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思い出した
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(リアム視点)
「もう、終わりにしましょう」
ミレイユは笑いながらそう言って、俺の前から走り去った。
……拒否したことは間違いだったのだろうか。なにが正解かわからず、頭を押さえてソファにどさっと身を預ける。
さっきのミレイユ、顔は笑っていたけれど――泣きそうだった。
あの顔を見たとき、想像ができないくらい、俺のしたことはミレイユを傷つけたんだと悟った。
正直明日からどうミレイユと接したらいいのかわからない。両親が帰って来たらミレイユとの気まずさもマシになるのだろうか。その前に、両親も俺の変化に驚くだろう。
俺にとっては普通なのに、周りは今の俺を見て目を丸くする。以前の俺は、そこまで別人だったというのか。わからない。
「……リアム様、お嬢様が部屋でおひとりで悲しまれてるようなのですが、なにか身に覚えはございますか?」
「え……」
ひとりで頭を抱えていると、上からマリンの声が降ってきた。
顔を上げると、仁王立ちのマリンが俺のことを睨みつけている。
「いや、俺は……。俺の、せいなのかな」
「はぁ。リアム様、記憶がないことは仕方がありません。リアム様もお辛いでしょう。このことに関して誰かを責めることはお門違いだとわかっています。リアム様も被害者なのですから。……でも、お嬢様を妹としか見られないのなら、もう期待させるようなことだけはしないでください。お嬢様が希望を抱くぶんだけ、傷つくのが目に見えています」
「……そうだな。マリンの言う通りだ」
俺は記憶が戻らない自分にも苛立ちを覚えていたし――俺越しに以前の俺を見ているミレイユにも、心のどこかでいい気がしていなかった。
ミレイユが求めているのは俺であって、俺じゃないことがわかっていたから。
「リアム様の記憶障害も、お嬢様の精神状態も、時間が解決してくれることを私は信じています。お嬢様は自分でも気づかないうちに焦ってしまっているんだと思います。リアム様の気持ちが離れていくのが怖くて……。申し訳ございません。おふたりのことに、私が口を挟みすぎましたね。明日のお嬢様の誕生日パーティーの為に居間の最終的な掃除をしたいと思いますので、リアム様は他の場所に行っていただいてもよろしいですか」
「ああ。わかった」
半ば追い出されるような形で、俺は居間を後にする。
特に行くところもないので、自分の部屋に戻ることにした。
――そうか。明日はミレイユの誕生日か。
顔を合わすのが気まずくても、なにかプレゼントはしてあげないとな。でも時間がないし、なんにしよう。
以前の俺は、ミレイユのためになにか準備をしていなかったんだろうか。
そう思い自分の部屋の中を探してみるが、特にプレゼントらしきものは見つからない。
たくさん動いている内に疲労感に襲われ、俺はベッドに寝そべり目を閉じる。
時間もそこそこ遅い。今日は早く寝て、明日早起きして街に買い物に行けばパーティーまでには間に合うか。
目を閉じるが、どうしてか寝つきが悪い。
何度も何度も起き上がっては寝てを繰り返していると、完全に目が覚めてしまった。
本でも読もうか思い、自室の本棚の前まで行く。
よく見ると、あまり本が綺麗に整理されていない。せっかくだし、片付けでもするか。
倒れかかっている本や、横向きに積まれている本を丁寧に棚にしまい直す。
すると、一か所だけ本がやたらと前にはみ出しているところがあった。
不思議に思い、一度本を全部退けてみると――。
「……あれ、これって」
隠すように、奥に一冊置かれていた本を手に取り俺は気づく。
これは、五日前にミレイユと一緒に探した本だ。
「〝恋人ができたら読む本〟……。はは。本当にこんなタイトルなんだ」
興味本位でページをめくっていく。
流し見程度だが、読んだことのないジャンルの本なので中々おもしろい。
ページをめくっていくと、恋人としたいこと、という項目があった。
そこにはこの数日ミレイユとやったことが書いてあり、ミレイユが本当に本を忠実に再現していたことを知る。
「……あれ」
パラパラとページをめくる手が止まる。ページの端に、なにか書いてあるのがわかった。
四月十六日 ミレイユとした
四月十六日 ミレイユとした
四月十六日 ミレイユとした
すべて、同じ言葉が書いてある。紛れもない俺自身の字で。
食べさせ合いっこも、手繋ぎも、ソファでのじゃれ合いも。
チェックを入れるように項目に丸をつけ、ご丁寧に日付まで記入してある。
次のページをめくると、今日ミレイユにお願いされた〝キスをする〟という項目があった。
