128 / 240
英雄奪還編 前編
五章 第十五話 天使の転生
しおりを挟む
「全く昔からあの災厄は、先程言ったばかりだというのに」
ネフティスが先程訪れた小屋から再び嫌な気配を感じるとそのタイミングで即座にメイルから報告がきた。メイルの報告では小屋から突然膨大な呪力の発生が確認されたということで、それを聞くとすぐにネフティスの脳裏には封印されている存在がよぎった。そして気が付けばローブを羽織り立ち上がっていた。
(問題ない、あいつの呪いはまだ解いてはおらん)
そう自分に言い聞かせつつも杖を持って小屋へと繋がる転移魔法陣を展開する。息を呑み魔法陣に一歩踏み込むと一瞬にして先程までいた小屋の前まで転移した。ネフティスにとっては何千、何万回も見た古びた小屋だ。しかしいざ小屋の前まで転移すると誰の姿も見当たらず、閻魁の気配も感じない。ただ強力な呪力のみが小屋から溢れ出るのを感じた。
「もしや······」
ネフティスの頭には本で読んだ一つの知識が浮かんだ。そして一つの可能性を探るようにして小屋を向き目を凝らした。
(やはり妖力が呪いに干渉しておる。無意識であろうともあの鬼のせいには変わりないな。強大な妖力や魔力に対して呪いは干渉を受けやすい。今の場合、閻魁の妖力に影響を受けた呪いが呪力を増幅させてしまったというところか)
そして後ろからメイルが慌ててやってきた。
「ネフティス様、これは一体」
「閻魁の奴が妖力を解き放った状態でここの近くを通ったのだろう。調子に乗りおって。メイル、お主人間にこの場所は教えてないだろうな」
「ご安心ください。ジン様たちには部屋で待機してもらうようにお伝えしました······その、小屋の奥にはまだ入られないのですか」
ネフティスは杖を小屋の方に向けると、発現していた呪力は静かに小屋の一点に向かって収束していった。
「ほれ、その必要はない」
「····申し訳ありません」
「戻るぞ、もうここに用はッ—」
(ーネフティス)
その時、ネフティスの脳の中に聞き慣れた声が伝わってきた。今まで一度も聞こえなかったそれは確かに懐かしい声で自身の名前を呼んだのだ。無意識のうちに振り返り小屋の方を見つめるが、呪いは収まったままで特にいつも通りと変わらなかった。
「ここには結界を張っておけ、馬鹿な鬼が入って来れないようにな」
「はい····ネフティス様、小屋の方から少し違和感を感じませんか」
(メイルも感じるということは)
「わしはしばらくここにいる。誰も近づかせるな」
そう言ってメイルと別れた後、小屋に再び近づいたネフティスはしばらく空を見上げた。そして痩せた土地に一人立ち、ゆっくりと目を瞑った。
「いるのは分かっておる。さっさと出てこい」
すると小屋のすぐ横にある枯れ木から何者かの気配とともに黒い空間が現れた。子どもほどの身長のその人物は怪しい笑みを浮かべて目の前にいたネフティスをジッと見つめた。その人物はギルメスド王国からラグナルク達とともに姿を消したまま、長らく目撃されていなかったギシャルだった。
「クシャシャシャシャ、てめえが呪帝か」
(おそらくあの黒い空間は転移系の魔法か)
「何の用だ、このわしが帝王と分かっておるのなら早々に立ち去れ」
「あんたと戦う気はねえ、戦っても勝てねえからなぁ。ただ俺のボスが欲しいもんを取りに来た」
「欲しいもの?」
(ネフティスさん、この国に敵が入ってきたらしい。以前にギルメスド王国に現れた敵で閻魁が少しだけ交戦したって。そっちは大丈夫?)
そのタイミングでジンから魔力波が飛んできた。
(なるほど、そういうことか。目の前におる、お前らは敵が居れば潰せ。泊めてやるかわりに国に被害は出させるなよ)
(敵は今のところ一人だけなんだって、空間魔法を使ってる人いない?)
