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序章。
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とある女子生徒の会話。
「ねえ、あの噂知ってる?」
「え、なに?」
「富来田町の雑木林の話!」
「あー、あの雑木林の奥にある祠にお参りすると願い事が叶うってやつ?でもあんなのただの噂でしょ?実際見たヤツいないじゃん」
「それがさー、2組の近藤達が行ってみたんだって!」
「え、マジ?」
「さすがに願い事はしなかったらしいけどさ。写メ撮ってきたとか言っててさ」
「へぇー」
休み時間のざわめきの中、そんな会話を耳にしつつ、彼は窓の外に目をやった。
外は薄暗く、しとしとと雨が降っている。
朝は晴れていたのにな……。
そんなことを思いながら、鳴り響いた予鈴に合わせて次の授業のための教科書とノートを取り出し、短くため息をついた。
先の話が本当なら、近々彼の元に誰かが相談にやって来るだろう。
その内容が深刻なモノではないことを、今は祈るしかない。
「ねえ、あの噂知ってる?」
「え、なに?」
「富来田町の雑木林の話!」
「あー、あの雑木林の奥にある祠にお参りすると願い事が叶うってやつ?でもあんなのただの噂でしょ?実際見たヤツいないじゃん」
「それがさー、2組の近藤達が行ってみたんだって!」
「え、マジ?」
「さすがに願い事はしなかったらしいけどさ。写メ撮ってきたとか言っててさ」
「へぇー」
休み時間のざわめきの中、そんな会話を耳にしつつ、彼は窓の外に目をやった。
外は薄暗く、しとしとと雨が降っている。
朝は晴れていたのにな……。
そんなことを思いながら、鳴り響いた予鈴に合わせて次の授業のための教科書とノートを取り出し、短くため息をついた。
先の話が本当なら、近々彼の元に誰かが相談にやって来るだろう。
その内容が深刻なモノではないことを、今は祈るしかない。
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