そこにはチェックはついていない。代わりに、こう書いてあった。
四月十六日 失敗
でも、失敗してよかったかもしれない。
目標 ミレイユの誕生日に生まれて初めてする。本当の恋人になれるように。
「……ふっ……。馬鹿だな俺って……。相当なことをしてたらしいのに、なんでこんなときだけロマンチストなんだよ……」
おもわず笑いが込み上げて来た。かつての自分の不器用さに情けなくなりながらも、どこか愛おしい。密かに立てた目標を誰にもバレないように、本を隠していたのだろう。
笑った拍子に本が縦向きになる。すると、一枚のメモが落ちてきた。本のどこかに挟んでいたようだ。
メモには気持ち悪いくらいミレイユの名前が書かれていた。自分で引いてしまうほど、妹への異常な愛に溢れている。
衝動的に書いているのか、わけのわからない文章も多い。傍から見ればちょっとした呪いの文書にしか見えないだろう。
『欲に負けて婚約した』
『嫉妬するミレイユがかわいくてたまらない』
『ミレイユがエクトルと婚約した。おかしい。嘘だ。嘘嘘嘘嘘』
『恋人ごっこをした。ごっこのつもりが完全に恋人の時間だった。幸せだ』
『エクトルが持ってきた薔薇で手を切った。痛い。でもこの傷はミレイユへの愛の証』
『ミレイユがエクトルと笑い合うのを見ると胸が痛い。死にたい』
『時々自分が怖い。ミレイユがいなくなったら俺はどうなるのか』
『誰にも渡さない』
『好きだ。愛してる。例え死んでも、ミレイユのことだけは忘れたくない』
恐怖を感じるほど執着と独占欲にまみれた熱烈なラブレター。想いをなにかにぶつけたくて、衝動的にこうやって文字にしていたのだろうか。
「……死んでも、忘れたくない」
文字をなぞりながら、ぽつりとその言葉を読み上げる。
「……うっ……」
強烈な頭痛に襲われ、俺は膝をついた。
頭の中に、いろんな記憶が流れ込んでくる。その記憶のどの場面にも、ミレイユがいる。
――ああそうか。俺は、どうして忘れたんだ。
こんなにも、頭の中は彼女でいっぱいだったのに。
彼女を好きなことを忘れた俺には、なにも残らないというのに。
以前までの俺も、今の俺も、最後に見たミレイユの顔は、ちゃんと笑っていただろうか。
いや、どちらも、悲しそうな顔をしていた。
だったら俺は、もう一度その笑顔を取り戻そう。
ごめん、ミレイユ。
俺を諦めないでいてくれた大切な君を、もう二度と離さない。
「もう、終わりにしましょう」
ミレイユは笑いながらそう言って、俺の前から走り去った。
……拒否したことは間違いだったのだろうか。なにが正解かわからず、頭を押さえてソファにどさっと身を預ける。
さっきのミレイユ、顔は笑っていたけれど――泣きそうだった。
あの顔を見たとき、想像ができないくらい、俺のしたことはミレイユを傷つけたんだと悟った。
正直明日からどうミレイユと接したらいいのかわからない。両親が帰って来たらミレイユとの気まずさもマシになるのだろうか。その前に、両親も俺の変化に驚くだろう。
俺にとっては普通なのに、周りは今の俺を見て目を丸くする。以前の俺は、そこまで別人だったというのか。わからない。
「……リアム様、お嬢様が部屋でおひとりで悲しまれてるようなのですが、なにか身に覚えはございますか?」
「え……」
ひとりで頭を抱えていると、上からマリンの声が降ってきた。
顔を上げると、仁王立ちのマリンが俺のことを睨みつけている。
「いや、俺は……。俺の、せいなのかな」
「はぁ。リアム様、記憶がないことは仕方がありません。リアム様もお辛いでしょう。このことに関して誰かを責めることはお門違いだとわかっています。リアム様も被害者なのですから。……でも、お嬢様を妹としか見られないのなら、もう期待させるようなことだけはしないでください。お嬢様が希望を抱くぶんだけ、傷つくのが目に見えています」
「……そうだな。マリンの言う通りだ」
俺は記憶が戻らない自分にも苛立ちを覚えていたし――俺越しに以前の俺を見ているミレイユにも、心のどこかでいい気がしていなかった。
ミレイユが求めているのは俺であって、俺じゃないことがわかっていたから。
「リアム様の記憶障害も、お嬢様の精神状態も、時間が解決してくれることを私は信じています。お嬢様は自分でも気づかないうちに焦ってしまっているんだと思います。リアム様の気持ちが離れていくのが怖くて……。申し訳ございません。おふたりのことに、私が口を挟みすぎましたね。明日のお嬢様の誕生日パーティーの為に居間の最終的な掃除をしたいと思いますので、リアム様は他の場所に行っていただいてもよろしいですか」
「ああ。わかった」
半ば追い出されるような形で、俺は居間を後にする。
特に行くところもないので、自分の部屋に戻ることにした。
――そうか。明日はミレイユの誕生日か。
顔を合わすのが気まずくても、なにかプレゼントはしてあげないとな。でも時間がないし、なんにしよう。
以前の俺は、ミレイユのためになにか準備をしていなかったんだろうか。
そう思い自分の部屋の中を探してみるが、特にプレゼントらしきものは見つからない。
たくさん動いている内に疲労感に襲われ、俺はベッドに寝そべり目を閉じる。
時間もそこそこ遅い。今日は早く寝て、明日早起きして街に買い物に行けばパーティーまでには間に合うか。
目を閉じるが、どうしてか寝つきが悪い。
何度も何度も起き上がっては寝てを繰り返していると、完全に目が覚めてしまった。
本でも読もうか思い、自室の本棚の前まで行く。
よく見ると、あまり本が綺麗に整理されていない。せっかくだし、片付けでもするか。
倒れかかっている本や、横向きに積まれている本を丁寧に棚にしまい直す。
すると、一か所だけ本がやたらと前にはみ出しているところがあった。
不思議に思い、一度本を全部退けてみると――。
「……あれ、これって」
隠すように、奥に一冊置かれていた本を手に取り俺は気づく。
これは、五日前にミレイユと一緒に探した本だ。
「〝恋人ができたら読む本〟……。はは。本当にこんなタイトルなんだ」
興味本位でページをめくっていく。
流し見程度だが、読んだことのないジャンルの本なので中々おもしろい。
ページをめくっていくと、恋人としたいこと、という項目があった。
そこにはこの数日ミレイユとやったことが書いてあり、ミレイユが本当に本を忠実に再現していたことを知る。
「……あれ」
パラパラとページをめくる手が止まる。ページの端に、なにか書いてあるのがわかった。
四月十六日 ミレイユとした
四月十六日 ミレイユとした
四月十六日 ミレイユとした
すべて、同じ言葉が書いてある。紛れもない俺自身の字で。
食べさせ合いっこも、手繋ぎも、ソファでのじゃれ合いも。
チェックを入れるように項目に丸をつけ、ご丁寧に日付まで記入してある。
次のページをめくると、今日ミレイユにお願いされた〝キスをする〟という項目があった。
そこにはチェックはついていない。代わりに、こう書いてあった。
四月十六日 失敗
でも、失敗してよかったかもしれない。
目標 ミレイユの誕生日に生まれて初めてする。本当の恋人になれるように。
「……ふっ……。馬鹿だな俺って……。相当なことをしてたらしいのに、なんでこんなときだけロマンチストなんだよ……」
おもわず笑いが込み上げて来た。かつての自分の不器用さに情けなくなりながらも、どこか愛おしい。密かに立てた目標を誰にもバレないように、本を隠していたのだろう。
笑った拍子に本が縦向きになる。すると、一枚のメモが落ちてきた。本のどこかに挟んでいたようだ。
メモには気持ち悪いくらいミレイユの名前が書かれていた。自分で引いてしまうほど、妹への異常な愛に溢れている。
衝動的に書いているのか、わけのわからない文章も多い。傍から見ればちょっとした呪いの文書にしか見えないだろう。
『欲に負けて婚約した』
『嫉妬するミレイユがかわいくてたまらない』
『ミレイユがエクトルと婚約した。おかしい。嘘だ。嘘嘘嘘嘘』
『恋人ごっこをした。ごっこのつもりが完全に恋人の時間だった。幸せだ』
『エクトルが持ってきた薔薇で手を切った。痛い。でもこの傷はミレイユへの愛の証』
『ミレイユがエクトルと笑い合うのを見ると胸が痛い。死にたい』
『時々自分が怖い。ミレイユがいなくなったら俺はどうなるのか』
『誰にも渡さない』
『好きだ。愛してる。例え死んでも、ミレイユのことだけは忘れたくない』
恐怖を感じるほど執着と独占欲にまみれた熱烈なラブレター。想いをなにかにぶつけたくて、衝動的にこうやって文字にしていたのだろうか。
「……死んでも、忘れたくない」
文字をなぞりながら、ぽつりとその言葉を読み上げる。
「……うっ……」
強烈な頭痛に襲われ、俺は膝をついた。
頭の中に、いろんな記憶が流れ込んでくる。その記憶のどの場面にも、ミレイユがいる。
――ああそうか。俺は、どうして忘れたんだ。
こんなにも、頭の中は彼女でいっぱいだったのに。
彼女を好きなことを忘れた俺には、なにも残らないというのに。
以前までの俺も、今の俺も、最後に見たミレイユの顔は、ちゃんと笑っていただろうか。
いや、どちらも、悲しそうな顔をしていた。
だったら俺は、もう一度その笑顔を取り戻そう。
ごめん、ミレイユ。
俺を諦めないでいてくれた大切な君を、もう二度と離さない。
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