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MMORPGのNPCもモブデリ
モビッチと冒険者
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今回のお仕事は長期戦。
今日からダウンロード配信されるMMORPGのモブ(NPC)です。
圧倒的なグラフィックとライティングで作り出されたオープンフィールドを細部までこだわって描かれたキャラクターを使い自由に冒険するマルチプレイが売りのRPG。
その名も『Miniature garden of gods~神々の箱庭』
フィールドでは晴れや雨、雪といった天候の変化に加えて、日の出から日没後を経て闇夜に変わるリアルタイムで冒険を楽しめる。
題名に神々と付くだけあり、大まかに7つのプールドに分けられ、それぞれが独特の文化を形成しており信仰されている神々も違う。
戦闘だけでなく、海や川で釣りをしたり、マイホームではハウジングを楽しむだけでなく料理をしたり風呂に入ったりできる。
多彩なダンジョンでは謎解きもあったりと、やる事は盛りだくさんのゲームだ。
僕のお仕事は1番大きな都市の教会で白い神官の制服を着てお祈りしている複数のNPCの1人で僕のランクは司教です。
このフィールドはレンガ造りの建物が多く西洋風の街並みになっており、道路は石畳で馬車が行き交う歴史を遡った様な雰囲気だ。
深い森に囲まれたフィールドになる。
もちろん森の中にはモンスターがウロウロしているし、木の実やキノコが採取できるし、川では釣りもできる。
大きな滝もあり自然豊かな印象が強いフィールドです。
昼間の僕は広い教会の中でも1番奥の中庭に設置されている豪華な祭壇の前に1人で祈りを捧げている。
話しかけると「貴方にも神の御加護がありますように」と返事をするが、10回以上話しかけるとコメントが変わり「どうか聖騎士様を止めてください」とプレイヤーに懇願して地下ダンジョンへ続く扉の鍵を渡す。
しかし年齢制限を解除すると鍵は渡されず「決して夜の教会を訪れてはなりません」と忠告する。
あれ?BL要素が無さそうで普通だなぁ?と思った人は甘いです。
太陽が登っている時間は神秘的な司教。
でも太陽が沈み夜になると、教会の中の様子は一変する。
実は夜になると教会は閉鎖されるけど、年齢制限を解除すると裏から忍び混むことが出来る特殊な場所で、全年齢対象の昼間の攻略では礼拝堂の地下に続く階段を見つけたらダンジョンを攻略して教会のラスボスの聖騎士と戦う事になる。
しかしR18対応モードになるとストーリーに変化が生じる。
昼間の礼拝堂の地下ダンジョンにモンスターが出現しなくなり、仕方なく夜に忍び込んで攻略し直す流れになる。
夜の教会でプレイヤー達が目にするのは、ステンドグラスを通して降り注ぐ月の光に照らされた礼拝堂の奥にある中庭にある神様の祭壇の前でメインストーリーでプレイヤー達を裏切る悪役イケメンの腹黒聖騎士に聖職者が襲われる光景なのです。
プレイヤーが話しかけても返事をしないモブ神官たちは礼拝堂で、腹黒聖騎士の手下に襲われている演技をする。
キャー!とか言いながら逃げたり、カタカタ震えながら隠れてたり、押し倒されてジタバタとしながら夜の怪しい教会の雰囲気を盛り上げる。
そして1番奥の祭壇の前で教会の悪役ボスの腹黒聖騎士にガチで性的に襲われているNPC役が僕なのです。
プレイヤーが操作する個性豊にメイキングされたキャラが来なければ、割と自由が効く。
特に夜は年齢制限解除したプレイヤーが確認されるまではする事がありません。
それでなくても、この教会は終盤にならないと中庭の祭壇が解放できるキーアイテムが得られないので最初のうちはやる事がありません。
プレイヤー達の攻略が進めば僕も出てくるけど、昼間はお祈りするだけで、夜になると怪しい雰囲気の聖騎士が司教の僕を性的に襲っているだけで助ける事はできない。
最初のうちは夜の教会に忍び込めても戦闘はなく、濃厚はBLのSEXを見学できるだけなのです。
僕にキャラクター名は無く、教会で崇められている神様の信仰の象徴で、裏切り者の聖騎士に犯される事で、ラスボスが神様を裏切っていることを表現するためだけの存在だった。
だから顔有りモブでネコ専門である僕の仕事なのです。
「戦闘に特化したキャラクターを派遣する株式会社、威風堂々から来ました。コードネームはフェリクスです」
顔合わせで自己紹介してくれたのが教会のラスボスである、プレイヤー達を裏切る悪役聖騎士のフェリクスでした。
聖騎士に相応しい筋骨隆々の大柄な肉体を白地に金の装飾を施された甲冑に押し込め、無駄に長い銀色の髪を無造作に垂らした太眉がキリリと凛々しいイケメンでした。
「株式会社モブデリから来ました、モビッチです」
