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第211話:敵と味方と・・・
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1570年12月も年の瀬、備中国松山城は戦場と化していた。
白い雪が鮮血に染まっていく中、攻め手の将は単身で突破口を切り開いていく。
松山城にとって予想外の時期での敵の襲来。
三村家の兵は完全に後手に回り、ただ屍と化していく。
「あれは・・・前田慶次郎利益殿。どうなっておる・・・」
守兵の一人が驚愕の表情で立ち尽くしていた。
間者として松山城に忍び込み諜報活動を続けていた伊賀忍軍上忍轟雷その人である。
あれは轟雷殿・・・安心召されよ。俺はわかっている。頼むぜ!!
目配せを受けると鎧兜を脱いだ轟雷は忍び装束で慶次の隣に立つ。
「何故・・・何故に宇喜多直家の軍を慶次郎殿が率いておる?」
「俺は宇喜多の客将になんでね。」
「なんとォ!? よりによって宇喜多とは・・・」
「轟雷殿、助太刀感謝するぞ!! ワハハハ。」
轟雷の言葉を受け流すと慶次は笑いながら本丸へと駆け上がっていく。
「貴殿は?」
そこに現れたのは宇喜多直家。慶次と轟雷のやり取りを見ていたのだ。
「伊賀忍軍上忍轟雷・・・宇喜多直家・・・殿か?」
「いかにも・・・。そしてこの城、やはり山田岳人の言う通り・・・三村元親は不在。」
何故、それを知っておる。突然、行方知れずになった三村元親。それを岳人様が・・・しかも宇喜多と繋がっている?ワシでは整理できぬぞ。
「後ほどこの地におられる伊賀の頭領殿を交えて話をしましょうぞ、轟雷殿。」
動揺を隠せない轟雷に宇喜多直家はそう告げるのだった。
備中国松山城はあえなく陥落した。
宇喜多軍の勝ちどきの声が響き渡る中、本丸にて直家を待っていた慶次。
「待たせましたな、慶次殿。」
宇喜多直家は轟雷を伴って現れた。
「噂にたがわぬ男よのう、宇喜多直家殿。ワシが伊賀忍軍頭領が一人の百地丹波じゃ。」
そこに百地丹波もやって来る。
人払いをすると本丸屋敷の一室にて4人は腰を下ろした。
「この戦は山田岳人殿にけしかけられたものです。」
宇喜多直家はそう言うと慶次を見た。
「備中国松山城が攻め時、三村元親が不在の今こそが・・・そんな感じの知らせだったな。」
「岳人様はあの色装束の一味の者が三村元親に化けていることを知っておったということじゃな。」
諜報活動を続けていた百地丹波は三村元親の下に緑装束の男が陰で仕えていることに気付いていた。
そこからの調査と推測で三村元親は既に亡く、別人が成りすましているのではないかと結論付けていたのだ。
「やはり・・・拙者も勘付いておりました。三村元親が偽者ではないかということを。しかし、色装束の者たちとなれば岳人様と・・・。」
轟雷は天を仰ぐ。
「私も岳人殿と繋がっております。この備前、備中や備後における浦上、三村の毛利との諍い事は悪化の一途。これは岳人殿が陰ながら関与している次第・・・」
「だが、直家殿は心から若君に従っているという訳ではない。今はそれを逆に利用している食えぬ男だということだ、ワハハハ!!」
「私が謀略の男として奸臣として名が知れていることは存じております。この世の全てを憎むが故に混沌を望んでいたのは事実。山田家に多大なる迷惑をかけたのも事実。それでも慶次殿と出会って変わったということなのです。」
「我が殿の心根を知ってもらいたくてな。」
「争いのない日ノ本、決まりごとに則って帝も民も平等に裁かれる世の中というものを見てみたい。さすれば私がずっと幼き日から感じていた痛みも消えるのではと・・・」
直家と慶次のやり取りに安堵の表情を浮かべる百地丹波と轟雷。
「美作だけでなく備中も直家殿が治めるのは時間の問題。それ以上の問題もあるのだが・・・」
「山田家は毛利家と友好関係にあります。しかしここで私が山田家の傘下に入れば関係の悪化が考えられると言う事です。」
慶次と直家はそうは言うものの表情は明るい。
「その辺りの政治は大輔殿次第。宇喜多直家殿は何も懸念せずにおればよろしい。ワシらも畿内に引き上げて大輔殿に報告いたそう。」
「助かります。岳人殿との繋がりを残しつつ、この備中・美作からしばらくは事態を静観させていただきます。」
こうして百地丹波や轟雷達伊賀忍軍は畿内へと帰還するのであった。
しかし、宇喜多直家の備中攻めに対し、毛利家は迅速な対応を取ることとなる。
年の瀬の慌ただしい中、備後国神辺城に先行して小早川隆景が入城し、次々と将兵たちを集結させていた。
「それにしても見事な城攻め・・・父上の仇とはいえ見事としか言いようがない。」
小早川隆景は宇喜多直家の松山城攻めの手際の良さに感嘆していた。
「申し訳ございませぬ。我が方の前田利益様が宇喜多の客将になっており、城攻めにかなりの貢献をした模様。」
山田忍軍幹部の毒蝮の金蔵は備中を離れた後、毛利家に取り入っていた。
「あの傾奇者と誉高き男、気の向くままであろう。それにあの男は我ら毛利との戦いには加担するまい。」
笑みを浮かべると大広間を出ていくと自室に籠る。
まあ・・・念のために竹中殿に使者でも送ろうか・・・
「小早川隆景様、度々失礼いたします。」
そこに金蔵が1人の男を連れて追いかけてきた。
「金蔵、どうした? その者は?」
「拙者は山田家軍師竹中半兵衛重治が家臣喜多村十助直吉と申します。」
重治の右腕ともいえる存在の十助は密書を携えていた。
「ふむ・・・なんと・・・」
隆景はそれを読むと天を仰ぐ。
「何と書かれております?」
心配そうな顔の金蔵。
「宇喜多直家は山田家に帰順の意思があると・・・これは参った・・・」
「なんと・・・あの謀略の男が・・・。我が殿はお人が良すぎるが・・・」
「少なくとも我らは納得できぬ。金蔵、ご苦労であった。大和に帰るがよい。しばしと思いたいが、山田とは縁を切らせて貰おう。」
隆景の言葉に言葉を失う金蔵と十助であった。
こうして毛利との関係が悪化することとなってしまった。
これは山田家にとって由々しき事態である。
後日、その報は多聞山城にも伝わった。
「宇喜多直家を受け入れるという殿のお気持ち。その時点でこうなることは・・・」
「仕方ないであろう・・・小早川隆景殿にとっては宇喜多直家は何があろうと不俱戴天の仇。ただ・・・戦だけは何とか避けたい。我らと毛利が戦となれば互いに多大な犠牲が出る。戦だけは避けないと・・・絶対に。」
重治の言葉に私はため息交じりでそう願うしかなかった。
1570年は最後まで重い1年であった。
将軍足利義栄、摂津晴門、筒井順慶、十市遠長、六角義定・・・病、戦死など死因はそれぞれだが大切な人たちを失ったのだ。
征夷大将軍という職務もまともにまっとうすることが出来ていない。
果たして1571年はどうなってしまうのか・・・そんな不安を抱えながらも私は新しい政権の確立に動き出すのである。
白い雪が鮮血に染まっていく中、攻め手の将は単身で突破口を切り開いていく。
松山城にとって予想外の時期での敵の襲来。
三村家の兵は完全に後手に回り、ただ屍と化していく。
「あれは・・・前田慶次郎利益殿。どうなっておる・・・」
守兵の一人が驚愕の表情で立ち尽くしていた。
間者として松山城に忍び込み諜報活動を続けていた伊賀忍軍上忍轟雷その人である。
あれは轟雷殿・・・安心召されよ。俺はわかっている。頼むぜ!!
目配せを受けると鎧兜を脱いだ轟雷は忍び装束で慶次の隣に立つ。
「何故・・・何故に宇喜多直家の軍を慶次郎殿が率いておる?」
「俺は宇喜多の客将になんでね。」
「なんとォ!? よりによって宇喜多とは・・・」
「轟雷殿、助太刀感謝するぞ!! ワハハハ。」
轟雷の言葉を受け流すと慶次は笑いながら本丸へと駆け上がっていく。
「貴殿は?」
そこに現れたのは宇喜多直家。慶次と轟雷のやり取りを見ていたのだ。
「伊賀忍軍上忍轟雷・・・宇喜多直家・・・殿か?」
「いかにも・・・。そしてこの城、やはり山田岳人の言う通り・・・三村元親は不在。」
何故、それを知っておる。突然、行方知れずになった三村元親。それを岳人様が・・・しかも宇喜多と繋がっている?ワシでは整理できぬぞ。
「後ほどこの地におられる伊賀の頭領殿を交えて話をしましょうぞ、轟雷殿。」
動揺を隠せない轟雷に宇喜多直家はそう告げるのだった。
備中国松山城はあえなく陥落した。
宇喜多軍の勝ちどきの声が響き渡る中、本丸にて直家を待っていた慶次。
「待たせましたな、慶次殿。」
宇喜多直家は轟雷を伴って現れた。
「噂にたがわぬ男よのう、宇喜多直家殿。ワシが伊賀忍軍頭領が一人の百地丹波じゃ。」
そこに百地丹波もやって来る。
人払いをすると本丸屋敷の一室にて4人は腰を下ろした。
「この戦は山田岳人殿にけしかけられたものです。」
宇喜多直家はそう言うと慶次を見た。
「備中国松山城が攻め時、三村元親が不在の今こそが・・・そんな感じの知らせだったな。」
