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プロローグ
ファイナル学園
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平凡だった。むしろデスゲームなんか起きないかななんて思っていたくらいだった。でも、実際死を目の前にすると、こんなにも恐ろしいものなのだったなんて。自分たちの行動で世界の未来が決まるのなんて。
「おはよ~」
朝練の前。鳴り響く挨拶。校門を通る自転車。春の暖かな風。小鳥の鳴き声。軽トラの走る田んぼ道。
平凡だった。生きがいなんてなにもなかった。学校では、みんなと仲良くしていたが、家に帰ったら人と関わることなくゲーム。
携帯があれば生きていける。いっそニートにでもなってやろうか。平凡な毎日が変わらないのかなとか、デスゲームでも始まらないかななんて思っていた。
入学式が終わって1週間くらい経った。
2年生としての1年が始まって間もなく、世界滅亡のタイマーは始まっていたのだ。
1時間目、国語。先生が一方的に話して、板書をうつす。眠気を誘うつまらないこの授業で、僕は窓際の校庭側の席で寝ていた。夢を見ていた。
今、アメリカがなくなりました。
今、ブラジルもなくなりました。
今、オーストラリアもなくなりました。
今、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸全体がなくなりました。
今、アフリカ大陸が少しずつ消滅していきます。
今、ユーラシア大陸の半分が吹き飛ばされました。
…
…
…
今、地球の消滅を
確認しましtmpgjtptatjmw………
声は消えていった。ぼやけている視界の奥には本校の校長室が見えた。
左隅に置かれたテレビの電源が入った。
そこにうつったのは、赤い戦隊モノの格好をした人間?人?みたいなのだった。
「世界を救えるのは…」
「君だ…」
そう言ってその光景は遠ざかっていく。
「どういうことだ!待て!待て待て待て!おい」
そこで夢は終わった。
怖い夢を見てたかのように、暑くもないこの教室で僕は汗をかいていた。
「俵田君。大丈夫?集中して」
「すいません。」
先生が今まで寝ていたことに気がついて、にらんできた。
僕は、教科書を開けて、何気なく隣の窓から校庭を覗いた。
すると、さっきの戦隊モノの格好をしたやつがいて、ATフィールドのようなバリアを学校に張っていた。
「!?」
思わず僕は立ち上がった。
「俵田君!落ち着きなさい!」
先生はすかさず僕に反応した。
「すいません、昨日から下痢で。トイレ行ってきます」
そう言うと先生の有無を聞かずに廊下を走った。
先生に言ったトイレを通り過ぎて2階へ続く階段を下り、また1階へ続く階段を下った。職員室が近いため気づかれないように、足音をたてずに校庭に近づいた。
戦隊モノの格好をしたやつは、バリアを張り終え、力尽きたようで、その場に倒れた。急いで走っていくと、戦隊モノの格好をしたやつは案外小さく20cmくらいだった。
「おいお前、どーしたんだよ!」
「侵略軍が…」
戦隊モノの格好をしたやつは訳の分からないことを言い出した。
「俺は、レッド。救命軍の軍員だ。この学校に隠されている飛水晶を求めて来たのだが、侵略軍がミサイルを発射し、地球を滅ぼした。俺がバリアを張って助かったのがこの学校だ。」
よく分からないが、大変なのは分かった。
「この学校に何人人間がいる!」
レッドが問う。
「生徒が90人くらいで、教師が10人くらいです」
「そんなに少ないのか!?」
「はい…」
「どうしてこんなところに飛水晶が…」
レッドの顔から表情は分からないが、焦っているのが何気に分かった。
「この学校にいる全員をここに集める方法はあるか?」
「ある。あるある!ある!あります!」
そう言って、僕は職員室まで走った。
「先生!大変です。この学校にいる人全員をどんな理由でもいいので校庭に集めてください!」
先生はすごく驚いていた。
「俵田君?どうしました?落ち着いて事情を説明してください」
「事情は後で説明します。早く、校庭にみんなを!僕は本気です!」
必死に危険を伝えた。
デスゲームはウェルカムだったが、こんなに死を隣り合わせにすると恐ろしいなんて、
「わ、わかりました。おふざけじゃないようですね」
そう言って、隣の放送室へ先生は向かった。
「緊急放送です。校庭にすぐに移動してください。避難訓練では無いですが、おふざけの無いように走らず移動してください」
先生はこれを2回繰り返した。
校庭に生徒達が出てきた時は、ザワザワしていた。
そりゃあ、バリアが張られている校庭なんて見たことないだろうし仕方ないのだろうけど。
みんなが集まったところで、教頭が話し始め、レッドが前に出ると、みんな最初は笑ったが、不思議そうに話に耳を傾けだした。
「おはよ~」
朝練の前。鳴り響く挨拶。校門を通る自転車。春の暖かな風。小鳥の鳴き声。軽トラの走る田んぼ道。
平凡だった。生きがいなんてなにもなかった。学校では、みんなと仲良くしていたが、家に帰ったら人と関わることなくゲーム。
携帯があれば生きていける。いっそニートにでもなってやろうか。平凡な毎日が変わらないのかなとか、デスゲームでも始まらないかななんて思っていた。
入学式が終わって1週間くらい経った。
2年生としての1年が始まって間もなく、世界滅亡のタイマーは始まっていたのだ。
1時間目、国語。先生が一方的に話して、板書をうつす。眠気を誘うつまらないこの授業で、僕は窓際の校庭側の席で寝ていた。夢を見ていた。
今、アメリカがなくなりました。
今、ブラジルもなくなりました。
今、オーストラリアもなくなりました。
今、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸全体がなくなりました。
今、アフリカ大陸が少しずつ消滅していきます。
今、ユーラシア大陸の半分が吹き飛ばされました。
…
…
…
今、地球の消滅を
確認しましtmpgjtptatjmw………
声は消えていった。ぼやけている視界の奥には本校の校長室が見えた。
左隅に置かれたテレビの電源が入った。
そこにうつったのは、赤い戦隊モノの格好をした人間?人?みたいなのだった。
「世界を救えるのは…」
「君だ…」
そう言ってその光景は遠ざかっていく。
「どういうことだ!待て!待て待て待て!おい」
そこで夢は終わった。
怖い夢を見てたかのように、暑くもないこの教室で僕は汗をかいていた。
「俵田君。大丈夫?集中して」
「すいません。」
先生が今まで寝ていたことに気がついて、にらんできた。
僕は、教科書を開けて、何気なく隣の窓から校庭を覗いた。
すると、さっきの戦隊モノの格好をしたやつがいて、ATフィールドのようなバリアを学校に張っていた。
「!?」
思わず僕は立ち上がった。
「俵田君!落ち着きなさい!」
先生はすかさず僕に反応した。
「すいません、昨日から下痢で。トイレ行ってきます」
そう言うと先生の有無を聞かずに廊下を走った。
先生に言ったトイレを通り過ぎて2階へ続く階段を下り、また1階へ続く階段を下った。職員室が近いため気づかれないように、足音をたてずに校庭に近づいた。
戦隊モノの格好をしたやつは、バリアを張り終え、力尽きたようで、その場に倒れた。急いで走っていくと、戦隊モノの格好をしたやつは案外小さく20cmくらいだった。
「おいお前、どーしたんだよ!」
「侵略軍が…」
戦隊モノの格好をしたやつは訳の分からないことを言い出した。
「俺は、レッド。救命軍の軍員だ。この学校に隠されている飛水晶を求めて来たのだが、侵略軍がミサイルを発射し、地球を滅ぼした。俺がバリアを張って助かったのがこの学校だ。」
よく分からないが、大変なのは分かった。
「この学校に何人人間がいる!」
レッドが問う。
「生徒が90人くらいで、教師が10人くらいです」
「そんなに少ないのか!?」
「はい…」
「どうしてこんなところに飛水晶が…」
レッドの顔から表情は分からないが、焦っているのが何気に分かった。
「この学校にいる全員をここに集める方法はあるか?」
「ある。あるある!ある!あります!」
そう言って、僕は職員室まで走った。
「先生!大変です。この学校にいる人全員をどんな理由でもいいので校庭に集めてください!」
先生はすごく驚いていた。
「俵田君?どうしました?落ち着いて事情を説明してください」
「事情は後で説明します。早く、校庭にみんなを!僕は本気です!」
必死に危険を伝えた。
デスゲームはウェルカムだったが、こんなに死を隣り合わせにすると恐ろしいなんて、
「わ、わかりました。おふざけじゃないようですね」
そう言って、隣の放送室へ先生は向かった。
「緊急放送です。校庭にすぐに移動してください。避難訓練では無いですが、おふざけの無いように走らず移動してください」
先生はこれを2回繰り返した。
校庭に生徒達が出てきた時は、ザワザワしていた。
そりゃあ、バリアが張られている校庭なんて見たことないだろうし仕方ないのだろうけど。
みんなが集まったところで、教頭が話し始め、レッドが前に出ると、みんな最初は笑ったが、不思議そうに話に耳を傾けだした。
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