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金吾殿
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吾輩は今日も聚楽第の屋根の上にいる。そして、ご主人様も爺様に云われて、珍しく聚楽第に金吾殿の見送りのため来ている。普段は師匠と桃桜と修行を行っているので無理だが、始めてから半年が経ち、武士として必要な筋肉以外にも【錬気】を丹田で制御する力が付いてきたため参加している。
「ほら小太郎、あんたそろそろ準備しなくていいの?」
「とっくに終わって暇してるよ」
「どうだか、小太郎は案外そそっかしいんだからね」
相変わらずお節介なやつだ。
荷物は何度も確認した、今更桃桜に言われてもやる事は残ってない。
立ち上がると、桃桜がうらやましそうな顔をしていた。こうして度々姉貴面をしてくるのだ。
「まだ時間あるなら少し付き合ってくれないか?」
「修行に……でしょ。分かってるって」
「なんでそんな不服そうなんだよ」
「……ばーか」
軽口を叩きながら道場を出て、距離を開けて対峙する。俺の修行は一人で出来ない事が多い。
だからこうして桃桜に付き合ってもらう必要があった。
「小太郎~、それじゃ始めるよ~!」
「いつでもいいぞ!」
「じゃあ遠慮なく……くらえこのアホ~!」
罵倒混じりの合図と共に、桃桜に向かって全力で駆け出した。桃桜が腕を振るって大量の石を投げつける。その石に正面から突っ込む。
〈いや今日は一段と石が鋭利だな……! あいつまさかこのために研いでるんじゃないのか?〉
鋭利な石が小太郎の顔面に容赦なく襲い掛かる。しかし、その鋭利な石も俺に一切の傷を負わせる事ができない。
「まだまだぁ! 今度はこれならどう?」
〈そのクナイどこに忍ばせてたんだよ!〉
今度は桃桜がどこからか取り出したクナイが俺に襲い掛かる。
だがそのクナイも小石と同じく弾かれた。万策尽きたのか桃桜は不満そうに舌打ちを鳴らした。
「なぁ桃桜…さすがにクナイは聞いてなかったんだけど」
「嫌だなぁ、そうこれは小太郎の事を信頼してただけなんだから!」
桃桜の投擲を尽く防ぎながら、桃桜の元へと無傷で辿り着く事は出来た。
それでもクナイを顔面で受けるというのは心臓に悪い。
せめて一言言って欲しかった。
「小太郎、随分仕上がってるじゃないか」
「師匠、おはようございます。今日は大丈夫なんですか?」
一休みしていた所に師匠が現れた。一郎と小次郎は筋肉強化の最中なんだろう。
「小太郎。見送りに遅れぬようにな…」
「久しぶりの外出で、むしろうれし過ぎて早く目が覚めちゃいましたよ」
「小太郎。嘘はいかんぞ、毎晩隠れて外出してるだろ」
〈バレてる!〉
「それじゃぁ行ってくるよ。お土産楽しみにしていて」
小太郎はいつものように、付喪神の葉子ちゃんの分体を利用して移動した。
□□□□…………羽柴秀俊
儂の前世が織田信長だということも最近分かった。そして、今の名前は羽柴秀俊。なんと、あの秀吉の養子で、正室高台院つまりねねの兄、木下家定の五男らしい。
儂が生まれたのは、天正十年、本能寺で倒されて二週間後に生まれており、戦国乱世の時代は終わりを告げようとしている時代だった。
正直いって、微妙なところに生まれ、前世の記憶が戻ったのがつい最近だった。儂は前向きに考えた、まあ天下人の親戚でまだよかった。木下家定なんていう武将は聞いたことがなかったけれど、異母兄の木下俊定が蘭丸の生まれ変わりであったのが幸いした。……ただ結局、儂って何者じゃ。
今の自分には、信長であった頃の様な権力はないし。どうやら家中は俊定を除き秀吉に臣従する事で、一致しているらしい。
「ならば秀吉に天下を取らせるか?」
しかも秀俊にとって幸いだったのが、秀吉の後継者である秀次が期待されて参加した小牧・長久手の戦いでは失態を演じた。岳父である池田恒興と義兄・森長可が三河国に攻め入るという[中入り]策を秀吉に強く提案し、秀次もこの別働隊の総大将になりたいと志願して認められたが、白山林で榊原康政・大須賀康高らに奇襲されて、壊滅的な大敗を喫した。軍目付として同行していた木下助左衛門と木下勘解由が秀次を守ろうとして討死する中で、本人は命からがら落ち延び、堀秀政隊の救援で何とか脱出した。結局、長久手では恒興・元助、長可ら多くの武将が討たれてしまった。見苦しい敗北で不甲斐ない様を見せたとして、怒った秀吉から激しく叱責され、秀次を即座に第一位継承権者から降ろし、秀俊に代えたことだ。秀吉が死ねば儂が跡を継ぎ、織田家に天下が戻ってくる。ならばしゃくだが、秀吉に天下を取らせれば、いずれ織田に天下が戻ってくる。
それに、秀次が継いだ場合でも、茶々が子を産めば良し、産まなかった時は三介と徳川の力を使い混乱に乗じて奪うばう事も出来る。それに織田家は儂が死んで六年で、これだけ没落ぼつらくしてしまった現実を目まの当あたりにすると。秀吉の死後、豊臣家も織田家の様になってしまう可能性が高いと考えていた。
しかも秀吉には儂の時とは違い、身内と呼べる人達が決定的に少ない。ならばどう転んでも天下は自ずと向こうからやって来そうな、秀吉に天下を取らせてから、状況に応じて動いた方がいいのではないかと、思い始めた。
しかし織田家を乗っ取った秀吉に天下を取らせるのは、正直凄いしゃくであった。だが天下を取る為には、私情を捨てなければならない。
「そうするのが、一番良いやり方かもしれんな……」
しゃくだが、ここは秀吉に従っておこうと決めた。すると儂の部屋に、目の鋭い木下俊定と千草・千鳥が現れた。そして、俊定が儂の元へ近寄ると。
「上様、茶々様の件この先いかがいたしましょうか…」
「構わん、捨て置け…それよりも秀長が秀吉に秀次を跡目に押しておる。秀長の弱みを探れ…」
「はっ」
「それと、儂の部屋の警護を厳重にせよ…何やら解らぬ者が覗いておる」
「はっ」
「ところで、千草と千鳥。久しぶりじゃの…息災であったか」
「「……」」
「どうした」
「上様、この者たちのご無礼、お許しください…」
俊定は秀俊に座礼をして、千草達が任務中に死んで影として蘇った経緯を詫びると、秀俊は小さい声で「そうか」とだけ言った。すると続けて俊定が消えた羽柴秀俊の記憶を補足してくれた。
「それで上様、明日、大坂城に向かいますが様子はどうですか?」
「大坂城と聚楽第の絵図で、大体は理解した。少し、歩いて確認すれば大丈夫だ」
「では、今日は寧々様を尋ねられればよろしいかと…」
「そうだな、明日、秀吉に会う為だ…事前に情報を仕入れておこう」
「左様でございますね」
こんなに早く秀吉との対面の機会があり、秀俊は少し嬉しかった。なぜなら腹は立つが、見事な手法で織田家を乗っ取った秀吉に、早く会いたいと思っていたからだ。この六年で秀吉は一体どれほどの人物になったのか、その力量を確かめるつもりでいたのだ。
「それで今日は行けそうか?」
「はい、大丈夫です」
「そうか、それで乱も、もちろん一緒に行ってくれるな?」
秀俊は俊定の様子を伺うと、俊定は途端に困惑した顔になる。
「上様、私は寧々様が苦手でして、私を非常に警戒なされています、だから会わないほうがいいかと…それに寧々様の前で私といると兄上と呼ばなくてはなりません…控えの間で待機しておりますよ」
俊定は頭を下げたまま答えた。
「兄上……か」
秀俊が不満そうな口ぶりでそう言うと、俊定は「では、上様。私は明日の準備が有るので…」と言って部屋から出て行った。
その様子をみながら秀俊は大きくため息をつくと。秀俊は文机の上に日記と紙を置き、紙に日記の内容を模写もしゃしていた。秀俊は、羽柴秀俊のになりすます為の努力をしていた。まずは俊定の日記を全て読み、九州遠征の事や俊定の経験を自分の頭の中に叩き込んだあと寧々様を訪ねて記憶のすり合わせを行った。しかし、俊定と言う男は結構真面目な性格だったらしく、儂が生まれてから事細ことこまかに日記にその日の出来事などを書いていたので、それが凄く役にたった。
秀吉のいる大坂城に向かう日の朝。秀俊が一部の記憶が曖昧だと知っている俊定を付き添わせ、聚楽第の家臣の名前と顔を覚えた。
ただ、会ったこともない尾張衆を呼び止めることの無いよう、そして今日は秀俊の筆跡をまねる練習をしていたが、秀俊は文字に独特の癖くせがあったので、秀俊は文字をまねるのをやめた。すると部屋の外の廊下から人の気配がすると。
「殿。出立の時間です」
俊定の声が廊下から聞こえて来た。
「あぃ分かった」
秀俊は筆を止め仕度を整えると、おつきの者達を連れ集合場所の城門付近に向かった。そしてその場所に着くと、数名の近習と護衛をする数十名ほどの兵士達、それに木下俊定の姿があった。
すると俊定が秀俊にそっと近づくと。
「あちらの隅に見送りにおられるのが、富田小太郎殿でございます」
〈ほほう!乱が気にする逸材か…〉
俊定は秀俊の耳元でそう囁ささやく様に言うと、何事もないように去っていった。秀俊の記憶が曖昧なのは秘密にされているので、俊定、影の軍団以外は知らなかった。
なので俊定はあの日以来初めて会う人がいると、秀俊のそばに来てその人の名前をさりげなく教えてくれるのだ。
「では皆の者、出立するぞ」
秀俊の出発の合図で、皆は城門を出て秀吉の居る大坂城に向かって歩いていた。
船を使い大坂城のある摂津にやって来た。そして大坂城にほど近い秀吉が用意してくれた宿舎に着くと、宿舎の中にいる若く知的な顔立ちの男がやって来た。
しかし秀俊はその男の顔を知っていた。なぜなら秀吉の小性として働いており、何度か顔を見ているからだ。だが名前までは知らなかった。
「ようこそお越し下されました。拙者は金吾様の接待を仰せつかった、羽柴秀吉が家臣、石田三成と申します。以後お見知りおきくださいませ」
「拙者は羽柴秀俊。こちらにおられますのが兄の木下俊定。それにご存知かもしれませんが、こちらが弟の木下秀規でございます」
木下俊定の後に紹介した木下秀規と言う人物は、秀吉に仕える旗本で、豊臣家と羽柴家の交渉役として活躍していて、俊定からも一目おかれている、弁が立つ中々に切れ者だ。
しかもこの中で唯一、転生者でなく秀吉や大坂在中の官僚の人達とも面識がある。なので今回、秀吉との面会につれてきたのだ。
石田三成の先導で大坂城に行くが、大坂城は町を城壁でぐるりと取り囲む壮大な作りとなっている。しかし五年前に作り始めただけあって、所々に建築中の民家や建物があり。まだまだ町の完成にはほど遠い感じだ。しかし完成すればさぞ壮大で素晴らしい町になるだろう。
そして町の奥の小高い山に大坂城がそびえ立っているが、その本丸の屋根の瓦かわらには瓦に金箔きんぱくが貼ってあり。
その金箔きんぱくが太陽の日を浴び四方に光りを拡散し、光りの効果のおかげで、遠くから見るとより大阪城が壮大で偉大な城に見えた。まさにこの日本を統一し、天下人てんかびとになろうとしている男の住む場所と言えるだろう。
お城の作りを見るだけで、秀吉の野心と権力が伺うかがえる。秀俊[信長]は大川から町を歩き城の青屋門を潜り、極楽橋を渡り城内に入る。城に到着すると、お城の中を歩いて秀吉が待っている謁見の間に行った。そして謁見の間まに着くと三成が。
「では、しばしお待ちください」
石田三成は謁見の間まを出て行った。秀俊は畳に座り秀吉を来るのを待った。そして秀俊は目をつぶり心を落ち着かせた。
なぜなら織田家を乗っ取った秀吉を目の前にして、平然としていられる自信がなかったからだ。秀吉を目の前にして、怒鳴りつけてやりたい衝動を抑えられるか分からない……。
しかし今の秀俊は羽柴秀俊として来ているので、いわば豊臣の一門だ。正直、秀俊は羽柴家の事はどうでもよかったが、これから羽柴家を利用して秀吉から織田家を取り返すので、ここで羽柴家の立場を悪くする訳にもいかない現実があった。
それに秀俊には織田家を取り戻すと言う、大きな目的がある。なのでその為にはここは我慢しなければいけないと、自分に何度も言い聞かせた。
