夢追人と時の審判者!(四沙門果の修行者、八度の転生からの〜聖者の末路・浄土はどこ〜)

一竿満月

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霊枢水八

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■■■■………… 
 『天下に旗を翻し武名を一度に上げたその後は、必ず数代後に類族支葉まで地を掘って滅亡している前例がある。毛利はその後を追わず、ただ数ヶ国を保って子孫永代をなすべし』と、毛利元就が臨終直前に遺訓として残した。

 当代、毛利輝元は関ヶ原にて西軍の総大将として、大坂城に居たが徳川勢が来る前に輝元は大坂城
では淀の方に散々嫌味を言われ、輝元はうんざりしながら大坂をを出て、安芸へ向かったのだ。

 毛利家という組織自体に問題がありました。確かに、輝元自身に甘い点がありましたが、毛利家の内部には輝元の意志や行動を制限しようという、見えない力が働いていました。
 毛利家は安芸の国人領主の家柄で、毛利元就の力によって、一代で周防、長門、石見、出雲、安芸、備後の六ヵ国を支配下に置きました。

 ただ、元就一代で急激に巨大化した組織のため、元就の死後、簡単に崩壊してしまう恐れがあり、元就は御家存続のため、息子や孫たちに手紙を送り、時には直接会って自身の考えを伝えた。
 その中でも、毛利家に大きな影響を与えたと思われるものが次の二点でした。
「両川を含めた集団指導体制」
「天下を競望せず」

 この二つが毛利家の組織風土として浸透し、毛利家の戦略に影響を与えていきました。彼は名前貸しとはいえ結果として天下分け目の戦に身を投じてしまった「敗軍の総大将」として徳川方の諸将より責めを受ける、しかしかねてより徳川方に内応していた吉川広家の諸将への必死の説得と、広家の働きで関ケ原の本戦では毛利勢は南宮山から動けず本戦に参戦しなかったという手柄もあり、毛利輝元は改易を免れたものの、大幅な減封は免れなかった。

 吉川広家が「内府殿は広家が南宮山なんぐうさんに毛利勢を止めおく事で輝元殿の所領安堵を約束したはずだ」と本多正信に喰いかかるが、その正信や徳川家の重臣になりつつあった藤堂高虎らによって輝元の罪はねつ造され、毛利家は「改易」か「減封」かと脅される結果となった。

 毛利家は涙をのんで、輝元に関ヶ原の失態を謝罪させ、減封を受け入れたのである。関ヶ原で三成方に付いた大名の多くが改易・減封され、また徳川方に付いた大名は加増・転封された。論功行賞の打ち合わせは次郎三郎と次郎三郎の入れ替わりを知っている者たちで行われた。

 それは小太郎が主体で草案を作り、小早川秀秋、本多忠勝、井伊直政、榊原康政で議論し最終的には秀秋が確認し、次郎三郎は最終的に決まったものを諸大名に発表させるいう形で行われた。

 この論功行賞で江戸から京へ向かう東海道筋は徳川家譜代の大名で固められ、外様大名は地方に追いやられたのである。

 石高は徳川本家が約四百万石という圧倒的な石高を誇り他の追従を許さなかった。
 井伊直正と共に関ケ原で一番槍の功名を立てた家康の四男・松平忠吉は秀忠に懐いていたという事もあり、武蔵忍十万石から、福島正則の旧領である尾張清洲五十二万石を与えられ、戦慣れし覇気があり、また徳川家の世継ぎとして秀忠から取って代われる人物として、秀忠が一番危険視している家康の次男・結城秀康は対上杉軍の総大将という名目で下総結城の約十万石から越前北ノ庄六七万石を与えて関東から遠くへと追いやったのだ。

 五大老としてはまず上杉征伐の切っ掛けとなった上杉家は会津百二十万石から米沢三十万石へと減封、三成に担ぎ出された毛利家は安芸百十二万石から長門・萩約三十万石へ。

 逆に前田家は徳川家と婚姻関係にあったこともあり加賀金沢に約八三万石から約百二十万石へ加増され、「加賀百万石」と呼ばれる大大名となった。

 将来忠輝の岳父となる伊達政宗は次郎三郎より「百万石の御墨付き」を受け取っていたのだが、戦に紛れ一揆を煽動した罪で墨付きは反故、陸奥岩出山に約五八万石から約六十万石と上杉征伐での働きとしては微増という割に合わないものであった。

