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第187話:慶次と直家
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1570年2月、尾張国清洲城。
織田家は当主織田信忠の下で再び勢いを取り戻しつつあった。
「美濃を山田にくれてやったのは失敗ではないか?」
評定が行われている中、柴田勝家が口を開く。
旧信長派ではあるが、生来の気質から思ったことを口に出してしまう。
「勝家殿、どの口が仰せられるか?」
織田家重臣の河尻秀隆がそれをなだめた。
旧信長派であったが、前年の織田家の争いには参加せずに任地である岩村城を動かなかった。
「岳人殿のお助けがなければ、偽の父上を討てなかった。長秀や成政は見抜いておったが、見抜けぬ勝家にとやかく言われとうはない・・・下がれ。」
信忠はまだ齢十二ながら聡明であり自分の考えをしっかりと持っていた。
その堂々とした態度に家臣団は感服している。
「申し訳ございませぬ・・・」
しかし、勝家には屈辱であった。大勢の家臣を前に名指しでの批難。特に秀吉の存在が気に要らなかった。
ワシの方が織田家に長く忠誠を誓っておる・・・しかし信長様も信忠様も猿ばかりじゃ・・・
「元よりの織田家譜代の宿将の方々が帰参されたのは、誠に嬉しきこと。我らの次に求めるは信濃。金森殿が征途半ばであったその続きでございましょう。春先には必ず攻め入らねばなりませぬ。」
秀吉はそう言うと信忠を見た。
美濃国の東部である恵那一帯はまだ織田家の領地として残っているのであった。
国力増強が秀吉の中に常にあった為、尾張から木曾攻略の拠点にするという考えがあった。
任せる・・・
無言でうなずく信忠。
「では木曾谷へ攻め入るとして、その総大将には柴田勝家様を推挙いたしたく・・・」
「それはならぬ。こやつは・・・」
秀吉の言葉に驚く勝家。そしてそれをさえぎる信忠の姿に首を垂れるしかなかった。
「柴田様は坂井様と共に武勇の誉れ高い御方。そして信長様の御子であられる殿の御威光に再び背くことはないかと。」
秀吉は真っ直ぐな眼差しで勝家を見つめた。
良くも悪くも純粋な澱みのないその眼・・・それがワシは気に食わぬが・・・
「秀吉殿のお言葉に相違はございませぬ。拙者、柴田権六郎勝家。この命に代えても木曾谷を奪って見せますぞ。」
「わかった・・・わかったぞ、勝家!! おぬしに木曽谷攻めを一任する。」
信忠が勝家に声をかけた。
「あ・・・ありがたき幸せ!!」
大粒の涙を流しながら平伏する勝家の姿。秀吉と信忠を目を合わせるとお互いに笑みを浮かべるのだった。
この織田家による信濃国木曾谷攻め。
ここに上杉輝虎が絡んでくることに気づく由もなかった。
その裏で岳人が動き出すということも・・・
同じ頃、伊勢国霧山城でも日々評定が続けられていた。
「もっと当主としての自覚を持たれよ!!」
大宮含忍斎の声が大広間に響き渡る。
「このままでいいではないかブヒ。全く敵もおらぬこの現状でワシは満足だブヒよ。」
北畠具房には覇気が感じられなかった。
父である北畠具教の死を受け入れられないままなのである。
「・・・。」
鳥屋尾満栄も無言である。張り合いを無くしたかのように老けこんでしまっていた。
「兄上、これではいずれは国人衆に見限られますぞ。」
大宮吉守が声をかけたのが大宮景連であった。
「わかっている・・・この不測の事態に対処する術のない我らにも責任がある。」
もはや山田家に加わるという私の願いは果たせないのか・・・
いや、だが・・・まだ手はある・・・この北畠家を存続させながら、私の願いが叶う手段がな・・・
大宮景連はその考えをひとまず胸の内に押しとどめた。
やがて来るお家の危機、それがどのような形かはわからないが、その時まで胸の内に閉まっておくのだった。
美作国岩屋城。
宇喜多直家は城主である芦田家を滅ぼし、正史よりも5年早い1569年に奪取、そのまま美作国の覇権を握ることに成功していた。
度重なる山田家の播磨利神城城主本田三弥左衛門正重との小競り合いも周囲に誇張することで国人衆の信頼も得ていたのである。
それは最早、浦上家の家臣ではなく美作国の戦国大名として独立したことも意味していた。
その岩屋城の麓に立っている一人の男。その威風堂々たる姿に城の守兵たちが集まってきていた。
更に城下の民たちも物珍し気に眺めている。
「俺は前田慶次郎利益だ。宇喜多直家殿に会いに来た。」
「なんだ、貴様は!!」
慶次は直球勝負で宇喜多直家と語り合おうと試みていたのだが、案の定兵に囲まれてしまう。
「その程度の数で俺を止めることはできねえぜ・・・」
慶次は刀を抜くと全身から闘気を放つ。
目に見えぬそのプレッシャーに思わず後ずさりしていく守兵たち。
「どうした・・・何故誰もいかねえんだ?」
「いや・・・いったところで斬り殺されるイメージしか沸かねえ。」
そんな兵たちの怯えた顔を見てニヤつく慶次。しかし、すぐに表情が険しくなった。
「これはこれは天下の傾奇者として名高い前田慶次郎様ではないですか・・・」
城門の中から一人の男が現れた。
「私がこの岩屋城を任されております、宇喜多直家と申します。」
鋭い眼光ながら穏やかな表情。穏やかというか心の内を読むことのできない顔をしている。
慶次にはそのように見えた。
「作州のような小田舎にわざわざ私に会いに来てくださるとは。この御方は私の客人です。城にお連れしなさい。」
「ははッ!!」
兵たちは慌てて慶次に非礼を詫びると城内へと案内するのだった。
大広間に連れていかれた慶次は宇喜多直家と向かい合う。
「此度は畿内よりお疲れでございましょう。しかし、私はお聞きせねばなりませぬ。何をしに来られ・・・」
「こういうことだったらどうする?」
瞬時に刀を抜いた慶次は直家の首筋に刃を当てる。
「殿ォォォ!!」
宇喜多家の家臣団が一斉に慶次に飛びかかろうとするも
「待て・・・大丈夫だ・・・」
直家は手を前に出して家臣団を制する。
「本気で殺るならば既に私の首と胴は離れておろう。」
「さすがじゃ・・・肝が据わっておるわ!!」
慶次はそう言うと刀を鞘に納めた。
そして家臣団を見回し大声で啖呵を切った。
「この程度の数ならば我ら山田家には一人で斬り伏せれるだけの男たちで溢れてるぜ。特に俺を斬りたいならば最低でも百の兵を連れて来ねえとな!!」
余りの勢いに言葉を失う家臣団。
「その通りでしょうな。私も大武道会を観た限り、山田家の方々は一騎当千。特に慶次殿と石川五右衛門殿、島左近様は別格です。それでは兵を呼びましょうか?」
「マジか!?」
「冗談ですぞ・・・。」
「ワハハハ・・・噂と大違いの男だな。宇喜多直家殿。非礼をお詫びいたそう。」
慶次は直家の前で平伏する。
「顔を上げられよ。天下の傾奇者、豪傑の誉れ高い前田慶次郎殿とあろう御方が・・・」
このような傑物を・・・この乱世の覇者を目指す者ならば喉から手が出る程欲しい男を・・・山田大輔という男は一体どれだけの器だというのか・・・
潔い慶次の態度に感服した直家であった。
その日の夜、本丸の館で慶次と直家は酒を酌み交わしていた。
冬の寒空、凍えるような風が吹き付ける中で白く染まった庭を互いに眺めていた。
「直家殿の噂は聞いておったが、百聞は一見に如かずだったぞ。」
慶次は上機嫌で酒を徳利のままで一気に飲み干す。
「いえ・・・噂通りに腹黒い男ですぞ・・・」
直家も気持ちよさそうな顔で酒を飲んでいる。
「このような乱世・・・戦国の世で白いままではいられねえさ。時にはドス黒く染まらねば生きていけねえ。」
「・・・」
そんな慶次の言葉に直家は返すことはなかった。しかしその表情は満面の笑みを見せている。
私以外の誰かにそのようなお顔を見せることなど・・・
直家の妻であるお福は目に嬉し涙を浮かべていた。
「まあ・・・この戦国の世で真っ白なものはこの雪と我が殿の山田大輔ぐらいだな。」
慶次はそのまま縁側にゴロリと寝転ぶ。
「一度お会いしたいものですな。」
直家も縁側に寝転んだ。
なんという気分だ・・・物心ついてから私にとって初めての友と呼べる男かもしれぬ。