ゲームが出来るのは明後日からなのですが、明日はプレオープンとしてゲームで働くキャラ達にフィールドが解放される日なので楽しみです。
今日からダウンロード配信されるMMORPGのモブ(NPC)です。
圧倒的なグラフィックとライティングで作り出されたオープンフィールドを細部までこだわって描かれたキャラクターを使い自由に冒険するマルチプレイが売りのRPG。
その名も『Miniature garden of gods~神々の箱庭』
フィールドでは晴れや雨、雪といった天候の変化に加えて、日の出から日没後を経て闇夜に変わるリアルタイムで冒険を楽しめる。
題名に神々と付くだけあり、大まかに7つのプールドに分けられ、それぞれが独特の文化を形成しており信仰されている神々も違う。
戦闘だけでなく、海や川で釣りをしたり、マイホームではハウジングを楽しむだけでなく料理をしたり風呂に入ったりできる。
多彩なダンジョンでは謎解きもあったりと、やる事は盛りだくさんのゲームだ。
僕のお仕事は1番大きな都市の教会で白い神官の制服を着てお祈りしている複数のNPCの1人で僕のランクは司教です。
このフィールドはレンガ造りの建物が多く西洋風の街並みになっており、道路は石畳で馬車が行き交う歴史を遡った様な雰囲気だ。
深い森に囲まれたフィールドになる。
もちろん森の中にはモンスターがウロウロしているし、木の実やキノコが採取できるし、川では釣りもできる。
大きな滝もあり自然豊かな印象が強いフィールドです。
昼間の僕は広い教会の中でも1番奥の中庭に設置されている豪華な祭壇の前に1人で祈りを捧げている。
話しかけると「貴方にも神の御加護がありますように」と返事をするが、10回以上話しかけるとコメントが変わり「どうか聖騎士様を止めてください」とプレイヤーに懇願して地下ダンジョンへ続く扉の鍵を渡す。
しかし年齢制限を解除すると鍵は渡されず「決して夜の教会を訪れてはなりません」と忠告する。
あれ?BL要素が無さそうで普通だなぁ?と思った人は甘いです。
太陽が登っている時間は神秘的な司教。
でも太陽が沈み夜になると、教会の中の様子は一変する。
実は夜になると教会は閉鎖されるけど、年齢制限を解除すると裏から忍び混むことが出来る特殊な場所で、全年齢対象の昼間の攻略では礼拝堂の地下に続く階段を見つけたらダンジョンを攻略して教会のラスボスの聖騎士と戦う事になる。
しかしR18対応モードになるとストーリーに変化が生じる。
昼間の礼拝堂の地下ダンジョンにモンスターが出現しなくなり、仕方なく夜に忍び込んで攻略し直す流れになる。
夜の教会でプレイヤー達が目にするのは、ステンドグラスを通して降り注ぐ月の光に照らされた礼拝堂の奥にある中庭にある神様の祭壇の前でメインストーリーでプレイヤー達を裏切る悪役イケメンの腹黒聖騎士に聖職者が襲われる光景なのです。
プレイヤーが話しかけても返事をしないモブ神官たちは礼拝堂で、腹黒聖騎士の手下に襲われている演技をする。
キャー!とか言いながら逃げたり、カタカタ震えながら隠れてたり、押し倒されてジタバタとしながら夜の怪しい教会の雰囲気を盛り上げる。
そして1番奥の祭壇の前で教会の悪役ボスの腹黒聖騎士にガチで性的に襲われているNPC役が僕なのです。
プレイヤーが操作する個性豊にメイキングされたキャラが来なければ、割と自由が効く。
特に夜は年齢制限解除したプレイヤーが確認されるまではする事がありません。
それでなくても、この教会は終盤にならないと中庭の祭壇が解放できるキーアイテムが得られないので最初のうちはやる事がありません。
プレイヤー達の攻略が進めば僕も出てくるけど、昼間はお祈りするだけで、夜になると怪しい雰囲気の聖騎士が司教の僕を性的に襲っているだけで助ける事はできない。
最初のうちは夜の教会に忍び込めても戦闘はなく、濃厚はBLのSEXを見学できるだけなのです。
僕にキャラクター名は無く、教会で崇められている神様の信仰の象徴で、裏切り者の聖騎士に犯される事で、ラスボスが神様を裏切っていることを表現するためだけの存在だった。
だから顔有りモブでネコ専門である僕の仕事なのです。
「戦闘に特化したキャラクターを派遣する株式会社、威風堂々から来ました。コードネームはフェリクスです」
顔合わせで自己紹介してくれたのが教会のラスボスである、プレイヤー達を裏切る悪役聖騎士のフェリクスでした。
聖騎士に相応しい筋骨隆々の大柄な肉体を白地に金の装飾を施された甲冑に押し込め、無駄に長い銀色の髪を無造作に垂らした太眉がキリリと凛々しいイケメンでした。
「株式会社モブデリから来ました、モビッチです」
ゲームが出来るのは明後日からなのですが、明日はプレオープンとしてゲームで働くキャラ達にフィールドが解放される日なので楽しみです。
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