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64話 アルフレッド・リースナー
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「リースナー様! 生贄にされた冒険者達を発見しました! 現在、ガイアさんが胃袋の中で保護しています!!」
何だと⁉ とローブ集団が驚きの声を上げる。
《エマ、魔力を分けてほしい。私の背に乗ってくれ》
「えっ? わ、分かりました」
彼とエマの会話は、この黒いローブ集団には聞こえていないだろう。
彼の背に乗ったエマの姿を見届けて、アルフレッドは黒ローブ集団へ歩み寄った。
*
ゆるゆると体の力が奪われていく感覚に襲われる。横になって良いと言われ、その言葉に甘えさせてもらった。
ドラゴンの上で、エマは多勢に無勢の状況の中で歩み寄るアルフレッドの背を見守る。剣と槍を持つ男たちを見ていると、逆にそわそわするエマに、ガイアは語りかける。
《彼なら大丈夫だ。それよりも、問題はエマの方だ》
「そう言えば、どうして私の名前を知っているんですか?」
《ステータスを開いただろう? それを見ている》
確かにステータスは開いたが、それは彼の胃袋の中での話だ。物理的に見れないはずなのだけれど、つまり胃袋の中に目があるということなのか?
アルフレッドは剣を振った男の手を蹴り上げて引き剥がすと、男の顔をわし掴む。
そうすれば、彼の手の中に白い面が現れた。エマが初めて彼に会った時に被っていた物と同じタイプの面だ。
それをその場に放り捨てる。
顔を掴まれた男はその場に崩れ落ちて、動かなくなる。
アルフレッドはローブの男たちの攻撃をいなしてはその顔に手を伸ばして面を作り、昏倒させていく。昏倒するのは、スキル効果の一つなのだろう。ローブの男達が死屍累々と倒れている。
ただ敵の攻撃をいなしているだけなのに無駄のない動きで彼らを無力化へ追い込んでいる。のっぺりとした面がその場に散乱している様は、ちょっとしたホラーみたいだ。
魔法攻撃も当たらなければどうということはないと、アルフレッドは突っ込んでいく。直撃を避けつつ魔法を放つ彼らの攻撃潜り抜け、顔面をわし掴む。
《よし、無事に彼らの保護が終わった。次はエマ、すまないが君を……》
「ファフニール様! 貴方様のお力をお貸し下さい!!」
その途端、エマの体はガイアの背中から、飛び上がった。そのまま、どんどんアルフレッドへと急接近していく。
(体が勝手に?! どうして?!)
そのまま、彼を背中から強襲する。
「リースナー様、危ない!!」
既に振り返っていた彼が目を丸くする。腕で防御を試みようとしたその彼の、前に黒髪の男が現れた。
黄金色の、枝分かれする七支刀のようなの角を前頭部から生やしている男性が割って入る。
どうんっ! とぶつかった衝撃波が辺りに吹き荒れる。
「アルフレッド、急いであの金刺繍のローブを纏う男を抑えなさい。私への命令権を持った呪いが、今、エマの中にある。それがお前を狙うよう体を操られてしまっている」
「分かった」
ガイアがいなくなり、慌てたように詠唱を始めたローブ集団へとアルフレッドは駆けて行く。
「エマ、少しの辛抱だ」
体に、ピシリピシリと石が張り付くように広がっていく。これは、結晶化……
「ふえっ⁉ ご、ごめんなさい!!」
自分でも分かる、スキルを勝手に使っている。
それが、たった今ガイアが動けなくするために作り上げている鉱石らしきものを、バキン! と割ってしまった。
石がゴロゴロと転がる。
ガイアは 「ほう?」と、面白そうに目を細めた。
何だと⁉ とローブ集団が驚きの声を上げる。
《エマ、魔力を分けてほしい。私の背に乗ってくれ》
「えっ? わ、分かりました」
彼とエマの会話は、この黒いローブ集団には聞こえていないだろう。
彼の背に乗ったエマの姿を見届けて、アルフレッドは黒ローブ集団へ歩み寄った。
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ゆるゆると体の力が奪われていく感覚に襲われる。横になって良いと言われ、その言葉に甘えさせてもらった。
ドラゴンの上で、エマは多勢に無勢の状況の中で歩み寄るアルフレッドの背を見守る。剣と槍を持つ男たちを見ていると、逆にそわそわするエマに、ガイアは語りかける。
《彼なら大丈夫だ。それよりも、問題はエマの方だ》
「そう言えば、どうして私の名前を知っているんですか?」
《ステータスを開いただろう? それを見ている》
確かにステータスは開いたが、それは彼の胃袋の中での話だ。物理的に見れないはずなのだけれど、つまり胃袋の中に目があるということなのか?
アルフレッドは剣を振った男の手を蹴り上げて引き剥がすと、男の顔をわし掴む。
そうすれば、彼の手の中に白い面が現れた。エマが初めて彼に会った時に被っていた物と同じタイプの面だ。
それをその場に放り捨てる。
顔を掴まれた男はその場に崩れ落ちて、動かなくなる。
アルフレッドはローブの男たちの攻撃をいなしてはその顔に手を伸ばして面を作り、昏倒させていく。昏倒するのは、スキル効果の一つなのだろう。ローブの男達が死屍累々と倒れている。
ただ敵の攻撃をいなしているだけなのに無駄のない動きで彼らを無力化へ追い込んでいる。のっぺりとした面がその場に散乱している様は、ちょっとしたホラーみたいだ。
魔法攻撃も当たらなければどうということはないと、アルフレッドは突っ込んでいく。直撃を避けつつ魔法を放つ彼らの攻撃潜り抜け、顔面をわし掴む。
《よし、無事に彼らの保護が終わった。次はエマ、すまないが君を……》
「ファフニール様! 貴方様のお力をお貸し下さい!!」
その途端、エマの体はガイアの背中から、飛び上がった。そのまま、どんどんアルフレッドへと急接近していく。
(体が勝手に?! どうして?!)
そのまま、彼を背中から強襲する。
「リースナー様、危ない!!」
既に振り返っていた彼が目を丸くする。腕で防御を試みようとしたその彼の、前に黒髪の男が現れた。
黄金色の、枝分かれする七支刀のようなの角を前頭部から生やしている男性が割って入る。
どうんっ! とぶつかった衝撃波が辺りに吹き荒れる。
「アルフレッド、急いであの金刺繍のローブを纏う男を抑えなさい。私への命令権を持った呪いが、今、エマの中にある。それがお前を狙うよう体を操られてしまっている」
「分かった」
ガイアがいなくなり、慌てたように詠唱を始めたローブ集団へとアルフレッドは駆けて行く。
「エマ、少しの辛抱だ」
体に、ピシリピシリと石が張り付くように広がっていく。これは、結晶化……
「ふえっ⁉ ご、ごめんなさい!!」
自分でも分かる、スキルを勝手に使っている。
それが、たった今ガイアが動けなくするために作り上げている鉱石らしきものを、バキン! と割ってしまった。
石がゴロゴロと転がる。
ガイアは 「ほう?」と、面白そうに目を細めた。
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