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鎌鼬の三男坊はお年頃
鎌鼬の三男坊はお年頃 三
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どれくらいの時間が経ったのだろうか。
意識が戻った時、俺の頭は小梅の膝に乗っていた。
「あ、起きた」
「……どんくらい寝てた?」
「30分くらい。まだゆっくりしてていいよ?」
「……やっちまったなぁ」
そう言って軽く目をつぶる。
――疲れると、キレやすくなる。
ばあちゃんからはそう聞いていた。
だから、その程度のものだと思っていたんだけど、成長するに従って、それどころじゃない、まさに人間離れした力が出てしまうことが判った。
その力は俺が疲れ切って気絶するまで続く。普段、自然に発散するはずの霊力まで貯め込んでいる影響だって話だけど……。
ま、考えてもどうすればいいかなんてわからない。ぶっちゃけ厄介なクセ、くらいの意識ではある。その度に小梅たちに迷惑を掛けてしまうのは心苦しいところではあるけれど。
そもそも、人間離れったって高が知れている。
石を砂にする程度の握力なんて、探せば他にもいるだろうし。
……いるよね?
「ま、あれはザン吉が悪いし」
「ざんきち?」
「次男坊。テンさんに怒られてだいぶ凹んでたから、あたしと猩々さんでちょっとイジってたのよね。あたしは飽きたからこっちで怜ちゃん甘やかしてるんだけど、多分猩々さんまだやってるよ」
そう言って小梅がケラケラ笑う。
小梅も猩々さんも、俺がキレた後はこうしてくだらないことで笑わせてくれる。
「……じゃ、いくか」
「ん、ほっとくんじゃないの?」
ニヤニヤすんじゃねえや。
「意地の悪いこと聞くんじゃねえよ」
「ごめんごめん」
「いや、ありがとな、いつもな」
そう言って小梅の頭を軽く撫でると、彼女はわざとらしく驚いてみせた。
「怜ちゃんがデレた、だと……」
「いや、割と普段からデレてるでしょ……。ま、いいや。どのみちあの三男坊はどうにかしないといかんしなー」
身支度を整え、応接室に戻る。うわ、次男坊凹んでるわ。
長男が気付いて立ち上がる。俺はそれを手で抑えた。
「あ、いいですいいです、お互い様ってことで。……じゃ、とりあえず行きますか」
「えっ」
「行くでしょ? 三男坊のとこ。……どうしました、なんか気まずいんすか?」
「あ、ええと」
「所長、多分それ正解です。今はお兄様方は同行しない方がいいかと……」
あー……なんか分かっちゃったわぁ……。
依頼そのものがどういうことかは分からないが、これアレだな、根っこにあるのはこの、兄弟内での揉め事、だな。
「猩々さんは理由を知ってるんですか?」
「大体のところは。なので、お兄様方には一旦お帰りいただいて、所長と小梅さんには現場に移動してもらいたいのです。説明はその時にでも」
ああ、気を使ってくれてるな。
俺と小梅二人での行動時間を作ってくれている。
鎌鼬ブラザーズが事務所を出たあと、俺は猩々さんに聞いてみた。
「……兄弟間のもつれですか」
「……まぁ、ばれますよね」
「あの態度ならもう……。んで、どこに行けば?」
「ん、あたしが知ってる。だから、一緒にいこ?」
小梅がニコニコだ。
こいつは本当に、俺を好きでいてくれるんだなぁ。
「分かった、じゃあ頼むな。猩々さんは?」
「私はちょっと別件がありまして。といっても、今回の件に絡んだ話なんですけどね」
「はぁ……?」
「今日のところはお任せしたいなと思っている次第で」
「分かりました。……ありがとうございます」
「はて、なんのことでしょう? ……では、これで」
やれやれ。
頭上がらないんだよなぁ。
――――
車を走らせ、俺と小梅は県境の丘陵地帯の一角にいた。
適当な所に車を停める。駐車場なんてある訳もない、今時珍しいくらいの空き地である。
とはいえ街からここまではそれなりの距離と坂を登ってきている。宅地造成に失敗したんだろうか、土管などの資材がポツポツと置かれている。
「……こんなとこにあるのか?」
「意外でしょ? ここはあやかし達の間では結構有名な“異界との境目”があるの」
「ふうん……もしかして、だからこの辺りは放ったらかしなのか? 霊障的な……」
「あーそうかも。普通に神隠しとかあるしねー」
だいぶやべえなここ。
今時神隠しってのがもうアレ。
「んで、その境目ってのは……」
「んっとね……あ、あっち。ついてきてー」
そう言って小梅はテクテクと歩き始めた。
っていうかさ。
小梅って、まだ覚醒して20年くらいしか経ってないはずなのよな?
