人類を滅ぼすのが使命みたいなんですが種族がゴブリンってのはないんじゃないでしょうか

復活のおたけさん

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意思の疎通

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 不穏な空気が流れた気がしたから、コボチャンを避難させる事にしたのだが、特に非難される事もなかった。良かったぜ。

 俺が殺った奴とコボチャンが噛った若雄の血を浴びて、これまでの勢いとは段違いに形成されて行った人体骨格模型。ホラーは得意じゃありません。ゴブリン怖~い。ぐぎゃ~


 大人だな。それなりの身長があるようだ。ちん長は分からないのが残念だが、雄か雌かの区別も俺にはつけられない。ゴブリン無知ですから。残念。

 でもないな。骨に興味なし。グロいし、シュール過ぎる。骸骨とか身に付けてる奴の気が知れん。見掛けたら速攻ぶっ殺してやるぜ。お望み通りにな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 はあ。落ち着いた。


「よし。コボチャン。良くやった。じゃあ、行くか」

「ガウッ!」

 流石だ。コボチャンもスケルトンには興味がないらいし。犬なのに。骨に抗えるコボルト。それがコボチャン。

 スケルトンも、まだ動きは見せないが、襲って来るって感じでもなかった。ただそこに立っている。そんな感じだった。俺のちんこと大違い。

 言葉には気を付けつつ、早くこの場を離れたいと思うゴブリン。ただ早くやりたいってだけじゃない。こんなアンデッドな敵は作りたくないのです。見逃してくれよ~

「……」

 表情が全くないからナニも分からない。伝わらない。スケルトンって大変だな。眼球もないから、当然目の所は空洞で、見詰めるとぞっとしてしまう。これが本当の、ゴブリンいや~


「そっちの吹き出した奴はお前にやるな。お陰で直ぐに復活できたようで良かったな。その代わりこっちの奴は戦利品として回収させてもらうぞ。いいよな。まあ、反論は認めんが」

 俺、聞き分けのいいゴブリン。一応初対面でも最低限の気は使える魔物です。襲って来て欲しくないしな。でも舐められたくもないからこんな口調になりました。

 ちんこなら別だが、スケルトンには無理だろう。それに嫌。


 まあ、こんな奴等にやられてたんだし、襲って来たとしても返り討つ自信はある。

 鼻もないから匂いで追って来る事も出来ないだろう。この若雄も動きは遅いって言ってたし、ゴブリンの足でも逃げられるはず。

 それに、俺にはゴブリンフレイムもある。攻撃して来たら速攻燃やしてやるぜ。いつでも来な。ぎゃっぎゃっぎゃっ。でも、夜は止めてね。多分怖いから。ぐぎゃあ~

「……」


 ちっ。こんだけ待ってるのに全く反応がない。只のスケルトンのようだ。だから速攻回収。これはコボチャンの。

 ……

 ちっ。目はないはずなのに、なんか視線が気になるぜ。この骸骨野郎。まだ野郎と決まった訳じゃないけど、どうでもいいや。

 俺の火魔法が効かなかったらどうしよう。コボチャンはもう処女じゃないし、聖水なんて持ってない。

 ああ、そうか。ラナが軽い浄化効果のある魔法を使えるようになったって言ってたな。こいつの為か。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 そうかそうだ。それなら全く怖くなさそうだ。ナニがあっても返り討ち。てやんでえ。いざとなったら浄化しちまうか。でも向かって来るなよ。ぐぎゃ~


 俺も次の転職ではヒーラーになって取得しとこうかな、浄化魔法。自分で浄化されないように注意は必要だろうが、聖魔法を知る為には自分で取得するのがいいかもな。

 響きも素敵だし。性の為の魔法って。精でもいいし。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 真面目に戦闘中でも回復できるのもありがたい。流石にスナック菓子は食えんだろう。食えるかな? ……

 ま、まあ、そうする事にしよう。回復魔法なんて、あって困るものじゃない。はずだ。

 よし。

 余計な時間を使ってしまったぜ。ナニかアクション起こせよなってか? でもそのままじっとしてくれてた方がありがたいかも。

 もういいよね。遺体を1体回収したけど。

 ……

「じゃあな。お互い人間の殲滅頑張ろうな」

 カクカク カクカクカクカクカクカク……

 うおぉっ! ちょードン引きゴブリン。

 ずっと無視されてたのに、ここに来てアクション起こしやがったー! ちょー怖かったー! びびったー!

 しかも、頭を上下に動かした反動で、顎がカクカクすげー鳴ってるんですけどおーっ! 止めてーっ!

 すっげーこえー! マジこえー! ホラーやー!

 あっ。

 まだ顎がしっかりはまってなかったみたい? 完全復活まではそれなりに時間を要するのかも?

 自分の骨の両手でガキッてはめてました。外れた顎を。それはそれでシュールだな。やいやい。

 おっ? ナニをするんだい? 骨が更に動き出したぞ。

 骨の右手を挙げて、

 その手をゆっくり左下に振り下ろして、

 同時に頭も下げてくれました。

 ほう。

 オジキか? 御辞儀か。姿勢もいいから、どことなく礼儀正しく、執事がやってるっぽく見えたみたい? 幻覚か? 厳格化?


「それは、お礼って事でいいのだろうか。スケルトン、さん?」

 カク カク

 すっと頭を上げて姿勢を正し、こくりこくりと頭を2回上下に動かした。今度は顎は鳴らなかった。良かったな。お互いに。もうびびらせんなよな。


「お、おう。なんかやけに礼儀正しいスケルトンさんだな。まあいいや。人間殲滅の序でだっただけだ。気にするな。じゃあな。さっきも言ったけど、お互いに頑張ろうな」

 すしゃっ!

 はっ? そんな素早い動きが出来るのか?

 なんて思える速度で右手を大きく挙げるスケルトン。小学生か! サイズは大人、心は子供? 違うか。骨だしな。出汁は取れるかも? ぎゃっぎゃっぎゃっ。こえー。


「は、はい。スケルトンさん。なんか言いたい事があるのかな?」

 思わず生徒を指名する先生のような気分で聞いちゃった。恐怖に堪えるには、これしかなかったんだー! ゴブリン必死の発言。

 カクカク

 あ。やっぱりナニかあるんだ。面倒だな。骨だけに。コミュニケーションには骨が折れそうだ。なんてな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。でも、面倒なのは本当です。

 コボチャンみたいに聞き分けがよくてまんこの気持ちいい魔物だったら良かったのに。残念過ぎる。流石に骨とはやれないぜ。流石にな。ぐぎゃあ~

 だが!

 礼儀正しい魔物は嫌いにはなれないゴブリン。それが俺。

 線引きの基準はない。その時の気分です。

 やりまくってすっきりしてたから、気分は良かったんです。これもコボチャンのお陰です。ありがとう?

 だから場所を変えて少しコミュニケーションを図る事にしてみた。やる事はやる。やれる時はやる。これも一期一会だと思うから。


 怖いって気持ちは当然ある。初めての相手だから尚更に。でも、お互い魔物だし、なんか嫌いになれないっぽい気もしなくもない。弱いから?

 見た目と動きはシュールだけど、雰囲気は格式があって悪くない? お上品なスケルトンはそこまで怖くない?

 ゴブリン弱々だから、例え相手が弱々でも味方は多い方がいい。そういう理由もあったりして。そんなゴブリンは嫌いですか?


 仲良に出来るのならだが、スケルトンなら、それなりに働かせてもブラックなんて言われる事はないだろう。それもあるある設定。だといいな。

 既にホラーなだけに、ナニをやっても許されそうな気配はある。不穏な気配だけど、勿論、毛は生えてないけど。



 やっぱり、何故か俺の言葉は通じてるみたいな反応を示すスケルトンさん。

 雰囲気から、大人と言うより、目上のおっさんぽい? 紳士かな? 怖いって気持ちが勝ってるからかもしれないが、飼うつもりはない。


 コボチャンとは意思の疎通は出来なさそうだった。

 ガウガウとカクカクで似てるけど、それは言葉じゃないから当然だった。俺もグギャグギャ言ってるだけのはずなのに、人間にはそう聞こえても、ゴブリン以外の魔物にも言葉が通じてるっぽい。

 これも『ファーストネームド』とか『ネームド』特有のものなのかもしれないが、確かめる要素がない。いつか会えたら分かるだろうけど、敵対されない事を願いたい。

 で。

 やっぱり名前を付けてみた。名付けの達人。いや、嘘を吐いちゃいました。ゴブリン反省。

 骨に興味はないから『スケルトンさん』の『スケサン』になった。カクカクしてるけどスケサン。1人だし、御老公も居ないけどスケサン。

 カクサンの方がそれっぽいけど、出してる音と一緒の名前ってのもね。流石にね。次があるならカクサン1択だけど、そんな拡散は要らん! ってか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 本人が気に入ってるようだからいいと思う。猛烈に頭をカクカク言わして喜んでた。怖かった。

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