1 / 1
短編 『秘密の恋』
しおりを挟む
「ズバリ、木之下君!貴方は『秘密の恋』をしている!」
えぇ…?
「あの、松江さん。僕、恋なんてしてませんよ。しかも、全くです…」
今は昼休み
僕は、後ろの席の松江 葵さんから「占ってあげる」と言われて、聞かれた生年月日等を伝えたら、いきなりそう告げられた。
だが、僕は恋などしていない。
男子高校生あるまじき…なのかも知れないが、してないものは、してないのだ。
なんでだろ?
「松江さん、因みに何占いなんですか?」
松江さんと僕は、席替えがあってから、ちょくちょく話すようになった。
なんとなく波長が合う、笑いのツボが似てることもあるからか、最近ではクラスで一番話す相手だ。
松江さんはスマホをポチポチいじりながら、ちょっと難しい顔をして話し出した。
「おっかしいなぁ…。ウチの叔母ちゃんが開発した占いアプリで、結構な高性能なヤツなんだけどねぇ…。生年月日と、おおよその出生時間を入れるだけで結果が出るヤツなのよ。星の位置がなんちゃら、とかって言ってた。んで、私は見事に当たったんだよねぇ」
…まあ、人間の作った物だ。間違いだってあるでしょうよ。
「いずれにしても、恋はしてませんよ。多分僕は、バイト運に全振りしてるんじゃないですかね?」
「…私に…さ、恋してるとかも、無い?」
なぬ?
「んー…、無い…ですねぇ。松江さんは、お友達キャラですから。それ以上は求めてませんよ」
「そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃん!
…私も無いけど、さぁ…」
なんか、ガッカリしてる?
「こういうのはハッキリしといた方がいいと思うんですよ。いや、待て…、もしかして、松江さんが僕の事好きなんじゃないの?」
「なっ!?違うわよ!バーカっ!!
……けど、叔母ちゃんの話だと、後から『そういえば、占いで言われてたな?』ってなるらしいよぉ」
何それ?遅効性…?
「ま、僕は恋は求めてません。
それにしても………、松江さんは、別に僕の事好きじゃないんすねぇ…」
なんか…胸の奥の方が痛い。
「何よぉ、今更」
「…いや、なんか傷ついた…」
「もうっ!……友達としてなら…好き、…かも…よ?」
「なんか、中途半端…」
「じゃあ、アンタどうなのよっ!?」
「なんか…今、気づいた」
「はぁっ?」
「好き…らしい、どうやら…。知らんかった…」
「男なら、ハッキリせいっ!」
「す…好き…です」
「ススキ?」
「勇気を振り絞ったのに茶化さない!」
「…私も、ススキだよ?」
「スが多いよ?」
「好・き」
「ほぉ…。で、どうしますか?」
「まず、こっそり付き合う?」
「なんでまた、こっそりなの?」
「だって!上手くいかなかったら周りの目が…恥ずかしいじゃん?
細川君とマーコみたいになりたくないもん!
あの二人、すんごい噂になってるじゃない?」
なるへそ…
あの二人はまあ、ちょっと別口なんだけどな。
状況が僕達二人とはまるで違うのだ…。
が、松江さんが気になるなら、望み通りの方法でお付き合いしてみるのが良さそうだ。
「いいよ。こっそり、ひっそり付き合ってみようか?」
「うんっ!」
松江さんは満面の笑みで答えた。
改めて、可愛いなと思う。
近すぎる存在で気付かなかったのか。
が…
あれ…?変だ。
「どうしたの?木之下君、いつにも増して変な顔してるよ?」
「いや、変な顔は余計だけどね。
…占い通りになっちゃったねぇ」
「あっ…!」
「君の叔母さんのアプリ、マジもんの高性能?
遅効性だけど…」
──────────────────────
後日、松江さんの叔母さんのアプリはかなりヒットした。
やはり、口コミでは『高性能、後からわかる!』だった。
fin
えぇ…?
「あの、松江さん。僕、恋なんてしてませんよ。しかも、全くです…」
今は昼休み
僕は、後ろの席の松江 葵さんから「占ってあげる」と言われて、聞かれた生年月日等を伝えたら、いきなりそう告げられた。
だが、僕は恋などしていない。
男子高校生あるまじき…なのかも知れないが、してないものは、してないのだ。
なんでだろ?
「松江さん、因みに何占いなんですか?」
松江さんと僕は、席替えがあってから、ちょくちょく話すようになった。
なんとなく波長が合う、笑いのツボが似てることもあるからか、最近ではクラスで一番話す相手だ。
松江さんはスマホをポチポチいじりながら、ちょっと難しい顔をして話し出した。
「おっかしいなぁ…。ウチの叔母ちゃんが開発した占いアプリで、結構な高性能なヤツなんだけどねぇ…。生年月日と、おおよその出生時間を入れるだけで結果が出るヤツなのよ。星の位置がなんちゃら、とかって言ってた。んで、私は見事に当たったんだよねぇ」
…まあ、人間の作った物だ。間違いだってあるでしょうよ。
「いずれにしても、恋はしてませんよ。多分僕は、バイト運に全振りしてるんじゃないですかね?」
「…私に…さ、恋してるとかも、無い?」
なぬ?
「んー…、無い…ですねぇ。松江さんは、お友達キャラですから。それ以上は求めてませんよ」
「そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃん!
…私も無いけど、さぁ…」
なんか、ガッカリしてる?
「こういうのはハッキリしといた方がいいと思うんですよ。いや、待て…、もしかして、松江さんが僕の事好きなんじゃないの?」
「なっ!?違うわよ!バーカっ!!
……けど、叔母ちゃんの話だと、後から『そういえば、占いで言われてたな?』ってなるらしいよぉ」
何それ?遅効性…?
「ま、僕は恋は求めてません。
それにしても………、松江さんは、別に僕の事好きじゃないんすねぇ…」
なんか…胸の奥の方が痛い。
「何よぉ、今更」
「…いや、なんか傷ついた…」
「もうっ!……友達としてなら…好き、…かも…よ?」
「なんか、中途半端…」
「じゃあ、アンタどうなのよっ!?」
「なんか…今、気づいた」
「はぁっ?」
「好き…らしい、どうやら…。知らんかった…」
「男なら、ハッキリせいっ!」
「す…好き…です」
「ススキ?」
「勇気を振り絞ったのに茶化さない!」
「…私も、ススキだよ?」
「スが多いよ?」
「好・き」
「ほぉ…。で、どうしますか?」
「まず、こっそり付き合う?」
「なんでまた、こっそりなの?」
「だって!上手くいかなかったら周りの目が…恥ずかしいじゃん?
細川君とマーコみたいになりたくないもん!
あの二人、すんごい噂になってるじゃない?」
なるへそ…
あの二人はまあ、ちょっと別口なんだけどな。
状況が僕達二人とはまるで違うのだ…。
が、松江さんが気になるなら、望み通りの方法でお付き合いしてみるのが良さそうだ。
「いいよ。こっそり、ひっそり付き合ってみようか?」
「うんっ!」
松江さんは満面の笑みで答えた。
改めて、可愛いなと思う。
近すぎる存在で気付かなかったのか。
が…
あれ…?変だ。
「どうしたの?木之下君、いつにも増して変な顔してるよ?」
「いや、変な顔は余計だけどね。
…占い通りになっちゃったねぇ」
「あっ…!」
「君の叔母さんのアプリ、マジもんの高性能?
遅効性だけど…」
──────────────────────
後日、松江さんの叔母さんのアプリはかなりヒットした。
やはり、口コミでは『高性能、後からわかる!』だった。
fin
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる