24 / 145
中学校編
インドの猛虎
しおりを挟む
ブルーザー・ブロディに怒られてホテルの外に出た4人。
興奮するタカヒロ・中村・花田がギャーギャーと騒いでいる。
『殺されると思ったぜ!』
『やべぇな!テレビで見るよりでけぇし!』
『ひげすげぇ』
そんな3人の横をタクシーがすりぬけてホテルの前で止まった。
全員で振り向いたが、ホテルから出てきたのは若手のレスラー。
3人は『なんだぁ』と言う顔でまたブロディの話しになった。
私だけ真ん前のタクシーが気になり後ろの座席を見ると、
乗っていたのはスタン・ハンセンだった。
だめもとで『サインプリーズ』と声を出さずに口だけ動かして、
色紙を出すと、窓が開き、スタンハンセンが手を出してくれた。
まさかと思いつつも色紙を差し出すと、受け取ってサインを書き、
スッと渡してニッコリ笑うと、そのまま去って行った。
ボーッとする龍一に3人は
『どうした?』
『今の誰?』
『誰のサインもらったの?』
龍一はサインを見せながら『スタン・ハンセン』と言うと、
3人は声を揃えて『えー!!!』と驚いた。
それもそのはずスタン・ハンセンと言えばヒールでありながら、
大人気のレスラーなのだ、喉から両手両足が出る程サインが欲しい選手の一人。
『なんで桜坂ばっかりなんだよ!』
タカヒロ・中村・花田は各々が思う最高の悔しいポーズをして見せた。
地団駄踏んだり、頭を掻きむしったり・・・。
その様子を見ながら龍一はちょっとだけ優越感に浸るのだった。
その時龍一の視界にある男が入ってきた。
ホテルから出てきた大きな男がこちらを見ている。
頭にはターバンを巻いている様だった。
『タオル?ターバン?誰だっけ・・・』と呟く龍一。
龍一はどこかで見た気がしてならなかったのだ。
『うーん・・・なんだっけ・・・頭に白いターバン』
その龍一を見て3人は次こそサインを逃してなるものか!と
龍一のツキの良さにあやかり、白いターバンの男に走り寄って行った。
この際誰でもいい!と言わんばかりに。
『サインプリーズ!』3人がひときは大きな声でターバンの男に詰め寄った。
龍一がその男の正体を思い出した。
『まて!その人はダメだ!インドの猛虎だ!』
その制止の声をかき消すように白いターバンの男が『うおおおおおおお!』
と大声をあげて右手に持っていたサーベルを振り上げた!
『だめだ!!!その人はタイガー・ジェット・シンだ!!!
インドの猛虎だぁあああああ!!!』
時すでに遅し、サーベルを振り回して、
いつものようにそのサーベルの中心を噛みつき両端を掴み、
グイグイと曲げる動きを見せたのだ。
テレビで見るお決まりのパフォーマンスだが、今は違う、生命に関わる!
明らかに『ジャパンダイスキ!サインアゲル!』なんてオチはない。
近くで見たらサーベルはグニャグニャで、切れるものじゃないんだと
龍一は気が付いたが、そんな事は関係ない、切れない刃物でぶん殴られたら
結果として同じじゃないか?と直ぐに思い直した。
誰が叫んだかわからないが『逃げろ!』と聞こえた。
4人で思いっきり下り坂を駆け下りた。
それはそれは下り坂で、走ったら止まる気がしない程の下り坂。
4人は駆け下りると言うより転げ落ちるように走った。
振り向いた龍一の目にはシンを押さえつける若手レスラー、
そしてそれを振り払って蹴りを入れ、私たちに向かって全力で走って来るシンが見えた。
『やばいって!来てるって!インドの猛虎が!』
『いやそこはシンでいいだろ!』
『俺もう無理!』諦めかけるタカヒロを花田と中村が両サイドから抱え上げ、
思いっきり走った、タカヒロは両足が浮いている状態。
『殺されるぞ!』花田が叫び、
中村は『シンが俺たち殺したら今日の試合に出られないだろ!』と冷静に突っ込む。
『どっちにしても内蔵3つくらいは吹っ飛ぶぞ!』
その龍一の言葉が妙にリアルで3人は押し黙った。
暗くなった坂道をひたすら走る4人の足音と呼吸音が響く。
シンの叫び声と、ドカドカと聞こえる大きな足音。
その後ろからシンを止めようとする若手レスラー数人の足音。
まるで雪崩が押し寄せてくるような音だった。
暗くなったせいでシンは白目と歯しか見えなくてとても恐ろしかった。
ターバンはどこかにすっ飛ばしたらしい。
坂を走って走って、いよいよ下りきると言う時に足を引っかけた花田が
バランスを崩して全員を巻き込んで宙に浮いた。
『あぶねぇ!!!!』
『死ぬ!!!』
『もうだめだ!!!』
しかしそのまま停車していた大きなワゴン車の後ろにぶつかり、
坂を転げ落ちる事は避けられた。
まだシンが負って来るのが見えたので角を曲がって民家の陰に身を潜めた。
龍一達を探してシンが目の前でキョロキョロする。
その呼吸はまさに獣で、ゴォゴォと音を立てていた。
追いついた若手レスラー3人がシンを取り囲み、戻ろうと言うジェスチャーをした。
シンはクソ!と言わんばかりに思いっきりサーベルを地面に向かて振り下ろした。
地面を切るように火花が走り、その光で一瞬照らされたシンの鬼の形相を忘れる事は出来ない。
少しそのまま隠れて4人が呼吸を整えるまで待った。
誰からともなく隠れた木陰から出て、4人は顔を見合わせてプッと噴き出して笑った。
『さすがインドの猛虎だよな』
『いや、だから、そこはシンでいいだろ』
龍一がリュックを落としてきたことに気が付き、走り抜けた坂道をのぞき込むと
もうシンの姿は無かったので、安心してリュックを探しながら戻った。
『確か車にぶつかった時にはもう持ってなかった気が・・・』
そう呟きながら周囲を散策するとガードレールの横に落ちていたのが確認できた。
『あった!』『おお!良かったな』『中身はちゃんとあるか?』
タカヒロのその問いにハッとなり、龍一は慌てて中身を確認した。
『うん、ちゃんと全部・・・あ!!!!え????』
驚く龍一に3人も驚いた『なに?』『は?なに?犬のうんことか入ってる?』
『3億円とか?』『うそ!別けようぜ』
『いや・・・これって・・・』
その時1台のタクシーがゆっくり4人の横を通過した。
窓を全開にして何かを叫んでサーベルをグニグニしたシンが顔を出していた。
でもそのシンの顔は笑っているように見えた。
それもそのはず、龍一のリュックに入っていたのはタイガー・ジェット・シンが
サインしてくれた色紙が4枚入っていたのだから。
4人は走り去るタクシーに向かって頭を下げた。
『俺、シン好きになった』
『俺も』
『俺も俺も』
『シンの前にインドの猛虎な!』
『それ重要?』
ひんやりと寒くなってきた星空を見上げて4人が笑った。
時間も押し迫ってきたのでタクシーに4人で乗り込んで、
プロレス会場を目指すことにした。
『運転手さん!市民体育館まで!』
『あ、今日はプロレスだったな、見に行くのかい?』
『うん、インドの猛虎な!』
『そう!インドの猛虎!』
『インドの猛虎ったらタイガー・ジェット・スンだろ!』
『運転手さん、シンな!シン!』
『スンだろ?スン!前歯ねーからな!悪かったな!』
そう言って笑った運転手さんの前歯は4本くらい無かった。
興奮するタカヒロ・中村・花田がギャーギャーと騒いでいる。
『殺されると思ったぜ!』
『やべぇな!テレビで見るよりでけぇし!』
『ひげすげぇ』
そんな3人の横をタクシーがすりぬけてホテルの前で止まった。
全員で振り向いたが、ホテルから出てきたのは若手のレスラー。
3人は『なんだぁ』と言う顔でまたブロディの話しになった。
私だけ真ん前のタクシーが気になり後ろの座席を見ると、
乗っていたのはスタン・ハンセンだった。
だめもとで『サインプリーズ』と声を出さずに口だけ動かして、
色紙を出すと、窓が開き、スタンハンセンが手を出してくれた。
まさかと思いつつも色紙を差し出すと、受け取ってサインを書き、
スッと渡してニッコリ笑うと、そのまま去って行った。
ボーッとする龍一に3人は
『どうした?』
『今の誰?』
『誰のサインもらったの?』
龍一はサインを見せながら『スタン・ハンセン』と言うと、
3人は声を揃えて『えー!!!』と驚いた。
それもそのはずスタン・ハンセンと言えばヒールでありながら、
大人気のレスラーなのだ、喉から両手両足が出る程サインが欲しい選手の一人。
『なんで桜坂ばっかりなんだよ!』
タカヒロ・中村・花田は各々が思う最高の悔しいポーズをして見せた。
地団駄踏んだり、頭を掻きむしったり・・・。
その様子を見ながら龍一はちょっとだけ優越感に浸るのだった。
その時龍一の視界にある男が入ってきた。
ホテルから出てきた大きな男がこちらを見ている。
頭にはターバンを巻いている様だった。
『タオル?ターバン?誰だっけ・・・』と呟く龍一。
龍一はどこかで見た気がしてならなかったのだ。
『うーん・・・なんだっけ・・・頭に白いターバン』
その龍一を見て3人は次こそサインを逃してなるものか!と
龍一のツキの良さにあやかり、白いターバンの男に走り寄って行った。
この際誰でもいい!と言わんばかりに。
『サインプリーズ!』3人がひときは大きな声でターバンの男に詰め寄った。
龍一がその男の正体を思い出した。
『まて!その人はダメだ!インドの猛虎だ!』
その制止の声をかき消すように白いターバンの男が『うおおおおおおお!』
と大声をあげて右手に持っていたサーベルを振り上げた!
『だめだ!!!その人はタイガー・ジェット・シンだ!!!
インドの猛虎だぁあああああ!!!』
時すでに遅し、サーベルを振り回して、
いつものようにそのサーベルの中心を噛みつき両端を掴み、
グイグイと曲げる動きを見せたのだ。
テレビで見るお決まりのパフォーマンスだが、今は違う、生命に関わる!
明らかに『ジャパンダイスキ!サインアゲル!』なんてオチはない。
近くで見たらサーベルはグニャグニャで、切れるものじゃないんだと
龍一は気が付いたが、そんな事は関係ない、切れない刃物でぶん殴られたら
結果として同じじゃないか?と直ぐに思い直した。
誰が叫んだかわからないが『逃げろ!』と聞こえた。
4人で思いっきり下り坂を駆け下りた。
それはそれは下り坂で、走ったら止まる気がしない程の下り坂。
4人は駆け下りると言うより転げ落ちるように走った。
振り向いた龍一の目にはシンを押さえつける若手レスラー、
そしてそれを振り払って蹴りを入れ、私たちに向かって全力で走って来るシンが見えた。
『やばいって!来てるって!インドの猛虎が!』
『いやそこはシンでいいだろ!』
『俺もう無理!』諦めかけるタカヒロを花田と中村が両サイドから抱え上げ、
思いっきり走った、タカヒロは両足が浮いている状態。
『殺されるぞ!』花田が叫び、
中村は『シンが俺たち殺したら今日の試合に出られないだろ!』と冷静に突っ込む。
『どっちにしても内蔵3つくらいは吹っ飛ぶぞ!』
その龍一の言葉が妙にリアルで3人は押し黙った。
暗くなった坂道をひたすら走る4人の足音と呼吸音が響く。
シンの叫び声と、ドカドカと聞こえる大きな足音。
その後ろからシンを止めようとする若手レスラー数人の足音。
まるで雪崩が押し寄せてくるような音だった。
暗くなったせいでシンは白目と歯しか見えなくてとても恐ろしかった。
ターバンはどこかにすっ飛ばしたらしい。
坂を走って走って、いよいよ下りきると言う時に足を引っかけた花田が
バランスを崩して全員を巻き込んで宙に浮いた。
『あぶねぇ!!!!』
『死ぬ!!!』
『もうだめだ!!!』
しかしそのまま停車していた大きなワゴン車の後ろにぶつかり、
坂を転げ落ちる事は避けられた。
まだシンが負って来るのが見えたので角を曲がって民家の陰に身を潜めた。
龍一達を探してシンが目の前でキョロキョロする。
その呼吸はまさに獣で、ゴォゴォと音を立てていた。
追いついた若手レスラー3人がシンを取り囲み、戻ろうと言うジェスチャーをした。
シンはクソ!と言わんばかりに思いっきりサーベルを地面に向かて振り下ろした。
地面を切るように火花が走り、その光で一瞬照らされたシンの鬼の形相を忘れる事は出来ない。
少しそのまま隠れて4人が呼吸を整えるまで待った。
誰からともなく隠れた木陰から出て、4人は顔を見合わせてプッと噴き出して笑った。
『さすがインドの猛虎だよな』
『いや、だから、そこはシンでいいだろ』
龍一がリュックを落としてきたことに気が付き、走り抜けた坂道をのぞき込むと
もうシンの姿は無かったので、安心してリュックを探しながら戻った。
『確か車にぶつかった時にはもう持ってなかった気が・・・』
そう呟きながら周囲を散策するとガードレールの横に落ちていたのが確認できた。
『あった!』『おお!良かったな』『中身はちゃんとあるか?』
タカヒロのその問いにハッとなり、龍一は慌てて中身を確認した。
『うん、ちゃんと全部・・・あ!!!!え????』
驚く龍一に3人も驚いた『なに?』『は?なに?犬のうんことか入ってる?』
『3億円とか?』『うそ!別けようぜ』
『いや・・・これって・・・』
その時1台のタクシーがゆっくり4人の横を通過した。
窓を全開にして何かを叫んでサーベルをグニグニしたシンが顔を出していた。
でもそのシンの顔は笑っているように見えた。
それもそのはず、龍一のリュックに入っていたのはタイガー・ジェット・シンが
サインしてくれた色紙が4枚入っていたのだから。
4人は走り去るタクシーに向かって頭を下げた。
『俺、シン好きになった』
『俺も』
『俺も俺も』
『シンの前にインドの猛虎な!』
『それ重要?』
ひんやりと寒くなってきた星空を見上げて4人が笑った。
時間も押し迫ってきたのでタクシーに4人で乗り込んで、
プロレス会場を目指すことにした。
『運転手さん!市民体育館まで!』
『あ、今日はプロレスだったな、見に行くのかい?』
『うん、インドの猛虎な!』
『そう!インドの猛虎!』
『インドの猛虎ったらタイガー・ジェット・スンだろ!』
『運転手さん、シンな!シン!』
『スンだろ?スン!前歯ねーからな!悪かったな!』
そう言って笑った運転手さんの前歯は4本くらい無かった。
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。
【シスコン】シスターコントロール ~兄のダンジョン探索を動画サイトで配信して妹はバズりたい!~【探索配信】
釈 余白(しやく)
キャラ文芸
西暦202x年、日本を襲った未曾有の大災害『日本列島地殻変動』により日本での生活環境は一変してしまった。日本中にダンジョンと呼ばれる地下洞窟が口を開き、周辺からは毒ガスが噴出すると言った有様だ。
異変から約一年、毒ガスの影響なのか定かではないが、新生児の中に毒ガスに適応できる肺機能を持った者たちが現れ始めていた。さらにその中の数%には優れた身体能力や頭脳を持つ者や、それだけでなく従来とは異なった超能力と言える特殊な異能力を持つ者もいた。
さらに八十年ほどが過ぎて二十二世紀に入ったころには人々の生活は落ち着き、ダンジョンを初めとする悪辣な環境が当たり前となっていた。そんなすさんだ世の中、人々の娯楽で一番人気なのはダンジョンを探索する限られた者たちの様子をリアルタイムで鑑賞することだった。
この物語は、ダンジョン探索に情熱を燃やす綾瀬六雨(あやせ りくう)と、その様子を配信してバズりたい綾瀬紗由(あやせ さゆ)という、どこにでもいるごく普通の兄妹が身近な人たちと協力し楽しく冒険するお話です。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
転職したら陰陽師になりました。〜チートな私は最強の式神を手に入れる!〜
万実
キャラ文芸
う、嘘でしょ。
こんな生き物が、こんな街の真ん中に居ていいの?!
私の目の前に現れたのは二本の角を持つ鬼だった。
バイトを首になった私、雪村深月は新たに見つけた職場『赤星探偵事務所』で面接の約束を取り付ける。
その帰り道に、とんでもない事件に巻き込まれた。
鬼が現れ戦う羽目に。
事務所の職員の拓斗に助けられ、鬼を倒したものの、この人なんであんな怖いのと普通に戦ってんの?
この事務所、表向きは『赤星探偵事務所』で、その実態は『赤星陰陽師事務所』だったことが判明し、私は慄いた。
鬼と戦うなんて絶対にイヤ!怖くて死んじゃいます!
一度は辞めようと思ったその仕事だけど、超絶イケメンの所長が現れ、ミーハーな私は彼につられて働くことに。
はじめは石を投げることしかできなかった私だけど、式神を手に入れ、徐々に陰陽師としての才能が開花していく。
あやかし団地 管理人見習い日誌
双月ねむる
キャラ文芸
就活全滅で「自分には社会性がない」と思い込む凛は、遠縁の親戚に紹介され、昭和レトロな巨大団地・さくらヶ丘第一団地の『管理人見習い』として住み込みで働くことに。しかしその団地には、中庭の「靴鳴らし」、エレベーター表示盤に棲む狐など、団地限定あやかし達が当たり前のように暮らしていた。
最初は逃げ腰の凛だったが、すねた空き部屋や、ベランダの風鈴が告げるSOSなど、人とあやかしのトラブルに巻き込まれながら、少しずつ『共同体』に関わる勇気を取り戻していく。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
煙草屋さんと小説家
男鹿七海
キャラ文芸
※プラトニックな関係のBL要素を含む日常ものです。
商店街の片隅にある小さな煙草屋を営む霧弥。日々の暮らしは静かで穏やかだが、幼馴染であり売れっ子作家の龍二が店を訪れるたびに、心の奥はざわめく。幼馴染としてでも、客としてでもない――その存在は、言葉にできないほど特別だ。
ある日、龍二の周囲に仕事仲間の女性が現れ、霧弥は初めて嫉妬を自覚する。自分の感情を否定しようとしても、触れた手の温もりや視線の距離が、心を正直にさせる。日常の中で少しずつ近づく二人の距離は、言葉ではなく、ささやかな仕草や沈黙に宿る。
そして夜――霧弥の小さな煙草屋で、龍二は初めて自分の想いを口にし、霧弥は返事として告白する。互いの手の温もりと目の奥の真剣さが、これまで言葉にできなかった気持ちを伝える瞬間。静かな日常の向こうに、確かな愛が芽吹く。
小さな煙草屋に灯る、柔らかく温かな恋の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる