【完結】【やりちん】僕の青春グラフィティ。ノスタルジーな昭和チェリーボーイの卒業物語

カトラス

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エロ本との出会い

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 その時分、僕は小学校の高学年であってして、日々、友達とケイドロやドッチボールに戦争ごっこと放課後になると外で遊びまくっていた。

 ゲーム機などない時代なので、その頃の遊びとはそんなものだったのだ。

 その日も、友人達と秘密基地建設のために、近所の竹やぶで基地にできそうな、よさそうな場所を探しまわっていた。

 初めは友人達と一緒に基地の場所を探していたのだが、そのうちに手分けして探そうということになり、僕は竹やぶないを一人で探索していた。

 竹やぶないは、うっそうと竹が繁っていて昼下がりの時間でも薄暗く、また地面も起伏があって油断して走り回ったりすると転んで危ないのだ。

 だから、僕は足元に注意しながら竹やぶを探索していたのだった。


 そんな時、竹やぶないの少しくぼんだ段差の下で、一冊の本を見つけたのだった。

 本は、竹やぶの湿気の為か少し湿っていてテカテカと水分で光っていた。

 本の表紙には裸の女性があられもない姿で写っていて、女性の秘部は黒く塗りつぶされていた。

 その本は僕が生まれて初めて見る代物であった。

 好奇心から本を取ると水分でひっついたページをめくって見る。

 そこには、全裸の女性が縄で縛れていて苦悶の表情を浮かべているのが何ページも写っていた。

 さらにページをめくっていくと、先ほどまで苦悶の表情を浮かべていた女性はいやらしい笑みを浮かべて男性のものを口に含んでいるのが写っているのだ。

 僕は、それを見た瞬間、嫌悪感からか吐き気を覚えたのが、それと同時に自身の股間に妙な違和感を覚えたのだった。すぐに本は投げすてたのだったが、数分後には、また本を覗き見ている自分がいたのだった。


 その時には、僕の股間はズボンごしからも、はっきりわかるぐらいふくれあがっているのが見てとれた。

 僕は、何を思ったのか、その本の何ページかを破るとズボンのポケットに押し込んでいたのであった。


 なんとも自分でも理解に苦しむ行動をとってしまったのだが、このことは友人達にからかわれそうな気がしたので黙っておくことにしたのだった。

 以上が、僕とエロ本とのセンセーショナルな出会いである。

 吐き気を覚えたエロ本だったのだが、家に帰ってからも、なんだか、持ち帰ったエロ本の切れ端が気になって仕方がなく、両親が寝静まってから覗き見た記憶が残っている。

 その当時はオナニー、即ち自慰行為を知らない年齢だったので、見るだけで股間をふくらませるのみであった。

 しかし、それから二年後には自慰を覚えて、オナニーに中毒になっているなどとは、その当時の僕は知る由もなかった。



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