「岳人様はあの色装束の一味の者が三村元親に化けていることを知っておったということじゃな。」
諜報活動を続けていた百地丹波は三村元親の下に緑装束の男が陰で仕えていることに気付いていた。
そこからの調査と推測で三村元親は既に亡く、別人が成りすましているのではないかと結論付けていたのだ。
「やはり・・・拙者も勘付いておりました。三村元親が偽者ではないかということを。しかし、色装束の者たちとなれば岳人様と・・・。」
轟雷は天を仰ぐ。
「私も岳人殿と繋がっております。この備前、備中や備後における浦上、三村の毛利との諍い事は悪化の一途。これは岳人殿が陰ながら関与している次第・・・」
「だが、直家殿は心から若君に従っているという訳ではない。今はそれを逆に利用している食えぬ男だということだ、ワハハハ!!」
「私が謀略の男として奸臣として名が知れていることは存じております。この世の全てを憎むが故に混沌を望んでいたのは事実。山田家に多大なる迷惑をかけたのも事実。それでも慶次殿と出会って変わったということなのです。」
「我が殿の心根を知ってもらいたくてな。」
「争いのない日ノ本、決まりごとに則って帝も民も平等に裁かれる世の中というものを見てみたい。さすれば私がずっと幼き日から感じていた痛みも消えるのではと・・・」
直家と慶次のやり取りに安堵の表情を浮かべる百地丹波と轟雷。
「美作だけでなく備中も直家殿が治めるのは時間の問題。それ以上の問題もあるのだが・・・」
「山田家は毛利家と友好関係にあります。しかしここで私が山田家の傘下に入れば関係の悪化が考えられると言う事です。」
慶次と直家はそうは言うものの表情は明るい。
「その辺りの政治は大輔殿次第。宇喜多直家殿は何も懸念せずにおればよろしい。ワシらも畿内に引き上げて大輔殿に報告いたそう。」
「助かります。岳人殿との繋がりを残しつつ、この備中・美作からしばらくは事態を静観させていただきます。」
こうして百地丹波や轟雷達伊賀忍軍は畿内へと帰還するのであった。
しかし、宇喜多直家の備中攻めに対し、毛利家は迅速な対応を取ることとなる。
年の瀬の慌ただしい中、備後国神辺城に先行して小早川隆景が入城し、次々と将兵たちを集結させていた。
「それにしても見事な城攻め・・・父上の仇とはいえ見事としか言いようがない。」
小早川隆景は宇喜多直家の松山城攻めの手際の良さに感嘆していた。
「申し訳ございませぬ。我が方の前田利益様が宇喜多の客将になっており、城攻めにかなりの貢献をした模様。」
山田忍軍幹部の毒蝮の金蔵は備中を離れた後、毛利家に取り入っていた。
「あの傾奇者と誉高き男、気の向くままであろう。それにあの男は我ら毛利との戦いには加担するまい。」
笑みを浮かべると大広間を出ていくと自室に籠る。
まあ・・・念のために竹中殿に使者でも送ろうか・・・
「小早川隆景様、度々失礼いたします。」
そこに金蔵が1人の男を連れて追いかけてきた。
「金蔵、どうした? その者は?」
「拙者は山田家軍師竹中半兵衛重治が家臣喜多村十助直吉と申します。」
重治の右腕ともいえる存在の十助は密書を携えていた。
「ふむ・・・なんと・・・」
隆景はそれを読むと天を仰ぐ。
「何と書かれております?」
心配そうな顔の金蔵。
「宇喜多直家は山田家に帰順の意思があると・・・これは参った・・・」
「なんと・・・あの謀略の男が・・・。我が殿はお人が良すぎるが・・・」
「少なくとも我らは納得できぬ。金蔵、ご苦労であった。大和に帰るがよい。しばしと思いたいが、山田とは縁を切らせて貰おう。」
隆景の言葉に言葉を失う金蔵と十助であった。
こうして毛利との関係が悪化することとなってしまった。
これは山田家にとって由々しき事態である。
後日、その報は多聞山城にも伝わった。
「宇喜多直家を受け入れるという殿のお気持ち。その時点でこうなることは・・・」
「仕方ないであろう・・・小早川隆景殿にとっては宇喜多直家は何があろうと不俱戴天の仇。ただ・・・戦だけは何とか避けたい。我らと毛利が戦となれば互いに多大な犠牲が出る。戦だけは避けないと・・・絶対に。」
重治の言葉に私はため息交じりでそう願うしかなかった。
1570年は最後まで重い1年であった。
将軍足利義栄、摂津晴門、筒井順慶、十市遠長、六角義定・・・病、戦死など死因はそれぞれだが大切な人たちを失ったのだ。
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