夢追人と時の審判者!(四沙門果の修行者、八度の転生からの〜聖者の末路・浄土はどこ〜)

一竿満月

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迎春節

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 新しい年に、明けましておめでとうなのだ!十二月六日から秀吉が大坂に下向して、関東惣無事令、奥両国惣無事令を発令。大名間の戦闘を禁止して、天正十六年元日、大坂城にて諸大名と共に、新年祝賀の儀を行い、六日に入京した。足利義昭が備後から上洛して征夷大将軍を返上、出家して秀吉に臣従し、義昭は山城国槇島を与えられた。
 昨年、水無瀬家に作らせた将棋道具を爺様が秀吉に献上した。作った駒は王の駒の裏には金と書かれており、自陣の金を裏返すと、そこには王と書かれていた。そして「兵法!兵法!!兵法!!!」と言って相手の対応を見ている。
 殆どの相手は、例え間違っていることでも、ただとにかく肯定、あるいは肯定的に賛同するだけ。「道理は分からないがとりあえず肯定しておけばいい」という日和見的な判断である場合と、対象とする人物の気分を良くしてその庇護にあやかろうと企む所謂ごますりである。
 しかし、羽柴秀長、秀次、利休、黒田孝高の四人が盾突いた。秀吉は「主人の悪事を見て諫言をする家人は、戦場で一番槍を突くよりもはるかに優れた心根を持っている」と言ったかどうかは知らんけどね。吾輩は主と一緒に京の東堀川通武者小路下る所の富田家に戻っている。

◆◆◆◆…………
 元来、餅は神様に捧げる神聖な食べものとして、祝い事や祭りには欠かせないものだ。どんなに貧乏な百姓であろうと、正月には必ず餅を用意するのが常識だった。小太郎も当然ながら正月の準備を行うため、年末からあれやこれやと物集めに勤しんだ。

 正月の用意を行う上で、特に重要なアイテムが「門松」、「しめ飾り」、「鏡餅」である。
そもそも元旦は「年神様」という、家々に新年の幸せをもたらすために、高い山から降りてくる神様をお迎えするための日でもある。

 故に門松は新年に年神様が降りてくる時の目印であり、また家に迎え入れるための依り代。しめ飾りは年神様をお迎えするために清められた場所である事を示す清浄・神聖の印。鏡餅は家にお迎えする年神様への供物であり、また依り代という意味がある。準備するのは大晦日の前々日までで、それ以降の日は避けるべきとされている。

 それ以外にもやる事はあった。元旦を祝う宴会の準備である。昨年と違い、今年は別荘があるのと葉子ちゃんの中にいる付喪神以外に雪ちゃんや江ちゃんたちもいるため大晦日は大宴会になった。
 最初は付喪神対抗・紅白歌合戦から始まって、メインイベントは付喪神による三対三のバトル、勝ち抜き戦・鬼退治イン天王山ということで主審が小太郎で副審が江ちゃん、撮影隊は【百目鬼】の百百ちゃんと分体九十九体が担当した。百百ちゃんは葉子ちゃんの中に居て、【塗壁】の壁ちゃんの背中に分体が送ってきた映像を投影した。
 歌合戦は紅組の優勝で幕を閉じ、メインイベントの鬼退治イン天王山は、【隠れ蓑】【隠れ笠】【 打出の小槌 】がチームを組んだ、【チーム桃太郎伝説】が優勝した。優勝商品の粒餡、こし餡、白餡、鶯餡、桜餡で作られた水饅頭セットが配られた。ちなみに、歌合戦の演奏をしてくれた楽器の付喪神にも別の水饅頭セットが配られた。

 元旦は除夜の鐘が鳴る前から、京の伏見稲荷大社・八坂神社・北野天満宮・平安神宮・下鴨神社・地主神社・上賀茂神社へお参りに行った。普段は寒さで中々出てこない付喪神たちも日が昇るより前に起きてきた。そして付喪神は七体ずつ順番に畑の前に集まり、焚き火を熾してお年玉を待った。
 小太郎は付喪神全員に新作団子を配った。数時間後、日が昇ると同時に手を合わせ、今年も一年健やかに過ごせる事を願った。

 それが終われば次は追加の餅つきだ。臼と杵の付喪神、薄葉さんと杵坊さんがもち米を下準備して蒸した後、米粒の形がなくなるまでつく。流石に神と呼ばれるだけあって、どんどん餅が突き上がって来る。年末に鏡餅や丸餅を作った経験が活かされている。団子に加工するための付喪神は数が必要なため、突き上がった餅を葉子ちゃんの中に入れていく、餅つきが始まり少し経った頃。
 餡子作製部隊の小豆ちゃんと小計ちゃんがあんころ餅を作り出したので、小太郎はみたらし団子のタレを作って、昨年九州の肥前で作った甕の中に貯めていった。

