アヤカシバナシ『小説版』

如月 睦月

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紙一重

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夜間高校に通っていた時の話しです。
昼間に仕事をして夜は学校、そうなるとそのまま家に帰ったのではまたいつもの朝が来て仕事に言って学校に行って・・・を繰り返すだけだった。そんな日々が高校生から始まるなんてご免なので、大体の生徒は学校が終わった20時40分には夜の街へと消えていくのでした。

私もまた例外ではなく、家には帰らずに仲間と夜の街に毎日出ました。どこに行くと決めて走るわけではなく、車で他愛もない話をしながらただただ走らせるのが楽しかった、この日の深夜もまたそんな思いで私を入れて4人が走り出した。

同乗者の正行がふとこんなことを言い出した。
『なぁなぁ知ってるか?殺人現場、ここから近いんだぜ』

『殺人現場って?』

『女子大生拉致殺人事件だよ』

『犯人捕まってないやつ!』『そうそう』『こえー・・・』

『行ってみようぜ』

私たちは興味本位で女子大生拉致殺人事件現場へ向かった。
近いとは言え、人間の感覚はそこそこ曖昧だ。
平均50km程の速度で40分は走ったであろう。
4人が少々無言になりかけたところで、山奥の廃屋に到着した。

『ここか・・・』

『にゅあー・・・腰が痛い・・・』

その廃屋には立ち入り禁止のテープはもうなかった。だが、警察が乱雑に処理したのか、誰かが悪戯でむしり取ったのか端切れは残っていた、それが妙に生々しくて一気に怖さを増した。

私が先頭で廃屋に右足を踏み入れた。

敷居をまたぐと空気が一気に冷たくなった、廃屋探索系の動画配信等で良く使われる表現だが、その感覚を実際に味わったのだった。だが、それがいわゆる霊的なものなのか、恐怖感によりそう感じただけなのかはわからない。

4人全員が廃屋に入ると、
恐さのせいか急にみんながしゃべりだした。

『なぁなぁ、ここでエッチとかするやついんのかな』

『やめてよスケベ』

4人の中に女性が2人、こういう時は決まって男性が調子に乗る。加えて普段大人しい男性が意外とはしゃいだりするものだ、この日もやたらと饒舌になったのはそっちの男性だった。

話しを適当に流しながら私は時間を確認すると、午前0時を回ったところだったのを覚えている。『日付変更線を越えたから6月7日か今日は…』怖いには怖いが特に何も起こらないので、その恐怖感にも慣れ始めて数分・・・。

『キャァアアアアアアアアアアアアアアア』

4人全員がビクッとなって全員の身長が一瞬4cm縮んだ。

『聞こえた?』『女性の声!』『聞こえた聞こえた!』
『被害者の霊じゃねーの?』『やばいよ!出ようよ!』

全員駆け足で廃屋を出て、車に飛び乗って一目散に逃げだした。

それから数日後、テレビに1つのニュースが流れた。

『6月7日午前2時頃、○○山中の廃屋で女子大生の惨殺遺体が発見されました、廃屋散策をしに来た動画配信者が発見し通報、警察は女子大生拉致殺人事件と同一犯人の可能性も視野に入れて捜査中です、尚、犯人はまだ逃走中です。』
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