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襲撃
しおりを挟むファイチクンが使ってる『メンテ要らずのよく切れる剣』。本当によく切れた。
実際に体を斬られて死にかけたファイチクンが1番分かってるかもしれないが、それをファイターのファイチクンが使ってるんだ。こんなに怖いものはないだろう。
魔物には躊躇なんてない。殺る対象である人間を、己の出来得る限りの力を持ってただ襲うだけの存在だ。
死にかけて復活しても戦闘力は変わらないのかもしれないが、レベルは上がっているらしいので、もはや武装もしてない非選択者に敵は居ないのかもしれない。
油断さえしなければ、罠に掛かったり、囲まれたりもしなければ。あとは、……。銃は要注意か。まあ、取り敢えずは見付からなければどういう事はない。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
スイチクンに渡した『すんなり解体ナイフ』。恐らく倒した魔物を効率的にすんなり解体してくれる物だったのだろう。
それを魔物が使ったらどうなるか。こうなるのか。すげーな、おい。刃を当てた部位がするすると解体されて行った。
生きていようと死んでいようと問題なく解体は出来るようだ。活け締めとかあるしな。脅威で驚異だろうな、胸囲があろうとなかろうと。
そこに当てられさえすれば、刺さりさえすればその能力を発揮してくれた。おー、怖い。
試しにそんな感じで使わせてみたらビンゴだった。俺の言う事は疑わずに何でもよく聞いてくれるから助かるぜ。ヤバい戦闘集団、パーティを作っちまったのかもしれないな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
ラナについては特にない。俺の傍に居てくれればいいだけの天使。怪我をした時に活躍してくれればいいが、出来ればそんな活躍はして欲しくはない。
もしもの時に頼れるヒーラーが居るだけでも皆ありがたいだろう。無茶はして欲しくないが。
やっぱり抜群にいい匂いがする。屋内だからこそ更に俺の股間を刺激する。ビンビン来るぜ。違うか。
俺が止めを刺してもないのに経験値は稼げるようだ。最高だぜ。ゴブリン。全く手を出してなかったのにな。俺までレベルが上がったぜ。レベル1だったしな。
パーティのお陰か、名付けの効果か、こりゃあ、転職しまくりレベルアップ大作戦も時間の問題かもな。転職できればな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
何の問題もなく裏手のドアからスポーツ用品店に潜入した。店舗併用住居で、1階が店で2階が住居。防犯装置なんて何もなかった。ナニは、……。もういいか。
思った通り、老夫婦が経営していた小振りな町の店だった。
ホームページもなかったし、佇まいも年季が入ってたし、店名も名字を付けたものだったから、そうプロファイリングしたのだが、今回はズバリだったな。満足だ。気持ちがいいぜ。
ずばっとぶち込む快感は堪らねえからな。当たれば尚更か。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
そこもだが、戦闘結果もだが、手に入れておきたかった武器、防具もあって満足だ。
近くに学校も幾つかあるからか、マイナー所の品揃えも良かった。ここまでの品揃えがある用品店もすげーって思えた。ありがとよ。数が少なかったのは仕方なかったな
必要そうな物はまるっと収納してやった。異次元収納:LV3は伊達じゃなかった。
戦闘に関しては、戦闘ってほどでもなく終わった。2人仲良く並んで眠ってたし、そのまま2人仲良く旅立って逝けただろう。
ファイチクンの1振りと、スイチクンの1解体? ナイフを突き立てただけだけど、それは1突きか。
苦しむ事もなく終わった。何が起きたか分からなかっただろう。俺のナニが起きたかも。双方に頭を割られて一瞬だったから。
ラナですらグロ耐性を持ってたようだ。魔物は怖いな。だから魔物か。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
「よし。皆よくやった。ここでの作業はお仕舞いだ。もういい時間になってるから引き上げるぞ。今日の所はここまでだ。スイチクン。また先導を頼むぞ」
「へい。兄貴」
「はい。兄様」
「お疲れ様です。ご主人様」
「うむ。拠点に戻るまでが作戦だ。気を引き締めて行くぞ」
「へい」「はい」「はい」
いいね。こういうの。1回やってみたかった。しかもこの信頼感。全く恥ずかしくもないし、なんなら皆のりのりだ。俺も乗っちゃうぞ。後でラナにもな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
おっと。でもその前に。
「あばよ。証拠隠滅での試し撃ちだ。
食らえ。これがゴブリンファイヤーだ!」
バシュン! …… ドンッ!
あっ。これうるせえな。近所迷惑もいいところだな。
スポーツ用品店だけに、野球のボールっぽいのが飛んでった。そして燃えてーら。なら!
「追加の、ゴブリンフレイム!」
ブワッッ! ……ボワッ!!
うん。やっぱ燃えるよね。初めてだから普通に手の平から出してみた。なのに熱くないのがファンタジー。俺がゴブリンな時点でそうだった。
少しすると勝手に消えるのね。
うん。そして燃えるよね。全部回収しなかったのは正解だったな。可燃物があった方がよく燃える。
燃えろよ燃えろよ。炎よ燃えろ。
そんな言葉はここで使っちゃダメな表現だな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。あばよっ!
ん? 先に行かせたはずなのに、3人共足を止めてこっちを見てるぞ。やはり先にイかせるにはそれなりのテクニックが要るのだな。
「何をやってる。急げ。人間が起きて来るぞ。見付かる前に最低でも公園へ逃げ込むぞ」
「へ、へい!」
「は、はい!」
「……、はい!」
ふっ。俺に見惚れるんじゃねえよ。全然嬉しくもない事もないぞ。だが、それをやっていいのはラナだけだ。いきなり魔法使ったからびびったか。
まあいいか。それも含めて後でじっくり反省会と今後の打ち合わせは必要だ。俺のゴブ棒が起きる前にな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
おーおーおー。煙が出て来たか。急いで逃げねばな。
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