 朝飯前に東堀川通の富田家に、小太郎は昨年捕まえた大きな猪の一部を持ってきたのだ。家族に新年の挨拶を交わした後、どう料理しようかなと考えた結果、ぼたん鍋を作る事にした。
 しかし、正月に古来より鍋は最も基本的な炊事具であり、同時に神聖なものとされてきていたため、鍋を直箸で汚すなどもってのほかだ。だが”同じ釜の飯を食う”という諺もあるように、同じものを囲んで食べる事は連帯感を強める方法でもあった。
 結局、ぼたん鍋ではなく串カツを作ることにした。材料は猪を始め別荘で作った野菜などだ。更に念の為におせち料理は母上達が作って用意してくれた。

 串カツとおせち料理とは別に、小太郎は正月によく食べられる餅を主とした汁料理、いわゆる雑煮も用意した。雑煮という言葉は京の吉田神社の神官が書かれた【鈴鹿家記】に初めて出てくる。お雑煮は、歳神様に供えた餅や、畑で取れたさまざまな具材を、その年の最初に汲んだ水と、焚いた火で煮込み、元旦に食べたのが由来とされています。

 しかし、米は高価な品であり、同時に税だったため一般庶民は餅の代わりに里芋を食べていた。武家社会においては宴の一番最初に食べる縁起の良い食べ物だ。雑煮を食べなければ宴が始まらないと言われるぐらい、まず初めに雑煮が振る舞われていた。

 だが米以外の作物で定畑や焼畑を行っていた地域では、正月三箇日に餅を神仏に供えたり食することを禁忌とする風習がある。これは米が自分たちの土地で生み出されない外来の食べ物であったため、神仏にお供えする食べ物に相応しくないと考えられていたからだ。
 
 雑煮には色々な話がある。本膳料理の前菜として出された汁物に端を発し、餅・山芋・里芋・大豆など体に良いとされるものを入れるのが習わしだった。地域によっては海産物などを入れた例もある。
 それが、餅が簡単に手に入るようになると、正月は雑煮で祝うという風習が広まった。その時、雑煮という言葉は「何でも雑多に入れて煮る」という解釈がなされ、本来の雑煮のように体に良い具材以外のものまで用いられるようになったと言う話だ、知らんけど……。

 実家でも朝稽古が終わった後、家族全員居間に集まった。
「コホン、明けましておめでとうございます」
 爺様が年が明け年神様を迎える際の祝福の言葉を口にする。
「「「「「「「明けましておめでとうございます」」」」」」」
 家族たちも爺様に倣って祝福の言葉を口にする。これは神様への感謝の言葉を人々の間で交わすことにより、心から年神様を迎えたことを喜びあう意味がある。
「えー、今年も無事新年を迎えられた事、ここに喜びを申し上げます。今年も色々と有ると思いますが、今日から三箇日飲んで食べて新年の英気を養っていきましょう! では、いただきます!」
「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」
 割とノリの良い家族たちが大声でそう言った瞬間、正月祝いの宴会は始まった。

 雑煮や串カツなど、普段食べられない料理に家人たちは舌鼓を打つ。それを上座で見ながら爺様やその家族、茂爺たちと当たり障りのない会話をしていた小太郎だが、宴会の中盤辺りで来客があった。

