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第93話:戦国時代の年の瀬にゴルフをしてみた
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1567年も年の瀬。
私は大和国某所にいた。
正式には柳生の近くである。
「素晴らしい・・・。」
私はゴルフクラブを手にしていた。
「殿、これで満足ですか?」
側で控えている千之助が聞いてくる。
「素晴らしいよ・・・予想以上にゴルフ場だ。」
そう・・・山奥にゴルフ場を作っていたのだ。
やはりいつの時代も娯楽は大事である。
「なるほど・・・この棒の平たい部分で球を打つのですな。」
秀吉がゴルフクラブを頭上で振り回しながら確認している。
いや・・・風車みたいに振り回すものではございませんが・・・
そんな私の心を知らずに秀吉は振り回しながら集中力を高めていく。
「はァァァッ!!」
その状態からスイングするも見事な空振り・・・そのままゴルフクラブは森の中に消えていった。
「おお、藤吉郎・・・よくもあそこまで飛ばしたな!!」
利家が感嘆の声を上げる。
「ワシならあの倍以上は飛ばせるぞ。」
蜂須賀正勝は腕組みしながらつぶやいている。
ベタベタなゴルフネタだが・・・ゴルフクラブを遠くに飛ばす競技じゃありませんよ。
私はただ茫然とそんな秀吉たちを見つめていた。
ともかくこのゴルフ場に私は秀吉たちを連れてきていた。
何とか大和に辿り着いた彼らはやつれきっており悲哀に満ちていた。
特に秀吉は信長への忠誠心が高すぎるため、病んだ眼をしていたのだ。
だから、気分転換させようという私の考えだった。
後の豊臣秀吉になる予定の男を接待する・・・これは接待ゴルフなのだ。
美佳は織田信忠と共にゴルフ場の東屋でくつろいでいた。
父から見捨てられた立場ともいえる織田家嫡男信忠の心のケアである。
「美味しいです。美佳姫・・・このような美味しい草餅は初めてでございます。」
信忠は笑顔で草餅を頬張っている。
「フフフ・・・このみたらし団子も美味しいのよ。ね?権八さん♪」
そんな美佳の言葉に
「ありがとなお姫様。でもな・・・寒いんだけど。」
「ああ・・・俺たちはこの寒空の下でずっと餅を焼いたりするだけかいな。」
権八と源次は寒さに震えながら引きつった笑顔を見せていた。
「まだお二人はマシでございます。私はただお茶を淹れるだけですぞ。」
言うのは今井宗久である。
天下三宗匠の一人と謳われる程の人物がゴルフ場でお茶を淹れている。
「でも楽しそうですね。宗久さん。」
「はい。丹波の塩見殿が殿に送ってくださった黒豆をお茶にしたら美味しいのです。」
早速、宗久は美佳に黒豆茶を淹れた。
「凄い・・・香ばしくてかすかな甘みと深みを感じるわ♪」
「更にこれに蜂蜜を加えますぜ。」
権八が美佳の黒豆茶に蜂蜜を入れて混ぜた。
「す・・・凄いわ・・・これは売れるって!!」
「こんな甘くて美味しいものは飲んだことがないよ。」
美佳と信重は感動している。
「スゲー・・・俺って天才かもしれんな。」
権八も自分で味見してその美味しさに驚く。
源次も味見をするとほんわかした表情になる。
「茶に甘味を加えるなど邪道・・・しかしこれはまさしく茶の革命ぞよ・・・。」
宗久も蜂蜜黒豆茶の味の余韻に浸っていた。
そんな中、私は秀吉たちにゴルフレッスンを始めていた。
「浅野殿は実にセンスがありますよ。」
「っしゃ~!!どうだ・・・スゲーだろ?」
私に褒められて浅野長吉は秀吉たちを挑発する。
「うぬぬぬ・・・貴様に挑発されるとは・・・。」
蜂須賀正勝は憤怒の表情でスイングするも大きく空振りして転倒した。
呆れた表情の中村一氏。
「ところでこのゴルフなるものは一体?」
突然、利家が聞いてきた。
「不思議な遊びだと思いましてな・・・。」
ここで私は悩んだ。
はっきり言ってゴルフの起源など知らないし知ったこっちゃない。
ただわかっているのは民●書房刊の『スポーツ起源異●』では呉竜府なる人物の必殺技である「纏●狙振弾」が語られていたということだ。
この民●書房ネタは鉄板でよくみんなで笑いながら楽しく読んでいた。
そして当時、まだ中坊だった私はよく男塾ごっこを休み時間にしたもんだ。
野球部の高橋が月光役で「纏●狙振弾」をよく私たちに向けて飛ばしてきたものだ。
ちなみに私は男爵ディーノ役だった・・・本当は羅刹か卍丸が良かったんだけどな・・・。
まあ・・・いいか・・・適当に作り話でごまかそう。
「ゴルフは大陸の遥か彼方で古く神々の時代から始められたものです。」
「なんですと・・・神々の遊びが由縁だと言うのですか!?」
私の言葉に反応する秀吉。
「護竜斧と呼ばれておりました。」
「護る・・・竜・・・斧で護竜斧(ごるふ)。」
「巨大な斧で巨大な鉄球を撃ち飛ばし悪しき竜を退治されたと。」
「なんと神々しい伝説だ・・・。」
秀吉と利家は感動していた。
後日談ではあるが、このかなり適当なゴルフの起源が後の世に様々な論争を巻き起こすことになる。
その結果、歴史人物伝の山田大輔の欄には日本にゴルフを伝えた男と記されるのだった。
遥か先の書き換えられた未来の話はさておき・・・
私は秀吉たちにレッスンをつけながらハーフラウンドだけすることにした。
「おお・・・殿は凄いな。」
千之助が私の打球を見て思わず声をあげる。
どんなもんじゃい!!
私はとりあえず余裕を見せて秀吉たちが打つのを待つ。
だが、次の瞬間・・・千之助の頬を掠めて、ゴルフクラブとボールが矢のようにあらぬ方向へ飛んでいった。
これ・・・当たっていたら死んでますやん。
ガタガタと震えながら青ざめた表情の千之助。
「すまぬ龍口殿。手が滑った。」
しかし、飛ばしておいた当の蜂須賀正勝は全く反省の色がなかったのだった。
「ふん!!」
中村一氏はゴルフクラブをッ強振するもボールはゴロで転がっていき池に落ちた。
「どうだ!!」
しかし、浅野長吉のボールは美しい弾道を描きフェアウェイをキープ。
「ハァッ!!」
利家もコツを掴んだのか真っすぐにボールを飛ばす。
「・・・見えた!!」
秀吉の打った球はなんと恐ろしい飛距離を叩きだしグリーンに一打で乗せてしまう。
「マジですか・・・。これが豊臣秀吉になる男ということ・・・か。」
私は無邪気に笑っている秀吉を見てただ感嘆するしかなかった。
その後、秀吉たちはパットに苦しんだ。
戦国時代の侍たちにとってパットは繊細さが必要なので難しいだろう。
朝倉義景や私の家臣だったら本田正信が得意そうだ。
そしてハーフラウンドが終わった。
「あ~楽しかった・・・先日の逃走劇が嘘のようじゃ!!」
浅野長吉は地べたに寝転がると大声で叫ぶ。
その側ではただ一人まともにプレーができなかった蜂須賀正勝が地味にスイング練習をしていた。
「・・・尾張での日々が遠い昔に思えますな。」
中村一氏は秀吉の肩に手を置く。
「全く・・・全くだな・・・。」
秀吉は笑顔を見せた。しかし、その笑顔は寂しげなものであった。
「秀吉殿はやはり辛そうだな・・・。」
私は利家に声をかける。
「仕方ないこと・・・我らは・・・その中でも特に藤吉郎は信長様に可愛がってもらっていたのですから。」
利家はそう答えると秀吉の方へと歩いていった。
「大変よね・・・秀吉さんも・・・信忠クンも・・・そしてパパも。」
気がつくと美佳が私の隣に立っていた。
「そうだな。来年はもっと厳しい戦いが待ち受けているかもしれない。」
「・・・。」
そんな私を黙ってじっと見つめる美佳。
「どうした?」
「いや・・・なんか・・・パパが男らしくなったなって・・・カッコいいかもって。」
「色々あったからな。特に本能寺が大きかった・・・慎之助、純忠、五右衛門に慶次、光秀、そして真紅。私のために命をかけて戦ってくれた。兵たちも私のために・・・。だからもっと私自身も強くならねばということだよ。」
言い終わった私の腕に抱きついてくる美佳。
可愛い我が娘の頭を撫でると私は空を見上げた。
もうすぐ日が暮れる・・・1567年の終わりを告げるかのような冬の儚げな夕陽が、私たちを包み込んでいたのだった。
私は大和国某所にいた。
正式には柳生の近くである。
「素晴らしい・・・。」
私はゴルフクラブを手にしていた。
「殿、これで満足ですか?」
側で控えている千之助が聞いてくる。
「素晴らしいよ・・・予想以上にゴルフ場だ。」
そう・・・山奥にゴルフ場を作っていたのだ。
やはりいつの時代も娯楽は大事である。
「なるほど・・・この棒の平たい部分で球を打つのですな。」
秀吉がゴルフクラブを頭上で振り回しながら確認している。
いや・・・風車みたいに振り回すものではございませんが・・・
そんな私の心を知らずに秀吉は振り回しながら集中力を高めていく。
「はァァァッ!!」
その状態からスイングするも見事な空振り・・・そのままゴルフクラブは森の中に消えていった。
「おお、藤吉郎・・・よくもあそこまで飛ばしたな!!」
利家が感嘆の声を上げる。
「ワシならあの倍以上は飛ばせるぞ。」
蜂須賀正勝は腕組みしながらつぶやいている。
ベタベタなゴルフネタだが・・・ゴルフクラブを遠くに飛ばす競技じゃありませんよ。
私はただ茫然とそんな秀吉たちを見つめていた。
ともかくこのゴルフ場に私は秀吉たちを連れてきていた。
何とか大和に辿り着いた彼らはやつれきっており悲哀に満ちていた。
特に秀吉は信長への忠誠心が高すぎるため、病んだ眼をしていたのだ。
だから、気分転換させようという私の考えだった。
後の豊臣秀吉になる予定の男を接待する・・・これは接待ゴルフなのだ。
美佳は織田信忠と共にゴルフ場の東屋でくつろいでいた。
父から見捨てられた立場ともいえる織田家嫡男信忠の心のケアである。
「美味しいです。美佳姫・・・このような美味しい草餅は初めてでございます。」
信忠は笑顔で草餅を頬張っている。
「フフフ・・・このみたらし団子も美味しいのよ。ね?権八さん♪」
そんな美佳の言葉に
「ありがとなお姫様。でもな・・・寒いんだけど。」
「ああ・・・俺たちはこの寒空の下でずっと餅を焼いたりするだけかいな。」
権八と源次は寒さに震えながら引きつった笑顔を見せていた。
「まだお二人はマシでございます。私はただお茶を淹れるだけですぞ。」
言うのは今井宗久である。
天下三宗匠の一人と謳われる程の人物がゴルフ場でお茶を淹れている。
「でも楽しそうですね。宗久さん。」
「はい。丹波の塩見殿が殿に送ってくださった黒豆をお茶にしたら美味しいのです。」
早速、宗久は美佳に黒豆茶を淹れた。
「凄い・・・香ばしくてかすかな甘みと深みを感じるわ♪」
「更にこれに蜂蜜を加えますぜ。」
権八が美佳の黒豆茶に蜂蜜を入れて混ぜた。
「す・・・凄いわ・・・これは売れるって!!」
「こんな甘くて美味しいものは飲んだことがないよ。」
美佳と信重は感動している。
「スゲー・・・俺って天才かもしれんな。」
権八も自分で味見してその美味しさに驚く。
源次も味見をするとほんわかした表情になる。
「茶に甘味を加えるなど邪道・・・しかしこれはまさしく茶の革命ぞよ・・・。」
宗久も蜂蜜黒豆茶の味の余韻に浸っていた。
そんな中、私は秀吉たちにゴルフレッスンを始めていた。
「浅野殿は実にセンスがありますよ。」
「っしゃ~!!どうだ・・・スゲーだろ?」
私に褒められて浅野長吉は秀吉たちを挑発する。
「うぬぬぬ・・・貴様に挑発されるとは・・・。」
蜂須賀正勝は憤怒の表情でスイングするも大きく空振りして転倒した。
呆れた表情の中村一氏。
「ところでこのゴルフなるものは一体?」
突然、利家が聞いてきた。
「不思議な遊びだと思いましてな・・・。」
ここで私は悩んだ。
はっきり言ってゴルフの起源など知らないし知ったこっちゃない。
ただわかっているのは民●書房刊の『スポーツ起源異●』では呉竜府なる人物の必殺技である「纏●狙振弾」が語られていたということだ。
この民●書房ネタは鉄板でよくみんなで笑いながら楽しく読んでいた。
そして当時、まだ中坊だった私はよく男塾ごっこを休み時間にしたもんだ。
野球部の高橋が月光役で「纏●狙振弾」をよく私たちに向けて飛ばしてきたものだ。
ちなみに私は男爵ディーノ役だった・・・本当は羅刹か卍丸が良かったんだけどな・・・。
まあ・・・いいか・・・適当に作り話でごまかそう。
「ゴルフは大陸の遥か彼方で古く神々の時代から始められたものです。」
「なんですと・・・神々の遊びが由縁だと言うのですか!?」
私の言葉に反応する秀吉。
「護竜斧と呼ばれておりました。」
「護る・・・竜・・・斧で護竜斧(ごるふ)。」
「巨大な斧で巨大な鉄球を撃ち飛ばし悪しき竜を退治されたと。」
「なんと神々しい伝説だ・・・。」
秀吉と利家は感動していた。
後日談ではあるが、このかなり適当なゴルフの起源が後の世に様々な論争を巻き起こすことになる。
その結果、歴史人物伝の山田大輔の欄には日本にゴルフを伝えた男と記されるのだった。
遥か先の書き換えられた未来の話はさておき・・・
私は秀吉たちにレッスンをつけながらハーフラウンドだけすることにした。
「おお・・・殿は凄いな。」
千之助が私の打球を見て思わず声をあげる。
どんなもんじゃい!!
私はとりあえず余裕を見せて秀吉たちが打つのを待つ。
だが、次の瞬間・・・千之助の頬を掠めて、ゴルフクラブとボールが矢のようにあらぬ方向へ飛んでいった。
これ・・・当たっていたら死んでますやん。
ガタガタと震えながら青ざめた表情の千之助。
「すまぬ龍口殿。手が滑った。」
しかし、飛ばしておいた当の蜂須賀正勝は全く反省の色がなかったのだった。
「ふん!!」
中村一氏はゴルフクラブをッ強振するもボールはゴロで転がっていき池に落ちた。
「どうだ!!」
しかし、浅野長吉のボールは美しい弾道を描きフェアウェイをキープ。
「ハァッ!!」
利家もコツを掴んだのか真っすぐにボールを飛ばす。
「・・・見えた!!」
秀吉の打った球はなんと恐ろしい飛距離を叩きだしグリーンに一打で乗せてしまう。
「マジですか・・・。これが豊臣秀吉になる男ということ・・・か。」
私は無邪気に笑っている秀吉を見てただ感嘆するしかなかった。
その後、秀吉たちはパットに苦しんだ。
戦国時代の侍たちにとってパットは繊細さが必要なので難しいだろう。
朝倉義景や私の家臣だったら本田正信が得意そうだ。
そしてハーフラウンドが終わった。
「あ~楽しかった・・・先日の逃走劇が嘘のようじゃ!!」
浅野長吉は地べたに寝転がると大声で叫ぶ。
その側ではただ一人まともにプレーができなかった蜂須賀正勝が地味にスイング練習をしていた。
「・・・尾張での日々が遠い昔に思えますな。」
中村一氏は秀吉の肩に手を置く。
「全く・・・全くだな・・・。」
秀吉は笑顔を見せた。しかし、その笑顔は寂しげなものであった。
「秀吉殿はやはり辛そうだな・・・。」
私は利家に声をかける。
「仕方ないこと・・・我らは・・・その中でも特に藤吉郎は信長様に可愛がってもらっていたのですから。」
利家はそう答えると秀吉の方へと歩いていった。
「大変よね・・・秀吉さんも・・・信忠クンも・・・そしてパパも。」
気がつくと美佳が私の隣に立っていた。
「そうだな。来年はもっと厳しい戦いが待ち受けているかもしれない。」
「・・・。」
そんな私を黙ってじっと見つめる美佳。
「どうした?」
「いや・・・なんか・・・パパが男らしくなったなって・・・カッコいいかもって。」
「色々あったからな。特に本能寺が大きかった・・・慎之助、純忠、五右衛門に慶次、光秀、そして真紅。私のために命をかけて戦ってくれた。兵たちも私のために・・・。だからもっと私自身も強くならねばということだよ。」
言い終わった私の腕に抱きついてくる美佳。
可愛い我が娘の頭を撫でると私は空を見上げた。
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