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「どうでしたか。彼の話は」
その日の夜、俺はまたカリメロの部屋に来ていた。
カリメロは昨日と同様、髪を梳かしながら布団の上で足をぶらぶらと揺らしている。
「あぁ。なんというか、興味深かったよ。見た目は、最初は驚いたけどな。話していて、とても良い奴だと感じたね。機会があれば、また話したいもんだ」
「そうですか。やはり彼はあなたにとって有意義な話をしてくれたのですね」
嬉しそうに微笑んだカリメロは、小さく咳ばらいをした。
そして、これ以上ないほどに深い闇を秘めた目で俺を睨みつけた。
「では、どうして今あなたは床に正座をさせられているのか……分かりますか?」
「…………」
まるでナイフの先で喉元をなぞられるような寒気を感じ、たまらず唾を飲み込む。蛇に睨まれたカエルはこんな気分なんだろうな。
「プロト様の頭脳はポンコツなのですか? アンドロイドの癖に」
腹の底に響く声。普段のカリメロからは想像がつかない。
返す言葉が見当たらず、俺は浅い呼吸をするばかりだった。
「私は……メリアお嬢様を困らせるなと言ったはずですが……?」
「分かってる……だから俺は、帰ってすぐに――」
「分かってるなら……どうして泣かせた?」
心臓にあたる部分が締め付けられる気がした。
「俺は……泣かせるつもりはなかったんだ……」
俺の口から零れるのは、ただただ言い訳の欠片に過ぎない。
何が間違っていたんだ。
何度もその時のことを思い出しても、意味が分からなかった。
☆
スターチスの家を出た俺は、まっすぐレストランへ帰った。
わけでは無かった。
初めは帰るつもりだったのだが、今帰っても一番忙しい時間帯だろうということで、軽く買い物をしてから時間つぶしにカブの紅茶を飲みに立ち寄った。
カブは突然の訪問にも笑顔で出迎えてくれた。ちょうど昼ご飯を食べていた頃らしく、出直そうとした俺にもわざわざ簡単な物を作ってもてなしてくれた。
炊き立てのご飯に、塩味の効いた鯖、自分でつけているらしい梅干し。それに加え、ワカメと豆腐のシンプルな味噌汁。あまりここらでは見ない食事だが、カブはその国の食事が好きで、自分も作るようになったらしい。
梅干しというものは、少し俺の口には合わなかった。だが、他の食べ物は妙な魅力があり、あっという間に完食してしまう。
行ったことのない国の食卓にノスタルジーを感じながら、カブと時間を潰すように話をした。特に重要な話をするわけでもない。仕事には慣れたか、朝晩は寒いな、ここに来る途中で猫がいた、とか、本当にどうでもいい話だ。それでも、カブは全てに感情を傾けながら頷いてくれた。
そろそろ昼食を食べに来た客足が引く頃合いだろうと、俺はカブの店を後にした。メリアやレストランの皆に食べさせてくれと、梅干しを少し貰った。メリアも実は苦手らしいが、身体に良いから食べさせるようにと釘を打たれてしまい、俺は苦笑いでカブに礼を言う。
そして、片手にスターチスのカップケーキ、片手にカブの梅干しを持ってレストランに帰った俺は、ちょうど外で休憩をしていたカリメロに会った。腰掛け程の大きさの石の上に座り、雲を無言で眺めていた。
「ただいま」
「あら、おかえりなさいませ。いかがでしたか?」
「あぁ、少しは気持ちが晴れた気がした」
「そのようですね」
カリメロは俺に近寄り、両手に下げた袋を覗き込んだ。
「あら、カブ様のところにも立ち寄ったのですか?」
「帰る時間がちょうど昼時だったからな。レストランが暇になる時間まで休ませてもらっていた」
「では、お昼はカブ様の所でいただいたのですか。それは、また後日お礼をしなければいけませんね」
「お礼どころか、梅干しまでもらっちまったよ」
「これは嬉しい。私、これが大好きなんです」
嬉しそうに俺から梅干しの袋を取ったカリメロは、そのまま俺と一緒にレストランへと入っていった。
中にいたのは、一仕事終えて一息ついている皆だった。
各々、まかないを食べたり、談笑したりしていた。ここにいない人は、この屋敷の裏で煙草でも吸っているのだろう。
そして、当然ながらメリアもいた。
メリアは俺に気付くなり、食べていたクロワッサンを一気に口に放り込んで、手で口を抑えながら俺とカリメロの元へ駆け寄ってきた。
「おかえりなさい、プロト! カリメロの言った通りだったわね」
「はい。そろそろかなと思っておりました」
カリメロは休憩じゃなくて、俺が帰って来るのを待っていたのか。
「あ! カップケーキ持ってる! 買ってきてくれたの?」
口の周りにパン屑をつけたメリアが目を輝かせる。俺が無言で自分の頬を指さしてみると、自分の口周りに気付いたのか、咄嗟に親指で拭っていた。
「これは貰い物だ。ぜひ食べてくれってな」
そして、カリメロも袋を持ち上げた。
「こちらもお土産だそうです」
「あ、ありがとうプロト」
恥ずかしそうに言いながら、カリメロが持っている袋を覗き込む。
そして、メリアは薄っすらと、眉間に皺を寄せた。
「これ……」
「体にいいから食べろってさ」
「カブさぁん……」
困った顔をして、カブの名前を呟くのだった。
律義に食べるんだろうな。黙って他の人にあげてれば、バレはしないのに。
どこまでも真面目なやつだ。
「メリア、話がある」
「話? えっと、夜でもいい?」
「いや、今ここがいい」
カップケーキの袋をカリメロに押し付け、俺はメリアの両肩を掴んだ。驚いたメリアの肩が上がり、緊張で小さく震えていた。
周りで傍観していた皆も、突然のことに声を上げていた。なぜか歓喜だった。
「な、なに!?」
「メリア、俺のことをボネットに言われたことで悩んでるだろ」
「ちょ! それは大きな声では……!」
必死に暴れるメリアだが、先にしっかり掴んでしまった俺から抜け出すのは不可能だ。顔を真っ赤にしながら、身体をよじっているが焼け石に水である。
「俺はあんな奴に言われたような、危ない存在ではない。メリアを守る、たった一つのアンドロイドなんだ!」
「え、何なに!? 何の罰ゲームかな、これ!?」
スターチスに負けず劣らずの赤面具合に、顔から火が出そうになってるメリアは、目を回しながら声を裏返した。周りのみんなの歓声もボルテージに達していく。
言うのは、今しかないんだ。
「メリア……俺はお前を幸せにしたいんだ!」
「は、はい!」
「だから、俺と……!」
肩を掴む力が強まる。
大きく息を吸い、みんなに聞こえるような声で俺はメリアにこう告げたんだ。
「俺と契約を解消しよう! 護衛の約束を無しにして、俺を然るべき機関に送って、ちゃんと活動確認をしてもらおう。サンには俺からお願いする。俺がいなくなれば、ボネットも安心するだろうし、メリアも安全だ!」
全てを伝えると、レストランは静まり返っていた。
さっきまでの喧騒が余韻となって耳の奥で鳴り響いている。そのはずなのに、どうしてみんな、急に黙るのだろう。
「プロト……?」
どうして。
「そんなことを言いたくて、今わたしの肩を掴んでいるの……?」
どうして?
俺は、メリアが困る顔を見たくなかったんだ。
少しでも負担が減るように考えたのに。俺という存在がいなくなれば、メリアは幸せになれるんじゃないのか? ボネットも安心するだろうし、サンも良い奴だから俺の話を聞いてくれるはずだ。
「もっと、違う言葉が聞けると思った……」
そんな言葉が聞きたかったわけじゃない。
元に戻ってほしかったんだ。
俺のせいで苦しむのなら、俺がいる前の生活に戻せばいいんじゃないのか?
「メリア……?」
「ごめんなさい……夜は皆に任せるわ。私は……ごめんなさい」
俺の手を振りほどき、自室に駆け出してしまった。
メリアの後ろ姿を見ながら、俺は何が間違っていたのか全く分からないでいた。
ただ、何故かメリアが泣いていたんだ。
「プロト様……」
唖然とする中、カリメロだけがそっと俺にすり寄り、耳元に囁くのだった。
「お前……夜もっかい部屋に来い」
その日の夜、俺はまたカリメロの部屋に来ていた。
カリメロは昨日と同様、髪を梳かしながら布団の上で足をぶらぶらと揺らしている。
「あぁ。なんというか、興味深かったよ。見た目は、最初は驚いたけどな。話していて、とても良い奴だと感じたね。機会があれば、また話したいもんだ」
「そうですか。やはり彼はあなたにとって有意義な話をしてくれたのですね」
嬉しそうに微笑んだカリメロは、小さく咳ばらいをした。
そして、これ以上ないほどに深い闇を秘めた目で俺を睨みつけた。
「では、どうして今あなたは床に正座をさせられているのか……分かりますか?」
「…………」
まるでナイフの先で喉元をなぞられるような寒気を感じ、たまらず唾を飲み込む。蛇に睨まれたカエルはこんな気分なんだろうな。
「プロト様の頭脳はポンコツなのですか? アンドロイドの癖に」
腹の底に響く声。普段のカリメロからは想像がつかない。
返す言葉が見当たらず、俺は浅い呼吸をするばかりだった。
「私は……メリアお嬢様を困らせるなと言ったはずですが……?」
「分かってる……だから俺は、帰ってすぐに――」
「分かってるなら……どうして泣かせた?」
心臓にあたる部分が締め付けられる気がした。
「俺は……泣かせるつもりはなかったんだ……」
俺の口から零れるのは、ただただ言い訳の欠片に過ぎない。
何が間違っていたんだ。
何度もその時のことを思い出しても、意味が分からなかった。
☆
スターチスの家を出た俺は、まっすぐレストランへ帰った。
わけでは無かった。
初めは帰るつもりだったのだが、今帰っても一番忙しい時間帯だろうということで、軽く買い物をしてから時間つぶしにカブの紅茶を飲みに立ち寄った。
カブは突然の訪問にも笑顔で出迎えてくれた。ちょうど昼ご飯を食べていた頃らしく、出直そうとした俺にもわざわざ簡単な物を作ってもてなしてくれた。
炊き立てのご飯に、塩味の効いた鯖、自分でつけているらしい梅干し。それに加え、ワカメと豆腐のシンプルな味噌汁。あまりここらでは見ない食事だが、カブはその国の食事が好きで、自分も作るようになったらしい。
梅干しというものは、少し俺の口には合わなかった。だが、他の食べ物は妙な魅力があり、あっという間に完食してしまう。
行ったことのない国の食卓にノスタルジーを感じながら、カブと時間を潰すように話をした。特に重要な話をするわけでもない。仕事には慣れたか、朝晩は寒いな、ここに来る途中で猫がいた、とか、本当にどうでもいい話だ。それでも、カブは全てに感情を傾けながら頷いてくれた。
そろそろ昼食を食べに来た客足が引く頃合いだろうと、俺はカブの店を後にした。メリアやレストランの皆に食べさせてくれと、梅干しを少し貰った。メリアも実は苦手らしいが、身体に良いから食べさせるようにと釘を打たれてしまい、俺は苦笑いでカブに礼を言う。
そして、片手にスターチスのカップケーキ、片手にカブの梅干しを持ってレストランに帰った俺は、ちょうど外で休憩をしていたカリメロに会った。腰掛け程の大きさの石の上に座り、雲を無言で眺めていた。
「ただいま」
「あら、おかえりなさいませ。いかがでしたか?」
「あぁ、少しは気持ちが晴れた気がした」
「そのようですね」
カリメロは俺に近寄り、両手に下げた袋を覗き込んだ。
「あら、カブ様のところにも立ち寄ったのですか?」
「帰る時間がちょうど昼時だったからな。レストランが暇になる時間まで休ませてもらっていた」
「では、お昼はカブ様の所でいただいたのですか。それは、また後日お礼をしなければいけませんね」
「お礼どころか、梅干しまでもらっちまったよ」
「これは嬉しい。私、これが大好きなんです」
嬉しそうに俺から梅干しの袋を取ったカリメロは、そのまま俺と一緒にレストランへと入っていった。
中にいたのは、一仕事終えて一息ついている皆だった。
各々、まかないを食べたり、談笑したりしていた。ここにいない人は、この屋敷の裏で煙草でも吸っているのだろう。
そして、当然ながらメリアもいた。
メリアは俺に気付くなり、食べていたクロワッサンを一気に口に放り込んで、手で口を抑えながら俺とカリメロの元へ駆け寄ってきた。
「おかえりなさい、プロト! カリメロの言った通りだったわね」
「はい。そろそろかなと思っておりました」
カリメロは休憩じゃなくて、俺が帰って来るのを待っていたのか。
「あ! カップケーキ持ってる! 買ってきてくれたの?」
口の周りにパン屑をつけたメリアが目を輝かせる。俺が無言で自分の頬を指さしてみると、自分の口周りに気付いたのか、咄嗟に親指で拭っていた。
「これは貰い物だ。ぜひ食べてくれってな」
そして、カリメロも袋を持ち上げた。
「こちらもお土産だそうです」
「あ、ありがとうプロト」
恥ずかしそうに言いながら、カリメロが持っている袋を覗き込む。
そして、メリアは薄っすらと、眉間に皺を寄せた。
「これ……」
「体にいいから食べろってさ」
「カブさぁん……」
困った顔をして、カブの名前を呟くのだった。
律義に食べるんだろうな。黙って他の人にあげてれば、バレはしないのに。
どこまでも真面目なやつだ。
「メリア、話がある」
「話? えっと、夜でもいい?」
「いや、今ここがいい」
カップケーキの袋をカリメロに押し付け、俺はメリアの両肩を掴んだ。驚いたメリアの肩が上がり、緊張で小さく震えていた。
周りで傍観していた皆も、突然のことに声を上げていた。なぜか歓喜だった。
「な、なに!?」
「メリア、俺のことをボネットに言われたことで悩んでるだろ」
「ちょ! それは大きな声では……!」
必死に暴れるメリアだが、先にしっかり掴んでしまった俺から抜け出すのは不可能だ。顔を真っ赤にしながら、身体をよじっているが焼け石に水である。
「俺はあんな奴に言われたような、危ない存在ではない。メリアを守る、たった一つのアンドロイドなんだ!」
「え、何なに!? 何の罰ゲームかな、これ!?」
スターチスに負けず劣らずの赤面具合に、顔から火が出そうになってるメリアは、目を回しながら声を裏返した。周りのみんなの歓声もボルテージに達していく。
言うのは、今しかないんだ。
「メリア……俺はお前を幸せにしたいんだ!」
「は、はい!」
「だから、俺と……!」
肩を掴む力が強まる。
大きく息を吸い、みんなに聞こえるような声で俺はメリアにこう告げたんだ。
「俺と契約を解消しよう! 護衛の約束を無しにして、俺を然るべき機関に送って、ちゃんと活動確認をしてもらおう。サンには俺からお願いする。俺がいなくなれば、ボネットも安心するだろうし、メリアも安全だ!」
全てを伝えると、レストランは静まり返っていた。
さっきまでの喧騒が余韻となって耳の奥で鳴り響いている。そのはずなのに、どうしてみんな、急に黙るのだろう。
「プロト……?」
どうして。
「そんなことを言いたくて、今わたしの肩を掴んでいるの……?」
どうして?
俺は、メリアが困る顔を見たくなかったんだ。
少しでも負担が減るように考えたのに。俺という存在がいなくなれば、メリアは幸せになれるんじゃないのか? ボネットも安心するだろうし、サンも良い奴だから俺の話を聞いてくれるはずだ。
「もっと、違う言葉が聞けると思った……」
そんな言葉が聞きたかったわけじゃない。
元に戻ってほしかったんだ。
俺のせいで苦しむのなら、俺がいる前の生活に戻せばいいんじゃないのか?
「メリア……?」
「ごめんなさい……夜は皆に任せるわ。私は……ごめんなさい」
俺の手を振りほどき、自室に駆け出してしまった。
メリアの後ろ姿を見ながら、俺は何が間違っていたのか全く分からないでいた。
ただ、何故かメリアが泣いていたんだ。
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