 家康の命により柳生庄に戻り、筒井氏や大和の豪族と協力して西軍の後方牽制を行い、無事工作を終えて次郎三郎の元に戻り、続く関ヶ原の本戦では本陣で参加した。戦後これらの功績によって、父の代で失領した大和柳生庄二千石を取り戻すことに成功した。
 たいした戦働きをしなかった柳生宗矩が急に二千石というのは誰もが不思議に思ったが次郎三郎が論功行賞の発表途中、にこやかに過ごしていた為「下らぬ物言いをして内府殿の笑顔を崩すわけにはならぬ」と誰も「否」を口にすることは無かった。

 今回の論功行賞は五大老である上杉景勝と毛利輝元の力を削いだり、江戸から京への道を親徳川派の大名で固めるというものだけではなく、豊臣家に対する罠がしっかりと仕掛けてあった。

 豊臣秀吉は自らの直轄領地を代官として家臣に治めさせるという手段をとっていた。しかしそれが転封となると豊臣家の直轄領地が少なくなるという事なのだ。

 事実この論功行賞では当然発表されていないが、豊臣家の直轄領地が約二百二十万石から約六五万石まで減っている。
 これは本多正信の策略であった。

 秀忠があまりにも頼りないので豊臣家を出来るだけ早く弱体化させ遠くない将来に豊臣家側から戦を仕掛けさせてこさせようとの策略である。
 豊臣家恩顧の諸大名も何人かはこの事実には気づいていたが、加増栄転に対しての不満を誰も何も言えなかった。
 下手に何か騒ぎ立てれば改易の標的になってしまうからである。
 豊臣家の石高がいつの間にか削られている事に気付かなかったのは大坂にあって、この世の春を楽しんでいた淀の方と大野治長がであった。

 小早川秀秋はこの正信の策略に即座に気付きはしたが、(幼少の秀頼に何も出来るはずが無く、夢ばかり見ている淀の方に真実を伝えようものなら、後先考えず徳川と戦をすると言い出すであろう、治長の如き小者が内府殿にかなうはずもない。)と秀秋は約束通り豊臣家の安泰のみを考えるのであった。

 しかしその裏では予想外の家康の死に焦っている徳川家臣団が豊臣家を取り潰すための画策しているとは諸大名は誰も知らなかった。

◇◇◇◇
 そして野々村四郎右衛門を誑かした男も動き出す。
 秀秋はこの男を知っていた、小太郎の所に居た天台宗の僧侶、南光坊天海という坊主だ。
今は何故か次郎三郎の傍にいて天海は秀忠に率直に言い放つ。
「江戸中納言様は内府様御不興の様子にて某が中納言様に贈り物を致しましたが、お気に召して頂けましたかな?」秀忠は即座に家康の暗殺者の黒幕が天海であると理解した。

「宗矩!」

 秀忠は即座に宗矩に天海を斬らせようとするが、天海にその刃が届くことは無かった。

「柳生如きの剣術でわしを斬ろうなど百年早いわ!」
 天海は僧侶とも思えない動きで柳生を圧倒する。

 秀忠は宗矩を下がらせ天海に問う。
「御坊は、何者ぞ?」

 天海はにこやかに答える
「秀忠まだ分らぬか、儂じゃ……。ただ、良き機会じゃ!身辺警護は柳生に任せ、儂がお前の軍師に成ろう……」と言って付け髭を頭に載せた。

「あっ!ち…」
 天海は唇に手を当て秀忠を睨んだ。

 秀忠は何故か死んだ父親が坊主として現れたのか恐ろしかったが、何が狙いが解らないのだ。
 宗矩は立身出世というわかりやすい欲がある。
 しかし、父が死んで他人になる理由がまったくわからなかった……その背中には人とは違う悪しきものが見えるのだ。秀忠はこの恐ろしい男の魔性に魅せられていってしまった。

 自分を策略をもって暗殺し、天海として生まれ変わったのか、その天海が自分の軍師になるというのはとても魅力的であった。秀忠は天海を傍に置くことを承知したのである。

◇◇◇◇

 石田三成捕縛の知らせに正信が次郎三郎と顔を見合わせ「不味い事になった」と苦虫を嚙み潰したような顔をした。
 てっきり正信も次郎三郎も三成は切腹して果てていると思っていた。
 福島正則や黒田長政、藤堂高虎はそれほど顔を合わせていない故、家康と髭を触りだした次郎三郎の区別が付かないし、もはや次郎三郎が本物の徳川次郎三郎であると思い込んでいたが、五奉行として国政を司る家康と何度も対面し、次郎三郎とも何度も顔を合わせている石田三成は両者の違いが判るのだ。しかし捕らえられた以上、会わないわけには行かない。

 しかも大乱を起こした張本人として諸将の前で会わねば徳川家の信用にもかかわる事態なのだ。
 流石の次郎三郎も三成に会うのは気が進まず「何とかならぬのか?」と正信に尋ねるが、良い案が思い浮かばない。
 そんな時である、三成捕縛の報に能天気に喜びながら秀忠が
「わしが諸将の前で将器を発する場が設けられたな!」と宗矩を伴い次郎三郎の所へとやってきた。

 正信が呆れたように「しかし江戸中納言様、そう簡単に事は・・・」と言いかけた。

 秀忠がしたり顔で「次郎三郎の事であろう?」と言った。
 そして、自信満々に「要は治部は父上と次郎三郎の顔の区別がつくから諸将の前で据え置くには憚かると言う事であろう?」と言い放った。

 次郎三郎も正信も目を見開いて驚いた。秀忠にここまで考える力があるとは全く思っていなかったのだ。

 これは天海の入れ知恵で、そして入れ知恵は続く。
「奥の間で次郎三郎と治部を会わせよ、父上が亡くなった事も話せ。次郎三郎は会話の中で豊臣家を潰したくないと匂わせよ、さすれば治部も余計な事は致すまい……」

 次郎三郎と正信は各々が最善と考えていた手を秀忠の口から出た事に驚愕した。
 同時に次郎三郎は秀忠の裏に誰かが付いた、それも宗矩の様な小者ではなく、かなり知恵の回る老獪な人物だと察知した。
 正信は秀忠をただの無能でもない様だと評価を改めるのだ。

◇◇◇◇

 次郎三郎と本多正信、本多忠勝、榊原康政、井伊直正、そして徳川秀忠の六名は大津城の奥の間で密かに三成を引見した。

 今回の会見の真の内容は次郎三郎、正信、秀忠の三名しか知らなかった、忠勝、康政、直政ら三将は豊臣家存続を匂わせ三成に次郎三郎の死を告げ目の前の人物は影武者である事をばらす策を知らないのだ。
 
 石田三成は平伏していた。
 次郎三郎が「面を上げよ」と声をかけると、三成は頭を上げた。

 石田三成は一瞬目を見開いたが動揺する事も無く、口を開く。
「いつ変わられた?」三成は開口一番で核心の質問をしてきた。

 そして次郎三郎が答えた。
「関ヶ原にて陣を張った時にございます。」

 三成は驚いた、自分が戦ったのは次郎三郎ではなく影武者であったのだ。
 家康が死んだ事を隠匿しながら関ヶ原で合戦を続け、豊臣恩顧の七将を確実に味方に引き入れたこと、総大将である毛利輝元と豊臣秀頼の出陣を許さなかったこと、吉川広家と通じ、西軍の中心戦力の一つであった毛利秀元の兵を戦線参加させなかったこと、同じく西軍の中心戦力の一つであった小早川秀秋の裏切りを成功させたことという見事な采配。
 世良田次郎三郎という男はいったい何者なのだと興味を持ち始めたが、まだ気づいていなかった、関ヶ原の戦いを豊臣家家臣団内部の権力闘争という形にして、家康が豊臣家滅亡まで考えていることを。

 三成は次郎三郎の目を見て懇願する。
「そこもとが如何なる信念をお持ちの御方がは存じ上げないのはこの三成の痛恨の極み、しかしながらそこを曲げてお願い申します、少領でも良いので何卒、豊臣中納言様のお命を御救い下され」と三成は涙を流しながら次郎三郎に懇願する。

 次郎三郎は急に立ち上がり三成に歩み寄り語り掛ける。
「安心めされよ」

 三成は救われた様な顔をしながら「かたじけのうござる」と次郎三郎に礼を言うのだ。
 忠勝は次郎三郎の行動に心打たれたが、康政、直政が騒ぎ立てた。

「影の分際で勝手な事を致すな!!」「殿にでもなったつもりか!!」
 などと次郎三郎を叱責するのだ。

 秀忠は康政、直政に
「次郎三郎の此度の働きは行き過ぎた所もあるが、三成の最後の願いくらい聞いてやらねば徳川家の度量を疑われるぞ、……徳川家の為になる働きであるぞ」とねじ伏せたのだ。

 これには次郎三郎も驚いた。

 こうして三成の引見は終わり、諸将を集め実検が行われる。三成はまず次郎三郎に頭を垂れようとするが、次郎三郎がそれを止め

「仮にも二十万石の大名じゃ、縄目を切って床几を与えよ……」と三成に床几を与えた。

 三成は次郎三郎の気遣いに感謝し一礼する、その後口を開き始める。
「まずは内府殿がご健勝の様子にて羨ましくもあり、口惜しくもある。此度の戦を太閤殿下にいち早くご報告出来る名誉を与えて頂き誠にありがたく存ずる、豊臣恩顧の大名などは太閤殿下に取り立てて頂きながら内府殿に尾を振る不忠者として、太閤殿下が御自ら夢枕に立たれるやも知れぬなぁ」と言い放つと諸将は顔を赤くした。

 次郎三郎は機嫌を損ねていないかと心中穏やかならない顔で諸将が次郎三郎の様子を伺うが次郎三郎はにこにこしながら三成の言い分を聴いていた。

 最期に三成は諸将に無駄だと分かってて懇願する。
「ここにお集まりの皆々様は少なからず豊臣家の恩顧を受けた方々、少しでも忠義の心が残っているなら天下の遺児、豊臣中納言様の行く末を守って下され!!」

 先ほどまでと打って変わって懇願する三成の姿は「忠義」の塊そのものであった。

 諸将は一瞬目を奪われたものの、すぐに自我を取り戻し
「当たり前だ!そなたこそが大乱を起こした張本人では無いか!」「君側の奸臣とはそなたの事を言うのだ!」などと三成を罵倒した。

 次郎三郎は暫く聞いていたが、頃合いを見てそれを鎮め、三成に声をかける。
「嫡男である重家殿は仏門に入られた、仏門に帰依した者に手は出さぬ、のう?秀忠?」

 秀忠は名指しされ一瞬驚いた。石田家は皆殺しにする予定だったのだ。
 諸将の前で次郎三郎に聞かれた秀忠は否とは言えず、「はい、当然でございます」と言うしかなかった。心の中では「余計な事を!!」と思いながらも顔には出さなかった。

 三成は「ありがたき幸せ」と次郎三郎に頭を下げる。

 次郎三郎が最後の質問をする。
「他に何か言い残す事は?」

 三成は目を閉じ首を横に振る。

 次郎三郎は三成の傍に寄り
「さらばでござる」と声をかけその場を立ち去った。

 続いて秀忠も三成に頭を下げその場を立ち去る。
 こうして三成の実検は終わったのだ。
 その後、共に戦った小西行長や安国寺恵瓊らも捕縛され、三人は、共に堺と洛中を「大罪人」として引き回された。
 三成といえば、少し前までは天下に手が届く距離にいた男であった。そして、キリシタン大名にして三成の友でもある小西行長と毛利家の外交僧で関ヶ原では毛利家を説き伏せ、宇喜多秀家も参戦させた安国寺恵瓊と共に京に送られ三条河原で斬首となった。

 その様子を編み笠を被った一人の男が一滴の涙をこぼしながら見ていた。
 こうして石田三成は自分か豊臣家滅亡への鍵だとは知らずに人生が終わったのだ。
 そして、死んだはずの家康が天海として現れた……霊枢水とは……。
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