 取次をしたのは女中のお紺なので本人が直接宴会場に入ってこなかったが、どうやら秀吉からの早馬との事。待たせるのも悪いと思った爺様は、早々に席を立った。廊下に出た途端、外の寒さに身を震わせた。
「うーさぶ……あ、そうだ。小太郎、済まぬが早馬の人にお茶を出して上げなさい」
「はい」お年玉のため愛想よく返事をする小太郎。
「ついでに、饅頭も頼む」
「了解しました……お紺さんお茶を二つ用意してください」
  訝しげに思ったお紺だが、後で理由を説明してくれるとの事なので、今は素直に従う事にした。
 それを見届けた後、爺様は早馬の人がいる場所へ向かった。
 入り口から外へ出ると更に寒さが身に沁みた。長時間、外にいるのは厳しいだろう。
「富田左近将監知信様ですね。関白様からの文をお渡しいたします」
 すぐ傍に馬と一緒に立っている鎧武者の人が、爺様に気付くや否やそう声をかけてきた。寒さをやせ我慢しているのか、その体は小刻みに震えていた。
「来週、関白様が新年の挨拶と饗応の後茶会を開きます。その席に、富田左近将監知信様に小太郎様も参加するようにと…、仔細は文に書かれています」
「はい」
「その際、新作の団子を持ってくるように、との事です」
「えっと、はい……〈不思議そうに爺様の顔を見ると髷を指して、にこにこしている〉」
 ちょっと疑問に思った小太郎だが、爺様がどこかで話したのだろうと思いすぐに意識から外した。
 それから参加する旨を爺様が早馬の人に伝えた後、小太郎は彼にこう言った。
「この寒さで身が凍る思いでしょう。温かいお茶と饅頭を用意しましたので、どうぞこちらでお召し上がりください」
「あっ、…いえ、…申し訳ない」
 やせ我慢しても寒さは身にしみているのか、早馬の人は小さく頭を下げた。小太郎が彼を玄関横の対面所まで案内しようとしたが、それより先に紺が茶を持って外に出てきた。言われた通り、湯気が出るほど熱々なお茶を二つ茶碗に入れて持ってきた。小太郎は茶碗の一つに小さな氷を入れて渡した。
「まずは喉を潤しましょう。こちらの茶碗のお茶をお飲みください」
「は? はぁ……」
どこか腑に落ちない顔をしつつも早馬の人は言われた通り一つ目の茶碗のお茶を飲む。最初はちょっとずつ飲んでいた彼も、少しぬるいお茶で飲みやすいと分かった瞬間、煽るように飲み干した。馬に乗るのは体力がいるのかな、と漠然と思った小太郎だった。

「では、次にこちらの熱々のお茶をお飲みください」
「かたじけない……あちち……」
 今度は湯気が出ているほど、見た目からして熱々のお茶を渡す。しかし寒さで手がかじかんでいた早馬の人にとっては、手を温めるよい温度であった。手が温まったところで、こし餡の温めた水饅頭を出した。〈疲労回復作用付加〉
流石に三杯も飲んでいる余裕がないと思って二杯にしたが、それでも早馬の人にとってはありがたかった。寒さで身が凍る中、一杯のお茶がどれほどありがたいか骨身にしみるからだ。

 感動した早馬の人は姿勢を正すと、小太郎に向かって深々と頭を下げた。
「馳走になった。小太郎殿のお心遣いに感謝する」
「あ、いえ」
「それでは失礼する」
 もう一度頭を下げた後、早馬の人は素早く馬に跨がり走り去っていった。

 元旦の宴会は大いに盛り上がり、雑煮と串カツの素材人気ランキング上位の猪肉、海老、牛肉、うずらの玉子、特製ウインナー、特製つくね、ささみチーズ、鶏もも肉、豚ヘレ、ホタテ、レンコン、じゃがいも、茄子、玉葱、さつまいも、ししとう、しいたけ、ニンニク、かぼちゃ、と満月揚げ鰹節掛けが無くなるまで宴会は続いた。

 小太郎が作った口当たりの良い酒で富田家の男衆も、家人の男衆も、皆酔い潰れていたので、酔っていない小太郎がなし崩し的な感じで片付けをして実家に泊まる事となった。もっとも、その日は男女関係なく酔い潰れた人が多かったため、殆どの人が宴会場でごろ寝していたが。その中に呼んでもないのに、手ぶらでやってきた客がいた。そして人一倍食べて、飲んで、燥いで、母上に絡んで簀巻きにされ、転がされた酷い客が桃桜と重政だ。

 桃桜は年末に千本組御用屋敷の長屋に帰ったのだが、局長の近藤勇蔵から追い出されたのであった。
そして、重政は前田利家が後陽成天皇の聚楽第行幸に陪席するため京に出てきたのだが前田慶二と飲み歩き、慶二が父上に会いに来た後、重政を置いて帰ったので桃桜と一緒に飲んで、燥いで、母上に絡んで簀巻きにされた。

 一方、小太郎は粒餡の温めた水饅頭を食べて〈体力回復機能付加〉、女中と付喪神とで朝まで片付けをしてから入浴をして身を清め、出来うる限り綺麗な身なりをした。今日は爺様と有馬則頼の屋敷を訪問して、一緒に聚楽第の中にある千利休の屋敷でお茶会に参加する事になっている。

 茶事といえば、武家社会においてかなり堅苦しい方に部類するのだ。はっきり言って社交界のパーティに近いと考えても良い。それなりのマナーを守らねば、茶事を開いた人の面子を潰してしまうのだ。しかし、小太郎が居るため、茶事ではなく茶事の一部分を独立させて、簡略化したラフな雰囲気を感じるようにと茶会として開かれる。
 

