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4章 それぞれの愛のかたち
56.強化合宿中?
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強化合宿が始まり早い物で半月が経としていた。
我が家を拠点として私と陽は魔術中心。太と黒崎は戦闘中心の修行。
後はトゥーランの現状と二十八年間の知識をヨハンさんから勉強中。
そしてなぜか勉強には高校の授業(復習)も含まれていて、知った当初は主に太が大ブーイング。私も太ほどではなかったけれど、なんで? とは思ったんだよね。
でもそれにはちゃんとした理由があってパパと龍くんが地球へ戻った時、学力の極端な低下している上、幼い私を育てないといけなかったため日常を取り戻すのは大変だったそうだ。
だから私達には二人の二の舞にならないよう定期的に復習。元の時間に帰れるか分からないため、化合宿は二か月・三か月から長くても半年以内に地球へ戻る目標を経ているらしい。
そこまで深く考えてなかった私と太陽はやたら感心してしまい、黒崎は真っ青になり何度も頷いていた。
トゥーランに召還されて一年以上経つ黒崎には心当たりがあるらしい。
「今日の魔術授業はここまで。星歌、良かったな?」
「え、何が?」
「隠したって無駄だぞ。星夜が恋しいんだろう? 今夜は一緒に寝るのか?」
「!!」
授業中は厳しい教師なのに終わるといつもの龍くんに戻っていて、ニコニコしながらそう言いながら子供扱い+頭ポンポンされる。隠していたい図星を付かれ視線をそらす。
「ひ陽、お風呂に入って夕飯の支度をしよう」
「そうだね。カレーは煮込むだけだけど、カツを揚げないといけないからね。後はサラダ」
【サラダはボクが担当だよ】
「分かってるって」
これ以上話してたらボロが出そうだから、話題を変えそう言い陽の手を握り我が家へと急ぐ。
何もかもをお見通しの陽はそのことには触れず、陽は陽で嬉しそうに張りきっていた。
それは違う意味でチョピも同じ。料理の手伝いをするようになり、いつしかサラダはチョピ担当になっていた。
太くんと黒崎くん。それからガーロットを連れ武者修行してくる。
一週間後(今夜)に戻るから、心配しないで欲しい。
とパパは一週間前にそれだけ言って、三人と一匹は行き先は告げず行ってしまった。
パパと一週間も会えない声も聞けないなんて初めてだったから、三日は大丈夫だったたけれど残りは夜になると淋しくて部屋の片隅でメソメソと泣いていた。
自分が鬼ファザコンだと認めているとは言え、さすがにこれは異常すぎるかと思い誰にも言っていない。
陽も太と会えないことに淋しい素振りを見せていたから、淋しいと言うだけなら普通だから淋しいとは言っている。
そんなわけだから今日は朝から陽とソワソワしていて、休憩時間を利用にして丹精込め夕食カレー作り。丁度昨日ステーフさんが肉を持ってきてくれたから、それを使って豪勢にカツカレー。
ステーフさんは頻繁にリュウさんと一緒に我が家にやって来て、その時は家事全般を引き受けてくれてるんだよね? その時のステーフさん幸せそうで応援したくなってしまう。
「二人とも、私も手伝うわ」
今まで一度も料理をすることに関心を持たず食べる専門だったヨハンさんがキッチンに顔をだし、興味津々とばかりに手伝いをかって出る。
意外過ぎる台詞に、ヨハンさんを唖然と見つめた。
一体全体どういう風の吹き回しだろうか?
「何かあったんですか?」
「逆に何にもないから手伝いたいの」
「そうなんですか? ならスープ系を任せても良いですか?」
「OK!! 私こう見えても料理は得意なのよ」
随分な答えだったけれどヨハンさんらしくて特に気にすることなく、まだ決まっていないスープ頼むと、なんとなくよろしくない台詞を言われて不安が頭の中をサッと過ぎっていく。
大概このパターンだとまずい料理を作って、騒ぎになるんじゃなかったっけぇ?
……胃薬は人数分あった? それとも龍くんと陽の二人分あれば、後は魔術でなんとか出来る?
「二人とも安心しろ。ヨハンの料理は普通に美味しいから安心しろ」
「リュウノスケ? 何その失礼な言い方? しかも普通に美味しいって台詞はどうかと思うけど」
そんな私達のやり取りを見ていたのか龍くんがクスクス笑いながら、私の不安要素をあっさり解決てくれた。
ただ言葉通りヨハンさんにしてみれば暴言でしかなく、龍くんを睨み付け怪訝しく言葉の指摘。
確かにおかしな言葉使いではあるけれど、言いたいことは分かる。
龍くんがそう言うのであれば、心配する必要はない。
「一度も料理しない奴がいきなりやる私は得意と言っても、疑われるだけだろう? お前は違うのか?」
「……。紛らわしい言い方してごめんなさいね。私は料理を作りたい時だけ作って、後はプロに任せているの」
思うことがあったらしく潔く謝るけれど、後者の理由がバリバリのキャリアウーマンと言うか自由人的な発想的を持つ人なんだと改めて思う。
対応に困るけど。
「そう言う考え方も一理あると思います。星ちゃん、そろそろカツを作ろうか?」
「そうだね」
陽も反応には困っている様子でソフトには答えつつ、そう言い冷蔵庫を開け食材を取り出す。
ソーラーパネルのおかげで未だ我が家では、前と変わらない快適な生活が出来ている。
食材の貯蓄はお米が少し残っているぐらいで調味料系もほとんど残ってないけれど、そこはトゥーランの調味料系とモンスターの肉や魚で代用出来ていた。
「龍ノ介さん、食材が底をつきかかってます」
「分かった。明日はルーナス師匠も来るから、サトラス山脈で実践をするか?」
「良いわね。セイカちゃんとヒナタちゃんの実力がどこまで上がったか知って置きたいわ。二人とも頑張ってね!!」
いつもだったら食材調達はパパと龍くん担当だったのに、今回は違ったようで実践授業で私達にも任されてしまう。
モンスターは低級と通常級なら実習で数回倒したことはあるけれど、サトラス山脈は中級と上級たまに上中級が出没するそうだ。いきなりそんな所で実践は鬼畜かと一瞬思った物の私達の目的は審判の花。
最上級・最強級モンスターがわんさかいる所。サトラス山脈をびびっていたら、いつまで経っても前に進めない。
「陽、明日は油断せずに頑張ろうね」
「そうだね。慎重に行かないとだね」
私と陽は気を引き締めあい、実践の覚悟を決めた。
そんな時、玄関先が騒がしくなる。
『ただいま』
パパ達のご帰宅だ。
我が家を拠点として私と陽は魔術中心。太と黒崎は戦闘中心の修行。
後はトゥーランの現状と二十八年間の知識をヨハンさんから勉強中。
そしてなぜか勉強には高校の授業(復習)も含まれていて、知った当初は主に太が大ブーイング。私も太ほどではなかったけれど、なんで? とは思ったんだよね。
でもそれにはちゃんとした理由があってパパと龍くんが地球へ戻った時、学力の極端な低下している上、幼い私を育てないといけなかったため日常を取り戻すのは大変だったそうだ。
だから私達には二人の二の舞にならないよう定期的に復習。元の時間に帰れるか分からないため、化合宿は二か月・三か月から長くても半年以内に地球へ戻る目標を経ているらしい。
そこまで深く考えてなかった私と太陽はやたら感心してしまい、黒崎は真っ青になり何度も頷いていた。
トゥーランに召還されて一年以上経つ黒崎には心当たりがあるらしい。
「今日の魔術授業はここまで。星歌、良かったな?」
「え、何が?」
「隠したって無駄だぞ。星夜が恋しいんだろう? 今夜は一緒に寝るのか?」
「!!」
授業中は厳しい教師なのに終わるといつもの龍くんに戻っていて、ニコニコしながらそう言いながら子供扱い+頭ポンポンされる。隠していたい図星を付かれ視線をそらす。
「ひ陽、お風呂に入って夕飯の支度をしよう」
「そうだね。カレーは煮込むだけだけど、カツを揚げないといけないからね。後はサラダ」
【サラダはボクが担当だよ】
「分かってるって」
これ以上話してたらボロが出そうだから、話題を変えそう言い陽の手を握り我が家へと急ぐ。
何もかもをお見通しの陽はそのことには触れず、陽は陽で嬉しそうに張りきっていた。
それは違う意味でチョピも同じ。料理の手伝いをするようになり、いつしかサラダはチョピ担当になっていた。
太くんと黒崎くん。それからガーロットを連れ武者修行してくる。
一週間後(今夜)に戻るから、心配しないで欲しい。
とパパは一週間前にそれだけ言って、三人と一匹は行き先は告げず行ってしまった。
パパと一週間も会えない声も聞けないなんて初めてだったから、三日は大丈夫だったたけれど残りは夜になると淋しくて部屋の片隅でメソメソと泣いていた。
自分が鬼ファザコンだと認めているとは言え、さすがにこれは異常すぎるかと思い誰にも言っていない。
陽も太と会えないことに淋しい素振りを見せていたから、淋しいと言うだけなら普通だから淋しいとは言っている。
そんなわけだから今日は朝から陽とソワソワしていて、休憩時間を利用にして丹精込め夕食カレー作り。丁度昨日ステーフさんが肉を持ってきてくれたから、それを使って豪勢にカツカレー。
ステーフさんは頻繁にリュウさんと一緒に我が家にやって来て、その時は家事全般を引き受けてくれてるんだよね? その時のステーフさん幸せそうで応援したくなってしまう。
「二人とも、私も手伝うわ」
今まで一度も料理をすることに関心を持たず食べる専門だったヨハンさんがキッチンに顔をだし、興味津々とばかりに手伝いをかって出る。
意外過ぎる台詞に、ヨハンさんを唖然と見つめた。
一体全体どういう風の吹き回しだろうか?
「何かあったんですか?」
「逆に何にもないから手伝いたいの」
「そうなんですか? ならスープ系を任せても良いですか?」
「OK!! 私こう見えても料理は得意なのよ」
随分な答えだったけれどヨハンさんらしくて特に気にすることなく、まだ決まっていないスープ頼むと、なんとなくよろしくない台詞を言われて不安が頭の中をサッと過ぎっていく。
大概このパターンだとまずい料理を作って、騒ぎになるんじゃなかったっけぇ?
……胃薬は人数分あった? それとも龍くんと陽の二人分あれば、後は魔術でなんとか出来る?
「二人とも安心しろ。ヨハンの料理は普通に美味しいから安心しろ」
「リュウノスケ? 何その失礼な言い方? しかも普通に美味しいって台詞はどうかと思うけど」
そんな私達のやり取りを見ていたのか龍くんがクスクス笑いながら、私の不安要素をあっさり解決てくれた。
ただ言葉通りヨハンさんにしてみれば暴言でしかなく、龍くんを睨み付け怪訝しく言葉の指摘。
確かにおかしな言葉使いではあるけれど、言いたいことは分かる。
龍くんがそう言うのであれば、心配する必要はない。
「一度も料理しない奴がいきなりやる私は得意と言っても、疑われるだけだろう? お前は違うのか?」
「……。紛らわしい言い方してごめんなさいね。私は料理を作りたい時だけ作って、後はプロに任せているの」
思うことがあったらしく潔く謝るけれど、後者の理由がバリバリのキャリアウーマンと言うか自由人的な発想的を持つ人なんだと改めて思う。
対応に困るけど。
「そう言う考え方も一理あると思います。星ちゃん、そろそろカツを作ろうか?」
「そうだね」
陽も反応には困っている様子でソフトには答えつつ、そう言い冷蔵庫を開け食材を取り出す。
ソーラーパネルのおかげで未だ我が家では、前と変わらない快適な生活が出来ている。
食材の貯蓄はお米が少し残っているぐらいで調味料系もほとんど残ってないけれど、そこはトゥーランの調味料系とモンスターの肉や魚で代用出来ていた。
「龍ノ介さん、食材が底をつきかかってます」
「分かった。明日はルーナス師匠も来るから、サトラス山脈で実践をするか?」
「良いわね。セイカちゃんとヒナタちゃんの実力がどこまで上がったか知って置きたいわ。二人とも頑張ってね!!」
いつもだったら食材調達はパパと龍くん担当だったのに、今回は違ったようで実践授業で私達にも任されてしまう。
モンスターは低級と通常級なら実習で数回倒したことはあるけれど、サトラス山脈は中級と上級たまに上中級が出没するそうだ。いきなりそんな所で実践は鬼畜かと一瞬思った物の私達の目的は審判の花。
最上級・最強級モンスターがわんさかいる所。サトラス山脈をびびっていたら、いつまで経っても前に進めない。
「陽、明日は油断せずに頑張ろうね」
「そうだね。慎重に行かないとだね」
私と陽は気を引き締めあい、実践の覚悟を決めた。
そんな時、玄関先が騒がしくなる。
『ただいま』
パパ達のご帰宅だ。
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