また明日笑うことを信じて

Crescent moon

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プロローグ

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 俺の幼なじみである黒澤愛菜くろさわまなはほとんどの時が笑顔だった。別に、愛菜が『笑顔』という表情しか知らない、あるいは『笑顔』しか見せないといった非常に変わった奴…というわけではなくただたんに、『苦痛な顔』、『意地悪な顔』をあまり人に見せないだけだった。…まあ、変わり者には違いないのだろうけど。
「愛菜はなんでいつも笑顔なの?」
 これは俺の…愛菜の前での口癖みたいなものだったのかもしれない。
 いつものようにいつも通りに、俺の隣をニコニコと歩いている愛菜にいつもの質問してみた。愛菜は少しキョトンとしたあと、またニコニコと笑顔になって答えてくれた。
「秘密」
「なんだよそれ」
 俺が少し『困ったような顔』をしてもやっぱり愛菜はニコニコと笑ったままだ。
「それにしても今日は暑いな」
「そうだね」
 このまま脱水症状で死んじゃいそうだよ、と続けざまに愛菜は笑いながら手で風を扇いだ。目に見えたその手は、雪のように白くてとても透明感があり俺のものとは比べられないくらい美しい色をしていた。
 それはそのはずだ。だって…愛菜は「アルビノ」という病気を持っている病人なんだから。

『プロローグ 完』
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