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第四章

そこで、見たもの

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 アルフと分かれて、俺達は山に向かう。チャラいねえちゃんは「あ~マイナスイオンを感じる~」とか言ってるけど‥まいなすいおんてなんだ?

「平和すぎる‥本当にここにSランクのモンスターが?」
て受付のねえちゃん一人で考えてるし、侍のにいちゃんは

「‥‥‥‥‥‥‥」さっきからなんもいわねぇけど、めちゃくちゃ殺気出してるし‥あーあアフルの所いきゃ良かったぜ。

そんな風に俺がつまんなそうにしてるのに気づいたのかチャラいねえちゃんが俺に話しかけて来る。

「ねぇねぇ、フーたん?アルフ君て性格はあれだけどかっこいいよね~」

「はぁ?!馬鹿か?面だけだぞあいつ!性格はゴミだし、ステータスもゴミだし、生活リズムもゴミだぞ?!」

「そ、そんなゴミゴミ言わなくても‥」

てチャラいねえちゃんは落ち込むけどまじなんだもん‥すぐに人を煽るし、まじでクソ雑魚だし、起きてる時もあれば一日中寝てる時もあるし‥まじでやべーんだぞ。でもこのことは
"ぷらいばしーのしゅひぎむ?"ていう奴らしくて約束事だから破っちゃいけねぇんだ。

そんな風に話してると前からじいさんとばあさんが口をクチャクチャ汚ねぇ音を出しながら歩いてくる。蜘蛛が死んだとは言え呑気すぎやしねぇか?こいつら

「こんちは!」て俺が声をかけるとばあさんが何かを飲み込んでから「あら、元気だねぇ」て言ってきた。じいさんはまだなんか食ってるみたいでくちゃくちゃうるせぇ

「お二人はこの山で大蜘蛛が出たことは知っていますか?巫女様が倒して下さったらしいんですけど‥」

て受付のねえちゃんか聞くとさっきまでくちゃくちゃしてたじいさんが口の中に入れたものを飲み込んで

「そうじゃ!!巫女様が倒してくれた!じゃからほんに気にしなくてもいいぞ」てゲラゲラ笑いながら山を降りていく。なんか変なじじばばだったな。

「あのお二人は上からきたわよね?ならそこに行ってみましょうか」

俺達は受付のねえちゃんの後ろについて山を登る。他の奴らは気づいてるのかしんねぇけど‥鳥がいねぇ。一匹も普通なら絶対いるのに鳴き声すらしねぇ、この森なんかおかしい

「見て!」そう受付のねえちゃんが指差した所にはくっっっっそデカくてきもい蜘蛛の"死骸"がそこにあった。侍のにいちゃんが言ってたお面みたいな顔じゃなくていっぱいでっけぇ目ん玉のついた顔だったけど。なんかそれを見た受付のねえちゃんがいままで以上に真剣な顔をしながら

「"母なる蜘蛛"」

「?母なる蜘蛛てなんですか?」

受付のねえちゃんが喋ったのにチャラいねえちゃんが反応すると受付のねえちゃんが俺らに説明してくれた。

「母なる蜘蛛とは名前通り、ある蜘蛛達の母体なんです。その蜘蛛は一匹、一匹は弱くても数が多いんです。しかもかなり厄介なのが生物に寄生するんです。寄生されている本人でさえいつ寄生されたのか分からないため、殆どが必ず羽化してしまいます。その生物は寄生されたが最後首の中を喰われてから蜘蛛が這い出てきます。」

それを聞いた侍のにいちゃんが慌てる

「ほんじゃ!本田のじいさまは寄生されてああなったちゅうことか?」

「おそらくは、ただ母体が死ねば蜘蛛達は死ぬので問題はないとおもうのですが‥」

て俺もチャラいねえちゃんも口をぽかーんて開けるこしか出来ねぇだって話が難しすぎんだもん!!

「えっと‥じゃあ?Sランククエストはないて事ですか?」

「そうなりますね‥母体が死んでる以上子供は全滅します。」

「あのぉ気持ち悪い話になるんですけど、首の中にいた場合はそのどうなるんですか?」

「‥翌日吐き気がしてそのな「ああ!やっぱり、やっぱりいいですぅ!」

チャラいねえちゃん!!良くやった!まじでキモすぎるだろ!
で俺らは納得してるけど‥侍のにいちゃんは納得してねぇみてぇ

「‥いや、本当にこれで終わりなのか?あの化け物がこんな簡単に?だとしたらわしらは何のために‥」

「マームネ‥げ、元気だして?自警団がいてくれたから被害を最小限に出来たんだよ!だから‥えっとごめん無神経だったねウチ」

チャラいねえちゃんの説得?みたいなと聞いて侍のにいちゃんはガハハて笑う。なんか、吹っ切れたみてぇ。

「そうだな!!あでぃ殿のゆう通りだ!自警団がいたから被害を抑えられた!うむ、それでいい。救える命が多ければそれで」

「ん?」

そんな感じで一件落着しようとしてた感じだったけど、なんか臭うめちゃくちゃクッセェ!なんだこの臭い?!

「おい、なんか!ここ臭くねぇか!」

「ぬ?近くに生ごみや糞尿といったものを捨てる場所があるのだ、確かにかなり臭うからなぁ!はっはっは!」

「笑ってる場合か!まじで臭すぎて鼻がもげそうだ。早くいこ「待ってください。そこに案内して貰えませんか?」

え?正気か?受付のねえちゃん?鼻なくなるぞ?

「ぬ?別に構わんが‥中々にきついぞ?色々」

「うえ‥行きたくなぁい‥」

「お、俺も今でも鼻が曲がりそうなのによぉ」

ていう俺達に受付のねえちゃんは「絶対についてきて下さい。まだ終わっていないかもしれません」て言った。

            ※※※※※※※※※※

 近くに来るほどすっげぇ臭くなる。そんな俺らに構わず受付のねえちゃんら前に進む。チャラいねえちゃんが鼻に防護魔法貼ってくれたけど全然!役にたってねぇ!!!

「あれですか?政宗さん」

「ほうじゃ!あの穴‥が‥」

俺が受付のねえちゃんの指を指す方に目を向ける、そこにはあったのは穴の中でドロドロと蠢くなんかだった。スライム?ぽいけど違うドクドクと脈打つそれは心臓みてねぇな‥

「な、何だよこのきもいの!!」

「‥もう一匹目の"母なる蜘蛛"です。」

はえ?だってその蜘蛛はさっき死んでたじゃねぇか、どうなってんだ?

「だ、だって母なる蜘蛛はさっき死んでたじゃないですか!!」

チャラいねえちゃんがそう聞く、受付のねえちゃんはそん俺らに「山を降りながら話します!急いで!!」なんて言いながら急に走り出すもんだから俺らもそれに続く。

受付のねえちゃんが"ストックしてた魔法"を賭けてくる。スッゲェ!めちゃくちゃ早く走れんぞ?これなら山をはや



━━━━━━━━━━━━━━━━━━村の方から爆発音がした


「アルフ!!」

なんで、村は安全じゃなかったっけ?だって蜘蛛の親玉はしんだんだろ?

「もう一匹いたんです、母なる蜘蛛が」

「「!?」」

俺らの予想もしなかったことを、伝える受付のねえちゃん。蜘蛛の親玉がもう一匹いた?そんな馬鹿なことって

「3年前の"あるギルド達が全滅"した話を覚えていますか?あれは、このモンスターの討伐だったんです。先程説明した通り、母なる蜘蛛とその子供は強くはありません。数で殺しにかかります、しかし簡単な話親玉を機能停止させれば子蜘蛛達は勝手に沈黙します。するはずだった、でもその時は‥"母なる蜘蛛がもう一匹"いたんです。」


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