そんで、それほど出歩いてたって記憶もないんだよ。
で、なんでこんなにあやかし事情に詳しいの?
しかもアレよ、ぬらりひょんにしろ猫又にしろ鎌鼬にしろ、だいぶ前から存在してるあやかしなわけよ。
向こうからしてみればただの小娘、赤子同然だと思うんだけど、みんな小梅には一目置いてるんだよな。
霊格、てやつなのかな。
ヤンスが言ってたみたいに、完全な人の形で顕現してるってのが関係してるんだろうか。
――ま、いいか。小梅は小梅だ。
いつものように思考停止しつつ、小梅の後を歩く。
山道から外れて5~6分くらいだろうか。
二本並んでいる巨木の前で、小梅が立ち止まった。
「着いたよー。ここが異界の境目」
「この木の間か? 見た感じなんともないけど……」
「うん、あやかしにしか見えないし、行けないからね。でも、あたしとこうやって手を繋げば、そのままスルッと入れるよー」
なるほど、つまり、お絹さん助けに行った時のあの感じか。
「多分入ったらすぐにいると思うよ、ハルさんだっけ、あの三男の人」
「それがいいな。なんなら網から降ろしてからが本番だ」
そんな会話をしつつ、異界へと足を踏み入れた。
「うーわ」
「おー、これはまたすげぇ……」
入った途端に見えたのは、デカくてマッチョなイケメンが、半ベソで罠の網に捕らえられている姿だった。
「まるで馬鹿みてえだ……」
意識が戻った時、俺の頭は小梅の膝に乗っていた。
「あ、起きた」
「……どんくらい寝てた?」
「30分くらい。まだゆっくりしてていいよ?」
「……やっちまったなぁ」
そう言って軽く目をつぶる。
――疲れると、キレやすくなる。
ばあちゃんからはそう聞いていた。
だから、その程度のものだと思っていたんだけど、成長するに従って、それどころじゃない、まさに人間離れした力が出てしまうことが判った。
その力は俺が疲れ切って気絶するまで続く。普段、自然に発散するはずの霊力まで貯め込んでいる影響だって話だけど……。
ま、考えてもどうすればいいかなんてわからない。ぶっちゃけ厄介なクセ、くらいの意識ではある。その度に小梅たちに迷惑を掛けてしまうのは心苦しいところではあるけれど。
そもそも、人間離れったって高が知れている。
石を砂にする程度の握力なんて、探せば他にもいるだろうし。
……いるよね?
