婚約破棄された令嬢は海に愛される

月夜の庭

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お花畑の自称ヒロイン

お姉様達の婚約者

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メルビンの髪と同じ赤いドレスのわたくしは、黒いタキシード姿のメルビンにエスコートされて、学園のサロンに足を踏み入れていた。


サロンの中は学校関係ばかりでも、国が運営する学校なので王族関係者も多く華やかです。


「メデューサが1番美しいな」


「1番は言い過ぎですわ。………でも、ありがとう。メルビンに褒めて貰えたら、ちょっと自信が湧くわ」


「あぁ連れ帰って可愛がりたい」


「…………バカ。後でね」


「良いのか?」


「ちょっとだけよ」


「あぁ、夜会が終わるまで我慢できそうだ」


わたくしがメルビンの腕に寄り添うと、絡めた手の上に大きな手が添えられる。


「あら……メデューサ達は、相変わらず仲がよろしいのね」


会場では男性にエスコートされたステノーお姉様に声を掛けられた。


お姉様の隣には第一王子のエドワード殿下が、微笑んでいます。


キレ物のエドワード殿下は、行方不明になったアレとは雲泥の差の王位継承権第一位の立派な方です。


しかもステノーお姉様にベタ惚れ状態で、既に尻に敷かれている気配がするけど、殿下が嬉しそうなので気が付かない振りをしています。


殿下は黄色が強い金髪に緑の目をキラキラさせて、ステノーお姉様を見詰めている。


金髪の美男美女カップルは、豪華でお似合いです。


「あぁ、噂の美女と野獣カップルだね。無骨なメルビンがデレデレだと聞いていたが、噂以上に溺愛しているんだな」


「可愛いメデューサの護衛が、1番危険な存在かも知れませんわね」


「そんなに?」


「そこかしこでセクハラしてますのよ」


「………羨ましいな」


何かお姉様の耳元で囁く殿下を真っ赤な顔で、手で押しのける姿は可愛いです。


「そう言えば、殿下に付き纏っていたメイドは大丈夫ですの?自慢のステノーお姉様を悪く言う人で苦手でしたわ」


「あぁ、面倒くさいから放置してけど、愛おしいステノーを陥れようとし始めたから、速攻て追い出したよ」


「流石ですわ。未来のお兄様にステノーお姉様を安心して、おまかせ出来ますわね」


「美しい妻に可愛い義妹………幸せだよ」


勘違いしたメイドが、エドワード殿下のストーカーになっていて困っていらっしゃいましたが、お姉様に危害を加えようとしていると知って追い出したそうなので一安心です。



今年、最高学年のお姉様達は、卒業してから、即結婚する。


「ここにいらっしゃいましたのね?」

エウルアーリェお姉様が、少し年上の男性にエスコートされて近寄って来ました。


銀髪を後ろで結んで、銀縁の眼鏡から紫の目が優しく細められた、この高等学校の理事長であるオスカー様です。


女王陛下の妹さんの息子………つまり甥っ子ですが、エウルアーリェお姉様と婚約する為に王位継承権を捨てた方です。


ステノーお姉様が、第一王子であるエドワード殿下と婚約していたので、オスカー様がエウルアーリェお姉様と結婚するには、要らぬ嫉妬を回避する為にも王位から遠ざかる必要がありました。


オスカー様は、エウルアーリェお姉様がステノーお姉様に配慮している事に、いち早く気づいて、さっさと王位継承権を放棄した。


動物の世話をするエウルアーリェお姉様に心を奪われたオスカー様は、卒業まで待てずに猛アタックしたと聞いています。


パッと見は穏やかで物静かな紳士ですが、婚約が成立したその日に、エウルアーリェお姉様を部屋に監禁した前科のある人なので油断は禁物です。


ロゼッタは”ヤンデレ理事長”と呼んでいます。


「ゴルゴン公爵家の美人四姉妹で、婚約者がいないのはロゼッタ嬢だけか」


ポツリとエドワード殿下が呟いた。


メルビンがゴルゴン公爵家に婿入りするので、跡取り問題も無く、ロゼッタは選びたい放題です。


身分を気にする必要がありませんから。
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