(そうか、ならばよい)
「とは言っても、もう目的の物は手に入ったがな」
「目的の物······貴様まさか」
ネフティスは小屋から感じていた違和感に気がついた。誰もいなくなっていたのだ。封印していた人物の気配が完全に消え去り、目の前にいるギシャルからの魔力を感じるのみだった。
「お察しの通りだ、目的の物は既にボスの元へと渡った。だが安心しな、ちょっと借りるだけだ、綺麗な状態で返すぜ。じゃあな······」
ネフティスを一瞥しギシャルは隣の空間に入ろうとした時、体が動かなくなる感覚に襲われた。すぐ目の前にある空間はかなり遠く感じ、身体で動かせるのは頭だけだった。
(クソッ、魔法が上手く使えねえ)
「チッ、俺の体に何をしやがった」
「どのような理由があろうが、あやつを渡すことはできない。貴様を人質にして取り返させてもらう」
「クシャシャシャシャ、悪いがそう簡単にはいかないと思うぜ」
ギシャルは平然を装いニヒリな笑みを浮かべてネフティスのことを睨んだ。しかし気持ちとは反面、手足の自由は聞かず操り人形のような状態でその場に固定された。何とか動く首から上で隣にあった黒い空間を移動させようと思っていたが、すぐにネフティスによって完全に消し去られた。
「貴様······我が友をどこにやった」
「それは言えない」
「そうか······ならば消えろ」
ギシャルの身体は黒紫色のオーラに包まれ空中に持ち上げられた。
(やべえ、勝手に動いて手足の感覚がねえ)
「呪い人形」
ギシャルのすぐ上には巨大で首のない真っ黒な人形が現れ、手足の向きがギシャルと対応するようにして変形した。人形には呪力が込められておりギシャルは体験したことのないような感覚に襲われる。
(まずいッ、このままじゃ)
「グゥぁあアアアッ!!」
ギシャルの手足は向いてはいけない方向に嫌な音を立てながらゆっくりと動いていった。額から汗が滴り落ち、ただ苦痛の表情を浮かべ、思わず悲鳴を上げた。
「なっ—」
しかし身体が完全に壊れる前に上にあった人形の胴体が真っ二つに引き裂かれ、同時に空中に止まっていたギシャルが少し音を立てて地面に着地した。
「届いていたぞ、よくやったギシャル」
二人の前に現れたのはラグナルクだった。しかしその姿はギルメスド王国に現れた時とは違い、髪は真っ白で魔力はネフティスも首を傾げるほどに静かだった。そして特殊な模様が刻まれた瞳でネフティスをほんの一瞬見たラグナルクはゆっくりとギシャルに手を伸ばした。
「そうはさせん。呪いの往来」
ネフティスの杖から放たれた一撃は完全なる呪力による物だった。高密度の呪力を含んだその一撃は呪いを運び触れたものをすぐに蝕む。その速度は人間では反応することすら出来ず、杖に意思は宿っていないもののその威力は帝王という名に相応しいものだった。
——しかし
ギシャル目掛けて一直線に伸びていった呪いの光線は目の前にいたラグナルクの剣に当たり軌道を変え、そのまま後方にある木にぶつかりすぐに大穴が空いた。
「ほう、お主天生しておるな」
「なぜそう思う」
「天生した者を見たことがあるからな。その様子では天生前も割と強かったようじゃな」
(天生して間もないというところか。だが上手く使いこなしておるな。もしかするとベオウルフにも届き得るかもしれんな。ただ一番引っ掛かるのが······)
「お前、帝王でもない人間の分際でなぜまだ生きている。なぜ心臓が動いている」
「すまないが、それを話すつもりはない。だがお前にはいずれ呪いの知識を借りるやもしれんな」
「わしがお前に手を貸すだと? 有り得んな」
両者睨み合い、緊迫した無言の状態が少し続いたその時、枯れ木の隙間から素早い足音が聞こえて来た。
「ここには来るなと言われなかったか。これだから人間は」
「だって私の友達が迷惑かけたからね。しかも知っている人たちだもん」
ベオウルフから聞いたがあのラグナルクという人は昔同じ騎士団に所属していた友人だったらしい。でもこの前少し見た時とはまるで雰囲気が違う。魔力が洗練されたというか、更に強くなっているのを感じる。そしてこちらの顔をじっと見てなぜか穏やかな顔をしてみせた。
「······ジンか」
「うっ、うん」
