頃から魔物が徘徊するように……。実際、わたしもさっきみたいに襲われたし、今までそんな事はなかったしね……」
「大丈夫だよ。マリーさん。もし、リッチモンドが悪い奴だったらあたしと無文がやっつけてやる!」
ロリミカは無邪気に笑いながら軽く言った。
「そうね、あなた達強いから、取り越し苦労だったかな。それと途中にドルトって街があるから、そこで何かあったら分かるはずだと思う。領地通って抜けていくだけだし、リッチモンド伯に逢わないのが普通だから」
と、マリーさんは言ってるが嫌なフラグは立ってる感はあるよな、
「ごめんなさいね。これから旅立つあなた達にはなむけにならない話ばかりして。今日はもう遅いから家に泊まって明日出発したらよいわ」
マリーさんは空いてる部屋に泊まる用意をしてくれた。
「寝る前に二人で今後の事しっかり話しあったら良いわ。何かあったら呼んでちょうだいね。じゃ、おやすみなさい」
本当にオークに襲われていた所を助けたとはいえ、マリーさんは親切にしてくれて感謝の気持ちでいっぱいになる。この世界にやってきて右も左の分からないまま、これから先の指針みたいな方向も見えたし、貴重な情報も聞けて有意義な一日になったもんだ。
「で、ロリミカ。マリーさんも言ってたけど、これからどうするよ?」
ロリミカは部屋に入ってから、何やら考えては俺に向かってステッキをしきりに振ってたりした。
返事がないので、もう一回声をかけてみる。
「ロリミカ、聞いてるのかよ。てか、さっきから何してんのよ?」
「聞いてるよ。行き先は決まってるよ。ロンディニウムに向かうしかないよね。だから、魔力が残ってるうちに無文をカスタマイズしてまーーす」
カスタマって俺は物じゃないのだから。
魔力のキャパがどれくらいか知る由もないが、ちゃんと後で寝れる事を分かった上で行動してるってことだよな。
「大切な相方だからね。無文が少しでも戦い易いように戦闘フォームをいじってるよ。マリーさんの話からしてパラメキアは強大だし、そこに君臨してる憎きアルデシューム。なにがエターナルクイーンだっちゅうの。何しろ積年の恨みは10年分ってもんですよ」
しかし、ロリミカは小さい子どもなのにしっかりしてるな。休んでる時でも余念がないわ。
でも、よくよく考えてみると、10年も封印されてたわけだから実年齢は意外と自分に近かったりしてな。
言うことがだいたい大人じみてるしな。
「ロリミカって何歳なの?」
「ひ・み・つ」
やはり、ロリミカは手練れてた。
「よし、無文のカスタマイズ終了っと。はぁー、疲れた」
「何やってくれたの?」
「無文の刀に属性呪文乗せれるようにしたよ。魔法剣に出来るようにしたの。火属性や氷属性の魔法剣なり。これでバトルの幅も広がるし、今後どんな敵が現れるかわからないっしょ。備えあれば憂いなしって事だよね。でも、無文のソシャゲは色々とヒントになって便利だよ。その他戦闘フォームも少しいじって見たから」
魔法剣かぁ。
新撰組の剣術とロリミカの属性魔法の合体。
和と洋の融合って感じだな。
無駄にエッチ系ソシャゲに課金してたのが、こんな時に役に立つとは……。
人生なんて何が幸になるか不幸を呼ぶかなんて紙一重だから。
と、たぶん違う事をしみじみと思ったりした。
「ねぇ、無文。あたし、ちょっと頑張り過ぎたから寝るよ」
そうだった。さっき残り魔力とか言ってたし……。
俺はロリミカの胸につけてるペンダントを慌てて見る。
ペンダントの石はかなり濁っていた。
ロリミカっ、お前ってやつは。
そんなに頑張らなくても……。
オーク相手でも瞬殺出来るスキルだと思うのだけどな。
魔法剣かぁー。
ここまでロリミカを疲れさせるのだから、かなり強いのだろうけど、きっとマリーさんからアレクサンドリアやアルデシュームの話を聞いていてもたってもいられないのだろうな。
でも、無理すると姉さん達のような事になるかも。
リスク管理してやらないとな。
「おやすみ、ロリミカ」
「フワァ、おやすみ無文、また明日」
早く寝て超回復してくださいな。
俺もロリミカを見習って自分の出来ることしよう。
出来ることは、限られてはいるが、とりあえず早くスキルのレベルアップが出来るように体幹を鍛えよう。
とりあえず筋トレだな。
俺はその夜、プッシュアップをしてから眠る事にした。
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