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70話 地の王
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正確にはアルフレッドならば確実に解除できる条件を満たしている。しかしアルフレッドではなくても、条件が整った人間であれば解除は可能なんだと言った。
ガイアはその条件を満たしている人間を『地の王』と呼んでいるそうだ。
「どんな条件なんですか?」
「ふふっ。エマのスキルで奪えない属性保持者だ」
「え? 属性が奪えない人がいるんですか?」
「私からアビリティを奪えたか?」
「できなかったです」
やってみると良いと言われ、エマはちょっと躊躇う。ついさっき下手に触れれば人間の骨が折れると散々脅されたところだ。手を乗せるだけなら大丈夫なようにデバフを掛けてもらって、手を差し出しているアルフレッドの手にそおっと触れる。
土属性を狙ってスキルを使ってみる。
「本当だ。取れないです」
「何故だと思う?」
ガイアはエマの頭をやわやわと撫でながらそう問い掛ける。
「えっと……王族だから?」
「王族は関係ない。一般人でも同じ条件を満たすことができる。肉体は関係ないんだ」
仕事になかなか戻らないでいるヴォルグが手を上げた。
「それって、エマちゃんがスキルとアビリティを奪える理由と関係ある?」
「あぁ、もちろん」
「なら、転生時に神様から添付されたものだから、じゃないか? 師匠の考えだけど」
「正解だ。貴殿の師匠はなかなか見どころがある人物のようだな」
この世界では瘴気やモンスターなどの様々な脅威の中に生まれ落ちる。
生命が何も持たずに生まれれば、それらの脅威に立ち向かえない。この世界は、幼い頃から死の危険が伴う。
だから神々は様々な生命の転生時、必ずスキルと属性を与える。それは、その魂に最も見合ったスキルだ。
神々は意味のないスキルを与えない。それらは全て等しく、神々からの寵愛だ。
そして、この世界の生物にはできるだけ早く強くなってもらわねばならない。そうしなければ、生き残れない者達が増えていく一方だ。そのため、スキルやアビリティの取得自体は簡単に行えるようになっている。それもまた魔導書や稽古を介した『添付』だ。
エマがスキルを返却しようとした時『アビリティとして覚えますか』と出たのは、特殊性の高いスキル以外は全て自力で覚えられるものであり、恐らく『盗用』スキルの効果だ。
エマにやたらと稽古を付けたいと言った理由は、『添付』じゃない方法で能力を身に着けてもらうため。そうすれば、エマと似たようなスキルを持つ人間からも能力を奪われることはない。
ガイアはその条件を満たしている人間を『地の王』と呼んでいるそうだ。
「どんな条件なんですか?」
「ふふっ。エマのスキルで奪えない属性保持者だ」
「え? 属性が奪えない人がいるんですか?」
「私からアビリティを奪えたか?」
「できなかったです」
やってみると良いと言われ、エマはちょっと躊躇う。ついさっき下手に触れれば人間の骨が折れると散々脅されたところだ。手を乗せるだけなら大丈夫なようにデバフを掛けてもらって、手を差し出しているアルフレッドの手にそおっと触れる。
土属性を狙ってスキルを使ってみる。
「本当だ。取れないです」
「何故だと思う?」
ガイアはエマの頭をやわやわと撫でながらそう問い掛ける。
「えっと……王族だから?」
「王族は関係ない。一般人でも同じ条件を満たすことができる。肉体は関係ないんだ」
仕事になかなか戻らないでいるヴォルグが手を上げた。
「それって、エマちゃんがスキルとアビリティを奪える理由と関係ある?」
「あぁ、もちろん」
「なら、転生時に神様から添付されたものだから、じゃないか? 師匠の考えだけど」
「正解だ。貴殿の師匠はなかなか見どころがある人物のようだな」
この世界では瘴気やモンスターなどの様々な脅威の中に生まれ落ちる。
生命が何も持たずに生まれれば、それらの脅威に立ち向かえない。この世界は、幼い頃から死の危険が伴う。
だから神々は様々な生命の転生時、必ずスキルと属性を与える。それは、その魂に最も見合ったスキルだ。
神々は意味のないスキルを与えない。それらは全て等しく、神々からの寵愛だ。
そして、この世界の生物にはできるだけ早く強くなってもらわねばならない。そうしなければ、生き残れない者達が増えていく一方だ。そのため、スキルやアビリティの取得自体は簡単に行えるようになっている。それもまた魔導書や稽古を介した『添付』だ。
エマがスキルを返却しようとした時『アビリティとして覚えますか』と出たのは、特殊性の高いスキル以外は全て自力で覚えられるものであり、恐らく『盗用』スキルの効果だ。
エマにやたらと稽古を付けたいと言った理由は、『添付』じゃない方法で能力を身に着けてもらうため。そうすれば、エマと似たようなスキルを持つ人間からも能力を奪われることはない。
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