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狩り
「うわぁ、熱い!あついよっ!!」
サシャの下腹部が禍々しい赤紫色に輝く。
その側にはサキュバスが二人、這い蹲るサシャを見下ろしてニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべていた。
*****
サシャは蒼い森と呼ばれる森の近くの村に住む青年だ。
つい先日サシャは18歳になり、成人の儀を終えて森に入る事を許された。
蒼い森は村の者にとって貴重な恵みをもたらす大切な場所だが、魔物が出るので成人した狩りを生業にする者しか森へ入れないと言う村の掟がある。
成人するまでは近くの比較的安全な平原で腕を磨き、森へ入る時はまず、年上の者に付いて森の事を教わらないとならない決まりだ。
サシャは今、両親がいない。
だから、狩人になるしか選択肢がないんじゃないかと思って、サシャに話しかけられても嫌な顔をしないダンとヨハンと言う年上の青年に頼み込んで教えを請うた。
まず森のあちらこちらに点在する村の共用の小屋を拠点に、実際に罠を仕掛けてみたり、小さな獲物を狩ったりしながら地形を場所を覚える所から始まる。
サシャは年長の二人から注意点などを聞きながら、今回の拠点である湖の側の小屋へやってきた。
それからヨハンは焚き火の用意を始め、サシャはダンからこの場所を使うルールを聞きながら鍋などを取りに小屋へ向かった。
意気揚々と小屋へ向かった二人だが、ダンはドアを開くと突然サシャの口を押さえようとした。
「何!」
突然の事に、サシャは大きな声を上げてしまう。
瞬間、小屋の中で睦みあっているサキュバス二人と目が合ってしまった。
しかも、そう言った性的なものに触れるのが初めてだったサシャは動揺して小屋の中へ倒れ込んでしままった。
気付いた時には、サキュバスは二人の側に立ち、ニヤリと歪んだ笑みを浮かべていた。
実はこのサキュバス達は最近、獲物が手に入らずに悶々として仲間同士で慰めあっているところだったのだ。
そこへやって来た男達。
飛んで火にいる夏の虫とはこの事、とばかりにサキュバスはまず、ダンとサシャに向かって魅了の魔法を使った。
―― だが、魔法は効かなかった。
村の者が森に入る際に持ってくるお守りが効いたのだ。
怒ったサキュバスは、まずダンを小屋の外へ易々と投げ飛ばした。
異常事態に気付いたヨハンが投げ飛ばされて気絶したダンの方へ駆け寄ったが、もう一人のサキュバスが立ち塞がり、ヨハンの鳩尾を蹴り上げる。
「うえっ」
「ヨハン!ダン!」
ダンは気絶し、ヨハンはその隣で腹を押さえて蹲っている。
そして、もう一人のサキュバスはサシャを捕まえると、慣れた手付きで白い下腹部を露にし、そこを長い爪で引っかいて魔法陣を描いた。
「熱い!熱い!」
発熱する魔法陣のせいでサシャは腹を抱えてのた打ち回った。
身体に直接魔法陣を描かれた為に、お守りは効かなかった。
サシャは内臓が動いている感覚、魔法陣によって身体の中が書き換えられて行く感覚に吐き気を伴い悶え苦しむ。
その姿を見て、ニヤニヤと笑いながらサキュバスたちはダンとヨハンの元へ向かった。
それに気付いたサシャは「止めて、二人に手を出さないで」と腹を押さえ、涙ながらに弱々しく叫んだ。
「ふふ、もっと面白い事をするのよ♡」
「坊やが仲間に襲われるところが見たいなぁ」
「そうそう、あんたがアンアン♡言って善がってるところ♡」
「大丈夫、精気は魔法陣からちゃんと頂くからねぇ」
そう言うとサキュバスたちは高笑いした。
「や、やだ……」
「ほらほら、いい匂いがして来たわ♡」
「孕むまで犯されなさい」
「いいもの見せてね♡」
ダンとヨハンを引き摺って運んできたサキュバス達は、今度はサシャを囲んで全裸にしようとする。
サシャも必死で抵抗したが、シャツを引き裂かれてしまった。
その時だった。
オオオォォ……ゴウゥゥ、ドドド……
突然、遠くから魔物の咆哮が聞こえてきた。
「なに?」
「こっちに来る」
それを聞いた二人のサキュバスは男達を放置して、文字通り溶けるように消えてしまった。
サキュバス達がいなくなってしまうと、サシャは幾分落ち着いた腹を押さえながら、男たちを揺り起こした。
「ダン、ヨハン、起きて、逃げて!」
サシャが呼びかけると、ダンとヨハンはのろのろと起き上がる。
だが、サシャの背後を見ると表情が一変した。
「キ、キマイラだ!」
「うわぁ!!!」と、二人は情けない声を上げると、サシャを置いて散り散りに逃げてしまった。
慌ててサシャが背後を見ると、そこには空を飛ぶキマイラの姿があった。
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