すると三成が謁見えっけんの間に戻ってくると、謁見の間の一段高くなっている上段から近習・小姓衆を連れた秀吉が入って来た。秀俊は座礼をして頭を上げ秀吉の姿を見ると、思わずごくりと唾を飲み込んだ。
なぜなら能力はある男だが、どこか小物らしさが抜けきれなかった秀吉の姿は、そこにはなかったからだ。派手な着物が好みは同じだったがその風格や、秀吉から醸し出す雰囲気は、かつて秀吉のそれとは別人の様だったからだ。
まさにここにいる秀吉は、日本の統治者に相応しい威厳を兼ねそろえていた。その事に驚き秀俊は思わず頭を下げてしまった。
〈この儂が秀吉ごときに!〉
そしてその事に気づくと、秀俊は奥歯を噛み締め悔しがった。まさか自分が秀吉ごときと思っていた相手に、頭を下げる事に屈辱を覚えたからだ。すると秀吉は秀俊達に微笑むと扇をを手に、深く臣下の礼を取ったままの秀俊達を見渡すと、尊大に右手を上げ、彼らが望むであろう絶対の支配者の威厳たっぷりに、低音の作り声で命令する。
「面おもてを上げよ」
「………」
「面おもてを上げよ」
秀俊が顔をあげると
「羽柴秀吉である」
その言葉に秀俊達がもう一度頭を下げると、秀吉は上段から降りて秀俊に元に近づく。
「金吾よ。よう来た、よう来た」
「殿下、お久しぶりで御座います。羽柴秀俊にございます」
「おぅおぅ、九州で会っていた時いらいかのぉ、あの時は秀長が金吾殿の凛々しい姿を褒めっておったのぉ、この秀吉も感心したぞぉ」
「ははー、ありがたき幸せにございます」
秀俊は散々、秀吉のお世辞を聞いていたので全くうれしくなかったが、ここは秀吉をよろこばす為にとても嬉しそうにな芝居をしてみせた。
「俊定殿も秀規殿もようお越しになられた。それと肥後守殿はいかがなされた?」
秀吉の問に秀俊と一緒にこの場に来ていた。秀吉との交渉役でもある秀規が。
「父上はご病気のために、大坂には来られませんでした」
「左様か……久しぶりに会ってみたいと思っておったが、残念じゃな」
「これからは関白様の家臣として、幾度いくども上洛する機会がありますので。その内に会う機会もございましょう」
「それもそうじゃな」
秀吉が納得する顔すると、秀規が。
「殿下を始め、茶々様達は元気ですかな?」
しかし、聞いた所によると最近茶々が病弱気味の様で、秀俊はその事を凄く心配をしていた。
すると茶々の話をすると秀吉は浮かない顔をしながら。
「儂の方は元気でやっているが、このごろ茶々の調子がすぐれなくて……」
「そうでしたか……」
「それで大坂にはどのくらい滞在されるおつもりか?」
「五日間ほどを予定しています」
「左様か、では堅苦しい挨拶はここまでにして 、皆を歓迎する宴うたげを開くので、こちらに参られよ」
秀吉は秀俊の腕をつかむと、謁見の間から秀俊と一緒に出た。
秀吉に案内され大坂城の中庭に来ていた。中庭には踊りを踊る舞台があり。廊下には席がもうけられ、料理や酒が置いてある。どうやらここが宴会場の様だ。すると秀吉は秀俊を案内して主賓の席に着くと、二回手を叩く。
すると中庭の舞台に鮮やかな衣装を着ている女性が、舞台に上がって来た。その女性の踊り手が姿勢を決めると、舞台の外にいる音楽家が三味線しゃみせんや太鼓たいこなどで演奏を始めた。こうして羽柴家の人々を歓迎する宴会の始まった。
宴会が始まりその音に釣られる様に人々が集まってくると、秀吉が「お前達も楽しめ」と言って女中に酒や料理を持ってこさせた。そして集まった人達は音楽と踊りを見ながら酒を酌くみ交わし、宴会が賑やかになっていった。
秀吉が「金吾よ。秀勝は丹波亀山十万石では知行が不足であると儂に不平を訴えたため、秀長に与えた。来年、お前が元服して国を治めて見ぬか」と訪ねたので。
「ははっ。ありがたき幸せ」と答えたら秀吉がにこにこしながら三成を呼び「後は三成と話を致せ」と席を外した。
秀俊は三成に丹波亀山の説明やもてなしを受けた。三成の言う男は無愛想だが、凄く気が利く男でなかなかの接待だった。そしてこの日は秀吉が用意してくれた宿舎に泊まった。
