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狩猟解禁 (SF)
しおりを挟む全てが機械化されたE・B4638惑星では、記念すべき日を迎えようとしていた。
街角にある大型モニターには、”緊急ニュース”のテロップが踊っている。
そして映りだされた画面には興奮した様子の爬虫類を進化させたようなキャスターが、長い舌をペロペロ出しながらニュースを読みあげていた。
「この映像をご覧の全てのみなさん。ようやく待ちに待った日がやってきました!」
この星の住人達は画面にくぎづけである。
「植民地惑星に偵察にいった円盤乗組員EB2型からの情報によりますと、植民地惑星には生物が満ち溢れ、今まさに収穫のときだそうです」
画面を見ていた住人達は歓声の雄たけびをあげている。
「思えば、我々の祖先が六千五百万年前に、我が星の少量不足を解決させるために、種を送り込んでからの長いみちのりを考えると万感の思いです。これで、やっと、人工肉では無く生肉にありつけるというものです。まもなく正式に狩猟解禁の合図がだされることでしょう」
キャスターがそう言って緊急放送が終わると同時に、けたたましいサイレンの音が惑星中に響き渡った。
住人達は合図を聞くと、我先にとスペースポートに向かっていった。
数時間後には、色とりどりの大型円盤と自家用小型円盤がスペースポートから発進していった。その数は数万機いや数十万機であった。
その中の一機の自家用円盤で家族が楽しそうに会話していた。
「ねぇ~ 父ちゃんこれから行く植民地惑星って遠いの? 」
「うん坊主。遠いっていったら遠いけどなぁ~ 今から人工冬眠してワープを3回ほどしたら到着するよ」
「へぇ~そうなんだ。それと、そいつらうまいの? 」
「あぁ むちゃくちゃおいしいぞ! 父ちゃんも以前な、調査捕獲用の肉くったことあるんだけど、ほっぺたがおちるほど美味しかったよ」
「楽しみだなぁ~ 僕も早く食べてみたいよ」
「でも、今回は一家族10匹しかとったらだめなんだ」
「え~なんで? たくさんいるんでしょう。そいつら……」
「うん。昔なぁ、父ちゃん達の先祖がそいつらを作る前に、その惑星には我々に似たでかい生物がいたんだって……
で、そのでかい生物がまた美味しかったみたいで先祖達が乱獲しちゃってその生物絶滅したそうなんだ。だからいっぱい捕って、食べたらいけないんだって」
「なぁんだぁ~ つまんないなぁ~」
「でも、絶滅しちゃったらこまるだろう」
「うん。そうだね」
「物分りが良くて、坊主えらいぞぉ~そうだ。坊主にはそいつら捕まえたら一番最初にかじらせてやるからな」
「わーい。ありがとう父ちゃん」
「じゃ、楽しみは後にして、そろそろ冬眠するぞ」
そう言ってから、宇宙人の親父は冬眠装置をいじって家族は深い眠りについた。
それから一年後……
地球では、世界中のニュース番組で緊急放送が流れていた。
ニュースキャスターが真っ青な顔で
「三日前から突然現れた無数の未確認飛行物体によって、
人々が次々と連れ去られています。どうか、絶対に外にでないでください!
政府の発表によりますと、現在までの行方不明者は全世界で十億人を超えると思われ……」
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