まだ一度もしっかりと自己紹介はしていないし話してもいない。でも名前を呼ばれた。ベオウルフから紹介されたのかもしれない。でも今は敵同士だからそんな余裕は無いはず。それに向こうは魔力波すら知らない。
「お前、のこのこと現れやがって。また殴られたいのか」
「いいや、お前と戦うつもりはない······ではな」
「奪ったものを返せ、人間。呪いの往来!」
しかし今度は剣で軌道を変えることなくそのまま黒い空間に消えていった。
「チッ、逃げられたか」
「ネフティス様、住民に被害はありません。どうやら今の二人だけだったようです」
「ああ、それはいいがお前には後で話がある」
「は、はい····」
メイルの報告を受けた後、その場にいたものは揃って城の方角へと戻っていった。
ネフティスが先程訪れた小屋から再び嫌な気配を感じるとそのタイミングで即座にメイルから報告がきた。メイルの報告では小屋から突然膨大な呪力の発生が確認されたということで、それを聞くとすぐにネフティスの脳裏には封印されている存在がよぎった。そして気が付けばローブを羽織り立ち上がっていた。
(問題ない、あいつの呪いはまだ解いてはおらん)
そう自分に言い聞かせつつも杖を持って小屋へと繋がる転移魔法陣を展開する。息を呑み魔法陣に一歩踏み込むと一瞬にして先程までいた小屋の前まで転移した。ネフティスにとっては何千、何万回も見た古びた小屋だ。しかしいざ小屋の前まで転移すると誰の姿も見当たらず、閻魁の気配も感じない。ただ強力な呪力のみが小屋から溢れ出るのを感じた。
「もしや······」
ネフティスの頭には本で読んだ一つの知識が浮かんだ。そして一つの可能性を探るようにして小屋を向き目を凝らした。
(やはり妖力が呪いに干渉しておる。無意識であろうともあの鬼のせいには変わりないな。強大な妖力や魔力に対して呪いは干渉を受けやすい。今の場合、閻魁の妖力に影響を受けた呪いが呪力を増幅させてしまったというところか)
そして後ろからメイルが慌ててやってきた。
「ネフティス様、これは一体」
「閻魁の奴が妖力を解き放った状態でここの近くを通ったのだろう。調子に乗りおって。メイル、お主人間にこの場所は教えてないだろうな」
「ご安心ください。ジン様たちには部屋で待機してもらうようにお伝えしました······その、小屋の奥にはまだ入られないのですか」
ネフティスは杖を小屋の方に向けると、発現していた呪力は静かに小屋の一点に向かって収束していった。
「ほれ、その必要はない」
「····申し訳ありません」
「戻るぞ、もうここに用はッ—」
(ーネフティス)
その時、ネフティスの脳の中に聞き慣れた声が伝わってきた。今まで一度も聞こえなかったそれは確かに懐かしい声で自身の名前を呼んだのだ。無意識のうちに振り返り小屋の方を見つめるが、呪いは収まったままで特にいつも通りと変わらなかった。
「ここには結界を張っておけ、馬鹿な鬼が入って来れないようにな」
「はい····ネフティス様、小屋の方から少し違和感を感じませんか」
(メイルも感じるということは)
「わしはしばらくここにいる。誰も近づかせるな」
そう言ってメイルと別れた後、小屋に再び近づいたネフティスはしばらく空を見上げた。そして痩せた土地に一人立ち、ゆっくりと目を瞑った。
「いるのは分かっておる。さっさと出てこい」
すると小屋のすぐ横にある枯れ木から何者かの気配とともに黒い空間が現れた。子どもほどの身長のその人物は怪しい笑みを浮かべて目の前にいたネフティスをジッと見つめた。その人物はギルメスド王国からラグナルク達とともに姿を消したまま、長らく目撃されていなかったギシャルだった。
「クシャシャシャシャ、てめえが呪帝か」
(おそらくあの黒い空間は転移系の魔法か)
「何の用だ、このわしが帝王と分かっておるのなら早々に立ち去れ」
「あんたと戦う気はねえ、戦っても勝てねえからなぁ。ただ俺のボスが欲しいもんを取りに来た」
「欲しいもの?」
(ネフティスさん、この国に敵が入ってきたらしい。以前にギルメスド王国に現れた敵で閻魁が少しだけ交戦したって。そっちは大丈夫?)
そのタイミングでジンから魔力波が飛んできた。
(なるほど、そういうことか。目の前におる、お前らは敵が居れば潰せ。泊めてやるかわりに国に被害は出させるなよ)
(敵は今のところ一人だけなんだって、空間魔法を使ってる人いない?)
(そうか、ならばよい)
「とは言っても、もう目的の物は手に入ったがな」
「目的の物······貴様まさか」
ネフティスは小屋から感じていた違和感に気がついた。誰もいなくなっていたのだ。封印していた人物の気配が完全に消え去り、目の前にいるギシャルからの魔力を感じるのみだった。
「お察しの通りだ、目的の物は既にボスの元へと渡った。だが安心しな、ちょっと借りるだけだ、綺麗な状態で返すぜ。じゃあな······」
ネフティスを一瞥しギシャルは隣の空間に入ろうとした時、体が動かなくなる感覚に襲われた。すぐ目の前にある空間はかなり遠く感じ、身体で動かせるのは頭だけだった。
(クソッ、魔法が上手く使えねえ)
「チッ、俺の体に何をしやがった」
「どのような理由があろうが、あやつを渡すことはできない。貴様を人質にして取り返させてもらう」
「クシャシャシャシャ、悪いがそう簡単にはいかないと思うぜ」
ギシャルは平然を装いニヒリな笑みを浮かべてネフティスのことを睨んだ。しかし気持ちとは反面、手足の自由は聞かず操り人形のような状態でその場に固定された。何とか動く首から上で隣にあった黒い空間を移動させようと思っていたが、すぐにネフティスによって完全に消し去られた。
「貴様······我が友をどこにやった」
「それは言えない」
「そうか······ならば消えろ」
ギシャルの身体は黒紫色のオーラに包まれ空中に持ち上げられた。
(やべえ、勝手に動いて手足の感覚がねえ)
「呪い人形」
ギシャルのすぐ上には巨大で首のない真っ黒な人形が現れ、手足の向きがギシャルと対応するようにして変形した。人形には呪力が込められておりギシャルは体験したことのないような感覚に襲われる。
(まずいッ、このままじゃ)
「グゥぁあアアアッ!!」
ギシャルの手足は向いてはいけない方向に嫌な音を立てながらゆっくりと動いていった。額から汗が滴り落ち、ただ苦痛の表情を浮かべ、思わず悲鳴を上げた。
「なっ—」
しかし身体が完全に壊れる前に上にあった人形の胴体が真っ二つに引き裂かれ、同時に空中に止まっていたギシャルが少し音を立てて地面に着地した。
「届いていたぞ、よくやったギシャル」
二人の前に現れたのはラグナルクだった。しかしその姿はギルメスド王国に現れた時とは違い、髪は真っ白で魔力はネフティスも首を傾げるほどに静かだった。そして特殊な模様が刻まれた瞳でネフティスをほんの一瞬見たラグナルクはゆっくりとギシャルに手を伸ばした。
「そうはさせん。呪いの往来」
ネフティスの杖から放たれた一撃は完全なる呪力による物だった。高密度の呪力を含んだその一撃は呪いを運び触れたものをすぐに蝕む。その速度は人間では反応することすら出来ず、杖に意思は宿っていないもののその威力は帝王という名に相応しいものだった。
——しかし
ギシャル目掛けて一直線に伸びていった呪いの光線は目の前にいたラグナルクの剣に当たり軌道を変え、そのまま後方にある木にぶつかりすぐに大穴が空いた。
「ほう、お主天生しておるな」
「なぜそう思う」
「天生した者を見たことがあるからな。その様子では天生前も割と強かったようじゃな」
(天生して間もないというところか。だが上手く使いこなしておるな。もしかするとベオウルフにも届き得るかもしれんな。ただ一番引っ掛かるのが······)
「お前、帝王でもない人間の分際でなぜまだ生きている。なぜ心臓が動いている」
「すまないが、それを話すつもりはない。だがお前にはいずれ呪いの知識を借りるやもしれんな」
「わしがお前に手を貸すだと? 有り得んな」
両者睨み合い、緊迫した無言の状態が少し続いたその時、枯れ木の隙間から素早い足音が聞こえて来た。
「ここには来るなと言われなかったか。これだから人間は」
「だって私の友達が迷惑かけたからね。しかも知っている人たちだもん」
ベオウルフから聞いたがあのラグナルクという人は昔同じ騎士団に所属していた友人だったらしい。でもこの前少し見た時とはまるで雰囲気が違う。魔力が洗練されたというか、更に強くなっているのを感じる。そしてこちらの顔をじっと見てなぜか穏やかな顔をしてみせた。
「······ジンか」
「うっ、うん」
まだ一度もしっかりと自己紹介はしていないし話してもいない。でも名前を呼ばれた。ベオウルフから紹介されたのかもしれない。でも今は敵同士だからそんな余裕は無いはず。それに向こうは魔力波すら知らない。
「お前、のこのこと現れやがって。また殴られたいのか」
「いいや、お前と戦うつもりはない······ではな」
「奪ったものを返せ、人間。呪いの往来!」
しかし今度は剣で軌道を変えることなくそのまま黒い空間に消えていった。
「チッ、逃げられたか」
「ネフティス様、住民に被害はありません。どうやら今の二人だけだったようです」
「ああ、それはいいがお前には後で話がある」
「は、はい····」
メイルの報告を受けた後、その場にいたものは揃って城の方角へと戻っていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる