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打ち合わす
しおりを挟むまさかの確率通りに当てて孕ませる事が出来たって事なんだが、弱々ゴブリンだけに、ラナの言う事が本当なら、5日程で産まれて来るなんてな。
だが、まだ実感はない。当然か。乳も出ないのに父なんてな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
雄には出来たって分かる訳がない。しかも、言われるがままに自分の子だと信じるしかない立場。それが雄。
検査するまでもねえけどな。この場合。そもそもゴブリンにゃ出来ねえか。出来たのに。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
まあ、ラナに関しては、可愛いし、天使だし、初めてだって言ってたし、……。
こんな事を平気でやって退ける小悪魔だらけの人間社会だったっけ?
いや。ラナは部下でもあるし、元々魔物だし、嘘はないと信じたい。今日、明日にでも産まれなければな。ぐぎゃあ~
少しして、気持ちを落ち着かせてから動く事にした。
ラナは勿論、安静。1発やっといてよく言うが、ラナはヒーラーだ。拠点で過ごしてもらってもいいだろう。その間にスマホの使い方をマスターしてもらえばいい。これもマスターベーション。違うか。
早速念話だ。
昨日それぞれに少し試しただけだけど、まあ、直ぐに慣れるかな。この感じ。スマホよりも便利なんですけど。電池切れもないし? 魔力切れはあるのかな? まあいいや。
【ファイチクン。俺だ。今いいか?】
この念話でも俺々詐欺が出来るのかな。しないけど。
【っ! へ、へい。兄貴。だ、大丈夫でやんす】
呼び鈴もなくて直接繋がっちゃうから、突然声が聞こえて、話し掛けられた方はちょっとびっくりするんだよな。俺の方じゃなくて良かった。早く慣れてくれ。
【皆も一緒だな?】
【へい。皆も一緒でやんす】
【変わりはないか?】
【へい。変わりはありやせん】
【……】
やはり見えると見えないのとじゃあ違うけど、雑音も聞こえないから相手の様子も分からないけど、ナニも持たずに話が出来るってのは便利だけど、傍から見れば不審人物だろうな。ナニなんか持ってたら。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
それより、こんな一問一答やってたら終わらんな。
長文はついて来られないかもしれないからって馬鹿にしてる訳じゃない。これも慣れる為。でも、もう止めた。
【今からそっちへ行くから、念話を入れたら開けてくれ】
【へい。分かりやした】
これもアポイント。ゴブリンにも礼儀は必要か? ねえか。そんなもん。俺の部下だしな。一応気は使うがな。雄だしな。
そしてラナを連れて部屋移動。俺は気配遮断を発動させ、ラナには念の為にジャージを着せ、帽子を被せてある。これで分かり難いだろうって事で行ってみる。しっかり気配も確認して。
「ラナ。なるべく音を立てないように、部屋に入るまでは声は出さずに付いて来てくれ。いいか?」
「はい。分かりました。ご主人様。その様に致します」
ラナにはジャージは好評だった。帽子は今一のようだったが。俺には天使のヤンキーにしか見えないが、ヤンキーの天使か。敢えて言わなかった。天使は天使だし。これで妊婦って。……。まあいいや。
決して失礼な事は考えてない。ヤンキーあるあるなんて関係ない。魔物だし。
序でにパンティーも履かせてみた。ここのマンションの元住居人のを。なぜかしっかりがっつり収納されていた。いつの間に。流石、俺。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
顔とか体型は気にしなくて大丈夫。よく伸びるしよく縮む。俺の記憶が確かなら、……。よくこんな物で覆えるよな。って思ったぜ。神秘の世界がここにもあった。俺はまたレベルが上がってしまったようだ。
初めは締め付けられて変な感じがするって言ってたが、履いてる姿がエロかった。つい、襲いそうになっちまったぜ。ゴブだけに。チラっと見えるおパンティーって最高だろ?
拠点の家具類を収納し、即移動。打ち合わせ通り扉の前で念話。程なくして鍵が開けられ、なんの問題もなく雄のみの部屋に入る事が出来た。
入れるのもイくのもなんでも速攻。ゴブリンって結構やり手なのかもな。殺られるのも速攻ってか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
部屋に入っても特に不快な匂いは感じなかったから、やはりゴブリンには臭いって感覚が麻痺してるのかもな。
雄が3人も同じ部屋で一夜を過ごせば、それなりの異臭はするだろう。ゴブリンだしな。でもそれがない。
やはりそこも魔物特性か。ゴブリンも悪い事ばかりじゃねえか。段々染まって来てるのかもな。前からか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
ゴブリン5人くらいならなんとかこの部屋でも不快に思わず滞在できる事が分かった。これが限界だがな。雌のみならまた別の話だろう。股も別だし。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
皆、スイチクンに教わりながら、言い付け通りにスマホの操作を覚えてたらしい。なかやか勤勉なゴブリンで良かった。寝起きから1発やって来た俺達とは大違いだぜ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
「じゃあ今日の作戦会議を始めるぞ」
そんなの関係ねえ。はい。始めるぞ。
言っても俺からの通達をするだけだ。意見は聞くし参考にもするが、決定するのは俺。
時折フォローするのはファイチクン。皆大人しく聞いていた。新入りのマイチクンも既に打ち解けていたようだ。
俺も含めてだったが、スマホが鬱陶しかった。
やはりこっちでも着信がそれなりにあったようだ。数も多いしな。要らないアプリはアンインストールしたからと言っても電話は掛けられるし掛かって来てしまう。メッセージも届いていたようだ。
単身者用のマンションで助かったのか、逆なのか、そんなの関係ないって事のが正解だろうが、人間、生きてりゃ誰かとは繋がってるもんだ。普通ならな。いきなり不通になるのはおかしいよな。なんてな。
試しに異次元収納に入れてたスマホを出してみたら、速攻でメッセージ受信しやがった。中には全く反応無しってのもあったけど、俺も似たようなもんだったしな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。ぐぎゃあ~
だが、無視だ。
取り敢えず今日くらいは適当に返しておこうかと思ったけど、面倒だから止めた。流石に多過ぎる。
病気になったって事にして返しても良かったが、それもいいな。面倒だ。態々訪問して来る奴なんて居らんやろう。居るのかな。来たらぶっ殺してやるけどな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
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