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出会いは始まり?

放課後

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1日もあっという間に過ぎ去り、放課後の時間になった。

「じゃあ、弓瑋ちゃんまた明日ね!」

千花ちゃんは運動部に入っているから、放課後は毎日練習があるのだ。

(私も部活に入ろうかな…)
なんて考えなから門へ向かう。

「あっ、今日から違う家だった…」
危ない危ないと心の中で思いながら、いつも帰る家とは反対方向へ向かう。

☆―――☆―――☆

「ここかな…」
月風、という表札を確認してからインターフォンを押す。
ピンポーン    「はーい、どちら様で?」   
ドアを開けながら中から出てくる人影。

(お父さん、かな?この人)
「今日からお世話になる日向です。」
「あぁ!  弓瑋ちゃんね。 話は由華(ゆか)さんから聞いているよ。  どうぞ上がって。」

由華さん。 日向 由華(ひなた ゆか)
私のお母さんの名前。

取締役、なんて役職をしながら海外出張をよくしている。 まぁ、いわゆるキャリアウーマンってやつ?

「お母さんはまだ帰ってきてませんか?」
「由華さんかい? まだ仕事していると思うけれど。」

さっきから会話をしているのはやっぱりお母さんの再婚した相手の方だったらしく、

月風 輝夜(つきかぜ てるや)さん。
お母さんと同じ会社の違う部署で働いてるみたい。

なんでも、お母さんの方が一目惚れしたらしく、よくお昼を誘われたとかなんとか…

(いい歳してなにしてんだかな…)

「じゃあ、お母さんが来るまで荷物の片付けでもしてます。」
「そうだね。 弓瑋ちゃんの部屋は2階へ上がって右側の1番奥だからね。」

部屋の場所を教えてもらい、そこへ向かう。
輝夜さんはこれから仕事へ行くらしい。

(有名な会社だから大変そうだな…)

何か困ったらリビングに息子たちがいると思うから聞いてね。
と言い残して行ってしまった…

「聞いてって言われてもなぁ…  初対面だし、どんな人かもわからないし…」

まぁ、なんとかなるかと持ち前のポジティブ思考で部屋へ向かった。
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