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第119話:罪の意識
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1568年11月の二条御所。
「おお・・・身体が動くぞ・・・阿古丹とは凄い薬だな。」
義栄は楓に身体を支えられながらも歩くまでに回復していた。
本当に・・・ただ・・・しばしのお命の猶予なのですが・・・
楓は沈痛な面持ちでうつむいている。
そんな姿に義栄が声をかけた。
「楓、嬉しくないのか? ワシがここまで治ったということじゃぞ。」
「はい・・・楓は幸せでございます。」
楓の渾身の笑顔に義栄も幸せそうな笑みを浮かべるのであった。
所変わって阿波国平島館。
ここは足利将軍家の別家である平島公方の居城である。
現当主である足利義助は朗報を待っていた。
兄上はまだくたばらぬのか・・・
次期足利将軍の座を確約された義助は義栄の訃報をひたすら待ち望んでいたのだ。
「失礼いたします。」
そんな義助の前に現れたのは白虎である。
「おお、白虎よ。こんな夜分遅くに何用じゃ?」
「私は畿内に戻らねばならなくなりました。」
「そうか・・・次はいつ戻って来るのか?」
「さあ・・・。」
その瞬間、義助の首が宙に舞う。
紫恩が殺られた・・・もはやこのような男に夢を見させるわけにはいかぬ。
白虎は怒りに満ちた表情で闇の中に姿を消した。
大和国宇陀川城。
義輝は城下町を眺めながら大きく背伸びをしていた。
いつものことながらこの宇陀の秋は素晴らしいものだ。
明日にでも水分神社に参拝でもしようか・・・
宇陀川城の城下町は発展を遂げていた。
檜牧城や井足城に至るまでの宇陀川、芳野川沿いの街道は畿内でも有数の賑わいである。
義輝は内政に力を注いで見事に自身の描いた町作りを果たしたのだ。
しかし、そんな義輝の平穏に終わりを告げる出来事が起こった。
翌日、宇太水分神社へと馬を走らせる義輝。
その前に突然、一人の女が姿を現したのだ。
「やはり・・・やはり・・・上様でございますね・・・。」
その女の姿に義輝は目を疑った。
「美乃ではないか・・・。」
義輝の側室であった小侍従お付きの侍女であった美乃は涙を浮かべて平伏する。
「生きておったのか・・・良かった・・・。」
「上様こそ・・・ご無事で・・・山田義輝の勇名は轟いておりましたが・・・まさか上様とは・・・」
そして義輝は驚くべき事実を知らされた。
「生きておるだと・・・明里が・・・」
「はい。ただ御腹の中の御子は残念ながら・・・申し訳ございません。」
「いや・・・いいんだ・・・明里が生きておれば。」
穏やかな表情の義輝を見た美乃はうつむいた。
こんな顔されるのですね・・・上様。都では絶対に見ることができぬお顔・・・
「ところで今、お前や明里はどのように過ごしておる?」
「そ・・・それは・・・」
「美乃。お前からは血の匂いがするのだ。」
義輝のその言葉に冷や汗を流す美乃。
「もし良ければ・・・この宇陀に明里を連れて来ぬか?」
「今、私は藍歌という名で日ノ本を守るために陰で動いております。」
「・・・。」
「御台様には上様が生きているという旨はお伝えしておきます。」
そして静かに去っていく美乃の後姿を義輝は見つめていた。
まさかな・・・明里・・・。
1565年6月18日京都知恩院。
「覚悟はよろしいか・・・。」
介錯人が声をかける。
「さあ斬るがよい。」
艶やかな黒髪の絶世の美女は静かに自らの首を差し出す。
室町幕府第十三代将軍足利義輝の側室小侍従である。
「御免!!」
介錯人の刀が一閃する。
「なっ!!」
周囲の者たちが驚愕した。
小侍従はその一振りをかわすと介錯人の脇差を奪い、その腹に突き立てる。
「ぐッ・・・ぐはッ!・」
倒れていく介錯人から刀を奪うと小侍従は逃亡を図る。
そのあまりに速く鮮やかな太刀筋に次々と血飛沫が上がる中、小侍従は知恩院の境内を駆け抜けていった。
すぐに追手の姿を察知して山中へと逃げ込む。
そして地形の利を生かして次々と追手を切り捨てていった。
「御台様!!」
「美乃・・・何故ここに!!」
そこに飛び込んできたのは美乃。次々とクナイを投げつけて追手を倒していった。
やがて二人は山中深くに達するも、追手の三好軍の一隊が迫ってくる。
「どうやらここまでね・・・あわよくば生き延びて三次三人衆の首を獲らんと考えたが・・・無念だわ。」
「どこまでもお供致します。」
小侍従はボロボロになった刀を投げ捨てるとそのまま座り込んだ。
美乃はその脇で刀を構えて追手に立ち向かおうとしていた。
しかし、追手たちは眼前の小侍従と美乃に辿り着くことはなかった。
「ぐわッ!?」「ぎゃああッ!!」
突然、森の中から灰色装束の男たちが現れるとあっという間に追手を全滅させたのだ。
「無事か・・・。」
灰色装束の男たちの首領らしき男が小侍従に声をかけた。
「何者じゃ・・・。助太刀は感謝致すが・・・」
「我が名は灰月。将軍義輝公が側室の小侍従・・・その名は明里よ。我らについてこい。」
その男、灰月は小侍従の明里に手を差し伸べるのだった。
また・・・この夢か・・・
河内国高屋城本丸御殿の一室、永禄の変の夢を見た橙火は目を覚ました。
そしてゆっくりと身体を起こす。
動く・・・まだ戦えるのね・・・
そして橙色の装束に着替えると部屋を出ていく。
「何処へ行く?」
灰月が外で待ち受けていた。
「私を餌にすればよい。紫の男を殺ったことによりあやつらは確実に私を狙うだろう。」
「何故、そんなに死に急ぐ。御子のことは仕方あるまい。贖罪など誰も望むまい。」
「灰月・・・無駄口を叩くな・・・。」
橙火は灰月の言葉に苛立ちの顔を見せると刀を抜いた。
しかし、灰月は続けて言う。
「橙火・・・今、藍歌が一人の男を探している。」
「・・・。」
「足利義輝だ。」
カランという音とともに橙火の手から落ちた刀の刃に月の明かりが反射した。
涙を流している橙火。
「生きておられるわけなどない・・・」
「いや・・・多分、生きているぞ。だから死に急ぐなということだ。例え、白虎や果心居士が相手であっても我らがお前を守る。」
灰月の言葉と共にその背後に数人の男のシルエットが浮かんだ。
やがて橙火は嗚咽を上げて泣き出すのであった。
そして数日後、和泉国岸和田城。
本丸館の一室に集う男たち。
赤龍、緑霊、白虎の三人は紫恩の装束を囲んで座っていた。
『我ら、同じ時を生き、同じ時に死すものなり・・・』
白虎は涙を流しながら、異国の言葉でつぶやく。
「黒炎のヤツはわからないが、青彪と黄扤は間もなく合流するだろう。必ず・・・必ず紫恩の敵をとるのだ。」
赤龍の言葉に緑霊と白虎はうなずくのだった。
こうして激動の1568年における締めの戦いが始まろうとしていた。
あまりにも激しく壮絶な戦いは後の世まで語り継がれることになるのである。
「おお・・・身体が動くぞ・・・阿古丹とは凄い薬だな。」
義栄は楓に身体を支えられながらも歩くまでに回復していた。
本当に・・・ただ・・・しばしのお命の猶予なのですが・・・
楓は沈痛な面持ちでうつむいている。
そんな姿に義栄が声をかけた。
「楓、嬉しくないのか? ワシがここまで治ったということじゃぞ。」
「はい・・・楓は幸せでございます。」
楓の渾身の笑顔に義栄も幸せそうな笑みを浮かべるのであった。
所変わって阿波国平島館。
ここは足利将軍家の別家である平島公方の居城である。
現当主である足利義助は朗報を待っていた。
兄上はまだくたばらぬのか・・・
次期足利将軍の座を確約された義助は義栄の訃報をひたすら待ち望んでいたのだ。
「失礼いたします。」
そんな義助の前に現れたのは白虎である。
「おお、白虎よ。こんな夜分遅くに何用じゃ?」
「私は畿内に戻らねばならなくなりました。」
「そうか・・・次はいつ戻って来るのか?」
「さあ・・・。」
その瞬間、義助の首が宙に舞う。
紫恩が殺られた・・・もはやこのような男に夢を見させるわけにはいかぬ。
白虎は怒りに満ちた表情で闇の中に姿を消した。
大和国宇陀川城。
義輝は城下町を眺めながら大きく背伸びをしていた。
いつものことながらこの宇陀の秋は素晴らしいものだ。
明日にでも水分神社に参拝でもしようか・・・
宇陀川城の城下町は発展を遂げていた。
檜牧城や井足城に至るまでの宇陀川、芳野川沿いの街道は畿内でも有数の賑わいである。
義輝は内政に力を注いで見事に自身の描いた町作りを果たしたのだ。
しかし、そんな義輝の平穏に終わりを告げる出来事が起こった。
翌日、宇太水分神社へと馬を走らせる義輝。
その前に突然、一人の女が姿を現したのだ。
「やはり・・・やはり・・・上様でございますね・・・。」
その女の姿に義輝は目を疑った。
「美乃ではないか・・・。」
義輝の側室であった小侍従お付きの侍女であった美乃は涙を浮かべて平伏する。
「生きておったのか・・・良かった・・・。」
「上様こそ・・・ご無事で・・・山田義輝の勇名は轟いておりましたが・・・まさか上様とは・・・」
そして義輝は驚くべき事実を知らされた。
「生きておるだと・・・明里が・・・」
「はい。ただ御腹の中の御子は残念ながら・・・申し訳ございません。」
「いや・・・いいんだ・・・明里が生きておれば。」
穏やかな表情の義輝を見た美乃はうつむいた。
こんな顔されるのですね・・・上様。都では絶対に見ることができぬお顔・・・
「ところで今、お前や明里はどのように過ごしておる?」
「そ・・・それは・・・」
「美乃。お前からは血の匂いがするのだ。」
義輝のその言葉に冷や汗を流す美乃。
「もし良ければ・・・この宇陀に明里を連れて来ぬか?」
「今、私は藍歌という名で日ノ本を守るために陰で動いております。」
「・・・。」
「御台様には上様が生きているという旨はお伝えしておきます。」
そして静かに去っていく美乃の後姿を義輝は見つめていた。
まさかな・・・明里・・・。
1565年6月18日京都知恩院。
「覚悟はよろしいか・・・。」
介錯人が声をかける。
「さあ斬るがよい。」
艶やかな黒髪の絶世の美女は静かに自らの首を差し出す。
室町幕府第十三代将軍足利義輝の側室小侍従である。
「御免!!」
介錯人の刀が一閃する。
「なっ!!」
周囲の者たちが驚愕した。
小侍従はその一振りをかわすと介錯人の脇差を奪い、その腹に突き立てる。
「ぐッ・・・ぐはッ!・」
倒れていく介錯人から刀を奪うと小侍従は逃亡を図る。
そのあまりに速く鮮やかな太刀筋に次々と血飛沫が上がる中、小侍従は知恩院の境内を駆け抜けていった。
すぐに追手の姿を察知して山中へと逃げ込む。
そして地形の利を生かして次々と追手を切り捨てていった。
「御台様!!」
「美乃・・・何故ここに!!」
そこに飛び込んできたのは美乃。次々とクナイを投げつけて追手を倒していった。
やがて二人は山中深くに達するも、追手の三好軍の一隊が迫ってくる。
「どうやらここまでね・・・あわよくば生き延びて三次三人衆の首を獲らんと考えたが・・・無念だわ。」
「どこまでもお供致します。」
小侍従はボロボロになった刀を投げ捨てるとそのまま座り込んだ。
美乃はその脇で刀を構えて追手に立ち向かおうとしていた。
しかし、追手たちは眼前の小侍従と美乃に辿り着くことはなかった。
「ぐわッ!?」「ぎゃああッ!!」
突然、森の中から灰色装束の男たちが現れるとあっという間に追手を全滅させたのだ。
「無事か・・・。」
灰色装束の男たちの首領らしき男が小侍従に声をかけた。
「何者じゃ・・・。助太刀は感謝致すが・・・」
「我が名は灰月。将軍義輝公が側室の小侍従・・・その名は明里よ。我らについてこい。」
その男、灰月は小侍従の明里に手を差し伸べるのだった。
また・・・この夢か・・・
河内国高屋城本丸御殿の一室、永禄の変の夢を見た橙火は目を覚ました。
そしてゆっくりと身体を起こす。
動く・・・まだ戦えるのね・・・
そして橙色の装束に着替えると部屋を出ていく。
「何処へ行く?」
灰月が外で待ち受けていた。
「私を餌にすればよい。紫の男を殺ったことによりあやつらは確実に私を狙うだろう。」
「何故、そんなに死に急ぐ。御子のことは仕方あるまい。贖罪など誰も望むまい。」
「灰月・・・無駄口を叩くな・・・。」
橙火は灰月の言葉に苛立ちの顔を見せると刀を抜いた。
しかし、灰月は続けて言う。
「橙火・・・今、藍歌が一人の男を探している。」
「・・・。」
「足利義輝だ。」
カランという音とともに橙火の手から落ちた刀の刃に月の明かりが反射した。
涙を流している橙火。
「生きておられるわけなどない・・・」
「いや・・・多分、生きているぞ。だから死に急ぐなということだ。例え、白虎や果心居士が相手であっても我らがお前を守る。」
灰月の言葉と共にその背後に数人の男のシルエットが浮かんだ。
やがて橙火は嗚咽を上げて泣き出すのであった。
そして数日後、和泉国岸和田城。
本丸館の一室に集う男たち。
赤龍、緑霊、白虎の三人は紫恩の装束を囲んで座っていた。
『我ら、同じ時を生き、同じ時に死すものなり・・・』
白虎は涙を流しながら、異国の言葉でつぶやく。
「黒炎のヤツはわからないが、青彪と黄扤は間もなく合流するだろう。必ず・・・必ず紫恩の敵をとるのだ。」
赤龍の言葉に緑霊と白虎はうなずくのだった。
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