「ま、あれはザン吉が悪いし」
「ざんきち?」
「次男坊。テンさんに怒られてだいぶ凹んでたから、あたしと猩々さんでちょっとイジってたのよね。あたしは飽きたからこっちで怜ちゃん甘やかしてるんだけど、多分猩々さんまだやってるよ」
そう言って小梅がケラケラ笑う。
小梅も猩々さんも、俺がキレた後はこうしてくだらないことで笑わせてくれる。
「……じゃ、いくか」
「ん、ほっとくんじゃないの?」
ニヤニヤすんじゃねえや。
「意地の悪いこと聞くんじゃねえよ」
「ごめんごめん」
「いや、ありがとな、いつもな」
そう言って小梅の頭を軽く撫でると、彼女はわざとらしく驚いてみせた。
「怜ちゃんがデレた、だと……」
「いや、割と普段からデレてるでしょ……。ま、いいや。どのみちあの三男坊はどうにかしないといかんしなー」
身支度を整え、応接室に戻る。うわ、次男坊凹んでるわ。
長男が気付いて立ち上がる。俺はそれを手で抑えた。
「あ、いいですいいです、お互い様ってことで。……じゃ、とりあえず行きますか」
「えっ」
「行くでしょ? 三男坊のとこ。……どうしました、なんか気まずいんすか?」
「あ、ええと」
「所長、多分それ正解です。今はお兄様方は同行しない方がいいかと……」
あー……なんか分かっちゃったわぁ……。
依頼そのものがどういうことかは分からないが、これアレだな、根っこにあるのはこの、兄弟内での揉め事、だな。
「猩々さんは理由を知ってるんですか?」
「大体のところは。なので、お兄様方には一旦お帰りいただいて、所長と小梅さんには現場に移動してもらいたいのです。説明はその時にでも」
ああ、気を使ってくれてるな。
俺と小梅二人での行動時間を作ってくれている。
鎌鼬ブラザーズが事務所を出たあと、俺は猩々さんに聞いてみた。
「……兄弟間のもつれですか」
「……まぁ、ばれますよね」
「あの態度ならもう……。んで、どこに行けば?」
「ん、あたしが知ってる。だから、一緒にいこ?」
小梅がニコニコだ。
こいつは本当に、俺を好きでいてくれるんだなぁ。
「分かった、じゃあ頼むな。猩々さんは?」
「私はちょっと別件がありまして。といっても、今回の件に絡んだ話なんですけどね」
「はぁ……?」
「今日のところはお任せしたいなと思っている次第で」
「分かりました。……ありがとうございます」
「はて、なんのことでしょう? ……では、これで」
やれやれ。
頭上がらないんだよなぁ。
――――
車を走らせ、俺と小梅は県境の丘陵地帯の一角にいた。
適当な所に車を停める。駐車場なんてある訳もない、今時珍しいくらいの空き地である。
とはいえ街からここまではそれなりの距離と坂を登ってきている。宅地造成に失敗したんだろうか、土管などの資材がポツポツと置かれている。
「……こんなとこにあるのか?」
「意外でしょ? ここはあやかし達の間では結構有名な“異界との境目”があるの」
「ふうん……もしかして、だからこの辺りは放ったらかしなのか? 霊障的な……」
「あーそうかも。普通に神隠しとかあるしねー」
だいぶやべえなここ。
今時神隠しってのがもうアレ。
「んで、その境目ってのは……」
「んっとね……あ、あっち。ついてきてー」
そう言って小梅はテクテクと歩き始めた。
っていうかさ。
小梅って、まだ覚醒して20年くらいしか経ってないはずなのよな?
そんで、それほど出歩いてたって記憶もないんだよ。
で、なんでこんなにあやかし事情に詳しいの?
しかもアレよ、ぬらりひょんにしろ猫又にしろ鎌鼬にしろ、だいぶ前から存在してるあやかしなわけよ。
向こうからしてみればただの小娘、赤子同然だと思うんだけど、みんな小梅には一目置いてるんだよな。
霊格、てやつなのかな。
ヤンスが言ってたみたいに、完全な人の形で顕現してるってのが関係してるんだろうか。
――ま、いいか。小梅は小梅だ。
いつものように思考停止しつつ、小梅の後を歩く。
山道から外れて5~6分くらいだろうか。
二本並んでいる巨木の前で、小梅が立ち止まった。
「着いたよー。ここが異界の境目」
「この木の間か? 見た感じなんともないけど……」
「うん、あやかしにしか見えないし、行けないからね。でも、あたしとこうやって手を繋げば、そのままスルッと入れるよー」
なるほど、つまり、お絹さん助けに行った時のあの感じか。
「多分入ったらすぐにいると思うよ、ハルさんだっけ、あの三男の人」
「それがいいな。なんなら網から降ろしてからが本番だ」
そんな会話をしつつ、異界へと足を踏み入れた。
「うーわ」
「おー、これはまたすげぇ……」
入った途端に見えたのは、デカくてマッチョなイケメンが、半ベソで罠の網に捕らえられている姿だった。
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