Maria

エターナル★

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人身売買において

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 「で?こいつはいくらからで??」
リ「そうねぇ~~………
  ざっと計算して…………
  5.6億ドルからどう?」
 「良いだろう。
  なら俺は6億出す。」
ヘ「6億ドル出ました。
  次の方はいますか?」
 「俺は7億ドル出そう。」
 「では10億で。」

ある日。
灰色の雲の上から
金色の太陽が差していた時、
その屋敷内では人身売買が行われていた。
ここまで堕ちるとは想像外だった。
彼女にそんな現実的視点があるとは
思っていなかったのだ。

アフロディーテとヘルメス、
そしてリリスは
舞台の上に立つ
キリシャ団員の女を
裏社会で名の知れたギャング共に
売っていた。

リリスの服は
白のタイツ姿で
数ヶ所に何重もの黒レースが付いた
スタイリッシュかつクールな衣装であった。
髪は金のストレートでミディアム。

ヘ「現在価格10億ドル。
  もっと出す方いませんか?」

………………

ヘ「では10億ドルで。」

頭を抱える者達を確認し、
本日数人目の女が落札された。
リリスは夫のいない女、
妻のいない男を次々と売っていった。

***********

遠くからそれを見ていたキリスト達は
順々と進行していく計画を
実行するべき時を考えていた。

エ「とりあえず、
  あの女がこけるのも
  そう遠くは無いぜ。」
ハ「準備はほぼ完璧だ。」
キ「…………」
ゼ「……キリスト様?」

憎らしそうに語り合う者達の中、
リリスを眺めるキリストが心配で
ゼウスは声をかけた。

ゼ「大丈夫ですか?」
キ「…………………あぁ。」

大理石の大広間も
あちこち汚らしくなっている。

主の色によって、
団は染まっていく。
それは全国共通の理だ。
我を強く持たなければ流されてしまう。
環境からの影響力が、
一番人間には効果がありそうだ。

窓の外には
真っ黒な烏が数羽、
外の錆びたドラム缶に止まっている。
彼女を嘲るように鳴いている。

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