人類を滅ぼすのが使命みたいなんですが種族がゴブリンってのはないんじゃないでしょうか

復活のおたけさん

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新たな魔法

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 俺より高性能な嗅覚の持ち主、コボルトのコボチャンが唸った先に居たものは、……。

 人間の雄だった。しかも3人も居た。

 まだこちらには気付いていないようだが、しっかり武装までして、防犯の見回りと言うより魔物を探してるような雰囲気だ。

 やる気満々で、殺る気も満々って感じで殺気立っている。野郎なのに。いや、野郎だからか。

 そう、さっき立っていたんだろう。こんな世の中になっても立つものは立つ。そしてやる事はやってるって事だろう。こんな世の中になってるからか?

 それが合意の上かどうかは気になるが、特定の相手が居るなら羨ましいが、お店であったら感想を聞いてみたいが、そこん所はどうなんだろうか。なんて考えてしまう俺、ゴブリンです。

 思考を落ち着かせる為には必要な行為。それが得意な分野での妄想。

 ちょっと同じ場所に居過ぎたか。あれは仕方なかったんだ。愛犬とのコミュニケーションは必要だ。撫で撫でさせてくれたしな。ぐっぎゃあ~。


「ナイスだ。コボチャン。よく先に発見してくれた」

「ガウッ」

「少し身を潜めるぞ。こっちだ」

「ガウッ」

 こいつ、マジで俺の言葉が分かるような反応してくれるな。い奴じゃ。堪らんちん。勿論、ちんこは無反応。

 俺だけなら気付かれる事はないと思うが、これはコボチャンの為。さっと移動して奴等の死角となる場所に一旦避難。そして刺客となるべく行動するのだ。


「いいか、コボチャン。あれは俺達の殲滅させるべき相手だ。人数は向こうの方が多いが、不意を突ければ多分大丈夫だと思う。

 それはいいが、コボチャンの戦闘力が分からないから、まずは相手に近付き過ぎないように前後左右に揺さぶってくれるとありがたい。出来るか?」

「……ガウ?」

 分からないって感じか。そりゃそうか。

「無理に飛び込まなくていいから、奴等の周りで気を引いてくれればいいんだ。俺が声を掛けるまではそうしていて欲しい。

 1人で戦う必要はないぞ。俺が攻撃を仕掛けるからな。分かるか?」
 
「……、ガウッ!」

 さっきは分からなかったのか、首を傾けて『?』マークを出してた様だけど、今度は自分のするべき事は伝わったのだろう。声を抑えながらも、任せてっと言わんばかりに返事をしてくれた。しかも尻尾ふりふり付きで。可愛いぜ。

「よしよし。上手くいったらまたさっきのやつ食べさせてやるからな。食べ過ぎはダメだけど、空腹ならいつでも言うんだぞ」

「ガウガウッ!」

 更に激しく尻尾を振るコボチャン。千切れるぞ。

「お、おお。よしよし。いい子だな。コボチャン。俺の力を見せてやるからな。くれぐれもあいつらに近付き過ぎるなよ。攻撃が当たると不味いからな」

「ガウッ!」

 くう~っ。そんなに嬉しかったのか、餌が欲しいのか、食い付きが半端ない。俺が食われるかと思ったぜ。

 コボチャンに食われるなら本望だが、出来ればちんこの方を上手い事牙を立てずに食い付いて欲しいぜ。

 あっ。それをオナペットと言うのか。また1つ賢くなってしまったな。俺、ゴブリン。まだまだ成長の余地は大きいようだ。ちんこは小せえけど。


 物陰から奴等の様子を窺ってシュミレーション。どう料理してやろうかな。こっちは1撃ももらわずに。

 恐らく近所の消防団か何かだろう。お揃いの法被はっぴ着てるし、武装と言っても大した装備じゃない。

 当たれば痛そうな釘バットとかバールのような物とか持ってやがるが、ファンタジー要素がなけばどうと言う事はない。当てられるつもりもないがな。

 よし。

 コボチャンの性能を確かめつつ、魔法のオンパレードで行ってみるか。決してコボチャンにいい所を見せたいってだけじゃない。

 なんとおっ!

 魔法が増えてやがった。しかもレベルも上がってた。残りの使用回数を確認しようと思っただけなのに。

 きっと、無職の時のレベルになるまでは、強くなったっていう実感は得られないのだろう。比較すると身体的には今一だからな。マジシャンは。

 それは仕方ないが、何ナニぃ。おっ、なにぃ。ぷっ。オナニーってよ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 違った。今はそっちじゃねえや。やいやい。つい興奮するとそっちに行っちまうな。ゴブリンだけに。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


 レベルが2つ上がったからか?

 新属性の土魔法が追加されて、使える魔法も2つ追加。

 ゴブリンサンディング(4)
 ゴブリンクレイバレット(4)

 か。回数はこれまでの法則通り、初期の『3』から1つ増えて『4』と。名前も分かり易くていいな。ゴブリン向けか? ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 砂による目潰しと、土弾って所だろう。土でも塊なら痛いだろうし、石なら更に威力は上がるだろうな。でもまだ土なんだろう。最初だし。ゴブリンだし?

 子供の遊びじゃねえけど、地味に効くよな。こういうの。支援にも使えるだろうし。これなら嫌な相手にはなれる自信があるぜ。既に匂いだけでなってるか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 で。

 次のレベルアップで属性の追加はなくて、火魔法の種類が1つ増えてるって感じかな。初期回数のままだしな。

 ゴブリンファイヤーアロー(3)

 しかもゴブリンファイヤーとゴブリンフレイムの回数は『7』へと増加。さっき使った回数も回復してんじゃん。使うと減るもんな。ステータスの値。


 て事は、ゴブリンマジシャンの使える属性は4種類。以降はレベルアップ毎に使える魔法の種類と回数が増えて行くっぽいな。

 ふむ。いいじゃん。分かり易くて。

 雷魔法とか闇魔法とかも使いたかったけど、それは仕方ないだろう。この先に待ってるかもしれないし。先に殺られちゃうかもしれないけど。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


 レベルアップで魔法の使用回数がリセットされるのは大きいな。間違いなく俺のゴブ棒よりは大きいだろう。

 つまり、使い切ってもレベルが上がればまた使えちゃうって事だ。睡眠は必要だが、回復させる為に眠る必要なし。嬉し過ぎるレベルアップシステム。俺だけか?

 そうだといいのにな。弱々ゴブリンだけの特権とかにして欲しいぜ。

 4属性使いのマジシャン。かっけーじゃん。

 なら、それを使ってガンガン行こうかね。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

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