57 / 143
新たな名付け
しおりを挟む「っ!!!」
閃いた!
ヒラメが居た訳じゃない!
……
そうだ。名前を付けてしまおう!
種族は違うから、【ファーストネームドゴブリン特典スキル】は反映されなくとも、ペットに名前を付けるのは当然の行為。
例えそれが野良犬だろうとも、ここで会ったのが運命って奴だ。ここから動けないっていうなら仕方ないけど、普通に走って来たしな。多分大丈夫だろう。俺達にもそんな制限はないみたいだしな。
嫌なら無理に連れてくつもりはない。血の涙を飲んで別れよう。でも、名前は付けちゃうぞ。呼ぶのは自由だ。それくらい、今の荒んだ心には必要なんだ。
ゴブリンの心なんて、ほぼやる事しかねえけどな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
ゴブリンの場合は『ゴブ』をどこかに入れないといけなかったけど、この場合は関係ないだろう。でも、名付けは不得意な俺。自覚してるだけまだマシな方だろう。
だから、コボルトなら『コボ』か『ボルト』を入れればいいんじゃねって発想になるんです。そして決めるのです。
「お前は名前付いてるのか? なければ『コボチャン』て呼んでいいか? コボルトのコボチャンだぞ。ダメか?』
ゴブリンとは一緒にしないぞ。そこだけは拘りだ。大した拘りじゃねえか。
雄か雌かは問題じゃない。可愛いものにはちゃん付けの方がいいだろう。多分雌っぽいし。ちんこが無ければ雌だろうって考察だ。深いだろう? 不快かい?
意味が分からなそうにじっとしてるが、可愛いぞ。こりゃ不味いな。離れられるかな。
俺の中では、正式名『コボルトイチチャン』。職業には就けられないからここまでだ。かなり略して呼ぶ事になる。増えたらまたその時考える。
股?
やっぱりちんこは見当たらないから尚合ってると思う。『サン』じゃ合わないし、全部片仮名だから大丈夫。
ナニがとは言わないが、名付けは自由だ。被っても仕方ない。ナニがとも言えないが。
「……ガウッ!」
暫くの沈黙の後、元気に返事をしてくれた。ちんこは無いからちん黙。深いな。
「おっ。そうかそうか。大丈夫か。じゃあ、今からお前はコボチャンな。よろしくな」
「ガウッ!」
意味が分からなそうに頭を傾けてたけど、面倒になったか理解したかのどちらかだろう。そう解釈する事にした。
しっかり返事もしてくれて、尻尾も猛烈にふりふりしてくれているのだからそうだろう。これは受け入れてくれたって事で合ってると思う。違っても遅いがな。
ちっくしょう。可愛いぜ。これが本当の畜生か。魔物だけど。
もう雌って事でいいと思う。流石に見せてくれとは言えないし、敢えて見たいとも思えない。犬だしな。
結構ワイルドだった顔付きが、気のせいか穏やかになった様に見える。より従順な犬っぽい。いい事だ。
やろうと思えばやれるだろうけど、二足歩行だから、見ように依ってはカップルに見えるのか? ゴブリンとコボルト。
うん。弱々同士、お似合いかも? まだ弱いって決め付けちゃダメか。弱々はゴブリンだけってか? ぎゃっぎゃっぎゃっ。ぐぎゃあ~
これは、やったら獣姦って事になるのだろうか。魔物同士でも、そんな概念はあるのだろうか。
まあいいか。今のところ全くそんな気にはならねえし。可愛いけど、それはペットとしてだしな。中にはオナペットにしてる奴も居るみたいだけど、俺は無理だった。
多分、ゴブリンになっても無理だと思う。多分だが。自信はない。舐められる位ならいいのかも? 別の意味で気持ちがいいのかも。穴の大きさにも依るか。ふむ。
これぞ新境地。これは開拓せよとよ天啓か?
「……」
そんな目で見たら嫌だよな。ごめんな。コボチャン。こんなゴブリンで。仕方ねえよな。言ってもゴブリンだし。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
「じゃあ、行くか」
「ガウッ!」
こいつ、やっぱり俺の言葉が分かるのか? 普通に反応してるけど、そして普通に歩いて付いて来てるけど。マジで一緒に来るんだな。縄張りは? お役目は? 仲間は?
まあいいか。来るなら来るで、しっかり受け入れてやろう。それが飼い主の責任だ。俺は捨てたり暴力振るったりはしないからな。当然だが。
囮とか、盾役は他に居るからな。スカウトのスイチクンのように動いてもらう事はあるかもしれないけど。哨戒任務担当って事で紹介しようかな。
……
何だろう。気のせいかもしれないけど、嬉しそうに俺の後ろを少し離れて歩いてるけど。首輪も、リードもないけど、お互い二足歩行だけど、普通に犬を散歩してる気になるな。
すげーな。コボルト。これが特性か?
よく言う事を聞く、しっかり躾られた飼い犬のようだ。なんか嬉しい。ゴブリンじゃないからか? 雌だから?
それもあるだろうけど、やっぱり新たな仲間って感じがしていいな。嬉しいぜ。コボチャンがどう思ってるかは知らないけど。餌をくれるゴブリンって事でもいいな。
うん。全く問題なし。雑食なら尚よしだけど、これも試すしかないな。
あっ。皆に先に伝えておこう。いきなり連れてったらびっくりするだろうしな。うん。
取り敢えず、1度戻ろうかな。それともコボチャンの性能を確かめるべく、ちょいと狩りをしてみるか。性能って言ってもそっちの性の能力じゃない。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
やっぱり雌ならなんでもやりてえのかな。俺、ゴブリン。それが専門職?
「ガルルルルッ」
「ん? どうした、コボチャン。いきなり唸って」
はっ! 索敵能力は俺の雄雌感知嗅覚より鋭いのか? 犬だけに、ゴブリンには負けんってか。魔犬だけに?
……
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写と他もすべて架空です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる