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第16話:私が攻城戦を指揮している(1)
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城に火の手が上がる。
「もはやこれまでか・・・。」
火の手が回る城内で打ちひしがれるのは宇陀三将芳野氏の当主芳野清兼。
「何故、わかってくれなかったんだ・・・」
私は燃え上がる芳野城を見つめていた。
こうなって欲しくなかった・・・私は思い出していた。
年も明けて1566年。
三好と松永の対立は激化の一途をたどっていた。
義輝の次の将軍になるべく擁立された足利義親の松永討伐令もあり、三好優位の戦況で松永は孤立している状態であった。
新築された山田城の大広間にて
「今こそ好機ですぞ。勇気を持たれよ。」
景兼が言う。
「何とか戦いは避けたいんです。」
私は首を横に振った。
松永が立て直す前に大和国内の勢力図を塗り替えるべきという景兼。
芳野城の芳野氏、宇陀秋山城の秋山氏を配下にする。
もしくは駆逐するという考えであった。
「来年になれば歴史上では松永久秀は盛り返してくるよ。今が絶対にチャンスだって。」
岳人が言っていたことも理解はしている。
だが、できる限りは争いは避けたいのだ。
既に沢城の高山飛騨守友照は松永弾正に離反を告げている。
私たちと行動を共にしてくれるのが頼もしい限り。
そして2月に入り、赤埴信安率いる赤埴の軍勢と私の配下になった島清興率いる軍勢で松永軍の支城の檜牧城を攻略に成功。
清興はそのまま檜牧城の城主に任に就いた。
ただ・・・うまくいくことばかりではない。
南北朝時代からの宇陀の名家である芳野と秋山家、私が同盟を結ぶべく使者を出しても追い返され続ける日々であった。
芳野家は筒井の傘下にあり、秋山家は松永の傘下にある。
松永の傘下の秋山家当主秋山直国が私たちを敵視するのは当然だ。
しかし芳野はどうなのだろうか・・・。
筒井家は若き当主筒井順慶を中心に年明けから松永への反撃を開始している。
三好三人衆の後ろ盾を得た筒井は勢いを取り戻しつつある。
それならば芳野家も私たちと同盟を結べば、宇陀において反松永への機運が増々高まると思うのだが・・・。
「何度来ても無駄だ・・・追い返せ!!」
芳野城城内に怒声が響き渡る。
芳野家当主芳野宮内少輔清兼は苛立ちを隠せない。
「山田? そのような新参者が芳野と並び立つなど有り得ぬわ。まして高山と同盟など以ての外じゃ!! 兵を集めよ、戦の準備じゃ!!」
そして芳野の軍勢が高山の支城である井足城に攻めてきた。
「殿!! 芳野が井足に攻めてきましたぞ!!」
急使により、沢城内は慌ただしくなっていた。
「数は?」
「芳野の手勢は500程と見受けられます。」
家臣の一人が答える。
「本気ということか・・・井足から兵を引かせよ。無駄死にならぬぞ・・・急げ!!」
友照は急使を帰らせると天を仰いだ。
「井足が落とされたと・・・。」
私は友照からの使者から報告を受けた。
「芳野は意地があるのでしょうな。」
景兼は私を見る。
「このまま沢城を攻めるかもしれぬ。どうする義兄上?」
義輝も私を見る。
井足城が芳野の手に落ちたということは地形的に沢城は井足城と芳野城に挟まれたことになる。
しかし、井足城は逆に言えば檜牧城と沢城で挟撃できるともいえる。
「檜牧の島清興の手勢200、沢城の高山友照の手勢が井足からの撤退兵を含めて500。我が軍の兵力は500。赤埴殿の兵力が200。芳野清兼は全軍合わせて1500。」
景兼は図面を広げた。
「そして秋山の全兵力は1500もあろう。ただ芳野と秋山も決して良き関係ではないのです。」
「わかっていますよ、しかし秋山は十市と争いを続けているんでしょう?」
「様々な思惑、意地が絡み合っているのがこの辺りの現状ですな。」
そして景兼は筆をとった。
「芳野をできる限りに短期で攻略すべきではないかと。まずは必要なのは若君・・・。」
景兼は岳人を見る。
「出番がきたね。」
ずっと黙っていた岳人は笑顔を見せる。
「若君の開発された攻城兵器・・・でしたかな?」
「ああバリスタだね。」
「そのなんちゃらで芳野城を破壊・・・」
「なんちゃらではなくてバリスタ。」
「・・・あれが芳野城攻略の鍵になります。」
古代の攻城兵器だけどね・・・僕なりに改良している。
生かすための戦略もある。
岳人は自信に満ちていた。
「単純な戦略ですが、まず井足を高山殿と赤埴殿の軍で取り囲む。さすれば芳野の本軍は沢城に攻め入るでしょう。そこを我らで横から奇襲をかける。戻ってこられた高山殿の軍で挟撃する。井足から兵が出るかもしれぬが、そこに更に島が井足に奇襲をかける。」
景兼は私を見る。
「・・・」
私は黙ってうなずいた。
「ここで芳野が撤退して城に立て篭もれば我らの勝利です。」
景兼は筆を置いた。
まず城の留守に義輝と兵100を配置した。
残りの兵400、私と岳人、景兼、六兵衛、九兵衛で芳野攻めとなる。
井足に芳野軍500、芳野城の守兵を考えれば芳野の本軍は兵800ぐらいだろうか・・・。
友照殿との挟み討ちがうまくいかなければかなりヤバい展開だ。
私はそう思うのだが、景兼はかなり勝利を確信している様子だ。
若君の鉄砲戦術があればこの程度の兵力差は覆せる・・・。
景兼は岳人を頼もしげに見ていた。
「九兵衛・・・大丈夫か?」
義輝が心配そうに聞く。
「お任せください。」
九兵衛は笑顔で答える。
「・・・」
その様子を美佳が心配そうに見つめている。
「ただ・・・義輝様・・・」
「なんだ?」
「私にもしものことがあれば、美佳様のこと・・・よろしくお願い申し上げます。」
「生きろよ・・・何があっても。」
義輝は九兵衛に言う。
「美佳を想うなら生きろ。生きて想いを成し遂げろ。」
「義輝様・・・」
そんな二人の様子を見ている景兼。
堺から戻って来た日の晩の宴の最中、
「よろしいですか?」
「ああ・・・。」
景兼と義輝は外に出た。
「ご無事で何よりですぞ、義輝様。」
景兼は平伏する。
「夜風が心地良いのう・・・そう思わんか?」
義輝は笑顔だ。
「いえ、肌寒いかと・・・」
「心地良い理由はこの地にある・・・。」
義輝は夜空を見上げた。
「そなたの叔父上・・・信綱殿は元気か?」
「はい、ただいま柳生におられるかと思われます。」
「そうか・・・久しぶりにやるか?」
義輝は景兼に立ち合いの仕草を見せるも
「いえ・・・まだ及びませぬ。」
「そうは思わんがの・・・」
義輝と景兼は夜空をただ見つめていた・・・。
「殿・・・。」
景兼が目配せする。
「よし、皆さん。戦の準備です!!」
私は号令した。
城下町も慌ただしくなる。
「盾隊!!」
私の声で大きな鉄の盾を持った兵たちが集う。30名
二人一組で盾を並べる。運搬は馬車である。
「鉄砲隊!!」
鉄砲隊は50名の精鋭である。
「弓隊!!」
弓隊も50名の精鋭である。
「特別隊!!」
ハルバード兵30名、鈎鎌槍兵30名、団牌手20名、大槌兵20名。
これは対騎馬戦用の部隊である。
「バリスタ隊!!」
今回使用する攻城決戦兵器の運用兵20名である。
残りは全部歩兵である。騎馬隊は編成ができなかった。
兵が少ないため、密集戦術をとるのが良策だという景兼の判断である。
しかし我が軍は訓練はかなりしているものの実戦は初めての者ばかりというのが現実である。
ちなみに私も馬に乗れるようになったため戦車の案はボツになった。
私と景兼、六兵衛、九兵衛だけが馬上の人となる。
「あなた、気を付けてね。」
「ああ・・・生きて帰ってくるからな。」
私は朋美に言う。
「岳人・・・。」
「大丈夫、僕はやってみせるから!!」
岳人は朋美に力強く言った。
「死んだら許さないからね・・・怪我でも許さない。」
美佳が涙を浮かべながら私と岳人に言う。
隣で義輝がうなずいている。
「ああ!!義輝・・・頼んだよ。」
「わかったって!! アネキ行ってくるよ!!」
「出陣です!!」
私は騎乗すると大声で号令した。
遂に山田軍が出陣した。
戦国時代の荒波にこの山田大輔が漕ぎ出したのだ。
もう戻れない・・・
私は戦場に赴く・・・
生きるために・・・この時代で家族みんなで生き残るために・・・
「もはやこれまでか・・・。」
火の手が回る城内で打ちひしがれるのは宇陀三将芳野氏の当主芳野清兼。
「何故、わかってくれなかったんだ・・・」
私は燃え上がる芳野城を見つめていた。
こうなって欲しくなかった・・・私は思い出していた。
年も明けて1566年。
三好と松永の対立は激化の一途をたどっていた。
義輝の次の将軍になるべく擁立された足利義親の松永討伐令もあり、三好優位の戦況で松永は孤立している状態であった。
新築された山田城の大広間にて
「今こそ好機ですぞ。勇気を持たれよ。」
景兼が言う。
「何とか戦いは避けたいんです。」
私は首を横に振った。
松永が立て直す前に大和国内の勢力図を塗り替えるべきという景兼。
芳野城の芳野氏、宇陀秋山城の秋山氏を配下にする。
もしくは駆逐するという考えであった。
「来年になれば歴史上では松永久秀は盛り返してくるよ。今が絶対にチャンスだって。」
岳人が言っていたことも理解はしている。
だが、できる限りは争いは避けたいのだ。
既に沢城の高山飛騨守友照は松永弾正に離反を告げている。
私たちと行動を共にしてくれるのが頼もしい限り。
そして2月に入り、赤埴信安率いる赤埴の軍勢と私の配下になった島清興率いる軍勢で松永軍の支城の檜牧城を攻略に成功。
清興はそのまま檜牧城の城主に任に就いた。
ただ・・・うまくいくことばかりではない。
南北朝時代からの宇陀の名家である芳野と秋山家、私が同盟を結ぶべく使者を出しても追い返され続ける日々であった。
芳野家は筒井の傘下にあり、秋山家は松永の傘下にある。
松永の傘下の秋山家当主秋山直国が私たちを敵視するのは当然だ。
しかし芳野はどうなのだろうか・・・。
筒井家は若き当主筒井順慶を中心に年明けから松永への反撃を開始している。
三好三人衆の後ろ盾を得た筒井は勢いを取り戻しつつある。
それならば芳野家も私たちと同盟を結べば、宇陀において反松永への機運が増々高まると思うのだが・・・。
「何度来ても無駄だ・・・追い返せ!!」
芳野城城内に怒声が響き渡る。
芳野家当主芳野宮内少輔清兼は苛立ちを隠せない。
「山田? そのような新参者が芳野と並び立つなど有り得ぬわ。まして高山と同盟など以ての外じゃ!! 兵を集めよ、戦の準備じゃ!!」
そして芳野の軍勢が高山の支城である井足城に攻めてきた。
「殿!! 芳野が井足に攻めてきましたぞ!!」
急使により、沢城内は慌ただしくなっていた。
「数は?」
「芳野の手勢は500程と見受けられます。」
家臣の一人が答える。
「本気ということか・・・井足から兵を引かせよ。無駄死にならぬぞ・・・急げ!!」
友照は急使を帰らせると天を仰いだ。
「井足が落とされたと・・・。」
私は友照からの使者から報告を受けた。
「芳野は意地があるのでしょうな。」
景兼は私を見る。
「このまま沢城を攻めるかもしれぬ。どうする義兄上?」
義輝も私を見る。
井足城が芳野の手に落ちたということは地形的に沢城は井足城と芳野城に挟まれたことになる。
しかし、井足城は逆に言えば檜牧城と沢城で挟撃できるともいえる。
「檜牧の島清興の手勢200、沢城の高山友照の手勢が井足からの撤退兵を含めて500。我が軍の兵力は500。赤埴殿の兵力が200。芳野清兼は全軍合わせて1500。」
景兼は図面を広げた。
「そして秋山の全兵力は1500もあろう。ただ芳野と秋山も決して良き関係ではないのです。」
「わかっていますよ、しかし秋山は十市と争いを続けているんでしょう?」
「様々な思惑、意地が絡み合っているのがこの辺りの現状ですな。」
そして景兼は筆をとった。
「芳野をできる限りに短期で攻略すべきではないかと。まずは必要なのは若君・・・。」
景兼は岳人を見る。
「出番がきたね。」
ずっと黙っていた岳人は笑顔を見せる。
「若君の開発された攻城兵器・・・でしたかな?」
「ああバリスタだね。」
「そのなんちゃらで芳野城を破壊・・・」
「なんちゃらではなくてバリスタ。」
「・・・あれが芳野城攻略の鍵になります。」
古代の攻城兵器だけどね・・・僕なりに改良している。
生かすための戦略もある。
岳人は自信に満ちていた。
「単純な戦略ですが、まず井足を高山殿と赤埴殿の軍で取り囲む。さすれば芳野の本軍は沢城に攻め入るでしょう。そこを我らで横から奇襲をかける。戻ってこられた高山殿の軍で挟撃する。井足から兵が出るかもしれぬが、そこに更に島が井足に奇襲をかける。」
景兼は私を見る。
「・・・」
私は黙ってうなずいた。
「ここで芳野が撤退して城に立て篭もれば我らの勝利です。」
景兼は筆を置いた。
まず城の留守に義輝と兵100を配置した。
残りの兵400、私と岳人、景兼、六兵衛、九兵衛で芳野攻めとなる。
井足に芳野軍500、芳野城の守兵を考えれば芳野の本軍は兵800ぐらいだろうか・・・。
友照殿との挟み討ちがうまくいかなければかなりヤバい展開だ。
私はそう思うのだが、景兼はかなり勝利を確信している様子だ。
若君の鉄砲戦術があればこの程度の兵力差は覆せる・・・。
景兼は岳人を頼もしげに見ていた。
「九兵衛・・・大丈夫か?」
義輝が心配そうに聞く。
「お任せください。」
九兵衛は笑顔で答える。
「・・・」
その様子を美佳が心配そうに見つめている。
「ただ・・・義輝様・・・」
「なんだ?」
「私にもしものことがあれば、美佳様のこと・・・よろしくお願い申し上げます。」
「生きろよ・・・何があっても。」
義輝は九兵衛に言う。
「美佳を想うなら生きろ。生きて想いを成し遂げろ。」
「義輝様・・・」
そんな二人の様子を見ている景兼。
堺から戻って来た日の晩の宴の最中、
「よろしいですか?」
「ああ・・・。」
景兼と義輝は外に出た。
「ご無事で何よりですぞ、義輝様。」
景兼は平伏する。
「夜風が心地良いのう・・・そう思わんか?」
義輝は笑顔だ。
「いえ、肌寒いかと・・・」
「心地良い理由はこの地にある・・・。」
義輝は夜空を見上げた。
「そなたの叔父上・・・信綱殿は元気か?」
「はい、ただいま柳生におられるかと思われます。」
「そうか・・・久しぶりにやるか?」
義輝は景兼に立ち合いの仕草を見せるも
「いえ・・・まだ及びませぬ。」
「そうは思わんがの・・・」
義輝と景兼は夜空をただ見つめていた・・・。
「殿・・・。」
景兼が目配せする。
「よし、皆さん。戦の準備です!!」
私は号令した。
城下町も慌ただしくなる。
「盾隊!!」
私の声で大きな鉄の盾を持った兵たちが集う。30名
二人一組で盾を並べる。運搬は馬車である。
「鉄砲隊!!」
鉄砲隊は50名の精鋭である。
「弓隊!!」
弓隊も50名の精鋭である。
「特別隊!!」
ハルバード兵30名、鈎鎌槍兵30名、団牌手20名、大槌兵20名。
これは対騎馬戦用の部隊である。
「バリスタ隊!!」
今回使用する攻城決戦兵器の運用兵20名である。
残りは全部歩兵である。騎馬隊は編成ができなかった。
兵が少ないため、密集戦術をとるのが良策だという景兼の判断である。
しかし我が軍は訓練はかなりしているものの実戦は初めての者ばかりというのが現実である。
ちなみに私も馬に乗れるようになったため戦車の案はボツになった。
私と景兼、六兵衛、九兵衛だけが馬上の人となる。
「あなた、気を付けてね。」
「ああ・・・生きて帰ってくるからな。」
私は朋美に言う。
「岳人・・・。」
「大丈夫、僕はやってみせるから!!」
岳人は朋美に力強く言った。
「死んだら許さないからね・・・怪我でも許さない。」
美佳が涙を浮かべながら私と岳人に言う。
隣で義輝がうなずいている。
「ああ!!義輝・・・頼んだよ。」
「わかったって!! アネキ行ってくるよ!!」
「出陣です!!」
私は騎乗すると大声で号令した。
遂に山田軍が出陣した。
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