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赤い靴
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私が保育園に通っていた時の記憶。
水洗化が進んでいないエリアだったので、
俗にいうボットントイレ。
とは言っても子供用に作られており、落ちる事は無いのだが…
ある日私がトイレに行くと、丁度バキュームカーが汲み取り作業に来ていた。
汲み取り口の蓋を開けたのだろう、便槽に明かりが差した。
その時目に映ったのが、浮かんでいた赤い靴。
はっきり覚えているのですが、エナメルのピカピカでおでこのように丸いつま先、
くるぶし辺りで止めるバンドが付いた、お祝い事に履かされるアレである。
それが、その・・・ピッカピカのまま浮いてるんですよ、片方だけ。
子供としては『誰か落ちた?』しか思う訳もなく、
先生に『おトイレに靴が』と説明したと思う。
先生は『誰かおとしたのかもねー』と流すだけだった、トイレだけに。
それから何年も経過し、たまに思い出すのですが、
曖昧過ぎて夢だったのかなとさえ感じていた時、
偶然にも保育園時代を共に過ごした友人に出会った。
懐かしい話をする中でその友人がこう言い出した。
『夢かもしれないんだけどさ、あそこの保育園のトイレにさ、
真っ赤な靴が浮いてたのを見たんだよね・・・』
『え???見たの?』
『ん!?あんたも?』
友人も曖昧だったので封印していたそうなのだが、
私の記憶と一致して赤い靴がトイレに浮いていたのは真実だと感じた。
それから月日が流れ、その保育園がある街の近くまで仕事で来たので、
赤い靴の事を思い出し、まさかとは思いつつ例の保育園へ向かった。
あった・・・建物はあった・・・でも明らかに閉鎖されていたのでした。
『そっか・・・ここまでか・・・』
何かが分かるわけでもなかったし、別段事件として追っているわけではなかったが、気持はとても落胆していた。
『何か御用ですか?』
その声に振り向くと、感じは変わってしまったが面影があった。
当時の担任と言うか、先生だった。
『覚えていませんよね・・・ここに昔通っていた者なのですが・・・』
『あー・・・ごめんなさいね、何人も送り出してきたから・・・』
ぶしつけだとは思ったが、私はついついこんなことを聞いていた。
『あの・・・ここのトイレで子供の頃赤い靴が浮いているのを見たんです、
ピッカピカの赤い靴・・・友人も見てるんです、何かご存知ですか』
『あぁ。。。』
先生は少しうつむいて戸惑ったようだが話してくれた。
『その噂が実はどんどん広がってね、親御さんから子供が怖がって
行きたくないと言っているとまで言われ始めてね・・・
悪い噂は広がったら広がり切るまで留まる事を知らないと言うか…
年々園児が減ってこうなったのよ』
そう言って閉じられた保育園を指さした。
『そうだったのですね、じゃぁ真相はわからないって事ですか?』
『1つだけ、当時の園長からお酒の席で聞いたことがあるのだけど、
下手に広げないで下さいね、あ、もう潰れたからいいか・・・
園長先生が先生だった頃、卒園式に女の子が1人居なくなってね、
トイレで見つかったそうよ、その・・・便槽に落ちてたって。
当時は子供用の便器じゃなくって、先生が必ず付いてトイレだったんだけど、
我慢できなくて一人で行ったのね、ひらひらのお洋服だったから
足元が見えなかったんじゃないかって。』
『そんなことが・・・・』
『ええ、赤い靴の片方だけが見つからなかったそうよ。』
水洗化が進んでいないエリアだったので、
俗にいうボットントイレ。
とは言っても子供用に作られており、落ちる事は無いのだが…
ある日私がトイレに行くと、丁度バキュームカーが汲み取り作業に来ていた。
汲み取り口の蓋を開けたのだろう、便槽に明かりが差した。
その時目に映ったのが、浮かんでいた赤い靴。
はっきり覚えているのですが、エナメルのピカピカでおでこのように丸いつま先、
くるぶし辺りで止めるバンドが付いた、お祝い事に履かされるアレである。
それが、その・・・ピッカピカのまま浮いてるんですよ、片方だけ。
子供としては『誰か落ちた?』しか思う訳もなく、
先生に『おトイレに靴が』と説明したと思う。
先生は『誰かおとしたのかもねー』と流すだけだった、トイレだけに。
それから何年も経過し、たまに思い出すのですが、
曖昧過ぎて夢だったのかなとさえ感じていた時、
偶然にも保育園時代を共に過ごした友人に出会った。
懐かしい話をする中でその友人がこう言い出した。
『夢かもしれないんだけどさ、あそこの保育園のトイレにさ、
真っ赤な靴が浮いてたのを見たんだよね・・・』
『え???見たの?』
『ん!?あんたも?』
友人も曖昧だったので封印していたそうなのだが、
私の記憶と一致して赤い靴がトイレに浮いていたのは真実だと感じた。
それから月日が流れ、その保育園がある街の近くまで仕事で来たので、
赤い靴の事を思い出し、まさかとは思いつつ例の保育園へ向かった。
あった・・・建物はあった・・・でも明らかに閉鎖されていたのでした。
『そっか・・・ここまでか・・・』
何かが分かるわけでもなかったし、別段事件として追っているわけではなかったが、気持はとても落胆していた。
『何か御用ですか?』
その声に振り向くと、感じは変わってしまったが面影があった。
当時の担任と言うか、先生だった。
『覚えていませんよね・・・ここに昔通っていた者なのですが・・・』
『あー・・・ごめんなさいね、何人も送り出してきたから・・・』
ぶしつけだとは思ったが、私はついついこんなことを聞いていた。
『あの・・・ここのトイレで子供の頃赤い靴が浮いているのを見たんです、
ピッカピカの赤い靴・・・友人も見てるんです、何かご存知ですか』
『あぁ。。。』
先生は少しうつむいて戸惑ったようだが話してくれた。
『その噂が実はどんどん広がってね、親御さんから子供が怖がって
行きたくないと言っているとまで言われ始めてね・・・
悪い噂は広がったら広がり切るまで留まる事を知らないと言うか…
年々園児が減ってこうなったのよ』
そう言って閉じられた保育園を指さした。
『そうだったのですね、じゃぁ真相はわからないって事ですか?』
『1つだけ、当時の園長からお酒の席で聞いたことがあるのだけど、
下手に広げないで下さいね、あ、もう潰れたからいいか・・・
園長先生が先生だった頃、卒園式に女の子が1人居なくなってね、
トイレで見つかったそうよ、その・・・便槽に落ちてたって。
当時は子供用の便器じゃなくって、先生が必ず付いてトイレだったんだけど、
我慢できなくて一人で行ったのね、ひらひらのお洋服だったから
足元が見えなかったんじゃないかって。』
『そんなことが・・・・』
『ええ、赤い靴の片方だけが見つからなかったそうよ。』
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