山田家による歴史の改変で日ノ本一の傾奇者と戦国時代屈指の謀将が出会った。
このことが後に我々に大きな影響を及ぼすことになるのである。
織田家は当主織田信忠の下で再び勢いを取り戻しつつあった。
「美濃を山田にくれてやったのは失敗ではないか?」
評定が行われている中、柴田勝家が口を開く。
旧信長派ではあるが、生来の気質から思ったことを口に出してしまう。
「勝家殿、どの口が仰せられるか?」
織田家重臣の河尻秀隆がそれをなだめた。
旧信長派であったが、前年の織田家の争いには参加せずに任地である岩村城を動かなかった。
「岳人殿のお助けがなければ、偽の父上を討てなかった。長秀や成政は見抜いておったが、見抜けぬ勝家にとやかく言われとうはない・・・下がれ。」
信忠はまだ齢十二ながら聡明であり自分の考えをしっかりと持っていた。
その堂々とした態度に家臣団は感服している。
「申し訳ございませぬ・・・」
しかし、勝家には屈辱であった。大勢の家臣を前に名指しでの批難。特に秀吉の存在が気に要らなかった。
ワシの方が織田家に長く忠誠を誓っておる・・・しかし信長様も信忠様も猿ばかりじゃ・・・
「元よりの織田家譜代の宿将の方々が帰参されたのは、誠に嬉しきこと。我らの次に求めるは信濃。金森殿が征途半ばであったその続きでございましょう。春先には必ず攻め入らねばなりませぬ。」
秀吉はそう言うと信忠を見た。
美濃国の東部である恵那一帯はまだ織田家の領地として残っているのであった。
国力増強が秀吉の中に常にあった為、尾張から木曾攻略の拠点にするという考えがあった。
任せる・・・
無言でうなずく信忠。
「では木曾谷へ攻め入るとして、その総大将には柴田勝家様を推挙いたしたく・・・」
「それはならぬ。こやつは・・・」
秀吉の言葉に驚く勝家。そしてそれをさえぎる信忠の姿に首を垂れるしかなかった。
「柴田様は坂井様と共に武勇の誉れ高い御方。そして信長様の御子であられる殿の御威光に再び背くことはないかと。」
秀吉は真っ直ぐな眼差しで勝家を見つめた。
良くも悪くも純粋な澱みのないその眼・・・それがワシは気に食わぬが・・・
「秀吉殿のお言葉に相違はございませぬ。拙者、柴田権六郎勝家。この命に代えても木曾谷を奪って見せますぞ。」
「わかった・・・わかったぞ、勝家!! おぬしに木曽谷攻めを一任する。」
信忠が勝家に声をかけた。
「あ・・・ありがたき幸せ!!」
大粒の涙を流しながら平伏する勝家の姿。秀吉と信忠を目を合わせるとお互いに笑みを浮かべるのだった。
この織田家による信濃国木曾谷攻め。
ここに上杉輝虎が絡んでくることに気づく由もなかった。
その裏で岳人が動き出すということも・・・
同じ頃、伊勢国霧山城でも日々評定が続けられていた。
「もっと当主としての自覚を持たれよ!!」
大宮含忍斎の声が大広間に響き渡る。
「このままでいいではないかブヒ。全く敵もおらぬこの現状でワシは満足だブヒよ。」
北畠具房には覇気が感じられなかった。
父である北畠具教の死を受け入れられないままなのである。
「・・・。」
鳥屋尾満栄も無言である。張り合いを無くしたかのように老けこんでしまっていた。
「兄上、これではいずれは国人衆に見限られますぞ。」
大宮吉守が声をかけたのが大宮景連であった。
「わかっている・・・この不測の事態に対処する術のない我らにも責任がある。」
もはや山田家に加わるという私の願いは果たせないのか・・・
いや、だが・・・まだ手はある・・・この北畠家を存続させながら、私の願いが叶う手段がな・・・
大宮景連はその考えをひとまず胸の内に押しとどめた。
やがて来るお家の危機、それがどのような形かはわからないが、その時まで胸の内に閉まっておくのだった。
美作国岩屋城。
宇喜多直家は城主である芦田家を滅ぼし、正史よりも5年早い1569年に奪取、そのまま美作国の覇権を握ることに成功していた。
度重なる山田家の播磨利神城城主本田三弥左衛門正重との小競り合いも周囲に誇張することで国人衆の信頼も得ていたのである。