この日、秀吉は一万石以上の諸大名に妻子の在京を命令した。
そして、次の日から秀吉は諸大名・公家衆を従え奈良・郡山に下向し鷹狩りを行い、十月二十日に大坂城に帰城するまで儂は同行した。
「ほら小太郎、あんたそろそろ準備しなくていいの?」
「とっくに終わって暇してるよ」
「どうだか、小太郎は案外そそっかしいんだからね」
相変わらずお節介なやつだ。
荷物は何度も確認した、今更桃桜に言われてもやる事は残ってない。
立ち上がると、桃桜がうらやましそうな顔をしていた。こうして度々姉貴面をしてくるのだ。
「まだ時間あるなら少し付き合ってくれないか?」
「修行に……でしょ。分かってるって」
「なんでそんな不服そうなんだよ」
「……ばーか」
軽口を叩きながら道場を出て、距離を開けて対峙する。俺の修行は一人で出来ない事が多い。
だからこうして桃桜に付き合ってもらう必要があった。
「小太郎~、それじゃ始めるよ~!」
「いつでもいいぞ!」
「じゃあ遠慮なく……くらえこのアホ~!」
罵倒混じりの合図と共に、桃桜に向かって全力で駆け出した。桃桜が腕を振るって大量の石を投げつける。その石に正面から突っ込む。
〈いや今日は一段と石が鋭利だな……! あいつまさかこのために研いでるんじゃないのか?〉
鋭利な石が小太郎の顔面に容赦なく襲い掛かる。しかし、その鋭利な石も俺に一切の傷を負わせる事ができない。
「まだまだぁ! 今度はこれならどう?」
〈そのクナイどこに忍ばせてたんだよ!〉
今度は桃桜がどこからか取り出したクナイが俺に襲い掛かる。
だがそのクナイも小石と同じく弾かれた。万策尽きたのか桃桜は不満そうに舌打ちを鳴らした。
「なぁ桃桜…さすがにクナイは聞いてなかったんだけど」
「嫌だなぁ、そうこれは小太郎の事を信頼してただけなんだから!」
桃桜の投擲を尽く防ぎながら、桃桜の元へと無傷で辿り着く事は出来た。
それでもクナイを顔面で受けるというのは心臓に悪い。
せめて一言言って欲しかった。
「小太郎、随分仕上がってるじゃないか」
「師匠、おはようございます。今日は大丈夫なんですか?」
一休みしていた所に師匠が現れた。一郎と小次郎は筋肉強化の最中なんだろう。
「小太郎。見送りに遅れぬようにな…」
「久しぶりの外出で、むしろうれし過ぎて早く目が覚めちゃいましたよ」
「小太郎。嘘はいかんぞ、毎晩隠れて外出してるだろ」
〈バレてる!〉
「それじゃぁ行ってくるよ。お土産楽しみにしていて」
小太郎はいつものように、付喪神の葉子ちゃんの分体を利用して移動した。
□□□□…………羽柴秀俊
儂の前世が織田信長だということも最近分かった。そして、今の名前は羽柴秀俊。なんと、あの秀吉の養子で、正室高台院つまりねねの兄、木下家定の五男らしい。
儂が生まれたのは、天正十年、本能寺で倒されて二週間後に生まれており、戦国乱世の時代は終わりを告げようとしている時代だった。
正直いって、微妙なところに生まれ、前世の記憶が戻ったのがつい最近だった。儂は前向きに考えた、まあ天下人の親戚でまだよかった。木下家定なんていう武将は聞いたことがなかったけれど、異母兄の木下俊定が蘭丸の生まれ変わりであったのが幸いした。……ただ結局、儂って何者じゃ。
今の自分には、信長であった頃の様な権力はないし。どうやら家中は俊定を除き秀吉に臣従する事で、一致しているらしい。
「ならば秀吉に天下を取らせるか?」
しかも秀俊にとって幸いだったのが、秀吉の後継者である秀次が期待されて参加した小牧・長久手の戦いでは失態を演じた。岳父である池田恒興と義兄・森長可が三河国に攻め入るという[中入り]策を秀吉に強く提案し、秀次もこの別働隊の総大将になりたいと志願して認められたが、白山林で榊原康政・大須賀康高らに奇襲されて、壊滅的な大敗を喫した。軍目付として同行していた木下助左衛門と木下勘解由が秀次を守ろうとして討死する中で、本人は命からがら落ち延び、堀秀政隊の救援で何とか脱出した。結局、長久手では恒興・元助、長可ら多くの武将が討たれてしまった。見苦しい敗北で不甲斐ない様を見せたとして、怒った秀吉から激しく叱責され、秀次を即座に第一位継承権者から降ろし、秀俊に代えたことだ。秀吉が死ねば儂が跡を継ぎ、織田家に天下が戻ってくる。ならばしゃくだが、秀吉に天下を取らせれば、いずれ織田に天下が戻ってくる。
