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2章 私が生まれた世界“トゥーラン”
27.能力診断
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楽しいランチ後はセレス姫の信頼する人がいるギルドへ行くことになった。
なんでもギルドに登録しておかないとトゥーランを自由に行動出来ないらしく、セレス姫の信頼する人に会って手続きをしてもらうらしい。
いかにもファンタジーって感じがして、少し浮かれてたりする。
ギルドに着くと受付のお姉さんに応接室へ通され書類を書いて待つことしばらくして、やって来たのは宝塚の男型をしていそうなスレンダーな女性だった。
ちなみにトゥーラン文字は日本語ではないけれど、読もうとすると日本語に変換される。それと同じで文字を日本語で書くとトゥーラン文字に変換される。理屈は分からないけれど、便利でありがたいシステムだ。
『ヨハン』
女性を見るなりパパと龍くんは、バッと立ち上がり声をハモらせる。女性は微笑む。
二人の知り合い?
「リュウノスケ、セイヤ。久しぶり。やっぱり戻って来ちゃったのね?」
「やっぱりって?」
なぜか私達が来ることを知っていたようで、でも現実になったことに悲しんでいるようにも見える。驚いた私達を龍くんが代表して真相を問うと、
「英雄と魔王の娘が聖女になった伝承をスピカから聞いていたの。だけどその時はリュウノスケとセイヤが平和な世界にしてくれたんだから、セイカちゃんが聖女になるなんてありえないって言ってたんだけどね」
至ってシンプルな答えだった。
その台詞からしてヨハンさんはパパや龍くんよりもお母さんのことを知っていて、私のことも知っているみたい。
「あの、失礼ですが、お母さんの友人ですか?」
「あなたがセイカちゃんね。若い頃のスピカの面影とセイヤにも少し似ているかしらね? ええ、スピカとは親友だったわ。リュウノスケ達のパーティーに入る前からのね」
「ありがとうございます。そう言ってもらえるとすごく嬉しいです」
パパに似ていると言われるのが私にとっては一番と褒め言葉で、気分は一気にハイになり声が大きくなってしまう。パパは照れくさそうな表情になり頭をかく。
え、お母さんの親友?
しかもパパよりも古い付き合い?
…………。
…………。
「ひょっとして龍くんの元恋人だったりします? だから洗脳されてない?」
「おい、星歌。今それを言うか?」
「ええ、そうよ。……ほらこれがその証拠」
ハッとする私の問いにヨハンさんはいたずらな笑みを浮かべ、私達の前に左手を突き出す。
薬指にはステーフさんと同じパールピンクの魔法石が埋め込まれているリング。
つまりヨハンさんは、お母さんの親友で龍くんの元恋人。
確かにヨハンさんは龍くんの好みど真ん中ではあるけれど、お母さんの親友なんだから本気をじゃない限り手は出さないと思う。いくら複数交際……英雄になる前だから許されていなかった?
だとしたらやっぱり龍くんは、ゲスなんだろうか?
「あの星歌さん、軽蔑するような眼差しでオレを見ないでくれませんか?」
「大丈夫だよ。龍くんの恋愛面を軽蔑しただけで、それ以外は今まで通り尊敬してるからね」
「全然大丈夫くない……。ヨハン、先に進めてくれ」
何も言わなくても龍くんにはお見通しらしく勝手に傷つき凹むから、言葉にしてそんなことないと言ったのに逆効果だった。余計に凹んでしまい頭を抱えソファーに座り、これからのことをヨハンさんに任せる。
逆効果だった。
「まったくしょうがないんだから。それじゃぁ今から能力審査を始めるわね。セイカちゃんそれからそこのヒナタちゃんツヨシくん? はこの無色透明の魔法石を握って意識を集中させてくれる?」
ため息交じりでそう言って、箱を取り出し蓋を開けた。
中にはメダルみたいな無色透明な石が三つ保管されていて、私達三人は顔を見合わせ息を呑み同時に魔法石を手にする。
そして言われた通り魔法石を握り意識を集中させれば、だんだん魔法石が暖かくなっ高と思えばストーンと私の一部になった気がする。
そんな違和感を覚えつつ魔法石を見ると、無色透明がルビー色に変わっていた。
「星歌のすげぇきれいだな」
「本当に。星歌ちゃんらしい色だよね」
太陽が声を弾ませ絶賛する。
二人はどうなんだと思って視線を向けると、陽は唐紅で太は濃い空色。
「太陽もすごくきれいな色だよね。ヨハンさん、これで一体何が分かるんですか?」
「その人の技量が蓄積され、特殊なマジックアイテムでデータ化され細かい能力が分かるわ。色の意味は、赤は魔術系、青はウエポン、緑は徒手、が特に優れているの。後は身分証明の役割もあるわ」
光の三原色みたい。
魔法石の簡単な仕組みを聞いて、直感的にそう思った。
だとしたら太は剣士の才能があるから青系の空色で、陽は占い師の素質があるから赤系の唐紅。私は魔王の力と聖女の力と魔術の素質だからルビーなんだ。
すごく納得が行く。
「パパと龍くんの魔法石は何色なの?」
「あ、オレも知りたい」
「私も」
「……自分も興味があります」
こうなってくると必然的に英雄だったパパと龍くんの色が知りたくて興味を示すと、それは太陽と黒崎も同じだった。すると二人は顔を見合わせやれやれと言った感じで、ポケットから魔法石を取り出しテーブルに置く。
パパは、光り輝く透き通るようなエメラルドグリーン。
龍くんは、やっぱり光り輝く桜色。
私達は思わず歓声をあげる。
「相変わらず二人は光り輝いているわね? 実力は今なお現役ってとことかしら?」
「そんなことはない。現在の詳しい能力を知っておきたいから、俺達のも頼む」
「そうだな。今の自分を知ってこれからのことを考えるか」
光り輝いているのは特殊のようでヨハンさんも感心するのに、セレス姫の時同様満足してない二人は否定するだけ。
今の自分を知る。
私達もきっとそうなんだろうね。
ちゃんと知った上で、伸ばせる能力があれば伸ばして行けば良い。
私の場合は、魔王の力? そんなの伸ばして良いの?
「分かったわ。それじゃぁ三時間後またここに来てちょうだい。それと行動範囲を広げるためにあなた達のパーティを登録しておくわね」
「ああ、よろしく頼む。だったらオレ達はその間観光でもしようか?」
何かを察したヨハンさんは五人の魔法石も箱にしまい一旦終了を告げると、龍くんは待ちに待ったお楽しみを提案してくれ私と太陽は大きく頷いた。
なんでもギルドに登録しておかないとトゥーランを自由に行動出来ないらしく、セレス姫の信頼する人に会って手続きをしてもらうらしい。
いかにもファンタジーって感じがして、少し浮かれてたりする。
ギルドに着くと受付のお姉さんに応接室へ通され書類を書いて待つことしばらくして、やって来たのは宝塚の男型をしていそうなスレンダーな女性だった。
ちなみにトゥーラン文字は日本語ではないけれど、読もうとすると日本語に変換される。それと同じで文字を日本語で書くとトゥーラン文字に変換される。理屈は分からないけれど、便利でありがたいシステムだ。
『ヨハン』
女性を見るなりパパと龍くんは、バッと立ち上がり声をハモらせる。女性は微笑む。
二人の知り合い?
「リュウノスケ、セイヤ。久しぶり。やっぱり戻って来ちゃったのね?」
「やっぱりって?」
なぜか私達が来ることを知っていたようで、でも現実になったことに悲しんでいるようにも見える。驚いた私達を龍くんが代表して真相を問うと、
「英雄と魔王の娘が聖女になった伝承をスピカから聞いていたの。だけどその時はリュウノスケとセイヤが平和な世界にしてくれたんだから、セイカちゃんが聖女になるなんてありえないって言ってたんだけどね」
至ってシンプルな答えだった。
その台詞からしてヨハンさんはパパや龍くんよりもお母さんのことを知っていて、私のことも知っているみたい。
「あの、失礼ですが、お母さんの友人ですか?」
「あなたがセイカちゃんね。若い頃のスピカの面影とセイヤにも少し似ているかしらね? ええ、スピカとは親友だったわ。リュウノスケ達のパーティーに入る前からのね」
「ありがとうございます。そう言ってもらえるとすごく嬉しいです」
パパに似ていると言われるのが私にとっては一番と褒め言葉で、気分は一気にハイになり声が大きくなってしまう。パパは照れくさそうな表情になり頭をかく。
え、お母さんの親友?