それは最早、浦上家の家臣ではなく美作国の戦国大名として独立したことも意味していた。
その岩屋城の麓に立っている一人の男。その威風堂々たる姿に城の守兵たちが集まってきていた。
更に城下の民たちも物珍し気に眺めている。
「俺は前田慶次郎利益だ。宇喜多直家殿に会いに来た。」
「なんだ、貴様は!!」
慶次は直球勝負で宇喜多直家と語り合おうと試みていたのだが、案の定兵に囲まれてしまう。
「その程度の数で俺を止めることはできねえぜ・・・」
慶次は刀を抜くと全身から闘気を放つ。
目に見えぬそのプレッシャーに思わず後ずさりしていく守兵たち。
「どうした・・・何故誰もいかねえんだ?」
「いや・・・いったところで斬り殺されるイメージしか沸かねえ。」
そんな兵たちの怯えた顔を見てニヤつく慶次。しかし、すぐに表情が険しくなった。
「これはこれは天下の傾奇者として名高い前田慶次郎様ではないですか・・・」
城門の中から一人の男が現れた。
「私がこの岩屋城を任されております、宇喜多直家と申します。」
鋭い眼光ながら穏やかな表情。穏やかというか心の内を読むことのできない顔をしている。
慶次にはそのように見えた。
「作州のような小田舎にわざわざ私に会いに来てくださるとは。この御方は私の客人です。城にお連れしなさい。」
「ははッ!!」
兵たちは慌てて慶次に非礼を詫びると城内へと案内するのだった。
大広間に連れていかれた慶次は宇喜多直家と向かい合う。
「此度は畿内よりお疲れでございましょう。しかし、私はお聞きせねばなりませぬ。何をしに来られ・・・」
「こういうことだったらどうする?」
瞬時に刀を抜いた慶次は直家の首筋に刃を当てる。
「殿ォォォ!!」
宇喜多家の家臣団が一斉に慶次に飛びかかろうとするも
「待て・・・大丈夫だ・・・」
直家は手を前に出して家臣団を制する。
「本気で殺るならば既に私の首と胴は離れておろう。」
「さすがじゃ・・・肝が据わっておるわ!!」
慶次はそう言うと刀を鞘に納めた。
そして家臣団を見回し大声で啖呵を切った。
「この程度の数ならば我ら山田家には一人で斬り伏せれるだけの男たちで溢れてるぜ。特に俺を斬りたいならば最低でも百の兵を連れて来ねえとな!!」
余りの勢いに言葉を失う家臣団。
「その通りでしょうな。私も大武道会を観た限り、山田家の方々は一騎当千。特に慶次殿と石川五右衛門殿、島左近様は別格です。それでは兵を呼びましょうか?」
「マジか!?」
「冗談ですぞ・・・。」
「ワハハハ・・・噂と大違いの男だな。宇喜多直家殿。非礼をお詫びいたそう。」
慶次は直家の前で平伏する。
「顔を上げられよ。天下の傾奇者、豪傑の誉れ高い前田慶次郎殿とあろう御方が・・・」
このような傑物を・・・この乱世の覇者を目指す者ならば喉から手が出る程欲しい男を・・・山田大輔という男は一体どれだけの器だというのか・・・
潔い慶次の態度に感服した直家であった。
その日の夜、本丸の館で慶次と直家は酒を酌み交わしていた。
冬の寒空、凍えるような風が吹き付ける中で白く染まった庭を互いに眺めていた。
「直家殿の噂は聞いておったが、百聞は一見に如かずだったぞ。」
慶次は上機嫌で酒を徳利のままで一気に飲み干す。
「いえ・・・噂通りに腹黒い男ですぞ・・・」
直家も気持ちよさそうな顔で酒を飲んでいる。
「このような乱世・・・戦国の世で白いままではいられねえさ。時にはドス黒く染まらねば生きていけねえ。」
「・・・」
そんな慶次の言葉に直家は返すことはなかった。しかしその表情は満面の笑みを見せている。
私以外の誰かにそのようなお顔を見せることなど・・・
直家の妻であるお福は目に嬉し涙を浮かべていた。
「まあ・・・この戦国の世で真っ白なものはこの雪と我が殿の山田大輔ぐらいだな。」
慶次はそのまま縁側にゴロリと寝転ぶ。
「一度お会いしたいものですな。」
直家も縁側に寝転んだ。
なんという気分だ・・・物心ついてから私にとって初めての友と呼べる男かもしれぬ。
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