〈さっむーい…別荘の掘り炬燵の部屋に引き篭もりたい。……昨日秀吉から茶会の話が有ってすぐ茶会の勉強とは……お爺様は鬼じゃと思いつつ……すぐに承諾する利休も有馬則頼も暇人か〉
 寒さに震えながらも道中何事も無く、小太郎は利休がいる聚楽第の屋敷へと辿り着いたが、すぐに茶室へ移動という事はなかった。寄席という部屋で、白湯や香煎をいただきます。
 いただいた後は、露地(ろじ:茶室の庭)の腰掛待合という場所に向かいます。先ほど寄席にいたお爺様が、腰掛待合というところにまっていますので、亭主の利休がそこまで迎えにきます。亭主・お客様、双方がここで顔合わせします。
 迎付の後、蹲踞で心身を清め、茶席に入ります。席入り後、床の間を拝見します。その日メインの掛物が掛けられています。そして、利休とお爺様達はそれぞれあいさつを交わします。そして、いよいよお茶席が始まるのかと思いきや、少し違います。
 あいさつを交わした後、膳が運び出され、 懐石がはじまります。懐石は用は、お食事です。旬の食材を使った、一汁三菜の料理を頂きます。お酒を酌み交わしながら、歓談のひとときになります。
 昨年の北野の大茶会での、美濃の一化という茶人が松葉をくすべて煙をあげ、これが秀吉の目に留まって席に臨まれ一服の御意があった。そこで麦こがしを白湯で入れて白扇を拝領したことや一間半の大日傘をかかげた丿貫が諸役御免の褒美を貰ったことなどの世間話から始まって、爺様が昨年末の東国視察の概要や利休が前田利長、蒲生氏郷、細川忠興、古田重然、牧村利貞、高山長房、芝山宗綱などから集めた情報を語り、則頼が肥後国衆一揆の現状などを話した。
 その後、初炭では、後蓙で行う濃茶のために、利休が風炉に炭をついで湯を沸かした。その後、趣向や季節に合わせた主菓子が出されたので、いただきました。
 お菓子を頂いた後は、利休は後座の準備に取り掛かります。そのため、爺様達は路地の腰掛待合で用意が整うのを待ちます。これを中立ちと言うそうです。
 そして、利休が後座の準備が整うと、外の腰掛待合で待っているお客に対して、銅鑼などの音で知らせます。爺様達はそれを合図に、再度、後座のため席入りをしまた。
 厳粛な雰囲気の中で濃茶が練られます。客一同で順服し味わいます。その後、後炭をし、今一度火を整えます。そして、薄茶が始まります。薄茶では濃茶の時と打って変わって、亭主と客が語らいながらお茶を頂きます。
 ひと時、世間話が終わったところで、お道具拝見となり、利休は、常人が十を使用して表現する場合、これを七つなり五つで表現する、その不足分の三つなり五つなりの欠を、利休は己の精神力と創意工夫で補っている。それを働きという言葉で表している。
 最後に、お客は一会のお礼を述べ、退席します。最後立ち去るときに、お客は躙口の外で無言の一礼をします。
 爺様に新年の挨拶回りということで同行したが、二日続けて徹夜の疲れた小太郎は温めたこし餡の水饅頭を食べ、ここで爺様達と分かれて、来週の秀吉による年賀の挨拶後の茶会に向けて別荘に移動、新作団子を作る前に小太郎一人、寝ござを敷くと着物を脱いで掛け布団のように上からかける。
 すると、付喪神は人化して小太郎に抱きついた。
「んじゃお休み、美見、美野、綿子、江」『『『おやすみ~~』』』
 そう言うやいなや小太郎は僅か数十秒で深い眠りについた、…筈だった。
 急に枕がどっかに行って目が覚めた。目の前に幼女が笑って立っている。
「江ちゃん、なにすんだよ!」『私が最後かよ!』
「えっ!…江ちゃんは大御所だから、大事なトリ」と耳元で言った。『ほんと…』と優しく言いながら右脇腹の急所を押してくる。
「いててててぇ、江ちゃん止めてぇ!」『なら許す!』
 小太郎は笑顔で、「江ちゃんおやすみ~~」と言って寝た。
〈今日は何としても朝まで話をさせないようにどんな事があっても目は明けない……。徹夜が三日続くことはさけなければ……。それと、新しい枕一体型のベットと寝室を作ろうと……。明日からの仕事量が思いやられる…とっ江ちゃんが…あぁぁ寝れない!〉
 
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