しかもパパよりも古い付き合い?
…………。
…………。
「ひょっとして龍くんの元恋人だったりします? だから洗脳されてない?」
「おい、星歌。今それを言うか?」
「ええ、そうよ。……ほらこれがその証拠」
ハッとする私の問いにヨハンさんはいたずらな笑みを浮かべ、私達の前に左手を突き出す。
薬指にはステーフさんと同じパールピンクの魔法石が埋め込まれているリング。
つまりヨハンさんは、お母さんの親友で龍くんの元恋人。
確かにヨハンさんは龍くんの好みど真ん中ではあるけれど、お母さんの親友なんだから本気をじゃない限り手は出さないと思う。いくら複数交際……英雄になる前だから許されていなかった?
だとしたらやっぱり龍くんは、ゲスなんだろうか?
「あの星歌さん、軽蔑するような眼差しでオレを見ないでくれませんか?」
「大丈夫だよ。龍くんの恋愛面を軽蔑しただけで、それ以外は今まで通り尊敬してるからね」
「全然大丈夫くない……。ヨハン、先に進めてくれ」
何も言わなくても龍くんにはお見通しらしく勝手に傷つき凹むから、言葉にしてそんなことないと言ったのに逆効果だった。余計に凹んでしまい頭を抱えソファーに座り、これからのことをヨハンさんに任せる。
逆効果だった。
「まったくしょうがないんだから。それじゃぁ今から能力審査を始めるわね。セイカちゃんそれからそこのヒナタちゃんツヨシくん? はこの無色透明の魔法石を握って意識を集中させてくれる?」
ため息交じりでそう言って、箱を取り出し蓋を開けた。
中にはメダルみたいな無色透明な石が三つ保管されていて、私達三人は顔を見合わせ息を呑み同時に魔法石を手にする。
そして言われた通り魔法石を握り意識を集中させれば、だんだん魔法石が暖かくなっ高と思えばストーンと私の一部になった気がする。
そんな違和感を覚えつつ魔法石を見ると、無色透明がルビー色に変わっていた。
「星歌のすげぇきれいだな」
「本当に。星歌ちゃんらしい色だよね」
太陽が声を弾ませ絶賛する。
二人はどうなんだと思って視線を向けると、陽は唐紅で太は濃い空色。
「太陽もすごくきれいな色だよね。ヨハンさん、これで一体何が分かるんですか?」
「その人の技量が蓄積され、特殊なマジックアイテムでデータ化され細かい能力が分かるわ。色の意味は、赤は魔術系、青はウエポン、緑は徒手、が特に優れているの。後は身分証明の役割もあるわ」
光の三原色みたい。
魔法石の簡単な仕組みを聞いて、直感的にそう思った。
だとしたら太は剣士の才能があるから青系の空色で、陽は占い師の素質があるから赤系の唐紅。私は魔王の力と聖女の力と魔術の素質だからルビーなんだ。
すごく納得が行く。
「パパと龍くんの魔法石は何色なの?」
「あ、オレも知りたい」
「私も」
「……自分も興味があります」
こうなってくると必然的に英雄だったパパと龍くんの色が知りたくて興味を示すと、それは太陽と黒崎も同じだった。すると二人は顔を見合わせやれやれと言った感じで、ポケットから魔法石を取り出しテーブルに置く。
パパは、光り輝く透き通るようなエメラルドグリーン。
龍くんは、やっぱり光り輝く桜色。
私達は思わず歓声をあげる。
「相変わらず二人は光り輝いているわね? 実力は今なお現役ってとことかしら?」
「そんなことはない。現在の詳しい能力を知っておきたいから、俺達のも頼む」
「そうだな。今の自分を知ってこれからのことを考えるか」
光り輝いているのは特殊のようでヨハンさんも感心するのに、セレス姫の時同様満足してない二人は否定するだけ。
今の自分を知る。
私達もきっとそうなんだろうね。
ちゃんと知った上で、伸ばせる能力があれば伸ばして行けば良い。
私の場合は、魔王の力? そんなの伸ばして良いの?
「分かったわ。それじゃぁ三時間後またここに来てちょうだい。それと行動範囲を広げるためにあなた達のパーティを登録しておくわね」
「ああ、よろしく頼む。だったらオレ達はその間観光でもしようか?」
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