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72話 冒険者暴動事件のあらまし

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 事件の詳細。
 ガイアは神獣従属の呪いが掛けられる前、瘴気を大地に流す魔道装置を発見した。それを破壊するべく地上に出た所で、何者かに例の呪いを掛けられる。

 その呪いは、今回の冒険者失踪事件の首謀者『ファフニール』のリーダーに譲渡された。瘴気を大地に流し込む魔道装置も『ファフニール』ではなく、例の呪術師から渡されたものらしい。

 呪術師はその後、『ファフニール』には一切接触してこなかった。

『ファフニール』が冒険者を狙った理由は、『魔力が5000以上ある土属性の人間を生贄』にするため。イビルティアーの特性上、同属性で大量の魔力を持っている人間は、毒素の『狂化』効果が効かなくなる。その代わり、地震という形で属性共鳴が起きると『邪龍の眷属』として自ら地龍神殿へ向かうようになる。

 ガイアは『邪龍の眷属』になった冒険者を『地脈移動』で自分の元に引き寄せた。土の中から『ファフニール』が現れたり、手を出していたり、テンペストが終了した直後アルフレッドがエマの背後に突然現れたのも『地脈移動』だ。龍脈の範囲内であれば、生物の瞬間的移動を可能とする能力で、冒険者が行方不明になったカラクリだ。

 呪いのせいで魔道装置により大地に注がれ続ける大量の瘴気を吸い上げることを強制され、ガイアは完全に邪龍に陥っていなかったものの表記が『邪龍』になっていたのは、ほぼほぼ邪龍と同等の穢を有していたからだ。
 現在は、無事に神性を取り戻している。

『ファフニール』がこれらの方法を取った理由は、ガイア自身が邪龍として身を落とす方法を知っていたからだ。呪いの効果でガイアから直接聞き出した彼らは、イビルティアーの利用方法などを聞き、人工邪龍の再誕を実行。

 イビルティアーは大地汚染が一定以上を上回った時に芽吹く。神殿周りからどんどん国内に広がっていくものらしい。今は、全てのイビルティアーは消滅している。
 瘴気を流す魔道装置も撤去され、ガイアが正常な浄化を行えるようになったからだ。

 その呪術師が何者なのか、何故、意図して瘴気を流す魔道装置を『ファフニール』に与えたかは結局不明なままだが、一件落着と相成った。
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