それに、秀次が継いだ場合でも、茶々が子を産めば良し、産まなかった時は三介と徳川の力を使い混乱に乗じて奪うばう事も出来る。それに織田家は儂が死んで六年で、これだけ没落ぼつらくしてしまった現実を目まの当あたりにすると。秀吉の死後、豊臣家も織田家の様になってしまう可能性が高いと考えていた。
しかも秀吉には儂の時とは違い、身内と呼べる人達が決定的に少ない。ならばどう転んでも天下は自ずと向こうからやって来そうな、秀吉に天下を取らせてから、状況に応じて動いた方がいいのではないかと、思い始めた。
しかし織田家を乗っ取った秀吉に天下を取らせるのは、正直凄いしゃくであった。だが天下を取る為には、私情を捨てなければならない。
「そうするのが、一番良いやり方かもしれんな……」
しゃくだが、ここは秀吉に従っておこうと決めた。すると儂の部屋に、目の鋭い木下俊定と千草・千鳥が現れた。そして、俊定が儂の元へ近寄ると。
「上様、茶々様の件この先いかがいたしましょうか…」
「構わん、捨て置け…それよりも秀長が秀吉に秀次を跡目に押しておる。秀長の弱みを探れ…」
「はっ」
「それと、儂の部屋の警護を厳重にせよ…何やら解らぬ者が覗いておる」
「はっ」
「ところで、千草と千鳥。久しぶりじゃの…息災であったか」
「「……」」
「どうした」
「上様、この者たちのご無礼、お許しください…」
俊定は秀俊に座礼をして、千草達が任務中に死んで影として蘇った経緯を詫びると、秀俊は小さい声で「そうか」とだけ言った。すると続けて俊定が消えた羽柴秀俊の記憶を補足してくれた。
「それで上様、明日、大坂城に向かいますが様子はどうですか?」
「大坂城と聚楽第の絵図で、大体は理解した。少し、歩いて確認すれば大丈夫だ」
「では、今日は寧々様を尋ねられればよろしいかと…」
「そうだな、明日、秀吉に会う為だ…事前に情報を仕入れておこう」
「左様でございますね」
こんなに早く秀吉との対面の機会があり、秀俊は少し嬉しかった。なぜなら腹は立つが、見事な手法で織田家を乗っ取った秀吉に、早く会いたいと思っていたからだ。この六年で秀吉は一体どれほどの人物になったのか、その力量を確かめるつもりでいたのだ。
「それで今日は行けそうか?」
「はい、大丈夫です」
「そうか、それで乱も、もちろん一緒に行ってくれるな?」
秀俊は俊定の様子を伺うと、俊定は途端に困惑した顔になる。
「上様、私は寧々様が苦手でして、私を非常に警戒なされています、だから会わないほうがいいかと…それに寧々様の前で私といると兄上と呼ばなくてはなりません…控えの間で待機しておりますよ」
俊定は頭を下げたまま答えた。
「兄上……か」
秀俊が不満そうな口ぶりでそう言うと、俊定は「では、上様。私は明日の準備が有るので…」と言って部屋から出て行った。
その様子をみながら秀俊は大きくため息をつくと。秀俊は文机の上に日記と紙を置き、紙に日記の内容を模写もしゃしていた。秀俊は、羽柴秀俊のになりすます為の努力をしていた。まずは俊定の日記を全て読み、九州遠征の事や俊定の経験を自分の頭の中に叩き込んだあと寧々様を訪ねて記憶のすり合わせを行った。しかし、俊定と言う男は結構真面目な性格だったらしく、儂が生まれてから事細ことこまかに日記にその日の出来事などを書いていたので、それが凄く役にたった。
秀吉のいる大坂城に向かう日の朝。秀俊が一部の記憶が曖昧だと知っている俊定を付き添わせ、聚楽第の家臣の名前と顔を覚えた。
ただ、会ったこともない尾張衆を呼び止めることの無いよう、そして今日は秀俊の筆跡をまねる練習をしていたが、秀俊は文字に独特の癖くせがあったので、秀俊は文字をまねるのをやめた。すると部屋の外の廊下から人の気配がすると。
「殿。出立の時間です」
俊定の声が廊下から聞こえて来た。
「あぃ分かった」
秀俊は筆を止め仕度を整えると、おつきの者達を連れ集合場所の城門付近に向かった。そしてその場所に着くと、数名の近習と護衛をする数十名ほどの兵士達、それに木下俊定の姿があった。
すると俊定が秀俊にそっと近づくと。
「あちらの隅に見送りにおられるのが、富田小太郎殿でございます」
〈ほほう!乱が気にする逸材か…〉
俊定は秀俊の耳元でそう囁ささやく様に言うと、何事もないように去っていった。秀俊の記憶が曖昧なのは秘密にされているので、俊定、影の軍団以外は知らなかった。
なので俊定はあの日以来初めて会う人がいると、秀俊のそばに来てその人の名前をさりげなく教えてくれるのだ。
「では皆の者、出立するぞ」
秀俊の出発の合図で、皆は城門を出て秀吉の居る大坂城に向かって歩いていた。
船を使い大坂城のある摂津にやって来た。そして大坂城にほど近い秀吉が用意してくれた宿舎に着くと、宿舎の中にいる若く知的な顔立ちの男がやって来た。
しかし秀俊はその男の顔を知っていた。なぜなら秀吉の小性として働いており、何度か顔を見ているからだ。だが名前までは知らなかった。
「ようこそお越し下されました。拙者は金吾様の接待を仰せつかった、羽柴秀吉が家臣、石田三成と申します。以後お見知りおきくださいませ」
「拙者は羽柴秀俊。こちらにおられますのが兄の木下俊定。それにご存知かもしれませんが、こちらが弟の木下秀規でございます」
木下俊定の後に紹介した木下秀規と言う人物は、秀吉に仕える旗本で、豊臣家と羽柴家の交渉役として活躍していて、俊定からも一目おかれている、弁が立つ中々に切れ者だ。
しかもこの中で唯一、転生者でなく秀吉や大坂在中の官僚の人達とも面識がある。なので今回、秀吉との面会につれてきたのだ。
石田三成の先導で大坂城に行くが、大坂城は町を城壁でぐるりと取り囲む壮大な作りとなっている。しかし五年前に作り始めただけあって、所々に建築中の民家や建物があり。まだまだ町の完成にはほど遠い感じだ。しかし完成すればさぞ壮大で素晴らしい町になるだろう。
そして町の奥の小高い山に大坂城がそびえ立っているが、その本丸の屋根の瓦かわらには瓦に金箔きんぱくが貼ってあり。
その金箔きんぱくが太陽の日を浴び四方に光りを拡散し、光りの効果のおかげで、遠くから見るとより大阪城が壮大で偉大な城に見えた。まさにこの日本を統一し、天下人てんかびとになろうとしている男の住む場所と言えるだろう。
お城の作りを見るだけで、秀吉の野心と権力が伺うかがえる。秀俊[信長]は大川から町を歩き城の青屋門を潜り、極楽橋を渡り城内に入る。城に到着すると、お城の中を歩いて秀吉が待っている謁見の間に行った。そして謁見の間まに着くと三成が。
「では、しばしお待ちください」
石田三成は謁見の間まを出て行った。秀俊は畳に座り秀吉を来るのを待った。そして秀俊は目をつぶり心を落ち着かせた。
なぜなら織田家を乗っ取った秀吉を目の前にして、平然としていられる自信がなかったからだ。秀吉を目の前にして、怒鳴りつけてやりたい衝動を抑えられるか分からない……。
しかし今の秀俊は羽柴秀俊として来ているので、いわば豊臣の一門だ。正直、秀俊は羽柴家の事はどうでもよかったが、これから羽柴家を利用して秀吉から織田家を取り返すので、ここで羽柴家の立場を悪くする訳にもいかない現実があった。
それに秀俊には織田家を取り戻すと言う、大きな目的がある。なのでその為にはここは我慢しなければいけないと、自分に何度も言い聞かせた。
すると三成が謁見えっけんの間に戻ってくると、謁見の間の一段高くなっている上段から近習・小姓衆を連れた秀吉が入って来た。秀俊は座礼をして頭を上げ秀吉の姿を見ると、思わずごくりと唾を飲み込んだ。
なぜなら能力はある男だが、どこか小物らしさが抜けきれなかった秀吉の姿は、そこにはなかったからだ。派手な着物が好みは同じだったがその風格や、秀吉から醸し出す雰囲気は、かつて秀吉のそれとは別人の様だったからだ。
まさにここにいる秀吉は、日本の統治者に相応しい威厳を兼ねそろえていた。その事に驚き秀俊は思わず頭を下げてしまった。
〈この儂が秀吉ごときに!〉
そしてその事に気づくと、秀俊は奥歯を噛み締め悔しがった。まさか自分が秀吉ごときと思っていた相手に、頭を下げる事に屈辱を覚えたからだ。すると秀吉は秀俊達に微笑むと扇をを手に、深く臣下の礼を取ったままの秀俊達を見渡すと、尊大に右手を上げ、彼らが望むであろう絶対の支配者の威厳たっぷりに、低音の作り声で命令する。
「面おもてを上げよ」
「………」
「面おもてを上げよ」
秀俊が顔をあげると
「羽柴秀吉である」
その言葉に秀俊達がもう一度頭を下げると、秀吉は上段から降りて秀俊に元に近づく。
「金吾よ。よう来た、よう来た」
「殿下、お久しぶりで御座います。羽柴秀俊にございます」
「おぅおぅ、九州で会っていた時いらいかのぉ、あの時は秀長が金吾殿の凛々しい姿を褒めっておったのぉ、この秀吉も感心したぞぉ」
「ははー、ありがたき幸せにございます」
秀俊は散々、秀吉のお世辞を聞いていたので全くうれしくなかったが、ここは秀吉をよろこばす為にとても嬉しそうにな芝居をしてみせた。
「俊定殿も秀規殿もようお越しになられた。それと肥後守殿はいかがなされた?」
秀吉の問に秀俊と一緒にこの場に来ていた。秀吉との交渉役でもある秀規が。
「父上はご病気のために、大坂には来られませんでした」
「左様か……久しぶりに会ってみたいと思っておったが、残念じゃな」
「これからは関白様の家臣として、幾度いくども上洛する機会がありますので。その内に会う機会もございましょう」
「それもそうじゃな」
秀吉が納得する顔すると、秀規が。
「殿下を始め、茶々様達は元気ですかな?」
しかし、聞いた所によると最近茶々が病弱気味の様で、秀俊はその事を凄く心配をしていた。
すると茶々の話をすると秀吉は浮かない顔をしながら。
「儂の方は元気でやっているが、このごろ茶々の調子がすぐれなくて……」
「そうでしたか……」
「それで大坂にはどのくらい滞在されるおつもりか?」
「五日間ほどを予定しています」
「左様か、では堅苦しい挨拶はここまでにして 、皆を歓迎する宴うたげを開くので、こちらに参られよ」
秀吉は秀俊の腕をつかむと、謁見の間から秀俊と一緒に出た。
秀吉に案内され大坂城の中庭に来ていた。中庭には踊りを踊る舞台があり。廊下には席がもうけられ、料理や酒が置いてある。どうやらここが宴会場の様だ。すると秀吉は秀俊を案内して主賓の席に着くと、二回手を叩く。
すると中庭の舞台に鮮やかな衣装を着ている女性が、舞台に上がって来た。その女性の踊り手が姿勢を決めると、舞台の外にいる音楽家が三味線しゃみせんや太鼓たいこなどで演奏を始めた。こうして羽柴家の人々を歓迎する宴会の始まった。
宴会が始まりその音に釣られる様に人々が集まってくると、秀吉が「お前達も楽しめ」と言って女中に酒や料理を持ってこさせた。そして集まった人達は音楽と踊りを見ながら酒を酌くみ交わし、宴会が賑やかになっていった。
秀吉が「金吾よ。秀勝は丹波亀山十万石では知行が不足であると儂に不平を訴えたため、秀長に与えた。来年、お前が元服して国を治めて見ぬか」と訪ねたので。
「ははっ。ありがたき幸せ」と答えたら秀吉がにこにこしながら三成を呼び「後は三成と話を致せ」と席を外した。
秀俊は三成に丹波亀山の説明やもてなしを受けた。三成の言う男は無愛想だが、凄く気が利く男でなかなかの接待だった。そしてこの日は秀吉が用意してくれた宿舎に泊まった。
この日、秀吉は一万石以上の諸大名に妻子の在京を命令した。
そして、次の日から秀吉は諸大名・公家衆を従え奈良・郡山に下向し鷹狩りを行い、十月二十日に大坂城に帰城するまで儂は同行した。
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